世界観

ページ名:世界観

 ラクシアの何処とも知れぬ未開の土地。魔法文明時代のものとされる遺跡型都市それが、冒険の舞台となる地、”ドーム”である。

 この地《大破局》より長く続いていた人族と蛮族の戦いは熾烈を極め、あまたの命が生まれては消えていった。果ての見えない闘争の日々は、互いの怨恨を募らせ、そして何よりも人々の心を病ませていった。始まりはちょっとした責任の押し付け合いや、限られた資源の配分への不満だったのかもしれない。やがて、彼らは敵を外だけでなく内にも作り、人族と蛮族というくくりすら消え、それぞれの勢力の中でさえも、争いが発生するようになっていた。あの日までは。

 ある時、”ドーム”の地下深くより、魔神の軍勢が現れて、人族と蛮族双方に一斉に襲い掛かった。それは、ひどく残酷で、苛烈な殺戮だったと伝えられている。そして、共通の敵が現れた時初めて、人族と蛮族は手と手を取り合ったのだ。彼らの内輪もめの背後に、魔神の影が見え隠れしていたからかもしれない。

 誰もかれもが死に、人族と蛮族とが合わせて数千人の数になったころ、魔神の王を打倒し、平穏は訪れた。生き残った彼らは、それぞれの種族から代表者を出し、”多頭竜会議”を設立。”講和の儀”を締結。ようやくこの地に平穏は訪れたのだ。

 そして、”共通歴”を制定してより15年。決して長くない平和に、不穏な影が忍び寄ろうとしていた。

 知性ある命は、苦境を脱すれば、より良い何かを求め始める。生命体とは、相争うものなのだろうか? もとより、共通の敵が現れるまで互いに憎しみを募らせていた者たちが、そう、たやすくわだかまりを捨てることなど、できなかったのかもしれないーー。

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