■プロローグ■
平凡な男子高校生だった小鳥遊恵介はある日トラックに跳ねられて死んでしまう。
死と死後の世界の間の空間で恵介は天使の様な存在に出会う。
話を聞くと恵介が死んだのは、天界の人間運命管理部署の手違いであり、
本来はきょう死ぬ運命にはなかったのだと言う。
しかし、この世界での死亡は確定してしまったので、もう元の世界で生き返ることはできない。
代わりにファンタジーな異世界で復活してもらう事になったと言う。
恵介「ファンタジーな世界というと……モンスターが居たり?」
天使「はい! モンスターの討伐を請け負う冒険者たちも居ます! どうです、血湧き肉躍るでしょう?」
恵介「仮にだけど、その世界で俺がモンスターか何かに殺されたら……」
天使「その時は今度こそ間違いなく死後の世界にお送りします!」
恵介は考えた。
特に秀でた能力を持っているとは言えない自分がそんな世界に行っても、
活躍するどころかモンスターの餌になって人生を終えるのが関の山ではないだろうか。
恵介「復活しなくていいです……」
天使「え」
恵介「別の世界で一からやり直すなんて大変そうだし……危険もありそうだし……」
天使「え、いや、そこを何とか生き返ってもらうわけには行きませんか、そうでないと私が上司からお叱りを受けるんです」
恵介「ええ……そんな事言われても……」
天使「じゃ、サービスで何か能力なりスキルなりをお付けします! そうですね、魔法が使えるとかどうです?」
恵介「ファンタジー世界なんでしょ? それって割とありふれた能力なんじゃ……」
天使「いえいえ、ファンタジー世界ですが、魔法を使える人はとても珍しいんです! エリート能力ですよ!」
恵介「もう一声……何かないですか」
天使「じゃあ最高級の魔法適応能力に、さらに【魔法の申し子】スキルもおまけします! レジェンド級のスキルです!
ここまでサービスできるのは今だけです! どうですか!」
恵介「じゃ、それで」
こうして恵介は異世界に転移し、最高クラスの魔法使い冒険者として活躍し、ある程度の財産を得た。
しかし何もかもがなろう小説のようには行かなかった。
恵介には女運がなかったのだ。
冒険者たちとのつながりはできたが、だいたいはゴツいおっさんであった。
町の娘たちとは何を話題にしていいか分からなかった。
娼館に行けばHはできたのかも知れないがなんか恥ずかしくて行けなかった。
そんな経緯があって、恵介は女奴隷を買おうと言う結論に到達した。
幸いこの世界では人が奴隷を所有することは割と普通のことで、別に白い目で見られるようなことでは無いらしかった。
恵介は意気揚々と奴隷商人の元を訪ねた。
■ 奴隷商人との会話 ■
奴隷商人「いらっしゃい、奴隷をお探しで?」
恵介「はい」
奴隷商人「もちろんお売りしますが、月に2度開いてる奴隷市に来ていただいたほうが品揃えもいいし、お得に手に入る可能性もありますよ」
恵介「いえ、急に思い立ったもので……」
奴隷商人「ふむ、失礼ですがご予算はどれぐらいで?」
恵介「相場を知らないのですが、金貨1000枚で買えますか」
奴隷商人「ほほう、なん人必要ですか」
恵介「一人」
奴隷商人「十分すぎますが、それほどの財産を持っていらっしゃるので?」
恵介「俺、冒険者としてちょっとは有名なんですが」
奴隷商人「お名前を伺っても?」
恵介「タカナシ・ケースケ。最近はマスターウィザードとも呼ばれてます」
奴隷商人「……失礼しました。その名は聞いていますとも。ただ、姿までは知らなかったので……さて、どのような奴隷をお求めで?」
恵介「どのような奴隷を、って……」
奴隷商人「ええ、どのような奴隷をお求めなのか言っていただかないと」
恵介「……若い女奴隷を……」
奴隷商人「ああ、たくさん取り揃えておりますよ。見た目にもこだわりますか?」
恵介「……はい……」
奴隷商人「好みはありますかな? どれを選んでもご満足いただけるとは思いますがね。
どれもよく調教されていて、男を喜ばせるすべを知っているのばかりですよ」
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