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ファティマ(Fatima)は、永野護の漫画『ファイブスター物語』(FSS)に登場する有機的人造人間である。
正式名称はファティマ・ファティス(Fatima Fatis)。騎士(ヘッドライナー)と共に戦闘兵器モーターヘッド(MH)をコントロールするのが主な役割である。
FSSの三大ヒロイン(ラキシス、アトロポス、クローソ-)が全てファティマである事から判る様に、物語の重要な要素となるキャラクターである。元々はFSSの原型となったアニメ『重戦機エルガイム』の企画段階でも、ロボット兵器「ヘビーメタル」の頭脳として登場する事が永野により構想されていたが、採用されなかった経緯がある。
星団暦2310年、科学者リチウム・バランスによって、出力コントロールなどのシステム制御が困難なMHを騎士に代わって制御する為に作られ、リチウムが領主を務めるデルタ・ベルン星フェイツ公国に於いて公開された。リチウムの祖父ウラニウム・バランスが提唱した「生体演算理論(騎士の驚異的な反応速度を高速演算処理に利用する)」を基本コンセプトとしている。そのため間違いなく騎士の力を持って生まれる様に、全てのファティマは、数度の睡眠期を経て星団暦まで生き残った最後の「純血の騎士」ナッカンドラ・スバース(ファティマ初公開時にはフェイツの騎士団長の地位にあった)の遺伝情報をベースにした胚から作られており、いわば全てが姉妹とされる(初期の大量生産ファティマは全てリチウムの創ったオリジナル胚のクローンだったが、やがて生産技術者の中から情報をデコードして独自改良を行うものが現れ、彼らがファティマ・マイトの魁となった)。ファティマはほぼ全ての個体が女性型である。生物の男性は女性から分化する為であり、本来人間は出生までの生存率が女性と比べて男性は低く、ファティマではその傾向が顕著となる上、性差による体力等の差も無い。また生殖機能も削除されていることから、男性型ファティマが作られることは極めて稀である。
人間とほぼ同じ身体を持ちながら、スーパーコンピュータをも凌駕する演算能力と情報処理機能を与えられており、MHの制御を行う。騎士と共にMHに搭乗し、頭部に移植された「ヘッド・コンデンサ」を介してモーターヘッドと情報のやり取りを行い、騎体各部の制御全般を行う。ファティマの搭載によって騎士はMHの操作のみに専念出来る様になり、その潜在的能力を完全に引き出す事が可能となり、MHは真に最強兵器としての完成を見た。ただし、通常の無機コンピューターと違い有機的であるため「物忘れ」はある。純血の騎士であるスバースの細胞から作られている為、騎士には及ばないものの、通常の人間を遥かに凌ぐ肉体能力を併せ持つ。
彼女(彼)らは非常に美しい容姿を持ち、例外なく痩身で、成長を止められた後は外見上は全く老化しない。そのため彼女たちに惹かれ、私的なパートナーとする騎士も少なくない。また生殖機能は持たないが、性交は可能である(作中のクローム・バランシェの言葉によればファティマの出産例もいくつかあり、そのうちの一人が剣聖ダグラス・カイエンである)。
ファティマの設計と育成には特有の能力と専門の技術が必要であり、その専門家はファティマ・マイトと言われる。ファティマは生物的には人間とほぼ同じであるため、その育成・治癒技術は人間の再生医療にも広く応用されており、ファティマ・マイトは医師の頂点でもあると言われている(当然医師免許も保有している)。マイトの主な仕事は工場製ファティマの基本フォーマットの改良であるが、自らの手でファティマの育成を手掛ける事もあり、特に高名なマイトによるものは「銘入り」と呼ばれる。またモーターヘッド同様、ファティマも定期的なメンテナンス(主にケミカルの調整や精神面でのカウンセリング)を受ける必要があり、それらメンテナンスを主に担当するファティマ・マイスターも存在する。ファティマ・マイトやファティマ・マイスターはいずれも専門職であり絶対数が少ないため、ほぼ全ての国家で敬意を持って迎えられる対象となっており、特に銘入りファティマを手がけるマイトともなると複数の国家首脳と個人的な繋がりを持つものが少なくない。
マイト製ファティマは自動車に例えれば市販車に対するF1カーの様なもので、能力は高いが安定性を欠くものが多く、扱う騎士側にも相応の腕が要求される。しかし、ファティマはサポートAIでありコ・パイロットでもあるので、ヒュートランやアトロポスの事例のようにファティマの能力が超絶的だと、騎士の技量が並でもファティマの側で足りない部分をカバーして、それなりの戦果が残せるようである(例外的だが、ファティマ単独でMHをコントロールできるものもいる)。このためファティマと騎士の間で信頼関係を構築できるかどうか重要になる。
MHの制御と言う点のみを見ればファティマの容姿が人間に近い必然性は無く、逆に非常に高いコスト(一人につき戦車100台、年間コストが数十億円)と不安定さをもたらしている。それを解消したのが、星団暦2300年代を代表する天才ファティマ・マイトであるガリュー・エトラムル博士の開発したエトラムルと呼ばれる非人間型ファティマである。巨大なミジンコの様な奇怪な姿をしており、純然たる有機コンピュータに近い。人間型ファティマのように突発的に高性能な個体は期待できないが、比較的安価で性能が安定しているなどの長所も多く、好んで使用する騎士団や騎士、MHマイトも多い。星団暦4000年代には騎士やマイトの血が薄れて能力が低下した事から、エトラムルが主流となっている。高名なファティマ・マイトの手によるエトラムルは美しい外見を持ち、銘に見合う性能を持つ。一方で、人間型ファティマはMHの制御のみに留まらず、情報収集や家事、負傷時の治療や連絡、性欲処理まで騎士の総合的なサポートを行い得るメリットもある。また、星団一のMHマイスターと名高いレディオス・ソープに言わせると、エトラムル搭載のMHの動きには優雅さが無いそうである。
戦闘などの外的要因を除き、十分なケアを行えば死ぬことも無いとされている。作中では最初に製造された4人のファティマの一人「ジ・インタシティ」が2997年に687歳という年齢で息を引き取るシーンが描かれている。ファティマの寿命に気付いたリチウム・バランスによりファティマの遺伝子の改良が行われたため、その後に制作されたファティマは、理論上は無限の寿命を持つとされる。
ファティマは一定年齢の外見に達するまで育成ポッドで育成され、必要に応じある成長段階で成長が止められそれぞれS・M・L型のタイプに分類される(いくつか例外もある)。
成長を止めた後はその容姿が大きく変化する事はない。
S型(少女・少年型・14~15歳程度)最も幼い段階で成長を止めたもの。成長に伸びしろの幅が見込めるものの、精神状態に不安が残る。星団で最も多いタイプ。M型(乙女・青年型・16~17歳程度)S型とL型の中間。S型に次いで多い。L型(成女・成人型・18~20歳程度)精神状態は最も安定しているが、成長の大幅な伸びは期待できない。ファティマの中で一番少ないタイプ。上記の相当年齢は全て地球人換算であるが(ジョーカー人の寿命は約300年)、ファティマは有機合成技術によりさらに生育が早められており数年から十数年で成体に達する。それでも成長段階につれ数が少なくなっているのは、成長に手間や時間が掛かり過ぎるためである。
能力を比較する基準として、フルゲージという区分がある。フルゲージはパワー・ゲージとクリアランスに分けられ、パワーゲージは機械的な測定によるランク分けで、クリアランスとは相対的な総合評価である。
特別に優れたファティマには最高級の証であるF(フローレス)が与えられる。多数のファティマが生産されているが、劇中などで公開されているフローレス・ファティマは過去を含め僅か10数体である。また、FFとSFはそれぞれクローソーとタイ・フォンの特別なファティマの固有のものとして設定されている。
パワー・ゲージやクリアランスで高評価を受ける個体はマイトの直接の設計・育成によるものが多く、ファティマ・ファクトリー製のファティマは能力はそれなりである。マイトの中でも高名なマイトによるファティマは極僅か(一人の生涯生産数は多くて数10体)であり、計り知れない価値を持っている。その為に多くの騎士や国家がその所有を競って殺到し、過去にはファティマを巡って決闘という流血の事件もしばしば起こった。
パワーゲージ戦闘能力・MH制御・演算性能・肉体耐久・精神安定の5項目で表される。D2以下は例外を除き廃棄対象となる。逆に戦闘能力で3Aは騎士レベルの強さとなり、全ての騎士にとって確実に制御出来る保証が無くなるため星団法違反となる。なお、クローソーについては、彼女の為だけに3Aを超える最強のランクである「VA」が特別に設けられている。3A戦闘力では騎士と同等2A超A級ランク(戦闘能力2Aで準騎士レベル)A通常の最高値B1B2一般的なファティマのランクC一般的なファティマのランクD1D2廃棄対象E廃棄対象クリアランスファティマの品質を表す。ダイヤモンドの透明度の基準値「クラリティ(Clarity)」が元になっている。多くの騎士は、より品質の高いファティマを求める。F(Flawless)厳密にはクリアランスとは違う別格扱いとする称号であり、特別に認められたファティマのみ与えられる。類似のものとして、クローソーにつけられた「FF」(Forever Fantastic Flawless)、タイ・フォンにつけられた「SF」(Silent Flawless)がある。VVS1(Very Very Slightly 1)最高級のファティマ。VVS2(Very Very Slightly 2)高品質なファティマ。VS1(Very Slightly 1)良質なファティマ。VS2(Very Slightly 2)平均的なファティマ。80%のファティマはここに属する。S1(Slightly 1)やや劣るファティマ。通常戦闘用としては使われない。S2(Slightly 2)廃棄対象、もしくは非人間型ファティマ(エトラムル)。ファティマの存在は星団法(記事「ファイブスター物語」の「作品用語」参照)で強く規制されている。彼女らは工場やマイトの工房で培養・育成され、高い教育と訓練を施された後、星団法に規定された様々な処置(「MHに搭乗したら戦闘を行い敵を殺害する」など、主に戦闘行為に関する思考を強制する「ダムゲート・コントロール」と呼ばれる思考制御プログラム、アイカバーとクリスタルの装着等)を経て騎士の需要を待つ。ファティマは彼女らを所有する騎士の動産と見なされ、人間と同様の人権は与えられない。
ファティマは基本的にMHのコントロールの為に騎士が所有するものであるが(所有者である騎士を通常「マスター」と呼ぶ)、優れた情報解析能力のためマスコミが所有する例もある。また主が騎士を廃業したり騎士権を剥奪されても、家政婦のような形で引き続き仕えるケースも稀にある。一部の豪族や貴族の中には、騎士ではないにも関わらずその権力により騎士の資格を偽造し、何らかの手段でファティマを手に入れる者もいる。このほか作中では、ファティマのダムゲート・コントロールを何らかの手段で狂わせ、一般人が偽のマスターとなってファティマ専門の売春宿を経営していた例もある。
ただしファティマの維持には、後述するアレルギーへの対策などの関係から、日本円に換算すると年間数億円程度の維持費が必要になる。騎士団所属の騎士の場合は通常騎士団側が維持費を負担してくれるが、フリーの騎士の場合は自ら維持費を賄う必要があるため、中には維持費を賄えずにファティマを手放さざるを得なかったり、最悪の場合ファティマが病気となり死んでしまうこともある。こういった費用面の問題もあり、一般人がファティマを所有することは現実的ではない。なおファティマスーツに多くの場合高額な宝石類が装着されているのは、ファティマの維持費が賄えなくなった場合にそれらの宝石類を売却することで一時的にせよ維持費を捻出できるようにするためとされている。
本来ファティマは非常におとなしく他者に従順な精神をもっており、ロボット工学三原則の様に人間に対する反逆を防止する制御も必要無い程だが、ダムゲート・コントロールによる戦闘行為の強制に加え、マスターとの人間関係が却って精神バランスの乱れを生じさせ、最悪精神崩壊を生じさせる危険があるため、マイトやマイスターによる定期的なケアが欠かせない。皮肉な事に、ファティマの人格を認めずあくまで兵器として扱う事で悪名高いノイエ・シルチスや黒騎士デコース等の方が、ファティマの精神的負担が少ないという点でむしろ理想的なマスターであると言われている。
仕えるべき主(騎士)のいないファティマは、その身を防衛する最低限の権利も許されていない。そのため、戦闘などで主を失い騎士や国家の庇護を失ったファティマ(「はぐれファティマ」と呼ばれる、言わば野良ファティマ)は、そのほとんどが若く美しい痩身の女性であることに加え、騎士への嫉妬心を煽る存在であるため、騎士の力を持たない一般人男性によって性的暴力を受けることも珍しくない(この点に関してはむしろ男性型ファティマの方が悲惨であり、男性型の作られる事が少ない一因でもある)。
ファティマに対するこうした世間の冷遇は、ひとつにはその永遠の美貌に対する世の女性たちの、そしてその美しいファティマを所有しうる騎士に対する世の男たちの羨望によるが、何より劇中でアトロポスが語っている様に、人間達を凌駕する知力と体力、そして長い寿命を持つ彼女らが、いつか創造主である人類になり替わり万物の霊長として君臨するのではないかという潜在的恐怖(いわゆるフランケンシュタイン・コンプレックス)に依る所が大きい。彼女らに生殖能力が与えられていないのもその現れである。
ちなみに1人の騎士が複数のファティマを同時に所有することも可能だが、通常騎士にとってファティマは(性的処理も含めた)パートナーであるという側面もあるため、実際に複数のファティマを同時所有している騎士は(「はぐれファティマ」を保護するために一時的に仮のマスターとなる場合を除き)極めて少ない。また騎士がファティマの所有を放棄する場合は、ファティマのヘッドコンデンサ(クリスタル)に指を当てた状態で「You seek your next.」(次のマスターを探せ)と命じることで、いつでも所有を放棄できる。
ファティマにはその性質上能力の個体差や騎士との相性があり、特定の騎士と組んだ場合に通常よりも高い性能を見せる(初期は国家資産であったが、比較的早い時代にその特性が発見された)。そのため状況が許される限りにおいてファティマ自身が騎士との相性を判断しその所有物となるかどうかを決めることが一般的となっている。それはファティマに認められている数少ない権利の一つとなっている。ファティマを求める争いの反省も踏まえ、公開して集まった騎士らの中からファティマが相手を選び出す式典を「お披露目」と呼び、特に銘入りファティマの場合は式は盛大に執り行われる。
お披露目の多くがアドラー星のトラン連邦共和国で行われるのは、史上初めてファティマに「マスター」と呼ばれた人物が、トラン連邦の前身の一つである旧レント国王ジェスター・ルースであった事が起源となっている。他にも騎士級の見届け人が3人以上いる場であれば、略式的に認められる慣わしとなっている。
このファティマと騎士との相性についてはほとんど解明されておらず、クローム・バランシェでさえ、ミッション・ルースやアイシャ・コーダンテといった奔放な人物を選んだ自分のファティマ達(メガエラ、アレクトー)について「ひどい奴の処にばかり行く。何を考えているのか解らない」と嘆いていた。単なる恋愛感情の様なものでは無く、ティータ(クリサリス家)や町(ビィ家)、イカロス(エックス・アトワイト家)の様に最初のマスターの子孫に代々仕えていくケースが多い事から遺伝的要因も大きく作用していると考えられるが、メガエラの様に幼児期の経験(ミッションに命を救われた)が強く影響したケースもあり、実際のところは不明。ただしこのような特殊な選択が行われるのは銘入りファティマの一部に限られるようで、一般的なファティマの場合は「お披露目に参加した騎士のうち最も強いものを選ぶ」のが普通である。
銘入りファティマのお披露目ともなると、星団各国から国家を代表するクラスの騎士が集まるほか国家元首・外相クラスの人物も多数参加するため、本来の目的であるファティマのマスター選び以外にも国家間外交における重要な場となっており、お披露目に先立ち毎日のようにパーティーが開かれるほか、首脳会談も多数設定される。逆に紛争を抱えている国家の首脳同士が顔を合わせることもあり、騎士同士の小競り合いが発生することも珍しくないため、周囲への被害拡大防止のためお披露目に参加する騎士がモーターヘッドを持ち込むことは禁止されている。
お披露目は、新規に育成されたファティマだけでなく、戦闘や病気等によりマスターを失った「ロストファティマ」や、諸事情により治療・再調整等が必要になりマイトの許に戻った「ブーメランファティマ」(主に「はぐれファティマ」だったファティマが、放浪期間中の怪我や精神的なストレスの治療のため、仮のマスターを決めた後マイトに戻される場合が多い)に対しても行われる。一方で国家が管理するファティマファクトリー製のファティマ(ファクトリーを所有する国家所属の騎士をマスターとする)や、マイトが特定の国家から特殊な目的で発注を受け開発するファティマ、マイトの独断で特定の騎士にファティマを嫁がせるケースなどもあり、必ずしも全てのファティマがお披露目を受けるわけではない。
なおマスターが決定すると、マスターとなった騎士はマイトに対しファティマの育成にかかった費用+αを支払う(基本的には騎士が所属する騎士団が肩代わりするが、フリーの騎士の場合は自ら支払う)。ただしファティマファクトリー製のファティマに関しては、そもそもファクトリーの運営費用を国家が負担しているため新たな費用は発生しない。新規に育成された銘入りファティマの場合その費用は数十億円相当にも達するため、お披露目に参加できるのは多くの場合国家を代表する騎士団に所属する(=それだけの費用を支払ってもらえる)騎士に限られる。貧乏な騎士は、費用負担が少なくて済む「ロストファティマ」や「ブーメランファティマ」に狙いを絞ってお披露目に参加することが少なくないとされる。
純血の騎士の細胞から作られているファティマは、騎士以上に劣性遺伝子のかたまりであるため特有のアレルギーを持っている。また、「一目で人間と区別できなければならない」、ファティマの美貌により一般人が劣情など誤った行動を起こさないよう「人前で素肌を晒してはいけない」「外部から瞳が見えてはいけない」など星団法上の規制もあるため、専用の服(ファティマスーツ)を纏っている。
ファティマスーツには成長タイプを即座に判断できるなどのメリットもあるが、対戦闘用の機能やファティマがアレルギーを起こさない高価で希少な天然素材(作中においては、ナイロンなどの化繊も動物の脂を精製して作られる為、天然素材に含まれる)などを用いるなどで日本円に換算して一着数億円という価格となっている。
ファティマスーツを製作する専門のマイスター(職人)も存在し、その特質からファティマ・マイトと同等の待遇を受けている。代表的なマイスターはシリーズ・サリアッカー・パナフランシス・シアン公爵夫人である。
グロスフェイスファティマが登場した当初のスタイル。ファティマの美しい顔は決して人に見られてはならないとされ、プラスチックの仮面の着用が義務付けられていた。鏡面的な仮面からグロスフェイスと呼ばれる。服装は機能優先の装甲を備えた戦闘スーツ。ちなみに『重戦機エルガイム』で構想されていたファティマも、世の女性の嫉妬を避けるために顔を隠しているとされていた。アイスダートスタイルグロスフェイスの時よりも規制が緩められたスタイル。仮面の代わりにアイコンタクトの装着が義務付けられ、長年に渡って続く規制となる。服装は機能優先の装甲スーツが主流だが、徐々にファッション性が備わるようになる。マンティック・モードアルセニック・バランス(クロームの母)が考案した、宇宙生活に適したファティマ・スーツ。マントを羽織るような感じで全体的にゆったりとした印象のデザイン。着用したファティマはタイ・フォンとダイオードが登場している。この両者は宇宙での活動を主目的に製作されたか、実際に宇宙生活が長いファティマである。デカダン・スタイルアイスダート・スタイルからさらに規制が弱くなったファッション。装甲スーツの機能性よりも、ブラウスやタイツなどを用いた軽装によって身軽に動けることに重点が置かれている。スーツによるS型・M型・L型の識別が重視されだしたのもこの頃から。原則として顔と手以外の素肌は見せてはいけないものの、タイツやソックスなど脚のラインが見える物は許され、末期には肌の透けるストッキングも用いられるなどさらに規制が緩くなっている。しかし有力な騎士団や騎士ではさらに羽目を外す者が出だし、さらに一般民がスタイルを真似をしだしたため、規制強化が行われることとなった。『重戦機エルガイム』時代から引き続き使用されているファティマ・ファッションで最初に発表されたモードであり、その後の基本となっている。プラスティック・スタイルデカダン・スタイルの規制を逸脱したデザインが多く見られるようになったことから、規制強化として星団暦3000年より施行されたファティマ・ファッション。性的アピールの排除などのため、顔以外は素肌が透けた状態で見せてはならず、髪もボンネットで覆うなど最低限の露出に限られるが、シアン夫人がそれに真っ向から対抗して規制を遵守しながら腕や脚までぴったりと覆った一体化型スーツを開発、全身のラインを強調する強烈なデザインとした。この時期からファティマのコンタクトレンズは取り外されることとなり、結果、夜行生物のように暗闇で光が当たると眼が光るのが確認できるようになった。また本スタイルに対応すべく、MHのファティマ・コクピットが新設計の物に更新されることとなった。ファティマを模倣したファッションがアニメや漫画に蔓延してきたことに永野護が反発して、全面的に改められたものである。カレント・スタイル戦闘用のプラスチック・スタイルが日常生活に適さないことから、戦闘時以外に着用するために設定されたスタイル。戦闘時や公の場に出る場合にはプラスティック・スタイルを着用するなど使い分けている。ガーメント・スタイルL.E.D.ミラージュ搭乗用の専用ファティマ・スーツ。ファティマの外見をすべて隠し、個体識別は不可能。宇宙空間での使用が想定されていたため、密閉スーツである。ビスケット・スタイル今後の物語で登場するスタイルで、現在のところ詳細は不明。詳細はバランシェ・ファティマを参照
詳細はモラード・ファティマを参照
※星団初のプロトタイプ・ファティマであるリチウム公の4ファティス(フォーカスライト・ニーヴ・SSL・インタシティ)のスペックは(星団暦2989年時点で)平均以下である。これは彼女達4人が全てのファティマの基本形であり、その後のファティマの性能向上を示しているからである。
アルセニック・バランスが製作したファティマは「風のファティマ」と呼ばれ、地球上の熱帯低気圧(ハリケーン・サイクロン・モンスーン・台風)の名から命名されている。星団歴3010年時点で彼女らが嫁いだマスターは全てコーラス王家に所縁のある人物(コーラス王家の始祖・家系を抹消させられた元王女・王家直系の王女・王家に嫁いで王女となった者)であり、剣聖ハリコン(故人)以外の3人の王女は纏めて「暴風三王女」と称されている。
1. ラ・ユリケンヌ(La,Hurricane)廃絶されたコーラス王朝メロディ家の末裔アルル・フォルティシモ・メロディのパートナー。魔導大戦ではハスハのナカカラに向かう途中に遭遇したセイレイ王女とアルルの低レベルな口喧嘩に巻き込まれてシクローン共々悶絶していた。ファティマスーツのデザインがアウクソーと同じなので間違えられやすい。スペック…戦闘B2・MH制御B1・演算B1・耐久B1・精神B1・クリアランスVVS1・タイプM2. ラ・シクローン(La,Cyclone)コーラス王コーラス4世の実の姉セイレイ・コーラスのパートナー。ヤンキーな性格のセイレイの為に色々と苦労している。スペック…戦闘A・MH制御B1・演算B1・耐久B1・精神B1・クリアランスVVS1・タイプM3. ラ・モンスーン(La,Monsoon)ミッション・ルースの実妹マロリー・ハイアラキのパートナー。金銭感覚ゼロのマロリーのお陰で長距離を歩かされたり、無理やりデカダンスタイルに着替えさせられてヒッチハイクをやらされるなど、ユリケンヌやシクローンに負けず劣らずの苦労を背負い込む。スペック…戦闘B1・MH制御B1・演算B1・耐久B1・精神A・クリアランスVVS1・タイプS4. ラ・オプチカル・タイ・フォン(La,Optical-Ty-phon)剣聖ハリコン・メロディのパートナーだったファティマ。SF(サイレント・フローレス)と呼ばれる特別な称号を持ち、特殊な任務を果たす為に製作された。ファティマとしての能力も併せ持つが厳密にはファティマとは違う別種の存在。ラキシスの母体ともなる「ダブル・イプシロン・ヒューマン」であり、DNAが環状となっている為にテロメアが無く、ほぼ無限の寿命を持つとされる。モナーク・セイクレッドの存在を確かめるためにクラウン銀河の中心、スターバーストと呼ばれる銀河の終結地点にいる。宇宙船事故に遭ったダイアモンド・ニュートラルの持つダブルマイトの資質を見出し、助け出したのも彼女である。スペック…戦闘-・MH制御-・演算-・耐久-・精神-・クリアランスSF・タイプM※工場製ファティマのスペックはB2(戦闘)-B2(MH制御)-C(演算)-B2(耐久)-C(精神)あたりが平均である。
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