設定厨

曖昧さ回避

「厨設定」とは異なります。

設定厨（せっていちゅう）とは、ファンタジーなどの創作作品などにおいて、設定を練ることに全力を挙げる人に対する俗称である。

概要

一般に設定厨とは、世界観やキャラクターなど設定を（物語の進行とは無関係な部分にまで及ぶほど）非常に細かく定める人のことを表す。侮辱的に用いられる場合が多いが、自嘲的に称する場合がある。

小説・漫画・ゲームなど創作活動において、世界観やキャラクターの設定を練り込むことは非常に重要なことであるが、設定の濃度が小説の本筋として必要と考えられる量と比べて多すぎる場合、このように言われることが多い。

なお、後述する架空地図や架空言語の作者は、その作品の特性から侮辱的でも自嘲的でもなく積極的に設定厨を称する場合がある。

逆の発想

全く逆の発想として、「通常の作品のように、小説を本筋とする」のではなく、「設定自体が作品」という作品も存在する。

例えば架空地図や架空言語は、ある意味では「設定自体が作品」である。架空地図は「架空世界の地図を作ること」、架空言語は「架空の世界で話される言語を創作すること」を趣旨とする創作活動である。つまり、設定自体が作品であって、どちらの場合も作り込むためにはその背景となる世界観を精密に設定することが必要となる。こういった類の創作活動は「創作をすることは設定を作ること」であり、架空地図や架空言語は、設定厨の究極の形と言えよう。

ときに架空地図や架空言語の作者も小説を執筆することはあるが、あくまでもメインは架空地図や架空言語であって、小説はコンテンツの1つに過ぎないという考えを持った人が多いだろう。

「指輪物語」の作者のトールキンも、物語の本筋とは無関係の架空地図・架空言語、そして架空世界史・架空家系図などを創作しており、設定厨であると言われることがある[1]。

商精反比との関係

近年の小説においては、世界観よりもキャラを重視したものが人気であり[2]、そのような作品が多いと言われる。しかし、架空地図・架空言語作者であれば流行には反してキャラよりも世界観を重視するのは当然である。従って、そのような作品では大衆受けを狙うことが難しく、このことも「商精反比」の要因の1つであると考えられる。一方で、サブカルチャー受けを狙うことや、学問的芸術（架空世界創作学）として行うことに関しては有望である可能性がある。

脚注

1. ↑ トールキンはそもそも言語学者であり、彼が本当に作りたかったのは物語ではなく架空言語であろう。
2. ↑ 「キャラが立たない」という意見は、まったくこの風潮を反映したものであると考えられる。

関連項目

• 架空世界
• 架空世界創作学
• じゃがいも警察（ファンタジーじゃがいも警察）
• エゴ化
• コンテンツ病

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