エゴ化

エゴ化（エゴか）とは、架空言語・架空地図などを始めとする架空世界創作において、作者の個人的な嗜好や価値観が反映されること。

概要

架空言語・架空地図などを始めとする架空世界創作は、全てを創作する究極の創作であるため、作る上での自由度が非常に高いという特徴がある。

このため、作者の「個人的な好み」を架空世界の世界観に反映させることが可能である。

エゴ化は普遍的な現象か

架空世界を創作するといっても、作者にとって理想的な世界を作ることと、リアル（現実的な）世界を作ることとの間には隔たりがある。

前者の場合、作者の理想を追い求めた世界を作るため作者の個人的な価値観や嗜好が強く反映されることが予想できる。しかし、後者の場合、追い求めるのは理想ではなくリアリティであり、リアルのためには自分の価値観や嗜好と反する設定を反映することを是とする。このため後者の場合は作者の個人的な嗜好や価値観よりもリアリティが優先されており、エゴ化の度合いが少ないといえる。

もっとも、後者の場合も「作者の個人的な嗜好や価値観が反映すべきでないという価値観」が反映されているのではないか、という指摘が考え得るが、それを考慮するなら前者は「作者の個人的な嗜好や価値観を反映したいという価値観」が反映されている。よって、「作者の個人的な嗜好や価値観が反映するかどうかの価値観」はどちらにも存在するので、作品内部に作者の個人的な嗜好や価値観に反する設定が存在する分だけ、エゴ化の度合いは少ない。

作者の立場とエゴ化

エゴ化の度合いは、作者の「立場」が何であるかによっても変化すると考えられる。

神（造物主）の立場から架空世界を創作する場合の方が度合いが高くなり、逆に住民の立場や旅人（訪問者）の立場から架空世界を創作する場合は度合いが低くなると考えられる。

「カルディア」（アルカ）は、造物主の立場から創作されており、作者の精神世界や理想が追い求められている分、エゴ化の度合いは高い。

「想像地図・城栄」や「地理人」などは、住民や旅人の立場から創作されており、作者の理想ではなくリアリティを追い求めることを是としているため、エゴ化の度合いは低い。

関連項目

• 架空世界創作の視点
• 架空世界創作学

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