オオカミ「ウルル」

ページ名:八木研究員のファイルデータを閲覧中です。LEVEL 4CLEARANCE 

+このデータファイルには反転による情報秘匿処理が行われています-
 
オオカミはいつも一人ぼっち。名前ない、誰かを食べないと生きられない、誰かに追い立てられる。
でもここは違った。ウルルはウルルで、果物でお腹いっぱいになれる、君もみんなも僕を追い立てない。
だから好き。……だから。いいことを一つ教える、大切なこと。「家を作るときは煉瓦がいい」
大切なことだけど、多分意味ない。いや、意味がないといいな。そう思ってる。

この文書が回収されたことにより、過去に回収された情報と照合して基底種が「童話」に由来すると確約されました。

幾つかの作品を跨った性質を鑑みて、ある特定の童話という括りではなく、広い括りの「グリム童話」を出典にすると現在では分類されています。

 

 
 
 
 
 
基底種:子供と家庭の童話集」(俗称グリム童話)における「名無しのオオカミ」

愛称:ウルル(ウルフのもじり、八木研究員命名)

所属:るみはうす居住

管理権限:0

アニマルガール概要


外観

概ね一般のオオカミ種AGに共通。黒のAP部位占有面積が極めて広い。

縫合痕が腹部の衣服下にあり、これは赤ずきんに由来すると思われる。

身体能力

仮定近縁種に比較すると肺活量が高く、恐らくは「三匹の子豚」由来

「7匹の子山羊」で溺れた経験から水泳には強い苦手意識があります。

知能

教養範囲に於いては部分的に高く、勉学にも一般的な適正を示しますが、
口論などの瞬発的な思考を伴うものには弱いところが見られます。

これは多くの物語において、主人公の機知によって敗れたことが影響していると考えられます。

発見経緯:雷雨下の山中にて飢餓状態であったのを職員が発見。当個体が該当職員に強い親密性を示したため、同職員が「るみはうす」に転居した現在も保護を継続しています。

人格追記落ち着いた、ともすれば少し冷めているとまで言えるような性格です。表情の起伏が乏しく、また極端に口数が少なく表現が簡潔なため、一見して無感情と誤解を受けがちですが、むしろ情緒に関しては豊かで、お茶目であり冗談にも乗ってくれます。ただしそのときも変わらず真顔です

例の「告白」を機に、自身のルーツ・立ち振る舞いの研究を目的に非常に熱心な読書家になりました。それによる語彙力の向上のためか、基底種判明以前と比較して驚くほど饒舌に・尊大な話し方をするようになりました。傾向としては芝居がかったようなもの、特にマザーグースの引用など含蓄を持たせようとしたものが多く見られます。

ただし付け焼刃である部分も多々あり、語句の誤りなど「ボロが出る」のもよく見られます。これを指摘すると大抵の場合は押し黙ってしまうか、あるいは逆に憤慨するため、イジるのは程々に控えてあげるようにしてください。

また食に凄まじく貪欲であり、食べ物であれば何でも目がありません。手伝いで得るお小遣いは全て買い食いで消費仕切る他、大食いメニューを軒並み襲撃攻略した結果12か所の店舗で出禁になったこともあります。

求めるままに給餌すると段ボール一箱単位を恐ろしい勢いで丸呑みしていくので、医務局による健康管理は適切に実施されることが望ましいです。

教養や知能に関しては概ね標準の水準にありますが、口論など瞬発力の必要な思考には弱い傾向があり、八木研究員と口論としては言い負かされて拗ねている光景が散見されます。いい大人なんですからそういうのやめましょうよ八木研究員

こうなった当該個体は基本的に誰とも口を利かなくなりますが、食事を与えることで回復するのでインタビューなどの際にはこの点を留意しておくとよいかもしれません。

 

+記録4「絵本」-
〈再生開始〉

八木:おや。珍しいな、筆を握るとは。何をしてるんだい?

ウルル:何って。見てわからないかい?絵本を描いてるんだよ。

八木:やっぱりか……なんでまた?

ウルル:簡単な話さ、前にも言っただろう。僕はいつも悪役だったって。

ウルル:あの子に読み聞かせる物語だって大抵そうだった。そうじゃないのは精々が「あらしのよるに」くらいか。

八木:ああ、そうだな。

ウルル:だからね、僕だって1回や2回くらいは、主役を演じる話に興じてみたいんだよ。

八木:ははあ、なるほど名案だな。乗った。プロットの協力をしよう。

ウルル:君ならそう言ってくれるだろうと思っていたさ。さ、そこに座ってくれ。

八木:だがな。

ウルル:うん?何かあったかい。

八木:その前にまずは風呂だ。

ウルル:やーだー!

〈録音終了〉

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
野生解放能力:「To many,It's a happy ending.」
裂傷痕と思われていた腹部の模様から直径3㎝程度の小さなヤギ爆弾・ピニャータ・くす玉・ヤギを模した人形(以下AG‐1と呼称)が最大7つまで飛び出すように出現します。
ヤギ爆弾とかお前マジで言ってる?
ピニャータはメキシコの文化だぞお前こそ何言ってんだ
編集合戦はこれまでにしてください。以下、このファイルでの呼称はAG‐1とします。
‐理事会役員"群青"
出現したAG‐1は急激に膨張を始めるとおおよそ6秒程度で破裂し、プリズムを通したような虹色の閃光を放ちながら、内容物である飴状のけものプラズムを周囲に激しい勢いで散布するこの一連のプロセスが挙げられます。こうして散布された飴は食べることが可能で、摂取すると「一篇の本を読み終えた温もり」と報告されるような幸福感と若干の治癒効果および身体能力の向上が得られます。
 
なお、AG‐1の腹部には必ずな1から7までの何等かの数字が記載されており、それに対応して若干の性質の差異を有します。(下記一覧に掲載)これは生成時に6つまでは彼女の任意の数字の割り振りが可能であるようですが、最後の一つのみ必ず記載される数字は7となりまたその生成直後から24時間の間、身動きが鈍重になります。
これは「7匹の子山羊」にて、「全ての子山羊が救助されたのち、狼の腹には石が詰められた」というエピソードが影響しているものであると考えられます。

 

+識別一覧表-開示

 

AG‐1に記されている数字 対応する性質
1 6秒経過するまでは膨張を続け、サッカーボール大で破裂する。
2 1番と同様だが、対象に接触した時点で即座に破裂する性質を持つ。
3 膨張しながら急激に落下し接地し、2番と同様の性質を持つ。
4 1番とほぼ同様だが、破裂時にピンク色の煙幕と紙吹雪が発生する。
5 接触すると高い粘度を持ちへばりつく。その他は1番と類似。
6 1番とほぼ同様だが、破裂時にクラッカー音が発生する。
7

必ず不発弾になり頑強で内容物を取り出すのが困難になる。

耐久テストの検証では██kgの負荷まで確認済。

追記:セルリアンとの交戦時、7番のAG‐1に鉄パイプを突き刺して武器として使用しているのが確認されました。
(上部画像を参照。)

これが僕のマスターキーでね、どんな扉だって一発さ。
‐ウルル

 

 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-警告:下部ファイルは更新以前のものです

推定基底種:unknow

愛称:ウルル(ウルフのもじり、八木研究員命名)

所属:野生(要経過観察対象) サンカイエリア郊外のAG専用住宅

管理権限:0

アニマルガール概要

愛称:保護時に八木研究員が間に合わせで付けた、ウルフ(wolf)のもじりが定着したものです。これに関して本人は「名前のかっこよさより、最初の名前ってことが大事」と述べており、変更の提案は全て彼女自身によって却下されています。

一度きりならもっと気の利いたやつにすりゃよかった。‐八木研究員

 

容姿:概ね一般のオオカミ種AGに共通。ワンピースやスカート・ブーツなど全体的にAP部位の黒占有率が高く、夜間は風景に溶け込み捜索に一苦労するようになります。

そのほかに特筆すべき点として、縫合痕らしき模様が腹部の衣服下にあり、これは幾つかの検査の対象となりました。その結果後天的なものでないと判断され、現在はこれも先天的AG形質発現と推定されています。

 

発見経緯:雷雨下の山中にて飢餓状態であったのを八木研究員が発見。当個体が該当職員に強い親密性を示したため、担当を継続。

 

人格:落ち着いたともすれば少し冷めているとまで言えるような性格です。表情の起伏が乏しく、また極端に口数が少なく表現が簡潔なため、一見して無感情と誤解を受けがちですが、むしろ情緒に関しては豊かで、お茶目で冗談にも乗ってくれます。ただしそのときも相変わらず真顔です

 

また食に凄まじく貪欲であり、食べ物であれば何でも目がありません。手伝いで得るお小遣いは全て買い食いで消費仕切る他、大食いメニューを軒並み襲撃攻略した結果12か所の店舗で出禁になったこともあります。

求めるままに給餌すると段ボール一箱単位を恐ろしい勢いで丸呑みしていくので、医務局による健康管理は適切に実施されることが望ましいです。

 

教養や知能に関しては概ね標準の水準にありますが、口論など瞬発力の必要な思考には弱い傾向があり、八木研究員と口論としては言い負かされて拗ねている光景が散見されます。いい大人なんですからそういうのやめましょうよ八木研究員

こうなった当該個体は基本的に誰とも口を利かなくなりますが、食事を与えることで回復するのでインタビューなどの際には留意しておくとよいかもしれません。

 

生活:保護初期は発見された山間部の洞窟に居住しており、一日をほぼ全て山菜などの食糧確保に消費していました。

現在はパーク運営局による対応に従いサンカイエリアの住宅にその居住区を移し、共同家庭菜園の管理とその傍らで職員の荷物運びなどの腕力を必要とする手伝いなどをして過ごしています。これらに関して当該個体は先天的に知識を有していたわけではないのですが、その熱心な学習意欲の賜物で、数回の失敗を経てからは概ね順調に運航しつつあります。

 

身体能力:仮定された近縁種のAG(タイリクオオカミ)と比較すると肺活量が高い点を除くと平均的に若干劣る程度でありほぼ差異はありません。ただし水に著しい恐怖を示すため、水泳能力に関しては限りなく低いです。

犬かきを始めとした泳法の教育は、常に彼女の失神によるインシデントで失敗に終わっています。

 

わざ「でもりっしょんブレス」

鼻を摘まんで猛烈な勢いで吸い込んだ息を吐き出すわざで、その風の勢いはかなり強く最大限溜めたものは分速30mに肉薄し細い木々などはへし折り飛ばすことができます。ただしこれには相当息を吸い込む必要があり、一度の使用に30秒以上の深呼吸を要します。なお誕生日ケーキの火を消すのににこれを使うのは禁止されています。

あの悲劇を、ケーキまみれの主任の顔を僕はきっと生涯忘れないだろう。

‐八木研究員

うう……ケーキ、帰ってきて……ぼくのケーキ……

‐ウルル

 

+音声記録2-「質疑応答」
 

<00.00.00 録音開始>

掌研究員(以下:掌):ではただいまよりインタビューを始めます、よろしくお願いしますね

ウルル:うん、よろしく。


掌:それでは……。ウルルさんはオオカミのUMAなんですよね、ウルルの前の……最初のお名前は何でしたか?

ウルル:前の名前は……ない。ウルルが初めての名前。八木がつけた。


掌:だとするとつまり……生前のあなたは野良であり、誰かから名付けられることもなかったんですね?

ウルル:そう。そう言ってる。


掌:仲間は居なかったのですか?仮にそうなら、寂しいなどとは思ったことはありますか。

ウルル:オオカミは強い、孤独にも。一人でも何も怖くなかった。はい、だからおしまい。


掌:なるほど。ありがとうございます。……次は少し明るめな質問に、園芸を始めたきっかけを教えてもらっても?

ウルル:今のウルルは野菜でもお腹いっぱいになれる。肉を捕らなくてよくなるから。


掌:なるほど、確かにその通りです。水やりが狩りの代わりになりますもんね……。

掌:インタビューにご協力ありがとうございました!ところで最後にウルルさん

ウルル:何?


掌:この飴ちゃんをお礼にあげますから、ちょっと付いてきてもらえませんか?

【5秒ほど硬直し沈黙する】

ウルル:……わかった、もちろん構わない。今すぐ行く。

〈録音終了〉


追記:このインタビューを別室で視聴していた八木研究員は録音終了と同時に猛烈な勢いで殴り込み、その後3時間超にも渡る叱責が繰り広げられたことをここに残します。あれは完全に親子喧嘩の様相でした。

‐掌研究員

 

+音声記録2-「食事と味覚」

<00.00.00 録音開始>

八木研究員(以下八木):そういえばさ、俺ずーっと気になってるんだよ、ウルル。

ウルル:どうしたの?……んぐっ【トマトを丸呑みする】僕のことなら、答えるけど。


八木:それだよ、それが気になってたんだ。

ウルル:……何?それじゃわからない


八木:ほら、ウルルはいつもそうやって何でも丸呑みするのにうまいうまい言うよねって……丸呑みで味わかるの?

ウルル:むう。僕だってわかる、バカにしないで


八木:いやあだって……味わってないじゃん、噛んでないんだから。……あーじゃあこうだ、こうしよう。

【八木が食餌の籠から梨とリンゴを取り出す】


八木:今から二つの果物を食べさせるから目をつむって当てられたら味わかるんだなって認めるよ。いいね?

ウルル:……余裕余裕。当てたら謝れ。


【ウルルが丸呑みにしたのち沈黙する】

ウルル:……どっちもおいしいね。これでおわり。


八木:ほーらやっぱり!こないだ試しにデスソース入れたときだって無反応だったんだ、そんな気はしてたよ。

ウルル:……!こないだのはお前か!

掴み合いが始まる】【以下は雑多な口論になったため割愛】

〈録音終了〉


考察:異常な食欲にも関わらず彼女は恐らく味覚を持たないか、あるいは一切使っていないと思われる。彼女にとって食事は嗜好品というよりは飢餓感を満たす行為なのだろう。……なら餌の等級下げても多分バレないな。‐上級研究員

それはさておきとして勝手に好奇心で規定外の食餌を与えないでください。それも刺激の強い香辛料を。

医務局ともどもに我々からお話がありますので八木職員は監査部のオフィスまで出頭するように

‐倫理保安局監査部職員「灰田」

 

 

+記録3-「お風呂」

八木:ウールールー。

ウルル:……なに?

八木:その様子だと自分でもわかってるんだろう?園芸で泥まみれなんだからお風呂だよ。

ウルル:だと思った、やだ。

【背後から現れたケルベロスがウルルを羽交い絞めにする】

ルーベ:悪いなウルル。だがまあ。風呂は入ったほうがいい、流石にばっちいぜ?

ルーベ:そもそも何で風呂が嫌いなんだァ?結構気分いいぞ、いいもんだありゃあ。

ウルル:なんでって、茹でて食うから。今はまだ死にたくない。

八木誰がそんな蛮族みたいなことをするってんだ。ここは法治国家日本だぞ

八木:仕方ないなあ……。ルーベ、あれ教えてやってくれ。

ルーベ:あ~あれな。なあウルル、今風呂で温泉卵拵えてるらしいぜェ。固ゆで卵になる前に行ったほうがいいぞ?

【5秒の沈黙後、ルーベの手を引っ張って移動を始める】

ウルル:早く行こう。文明人のたしなみ。

八木:……ほんっと現金なやつだ。

〈録音終了〉

考察:食欲には負けるようだがやはり水嫌いは激しい。それだけならば然程重要性はないのだが、私としては「茹でて食われる」がやけに浮いているのが気になるところだ。彼女のルーツには何かそういったエピソードが関わりあるというのだろうか?だとして、オオカミが食われるような伝承があっただろうか……‐上級研究員

 

 

 
 
 
 
 
友好関係の特筆事項
 
 
・八木研究員
本来は該当個体の研究を担当する職員であり、名目上の飼育員である【削除済み】氏に代わった実質の現行保護担当職員です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

新規ファイルが一件確認されました。

下部のプロセスは管理権限4以上のコードによってのみ実行が可能です。

▼更新▼受信完了
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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