某国北西、渓谷にて。
渇きに耐えかねて川の水に手を出した報いを受け、見渡す限り自然の地にて身動き一つ取れなくなった俺を通りすがった村医者が発見してくれたのは、持ち前の運だけで生きてきた俺の人生でも奇跡と呼んで差支えのない出来事だっただろう。
彼は自身の診療所まで俺を担いでいきベッドの上に寝かせると、必要なだけの薬と水を飲ませ一晩の面倒を見てくれた。その甲斐あって快復した俺は、まだ滞在期間もたっぷり残っていたこともあって治療の謝礼をしたいと、彼の手伝いを申し出た。
「数十年ぶりの雨が土を濡らす。かくしてこの地に、再び草花が芽吹いたのだ。……とか。どやった?」
「あー……ええっと……前の方が好きだったかも、しれません」
「っていうかおじさん相変わらず話し方が変だよね」
「やかましい、■■■■■語とか」
「」
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