好きでもないくせに

ページ名:kd

 

 

誰かを使う側に立てないと。強くなれなきゃ殺される。

偵察チームの名簿にバツ印を見つける度、次はあたしの番じゃないかと酷く怖くなった。


「お前らが、お前らのせいで」と傭兵があたしに恨み言を吐き捨てた。いいよ、別に好きに言えばいい。

でもね、だけど。そいつが死んだのはあんたとお前が弱かったからだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいもしもし、三河屋です」

「知っとるやろうけど今日は僕任務やったんや、もーくたくたでキッツイですってば」

「焼肉行くぞ」

「アッなんや急にドライブしたなって来ましたわ、30分で着くから待って」

 

「なるほど。そういうことなら、ちょうど近いうちに彼の接待があるんだけれど。担当、君がする?」

「……いいんですか?」

「君なら先方に失礼を働くこともないだろうし。まあ、なに。応援してるよ。」

「……ああでも、だからといって仕事に差支えが出るようじゃ困るからね?」

「はい!ありがとうございます、ゲイズさん!」

「ごめん、待ってる間に相談に乗ってたら思ってたより長くなった」

「いやそれは別にええんですがね……」

 

 

「いやぁ、意外なことしますね」

「なにが。」

「途中からやけど見てましたよ。めちゃくちゃ手回ししてたやないですか」

「あー……まあ、彼の人となりは知ってるし。彼女とマッチングさせても大方うまくいくと踏んだから」

「いや……そーいうことやなくてですね……」

「姐さん自分はそういうのはからっきし興味ないっちゅう感じやのに、相談にはえらい積極的なんやなと」

「ああ何、そういうこと。まあ別にやる気があるなら手伝うくらいは訳ないよ。」

「だって自主的に枕してくれるんだから。」

「数ある中で最低の表現やなあ。姐さんがろくでなしサイドの人間やったの今思い出したわ」

「君人のこと言える?」

「いやー言うたかて姐さんの今のには負けるで」

「じゃあそうだな……貧乳と巨乳ならどっちが好みだ?」

「揉める方」

「で、さっきは何て言ったっけ。」

「なんかちゃう気がしますけどねぇ。まあじゃあ似た者同士でええですよ」

 

 

 

 

嘘つきは他人の言葉を信じない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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