蜘蛛の本性を顕わにした修道女が、その化外の腕で少女を抱き寄せる。わさわさと生えた産毛がくすぐったいよだとか、無邪気に雑談に興じている様子は如何にも久方ぶりに顔を合わせた母と娘のようであった。
”娘”が頷くと”母”はその半身を大きく開けたその口で喰らい噛み千切る。
トリガー:???が個体としての残存意志を獲得しない状態で???と対面する。
効果:???が???を捕食後、古典種大悪夢「八束脛(ヤツカハギ)」に変化する。その後、強制的にエンディングパートへと移行する。
トリガーを誘発せずにクライマックスパートに移行した場合、あなたは切札「決意」(復活)をその戦闘中のみ取得することができる。
見知らぬ書斎、棚から漁った資料の束を広げて睨めっこ。私は手伝いに来たロッカにボロ紙を紐で結んだような一冊を手渡した。彼女はほどいたそれをパラパラと目を通していき……あるところで手を止め、ゆっくり、ゆっくりと一枚一枚を読み込むようにして捲るようになった。「それ、当たり?」と声を掛けようとするが、それは躊躇われた。
彼女の目尻に涙が浮かぶところなど、私は初めて見たからだ。
トリガー:この予知夢の持ち主が『擦り切れた日誌』に情報判定を行う。
効果:ロッカが過去の記憶を取り戻す。また、判定者は望めばロッカと感情を結ぶことができる。
リングホルダー体を使用しての形質転換試験。夢の性質をランダムに組み替えるそれは、今までがそうであったように、同じ結果だけを導き出した。クオリアの致命的な損壊。
手っ取り早い救いはどこにも存在しない、そんなことくらい僕は知っているのに、それでも縋りつかざるを得なかった。
だから当然の結果として報いが帰って来た。それだけのことである。
トリガー:『藍司による治療を試みる』を行う。
効果:萩が死亡する。
導入;奇書院のやべーおじさんの月1趣味の樹海探索に「帰り晩ごはんに回らない寿司奢るよ」の言に誘われノコノコついてきてしまった一行。
そこで不意に遭遇したのは自殺志願の少女。目の前で死なれても目覚めが悪い、その手を掴んだその瞬間足場の地面が崩れ土砂に巻き込まれ……なかった。瞬間的なダイバーログの放出とともに、すんでのところで躱したように2人は立っている。
未自覚のダイバーか?とりあえず保護して親族に送り届け、それから処遇を考えようと引き返した一行の前に現れたのは見るも無残な姿となった藍司の愛車の姿だった……。
ルート分岐
・ロッカ覚醒ルート
条件:萩が個体としての残存を放棄した状態で、かつ討伐前にロッカが合流する。
内容:萩から記憶と力を取り込み土蜘蛛の神格悪夢「八束脛」に覚醒したロッカが全てを薙ぎ倒し食欲のままに貪り始める。鎮圧困難と見做した院の判断により夜鬼摩らが派遣され、3日3晩に渡る死闘の末討伐、クオリアは破砕される。
・萩討伐ルート
条件:「おとうさん」の殺害をトリガーにした萩の暴走を殺害によって止める。
内容:概要通り。クオリアをロッカが回収すると覚醒ルートに分岐する。
・萩変性ルート
条件:藍司の放射線治療を行う。
内容:変異し変わり果てた萩を討伐するルートへと移行する。
NPC
「久神巳乃/萩」
三笠の娘であり既に故人。人格はハーバートによって破壊され、彼によって植え付けられた「萩」が成り代わって生きている。人間の食物によって肉体を維持するが味覚は持たず、人肉を食べないと悪夢としての体裁を維持できない。
ロッカの300年前の人としての大半の記憶とその食性を押し付けられており(というかロッカは分割したクオリアに人格が芽生えることを想定していなかった)、人を食わねばならないにも関わらず葛藤がある。
欠けた本体であるロッカへの回帰欲求がある。
「久神三笠」
陰山市襲撃犯の一人。サウス家の人間の大量失踪の主犯としてローグダイバー認定を受け逃亡生活を送っていた。
萩のことは最初こそ恨みこそすれ、娘と変わらぬ微笑みを向け懐いてくれたことから、娘と同じように愛することを誓った。彼女の死体を食わねば生きていけない性質は把握しており、彼女の活動範囲に冷蔵しておいたサウス家や向かってきたダイバーの遺体をそれとなく配置している。
薄々自身の死期を悟っており、もし自分が討伐される日が来るのならば、その光景を萩に見せることで自分で遺体を調達できる「復讐者」になることを企んでいた。
「ハーバート・サウス」
既に消滅した家系であるサウス家の御曹司。口説き招き入れた巳乃を器にし、「萩」を入手、最終的には八束脛に到達させることで強大な家系に成り上がることを目的としていた。
他の親族と同様三笠に捕えられ、萩の餌にされようとしていた。
ことの元凶であるが、久神家を深く憎悪しており、最終的には萩に肩を持つPCサイドに牙を剥く敵対者となる。
過去時系列
「八ツ花」
現ロッカ。『旦那』の「僕のことは忘れて」「ああ、君はずっと綺麗なままだ」の遺言に従い、八ツ花として過ごした大半の記憶と食性を切り離し、不完全な八束脛としてその後夢潜り達によって討伐。分割されたクオリアは別々に保管された。
現状に満足しているが、だからこそ図らずもそのツケを払わせてしまった萩に罪悪感があり、合一して八束脛を取り戻すという萩の願いを贖罪として叶えようとしている。
「旦那」
大怪異である八束脛をあろうことか庇い立てたことをきっかけに、人に化けたそれが長屋に転がるにまで至った医人。
流行り病で亡くなったものの、八ツ花を起点にした現代にまで残る火種を残したある意味大体こいつのせいとも、八束脛を人として救い、今のロッカへと至らせた恩人とも言える。
青木ヶ原樹海外縁
【かつて愛車だった何か】難易度4
深岳宅1日目朝
【農業体験】難易度3
深岳宅1日目夜
【深岳御坂の話を聞く】難易度5
【深岳萩と雑談する】難易度5
火事現場2日目
【出火原因調査】5
深岳宅3日目
【ゲーセン】
【ブティック】
【カラオケ】
【神社】
【ショッピングモール】
「クイックシルバー」戦
「萩」戦
深岳宅4日目午前
【地下室の鍵を使う】
【地下室の鍵開けを試みる】難易度7
【地下室をこじ開ける】難易度
「久神三笠」戦
深岳4日目午後
【】
「薬師久我の医報日誌」(私小説部分抜粋)
漢方の材料を採ろうと夜更けごろ帰らずの森に足を入ったところ、奥の窪地に蹲った女人を見つけた。深い森は異界の一つ妖怪変化の領分であると諭してみるが、どうやら人には言えぬがやむを得ない事情があるようだった。聞けば行く宛てもないという。置いていくのも目覚めが悪い。私は仕事の助手が欲しいと言って彼女を長屋へ連れ帰ることにした。
波斎(※氏の薬師仲間)には身元もわからない女を連れ込むべきではないと叱責されてしまったが。
彼女……八花は私の想像するよりも遥かに勤勉でまた優秀であった。炊事に洗濯、家事はいまや私がやるよりよっぽど手際がいいし、荷札を読めるように教えた平仮名もあっという間にものにしてしまった。近頃は財布の紐も彼女に任せてしまっている始末なのだが、師走に褒賞の意味も込め奮発し、書き取りの練習用の奉書紙を与えたところ、気持ちは嬉しいですが、無用な浪費はおよしになってくださいと窘められてしまった。うん……ごめんね……。
先の紙についてだが、やはり文をしたためるのが一番よく身に付くだろうと交換日記の体を始めてみた。書くことに関しても申し分なく、私はただただ目を見張るばかりだったのだが、彼女はそれでは満足いかないらしい。最初の方は返事を平仮名で統一していたのだが、わざわざ程度を合わせないでいい、読めないところこそ学んで覚えるからと言う。そろそろ辞書を渡してもいい頃合いかもしれない。
彼女と暮らし始めて半年が経った。辞書や私の教えなしに学書を読むことができるようになり、薬草の目利きの知識も取り入れた彼女は申し分のない私の助手となった。仕事がそのぶん楽になったということで、時たま寺小屋の真似事を始めてみた。気まぐれに些細な善行を積もうというくらいの心積もりだったが、副次効果というか、最近八花が穏やかになったような気がする。やはり女人というのは子どもの相手をするのが好きなんだろうか。
その甲斐の割に、一向に名前を覚えてもらえないのだけは少し可哀想である。
波斎が完成間近のベンダラ(※成分上は抗生物質、サルファ剤に同一)を調合書ごと持ち逃げして江戸に売り出し始めた。近頃あいつには羽羽都の商人がよく付き纏っていたという、金にも困っていたと言っていた。だから、まあ大方流言飛語に誑かされてしまったのだろう。八花は裏切りに怒り狂い、嘆き、そして私にもそのように振舞うことを求めたが、私は頷いてはやれなかった。だって、これは決して想像できないものじゃあなかった、友情の名の下に私が疑うことを放棄したから起きた結果に過ぎないではないか。
薬を買うのにも苦労するようになってきた。
こないだから私が呆けた老人のようにぼうとしているのに耐えられなくなったのか、彼女はそれが自分の起こしたことだと話してくれた。無心の折、どうしても彼女は私への仕打ちを許せなかったのだと。そしてそれは如何なる方法だったのかをも。彼女の半身が裂け大蜘蛛が飛び出すのを目の当たりにしても、これといって驚きや恐怖はなかった。
ずいぶん昔から悟ったふうを気取っていたのに、このところ途端に死ぬのが恐ろしくなってしまった。
私が居なくなったあと彼女はどうなるのだろう。人非ざる身なれば、何十、何百も生きていくに違いない。
どうか、私のことなんぞはすぐにでも忘れてしまって欲しい……というのは些か自意識過剰が過ぎただろうか。
【擦り切れた日誌】
「八ツ花」と名乗る蜘蛛の妖怪を匿った町医者「尾蛇」の日誌。当時、山梨県ではコレラなどの感染症が流行しており、それと闘う様が克明に記録されている一方で、「奉書紙を読み書きの練習に与えたら無駄遣いするなと怒られた」「読みやすいよう平仮名で交換日記を行ったところ、勉強して追い付くからわざわざ合わせようとするな」「一向に誰にも名前を覚えてもらえなくて不憫である」といったような私的な内容もある。
当時の文明レベルでは治療は困難であり、文中に登場する人物の殆どはそのまま、或いは幕府への嘆願、一揆など様々な理由で死亡している。文中に明記はされていないものの、奇書院に残る他の資料によって、執筆者の尾蛇氏も最終的には患者の命を救えなかったことを苦にして入水自殺したという記録が残っている。
【八束脛の資料】
大悪夢「八束脛」の討伐後、羽羽都氏に渡った呪い石(クオリア)に関する蘇生記録の資料。
復元された個体は著しい性能の劣化や、一定周期で食人衝動を訴え給餌を行わなかった場合自壊する、などといった旨の記載がある。最終的には墓暴きで得た遺体や罪人などを食わせてやることで長期的な維持を目標にしたが、ある時期から蘇生した個体が自殺を試みるようになり、失敗に終わっているようだ。
また、「夜鬼摩」に渡った呪い石が最終的に遺失され、ローグに奪われた土地に埋没している可能性が文中に指摘されている。
羽々都明:羽々都家リングホルダー。消息不明
羽々都寧々:羽々都家リングホルダー。死亡、樹海で遺体発見
羽々都巳乃:羽々都家リングホルダー。消息不明
羽々都静香:羽々都家リングホルダー。消息不明
羽々矢尼丹:羽々都家分家リングホルダー。消息不明
羽々矢呱々:羽々都家分家リングホルダー。消息不明
羽々矢ニコ:羽々都家分家リングホルダー。パイロフィリア隊と交戦し死亡
河野奈央:河野チーム実働隊。パイロフィリア隊と交戦し死亡
久神美佐:河野チーム実働隊。パイロフィリア隊と交戦し死亡
播磨水奈:二階堂チーム実働隊。パイロフィリア隊と交戦し死亡
瓜破彩子:藍司臨時チーム奇書院。ブラックラインと交戦し死亡
而今夏美:藍司臨時チーム奇書院。ブラックラインと交戦し死亡
六分儀奈々子:六分儀チーム聖教会。逃亡後一般人によって殺害され死亡
新田朋子:六分儀チーム聖教会。収穫者離反のため藍司隊と交戦し死亡
継名小夜:継名チーム聖教会。悪夢「灰のオルフェス」と交戦し死亡
『クイックシルバー』:久神三笠。離反後、羽々都家襲撃事変後、陰山市支部襲撃を除いて出没例なし。
『パイロフィリア』:名称不明。
パイロフィリア
HP24
切札「炎の壁」鉄壁
「ド根性」復活
【強火6000℃】間合0 12点+火傷 ターン開始時に宣言し、それまでに被弾した場合中止する。
【平熱1200℃】間合1以上からの攻撃に装甲2点、間合0以下の攻撃に対し火傷を付与する。
【ビビってんのかオラ】間合2以上から同じ対象に2回以上攻撃を受けるとその深度へと移動する。
【よう断】間合0 5点+火傷 目標値8
【粉じんばく発】間合0~1 範囲火傷
パイロフィリア(予知夢誘発版)
HP24
「再点火」加速
「決意」復活
【残香】復活以外の回復を受けず、失ったHP10に付き達成値に1の永続バフを受ける。
【黒焦げの羽】間合1~3 5点+火傷
【溶断】間合0 8点+火傷 目標値8
【気化爆発】射撃を受けると間合0内の自分以外に4点+火傷の範囲攻撃を行う。このカウンターは回数制限を持たない。
【命の導き】
運転手
HP22
切札「クイックシルバーの手解き」研鑽
【名手】研鑽1
【名手】
【俊足】研鑽2
【俊足】
【迫撃砲】
【後退】
クイックシルバー
HP32
「揮発装甲」鉄壁
「仇敵への備え」研鑽
「決意」復活
【防護形状】間合0 補助 間合内で発生した命中ダメージを半減させる。
【刺突形状】間合0 7点 回避2回要求
【射撃形状】間合1~3 5点+疫病
【砲撃形状】間合2~5 8点 目標値8
【水銀の鎧】装甲2
【歴戦】常駐 全ての攻撃を1回ずつ行ってもよい。
【名手】研鑽
【鍛錬】研鑽
萩(ダイバー体)
HP22 速度4
【食み】
【凝縮体】
【再生】
【咬毒】攻撃に疫病を付与する。
【飢えと渇き】攻撃を命中できなかったターンは回避行動を行えない。
【不完全顕現】HP3以下になったとき、ダイバー体が解除される。
コンテナ―/羽羽都天霧
【妄念】HPが0以下になるとき、1で止まりそのターン中それ以上のダメージを受けない。
【写し刀の神器】
【神降ろしの勾玉】
【黒錆の鏡】
【加速球】
【巨大化】
【再生】
【親指の契約】従者:護衛騎士
【人差し指の契約】従者:狙撃手
【中指の契約】従者:侍従
【小輪の契約】従者:呪術師
「ああそうか、そうでしたね」「ほんとう、馬鹿みたい。こんなことならいっそ、生きたまま腹の中に入れてやればよかったのに」「全能には興味ありません、今生きることで精いっぱいなんですから」
「生かすだけなら別に、それほど難しいわけじゃない。」「餌のローグなんてそこいらに居るし、ナート君のところから少し横流ししてもらうとか」「」
【夢現領域】
無数の共食いしあう子蜘蛛が生成され、海のように夢現領域を満たしている。
【子蜘蛛のミュージカル会場】
「萩ちゃんだと思った?残念!あーしは巳乃ちゃんでした~!」
萩が取り込みたがらなかった記憶と残滓の巳乃。空間そのものが萩であり、至るところに散らばる子蜘蛛から萩をサルベージできることを教えてくれる。
自身の結晶として林檎の疑似クオリアを残す
【クライマックスフェイズ】
「私(巳乃)が居て欲しいときにあなたは傍に居てあげなかった。だから、私(萩)もあなたが居て欲しいときに傍にいてあげない」左手の食いちぎり
「おラッキー。お金になりそうもんみーっけ」全身から黒い流血
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