思い出話

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地球はとっても広いけど、きっと一人として完全な真円を見た人はいない。だけど、大多数の人々はそれがどういったものなのかはわかるだろう。うんうん、鋭いね、そう、いわゆるイデア論ってやつ。さっきは円のイデアだったけど、先人が言うには善性にもクオリアはある。人を殺してはいけないとか、嘘はよくないとか?多分、そういうのかな。僕はさぁ、なんというか、多分、母さんの中にそれを置いてきちゃったんだよね。

何が善くて何が悪であるか。何が悲しくて何が罪を感じさせるのか。公式みたいに暗記することはできても、それはただ覚えているだけで……実感がないというか、全然本当に理解した気になれなかったんだ。というか、実際てんでダメダメだったからね。場当たり的すぎて応用性がないというか。付け焼刃だから誰かを傷付けてしまうことが多くて、とっても悲しかった。………ううん、それも違うか。本当のところは傷付けたことにさえ何も思えない自分の浅ましさがいっとう嫌いで、みんながわかってるのに自分だけがわからない疎外感が辛くて、自分の愚かしさが腹立たしくて仕方なかったんだろうな。

だからそう、今でこそこうだけど、昔はけっこー無口で勉強だけが友達タイプだったんだよ。キミは信じちゃくれやしないだろうけどさ。え、やかましくなっただけで他は今も大して変わらない?

キレそう。

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