輪廻の風林火山編

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輪廻の風林火山編


かつて……神を殺す為、闇にまで手を伸ばした大将軍がいた。



第壱章『覚醒』



僕が父上に拾われて13年が経った。


今日は領主様のご子息。僕にとっては兄の様な存在。
「射駆零」の元服の日。


僕は友達の「カラスのクロ」と一緒に領主様のお屋敷に向った。






堂々と元服の儀をこなす射駆零。


最後に領主様が取り出した「正義の剣が収められた銀色の楯」。
これは彼の父が行方不明となった場に遺された神器だと言う。
それを受け継いた射駆零の姿はいつもの「兄ちゃん」ではなく、勇敢で凛々しい「武者様」に見えた。


そして、不思議なんだけど「どこかで見たことがある」気がした。






帰り道、いつもは黙って僕の頭の上に乗ってくるクロが今日は騒がしく鳴いていた。


でもその理由はすぐにわかった。






僕「逃げようクロ!」



闇の残党「見つけたぞ!光の欠片を持つ子供。キサマには死んでもらう!逃がすか小僧!!!」







僕は必死で逃げた。


逃げて逃げて逃げて逃げて……


逃げて逃げて逃げて逃げて……


逃げて逃げて逃げて逃げて……






僕「誰か、誰か、誰か!誰か助けて!!」




闇の残党「死ねぇ!!」












振り下ろされた凶刃は鮮血の華を咲かせた。








目の前に広がる真っ赤な光景。





あぁ、斬られちゃったんだ。そう思った。





でも、斬り捨てられたのは闇の残党の方だった。






射駆零「大丈夫か?荒五郎!!」




射駆零だ。


射駆零は「銀の楯」から「銀狼剣」を引き抜き、闇の残党を斬り捨てたのである。






僕(あぁ…あぁ助かった。でも、なんでだろう?この光景。見たことが……ある。……どうして?これは本当に……僕の記憶なの……?)




射駆零「おい!しっかりしろ荒五郎。今すぐおじさんのとこに連れていってやるからな。」




僕(凄く懐かしくて、ずっとずっと昔に見た気がする。なんで?なんだ?僕は……なんだ?僕は僕は……俺は荒五郎?…違う。僕は……俺、俺は!!)







クロがけたたましく鳴いている。






僕(………………!!そうだ。俺は……!)












(俺は、荒鬼頑駄無だ……!)




つづく。













第弐章『輪廻』




射駆零の元服の儀から二年。


俺もようやく元服の儀を終えて旅に出ることになった。


父上から聞かされた真実。どうやら俺は「光の欠片」を持つ一人で


同じく「光の欠片」を持つ残りの四人の武者を探す使命があるそうだ。


なんだか昔聞いたおとぎ話みたいだなと思った。








まぁ 「前世の」 昔聞いた……なのだが。









様々な出会いがあり、旅の中で俺にも仲間ができた。


もしかしたらこれが「ヤツ」が守りたかったモノなのかと思った。


第二の生などに、興味は無かったのだがな。










光の欠片をもつ五人の武者が揃った。





そして俺達は光の欠片を使い、「三代目の大将軍」を覚醒させた。


彼が大将軍として戦わなければ「三度目の闇」の襲撃を乗り切れないらしい。


予言によると闇の襲撃は四度訪れ、その都度、「大将軍」を覚醒させる必要があるのだ。


彼は父上の兄に当たる人物で実は一度だけ会った事があるのだけど


どことなく天地の野郎に似ていて妙な気分だった。






「三度目の闇の襲撃」が始まった。


「三代目の大将軍」と「闇」との戦いは熾烈を極めた。


俺は鳳凰と化した「三代目の大将軍」と共に「八紘の陣」をくぐり「閃光の剣」で闇を斬り裂き、


「三度目の闇の襲撃」も退ける事ができた!







闇の襲撃は四度起こる。






そして「最後の闇の襲撃」はすぐ近くまで迫っていたのだ。






つづく。




第参章『伝承』


最後の闇の襲撃が迫っていた。


そして四つ目の頑駄無結晶は俺の元に現れた。


つまりこの俺が四代目の大将軍ということらしい。


苦楽を共にした仲間達も各々の師から「風林火山」の鎧を継いでいた。


戦いの準備は万端であった。




今度は『あいつ』のように、民の為に戦おう……。












四度目の闇の襲撃は熾烈を極めた前回をも上回る激戦であった。


しかし四人の大将軍とそれを支える多くの仲間達の尽力もあり


ついに「闇」を退けた。




俺達は勝ったのだ!




しかし俺は妙な気配に気がついてしまった。


闇の襲撃を裏から操る「妙な気配」


それは『前世』で出会った歴史を修正する為にやってきた者達になぜか似た気配だった。




戦いは終わり世界は平和になった。


四人の大将軍と闇の軍団にさせられていた一族の長。


『五人の大将軍』による平和な統治が始まった。








平和な世界。


俺は達成感と満足感で満たされていた。


このまま『荒鬼頑駄無』であった記憶を封印し、


平和に過ごしていくのも悪くないと思った。


しかし『運命』は牙を剥く。


俺の統治する国に現れた圧倒的な戦士。


『光の翼と燃える拳』を持つその戦士は言う。









「お前は歴史の流れを歪める“イレギュラー”」







「出番はもう無い。この舞台から降りよ。」







俺は風林火山を継いだ仲間達と応戦するのであった。






つづく。




第肆章『歴史の道標』


『光の翼と燃える拳』を持つ戦士が語る世界の真実。


この世界は基準世界から外れた分岐世界…


そのまま歴史を重ねてしまうと基準から外れすぎていまい行き詰まる。


つまりは世界は滅びてしまうのだ。


『光の翼と燃える拳』を持つ戦士は自らを『歴史の道標』もしくは『運命』であると言う。


『歴史の道標』はこの分岐世界が限りなく基準世界と同じ道筋をたどり着くよう世界を調整しているという。


つまり『基準世界で起こった“歴史”を分岐世界でも起こさせているのだという。』


四度の闇の襲撃もまた、『歴史の道標』が引き起こしたという。




許せなかった。


つまりこいつは世界を“基準に合わせる為”に戦乱を起こしているのだ。


「闇の襲撃」で多く者が傷付き、死に、悲しんだ。


俺達は『歴史の道標』に立ち向かう。


この超越した存在は歴史に不要と判断した全てを消し去る。


こいつは、俺達の世界を蹂躙しているのだ!!










大将軍となった俺と、風林火山の力は継いだ仲間達は今ではこの国一の戦力といえた。





しかし歴史の道標の力はそれを遙かに超越していた。






歴史の道標「歴史にはもうお前の名はもう記されていない。歴史が歪む前に消えよ……」






その時、俺の前に一羽のカラスが舞い降りた。



クロだ!それは子供の頃から一緒に育ったカラスのクロだった。


すると、クロは深く黒く、変幻した。その姿は黒い鳳凰。


クロの正体は俺と共に転生していた『暗黒鳳凰』だったのだ!




暗黒鳳凰「やはり、あなたには私の力がやはり必要ですね。」


歴史の道標「……?イレギュラーになる。させんぞ。」


暗黒鳳凰「もう遅い!」






俺は暗黒鳳凰とひとつになった。


太陽の鳳凰と暗黒の鳳凰。二つの力が俺の中で混ざりあい。


超越した大将軍が誕生した。




歴史の道標「生まれてしまったか…イレギュラー。」






荒烈駆主「お前は!ここで倒す!!!」




つづく。





最終章『未来への遺産』


超越した大将軍となった俺は『歴史の道標』と戦う。


戦闘力だけで言えば互角だった。




歴史の道標「このまま互いに消滅するまで戦い続けるつもりか?」


荒「お前がいたらな………あの戦いが無駄になる……」


歴史の道標「あの戦い?」


荒烈駆主「この世界の未来で始まる“俺達の物語”だよ!!」








荒烈駆主「お前と俺は互角。しかし俺には“仲間”がいる……今だ!!」




四天王は封印の陣を敷いている。




歴史の道標「まさか我と共に…………??」




荒「今だ!俺もろともこいつを封印するんだ!!」










そして……




ガラウンドの地に強大な『二つの力』が封印された。




残った風林火山の仲間達もその力を後世へと受け継いでくれるだろう。




やがて『歴史の道標』の封印が解けた時、その時代の武者達が戦う『力』を未来へ紡ぐ為に。










長い時が流れた……






まさか数百年ぶりに光と闇を内包した大将軍となる武者が、まさか“ヤツ”の息子とはな。




良いだろう…力を授けよう。






その力で“運命”を止めてみせろ。








お前に天宮の未来を託す。










おわり。












補足説明


ここは新たな世界でなく欠落した世界の過去


欠落荒鬼は過去の世界に荒烈駆主として転生していたのだ。


天下統一本編で歴史改編が起こり天下統一~風林火山の時代に『闇』が現れない世界。


しかしそれでは本来の歴史とは違った世界へと進んでしまうので『歴史の道標』は四度の闇の襲撃を引き起こし基準世界を模倣した世界を作り出していた。




歴史の道標は『悪』ではなくその行動原理は『世界を存続させる為』にあり、『基準世界の模倣』を永遠と続けている。それこそ本来の心が擦り切れて無くなってしまう程に。




荒烈駆主が捨て身で歴史の道標を封印した事により


実は『ロストファントム』がこの世界に侵入する事を許してしまっている。



封印されながらも鳥飛亜を召喚したところで欠落した世界が始まる。




欠落世界の後の世界で『本来の歴史』へ軌道修正する為に襲弐を魔星に変貌させたのも『歴史の道標』


歴史の道標には感情と呼べるものが無い為に人の感情を平気で踏みつけてしまっているのだ。




しかし、産まれる前から“闇”を内包していた“彼”に数百年の希望は託されるのであった。






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