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愛野 美奈子(あいの みなこ)は、武内直子作の漫画作品『美少女戦士セーラームーン』、『コードネームはセーラーV』に登場する人物。
アニメ版で声を演じた声優は深見梨加(代役住友七絵)で、実写版では小松彩夏が演じた。
愛野 美奈子と同姓同名、生年月日、血液型、スリーサイズ、プロフィールも同じ人が実在している。
海外名はMina Aino(ミーナ・アイノ)。
セーラーヴィーナスに変身する、うさぎより明るい金色のロングヘアーに、赤い大きなリボン[1]が特徴の天然少女。セーラーVの正体でもある。美奈子及びセーラーヴィーナスとして登場するのは太陽系内部戦士の中では最後だが、セーラーVとしてはすでに第1話から登場し、活躍の噂が流れていた。すなわち、実質的には最初のセーラー戦士でもある。アニメ版ではイギリス・ロンドンでも活躍していた。『S』以降は夏場はノースリーブに似た白いTシャツの上に青いオーバーオールを着用することが多くなっている。
港区芝公園(麻布十番に近い実在の地名)の近辺に住み、当初は港区立芝公園中学校に通っていた。高校はうさぎたちと同じ十番高校へ進学した。家族構成は両親との3人暮らし。
成績はやはりうさぎ並みに良くないが、運動神経は抜群で体育だけは好成績。バレーボール部に所属していた。アニメ版では英語も得意なようであり、プリンセス修行をすると言い出したうさぎから英語を教えてほしいと頼まれたこともある(これは。セーラーV時代にイギリスに渡英していたためと思われる)。
原作、およびアニメ版ではアイドルを目指す陽気な爆走少女として描かれている。登場初期は戦闘歴の長さからお姉さん的な側面も多く描かれたが、徐々にうさぎ同様の「明るいおバカ」キャラへと戻っていった。ことわざや各言葉を間違えたり[2]、ギャグやダジャレを言うのがお約束である(アニメ第107話で、ギャグのレベルが下がっているとまことから指摘されている)。かつて、お巡りさんにイタズラをしたことで怒られてお巡りさんが苦手になった。第178話では、夜天光と入浴していることを想像して鼻血を出しながら「あたしもネコになりた~い」と発言するなど、エッチなところもある。第184話でも、月野家で星野光のバスタオル一枚の姿を目撃して「ラッキーしちゃったね」と発言していることからも、同様にそれが窺える。幼稚園児や小学生の少年にからかわれたことがあり、それに対して本人も本気で怒っていた(アニメ第52話、第103話、第154話)。しかし、アニメ第42話で、ロンドン滞在時に悲恋を経験したことを語っており、恋人の幸せのためなら自分は身を引くという大人な一面をもっている(それを知ったうさぎは、「自分達よりずっと大人だ」と語っている)。
第45話では、DDガールズにクレッセント・ビームを発射して自分も巻き添えにして死亡したが、のちに銀水晶の力によって蘇った。
うさぎと容姿とキャラが被ったこともあってか、似たものコンビとしての演出例も多い。うさぎに負けず劣らずのドジっ子で、しかもアニメでは家事に至ってはうさぎ以下の壊滅的レベルであるため、お粥に塩を入れすぎたり、それをレイにぶっかけたり、台所を壊滅的に汚したり、オーディオをいじっては爆発させたりしている。レイからは、「これで悪気があったらエスメロードより極悪人」と評された。うさぎとの顕著な差異は、「異様に前向きな姿勢」と「変身前から常人離れした身体能力」である。
うさぎと若干キャラが被っているのは、もともと『セーラームーン』の原案となった『コードネームはセーラーV』の主人公キャラだからである。作品世界統合により、単独で行動していた経歴が第1話から伏線として張られている。また、類似を逆手に取って原作と実写版ではプリンセスの「影武者」設定があった。アニメ版においても、キャラクターデザイナーは「どちらが月のプリンセスなのか」と気を持たせる演出に備え、美奈子の瞳をうさぎと同じ指定にしたが、アニメ版ではヴィーナス=美奈子が初登場した次の回で本物のプリンセスが登場したため、この工夫は生かされなかった。しかし、アニメ第102話では、変身ブローチを奪われて敵に正体を知られそうになったうさぎを助けるため、変身ペンでセーラームーンに変身してうさぎの窮地を救うという活躍が描かれた[3]。
原作、アニメ、実写版のいずれでも、太陽系内部戦士のリーダーであると明言されており、他のセーラー戦士によく指示を出している。プリンセスの影武者を務めるだけあって体力もあるのか、アニメ第78話では月野家の玄関先から二階ベランダへジャンプした。アニメ第100話ではバレー部時代の友人・浅井努に恋をしようとするが、彼には既に恋人がいたことを知ってショックを受けるが、彼がダイモーン・ハイキューンにピュアな心の結晶が奪われた際、ハイキューンが投げた心の結晶を得意の回転レシーブで受け止め、正体に気付かれたことがある。アニメ第106話ではほかのメンバーとともに白樺高校の見学に行った際、そこで出会ったエルザ・グレイからまことともども、「二人とも陸上向き」と評された。アニメ第109話ではユージアルに背後から不意討ちという形でピュアな心の結晶を抜き取られた際、気絶せずにそのまま結晶を抱きかかえ、公園からビル内部の駐車場まで全力疾走してみせるという、荒業とも言うべき離れ技を披露した。また、アニメ第141話ではホークスアイとタイガーズアイに二人がかりで施された封印を自力で破って[4]セーラーヴィーナスに変身。アルテミスも絶句するほどの非常識な力をときとして発揮し、やはり戦士としての経験やいざというときのパワーは、他の戦士の追随を許さないほど高いようだ。
実写版では、原作やアニメ版とは違ってスーパーアイドルという設定になっており、病気で余命いくばくもないこともあって、愚直なまでに前世からの使命を果たすことに忠実な少女となっていた。性格も原作やアニメの明るい性格とは異なっており、冷静沈着な性格になっている。
名前を音読みすると「びなす」になり、ビーナス、ヴィーナスに近くなる。
うさぎのことは原作・実写では「うさぎ」、アニメでは「うさぎちゃん」と呼んでいる。
金星を守護星に持ち、かつてはセーラーVとして活躍していた愛と美貌の戦士。
月のプリンセスのガーディアン、内部太陽系セーラー戦士のリーダーにして、プリンセスの影武者(自身イメージは金色の月光。月のプリンセスイメージは銀色の月光)。光の力と愛の力が彼女の武器とされる。決め台詞は「愛の天罰、落とさせて頂きます!」、使われることは少なかったが、ジュピターと比較すればまだ使用されていたほうであった。セーラーVの決め台詞は「コードネームはセーラーV!正義の使者!セーラー服美人戦士!!セーラーヴィーナス参上!!」。原作第三期の登場台詞は「美の星!金星を守護にもつ愛の戦士!セーラーヴィーナス参上!」。イメージカラーは黄色ないし橙色、主に黄金色。
第4部原作ならびに『コードネームはセーラーV』では金星のプリンセスの城としてマゼランキャッスルという城を持っている。
戦闘においては中途半端な設定となっていた。元来の設定は「単独でやっていけるほど」、つまり内部惑星戦士最強のバランスファイターだが、「バランス」の演出は困難で、セーラージュピターやセーラーマーズのように突出した攻撃力を強調する演出がされることも、セーラーマーキュリーのようにブレイン的な存在でもなかったため、戦闘シーンでは埋もれてしまっていた。それでも登場当初はリーダーらしく戦闘においてほかの戦士への指示を行ったりと指揮官としての役目を担っていたが、戦士自身としては牽制役であることが多く、決め手となる存在でなかったことは否めず、先陣を切って戦うもピンチに陥り他戦士に助けられるシーンも多い。必殺技もほかの戦士のように、水・炎・雷といった自然界に存在するものではなく、エネルギー体中心の抽象的なものであったため、イメージ的に攻撃力の強さにはつながることがなく、メインの攻撃武器であるヴィーナス・ラブ・ミー・チェーンで敵の動きを奪うなどするといった描き方が中心だった。
備考ヴィーナス=ローマ神話のウェヌス、ギリシャ神話のアフロディーテは美と愛欲の女神であり、美奈子の姓が「金野」ではなく「愛野」であること、技「ラブ・ミー・チェーン」「ラブ・アンド・ビューティ・ショック」がまずここから取材されている。「クレッセント」は本来三日月の意であるが、内惑星は満ち欠けするので、金星にも「クレッセント」が存在する。このことを発見したガリレイは、当時の教会の弾圧を警戒し、研究仲間への手紙に「愛の母がダイアナの真似をしている(=金星が月と同様満ち欠けの挙動をするという地動説の新たな証拠を発見した、の意)」と暗号化した追伸として書き送った。技「クレッセントビーム」と「セーラーヴィーナスは月のプリンセスの影武者」との原作の設定はこの天文現象と故事から取られている。紋章(惑星記号)はヴィーナスが持つ手鏡を図案化したもの。なお原作のセーラーVは手鏡(コンパクト)を使ってクレッセントビーム&ブーメランや愛のクレッセント・シャワーを放っていた。
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