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プロフィール編集
  地獄に舞う夜の蝶

「乾杯しましょう。仕事のことは忘れて、ふたりきりの特別な夜に」

クリスマスパーティーに参加するため
狂骨は地獄の代表にふさわしい豪華なドレスを身にまとった

その麗しい立ち姿は、誰もが目を奪われること間違いなし

生来の凛とした美しさから、多くは近寄りがたさを感じて
遠巻きに見つめることを選ぶかもしれない

仮に不埒な者が下心で声をかければ
狂骨は骨身に染みるほどの
凍てつく視線で返り討ちするに違いない

明るく楽しい聖夜には似合わない? ――否

何を隠そう、このパーティーを
誰よりも楽しみにしているのが狂骨だ

窓際に佇む彼女をよく見れば
会場の賑やかな音楽に合わせて
小さく身体を揺らしていることに気づけるはず

そう、彼女は待っているのだ
愛しいあなたが声をかけてくれるのを

いつもと違う雰囲気に臆することなく手を差し出せたなら
きっと狂骨はやわらかく微笑んで
しなやかな指を重ねてくれるだろう

だって聖夜はほんの少しだけ、彼女を大胆にさせるのだ
+ キホン見聞- キホン見聞
身長:163cm
体重:51.9kg
誕生日:5月2日
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■閻魔王

立派なドレスを用意してくれた上司
救い主に会えると期待していた狂骨の心の内を
見抜いてのことだったとは後で知った

せめてもの恩返しとしてお土産はできるだけ豪華に
彼女が喜ぶものを選び抜いた
その甲斐あってとても好評だった
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■金華猫

会場で懐かれたかわいい猫の子
何度もドレスを褒めてくれて、同じくらい
「私もかわいいでしょ?」とねだってきた

もちろん文句なくかわいいので毎回そう伝えた
膝の上に乗ってきての上目遣いは相当な破壊力(あざどさ)で
狂骨も救い主に対してやってみようかと悩むほど
+ 前日譚- 前日譚
クリスマスパーティーの招待状が地獄にも届いた

みんなで参加する気満々の閻魔王だったが
こんなときに限って急な仕事が次から次に舞い込んで大忙しとても行けそうにない

救い主に会いたかったが、仕事を放りだすことはできない
――やむを得ず欠席で返事をしようとする狂骨に
胸魔王は告げる

「せっかくの機会だ、狂骨は出ろ。お前が地獄の代表だ」
「私だけパーティーに行くなんてできません
 閻魔様を手伝います」

狂骨は進言するものの、閻魔王は頑として首を縦に振らない

「この程度の業務、狂骨抜きでも片づけられるわ!
 それより招待されたのに不参加では
 地獄の沽券に関わる。狂骨、お前の参加は絶対だ!」

閻魔王の言うことももっともだ。上司の指示なら断れない

気持ちを切り替えて
狂骨はパーティーに出席する準備を始めた
救い主に会えると思うと、自然と足取りは軽くなった
+ 前日譚- 前日譚
パーティーに着て行くドレスができたと
閻魔王に呼び出され、狂骨は言われるがままに試着した

嬉しいが少々派手かもと思っていると
たまたま獄卒のひとりが小走りで通りかかる

その獄卒は真面目で仕事一筋だ
忙しそうなのでそのまま行ってしまう
―――と思いきや、足を止めてすごい勢いで振り向いた
きれいな二度見だった

「どうかしましたか?」
「い……いえ、なんでもありませんっ!」

さらにそこに地獄の亡者たちが列をなして歩いて来た
どんよりとした目でノロノロと進む亡者たちが
ドレス姿の狂骨に気づく

途端、彼らは目を輝かせた
背筋が伸び、歓声を上げてシャキシャキ歩き出す

「皆、様子がおかしいような?」
「目の保養ができたのだろう
 ふふ、これなら救い主もイチコロだな」
「え……えええっ!?」
「クリスマスは特別な日なのだろう。張り切って行ってこい」

すべてお見通しだと言わんばかりに
閻魔王は狂骨の背を押した
+ クリスマスについて- クリスマスについて
老若男女が楽しめる行事
特に子どもたちが喜ぶので狂骨もその一助になれると嬉しい
地獄では阖魔王と火車が張り切る傾向にあり
なんだかんだ牛頭や馬頭も混ざって騒ぐので狂骨が仕切りがち

クリスマスの所以は知らなくても
みんなが笑顔になれる行事なので続けていきたい
+ ドレスについて- ドレスについて
パーティーに出席する狂骨のために
閻魔王が用意してくれた一張羅

狂骨の知らないうちに
堺ノ國と花魁ノ國の職人に依頼していたらしい

胸元と背中、そして脚を大胆に見せる攻めたデザインだが
阎魔王の見立てどおり
狂骨の魅力を存分に引き出すものとなっている
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■猩猩

パーティー会場で酒と論弁を交わし合った知恵者
ひとつの問いに対して狂骨とは違う見解を述べてくるので
話題に事欠かず、傍から見れば淡々としていたが
ふたりとしてはかなり盛り上がった

また機会があれば場を設けたいとお互いに望んでいる
+ 後日譚- 後日譚
狂骨の持ち帰ったお土産を囲み
地獄で一日遅れのクリスマスパーティーが開かれた

閻魔王たちはがんばって
押し寄せる仕事を見事にやり終えたのだ

豪華な料理の数々を前にすれば疲れも吹き飛ぶ
舌鼓を打ちながら宴会は続いた

「岡魔様、今回はご苦労をおかけしました
 明日からは今まで以上に働きます」
「げ。やめろ縁起でもない
 めでたい席で年末も近いというのに
 仕事の話は聞きたくないぞ。それよりお前はどうだった?」
「はい。地獄の代表として
 相応しい振る舞いを成せたと思います」
「そうではなく・・・・・・まぁいい。楽しめたのだろう?」
「それは――はい、とても楽しかったです」

閻魔王はそれ以上詳しく聞かなかった
狂骨の笑顔を見れば、それで十分だからだ
+ 後日譚- 後日譚
いつもの服に戻った狂骨は
部屋でひとり。ドレスをじっと見つめていた

光の加減によってキラキラと輝く生地
要所に散りばめられた繊細な細工
何度見ても美しいと思う。これは特別な一着だ

御魔王が用意してくれたから、だけではない

身にまとった自分を救い主が褒めてくれた
さらにみんなとの温かくにぎやかな思い出もある

「忘れられませんね。本当に、素敵なひと時でした」

目を閉じれば思い浮かぶ光景を心の中に大事に残して
狂骨はドレスをたたんで優しく仕舞う

また来年、そしてその次も、その次の年も
これを着て、またみんなと聖夜を過ごせますように――
+ ワインについて- ワインについて
初見で血の地を連想した
飲んでみると甘味と渋みと酸味が複雑に混ざり合い
芳醇な香りとともに味わえる奥深いものだと理解した

日本酒のほうが好きだが
慣れてくると新しいものとしておいしさがわかるようになった

寝かせると深みが増すらしいので
何本か地獄に持って帰っている
+ サンタクロースについて- サンタクロースについて
血のような赤い服を着て
一夜のうちに全世界の子どもの枕元に望む物品を届けて回る
という奇怪な老人

その話を聞いたときは絶対に妖怪だと思ったが
救い主から正体を聞いて納得した

闇魔王に対して同じことをしている
狂骨もサンタクロースと言えるだろう
+ 恥ずかしい秘密- 恥ずかしい秘密
ハイヒールで歩く練習をしていたら階段を踏み外してしまい
下にいた亡者を踏んづけてしまったこと

ちなみにその場は謝罪して終わったが
以来その亡者が妙に期待した目で狂骨を見てくるようになった

話を聞くと焦りながら小声で
「踏んでほしい」と言ってきたので説教したうえで追い返した
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■カワエロ

クリスマスパーティーのプレゼント交換で
マッサージ券をもらったので、後日施術を受けに行った

肩や腰を揉みほぐしてもらい、体調は万全になった
みなさんやってますよー、と薦められてエステも受けた

自分の口からあんな声が出るとは思いもしなかった
+ 恋愛に対しての考え方- 恋愛に対しての考え方
ドレスの歩き方を学ぼうと
人間界から流れてきた雑誌を読み込んだ際に

「聖夜のデートはこれで決まり!
愛する彼と過ごす素敵なひと時」
という記事を見つけ、熟読した

何度も脳内でシミュレートしたので
いつ救い主に誘われても大丈夫だと自信を持っている
救い主一筋である
+ キャラかけあい- キャラかけあい
・子泣き爺(1種)
・一反木綿(1種)