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プロフィール編集
  ちょっと無理して、大胆に

「あの、ぬしさん……?そ、そんなに見つめられると…心の臓がもたないでありんす……!」

夏の海に絶世の美女が現れた
すれ違う誰もが振り返り
海水浴に来た全員の視線を一身に集める美貌
それが水着に着替えた紅葉だとは、まだ誰も気づいていない

麗しの黒髪を解き、魅惑の身体を大胆に衆目に披露する
今の紅葉は妖主でも花魁でもなく
ひとりの恋する乙女なのである

救い主にもっと近づきたい、自分を意識してほしい
仲を深めたい、その一途な思いが原動力だ

愛しの救い主を探して優雅に砂浜を歩く姿は絵になるが
——実は内心では心臓バクバクである

まさか自分の水着姿にこんなに周りが注目するとは
そもそも救い主以外に見られることを想定していなかった

顔から火が出そうになりつつも
そんな動揺は微塵も表には出さずに
紅葉はしなやかに歩を進める
真夏の太陽よりも熱いこの胸の想いを救い主へ伝えるために

ちなみにずっと緊張しているので
どんなふうに告白するかまでは
まったく考えていなかったりする
+ キホン見聞- キホン見聞
身長:162cm
体重:48kg(推定)
誕生日:11月10日
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■朱雀

四聖獣のひとり
救い主との関係を指摘され、紅葉は考えを改めた
救い主との距離の詰め方の相談に乗ってくれて
後押しもしてくれた

水着のデザインも協力してくれたので感謝しかないのだが
朱雀はこの水着を着ようとは思ってなさそうなのが
ちょっとだけ腑に落ちない
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■百々目鬼

紅葉の護衛を務めるくのいち
海に行こうと思う、と話したら日傘を用意してくれた

「紅葉様の大切なお肌が
 傷んでしまったら大変ですから……!

とめずらしく力説していたのがかわいい
+ 前日譚- 前日譚
花魁ノ國・妖主の部屋で
紅葉と朱雀は額を突き合わせて悩んでいた

ふたりのあいだには
題名だけが書かれた大きな紙が広げられている
「救い主誘惑大作戦」の計画書である

「今は夏、救い主も海にいるはず
 ならやはり水着になるのがいちばんだと思いますわ」

「み、水着でありんすか
 ですが救い主さんに
 肌を見せるのは恥ずかしいでありんす……」

「ですから、その奥手がダメですの
 攻めの姿勢で挑まなければ救い主と親密にはなれませんわ!」

力強い朱雀の提案に、紅葉は腹を括った
積極的に動かなければこれまでと同じ
自分は変わると決めたのだ

「わかりんした。この夏、私は水着で
 必ず救い主さんを誘惑してみせるでありんす!」

紅葉、一世一代の大決心である
+ 前日譚- 前日譚
「……本当に私がこれを着るでありんすか?」

完成した水着を前にして、紅葉の声は震えていた
実物を手にすると思ったより隠れる部分が少ない気がする

「いまさら怖気づいてどうするんですの
 あとは海に行って救い主に思いの丈をぶつけるだけですわ」

「ですが、救い主さんに
 はしたないと思われてしまいんせんでしょうか……」

「ならいっそのこと、違う自分を演じてみなさいな
 この水着を着ているあいだ
 あなたは救い主を愛するただの乙女です」

これは妙案だった。自分を変える
その手段としてこれ以上わかりやすいものはない

こうして紅葉は夏の海に降り立った
水着を着こなし、女としての魅力を最大限に発揮して
目指すは救い主

「待っていてください、ぬしさん❤
 あなたのもとへ、愛しい紅葉が参ります❤」

ひと夏の大冒険(紅葉の中で)が、今始まる
+ 水着について- 水着について
「私の考えた究極に魅力的な水着」
徹夜で試行錯誤した力作
朝にデザインが決まったときは最高の逸品だと確信していた

実際に着たとき
あまりの布地の少なさに目を疑ったが
もう止まれなかった
+ 日傘について- 日傘について
夏の太陽を甘く見てはいけない
花魁にとって過度の日焼けは大敵である
なので外出時には必須

機能性とデザインを両立している特注品
強い日差しはもちろん、雨の日にも使える優れものである
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■一反木綿

堺ノ國に店を構える服飾職人
極秘に水着の制作を依頼して
デザインを描いて見せたら四度見されるほど驚かれた

それでも迷うことなく
要望どおりに仕上げてくれたのが嬉しい
+ 得意なこと- 得意なこと
やってみてとのっぺらぼうに言われ
日傘の上に毬を乗せて回してみたら大成功

以来、時間があるときに
毬以外のものを回せるように挑戦している
+ 後日譚- 後日譚
海から戻った紅葉は自室でホッと息を吐く

想定外なことはいろいろあった、というかそれしかなかったが

とりあえず目的である
救い主への想いは打ち明けることができたのだ

それにいちばん心配だったこの水着を
救い主はまっすぐ褒めてくれて
それだけでもう十分と思えるくらい嬉しかった

手伝ってくれた朱雀にはしっかりお礼がしたい
そして今回起きたことを語りつくしたい

そう思えるくらい、この夏の挑戦は
紅葉にとって有意義なものだった

「次に救い主さんにお会いするとき
 またこの水着を着たら
 喜んでくれるでありんしょうか。……ふふっ」

もう少しだけ夏は続く
ならその機会もあるだろうと、心を躍らせる紅葉である
+ 後日譚- 後日譚
星々が瞬く夜の海を
紅葉は救い主に寄り添って眺めていた

言葉はいらない
指を絡めた手のひらのぬくもりと
肩から伝わる心地よい心音だけで紅葉の心は満たされている

ふと空を見上げると、尾を引いて星が流れた
あっと思った瞬間、姿勢が崩れてしまい
救い主を引っ張るように紅葉は砂浜に倒れる

慌てて起き上がろうとして、救い主が顔を近づけてきた
夜空の下、ゆっくりと互いの唇が——

「あぁ、救い主さんっ!
 そんな急に、いけんせ——はっ?」

目を開けると、自室の布団の上だった
まだ早朝だが日の光は強く、気温も高い

「……今のは、夢?
 ……あ、あああ
 も、もう少しでありんしたのに……っ!!」

頬を染めつつ悔しすぎてジタバタしていると
物音を聞きつけた枕返しが襖越しに心配してくれた

「な、なんでもありんせんっ。気にしないでくんなまし」

ひと息ついて落ち着いて、紅葉は夢の出来事を思い出す
自然と頬が赤く染まり、衝動的に筆を手に取る

このとき描いた日記は
紅葉の部屋の棚の奥深くに封じられることになった
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■口裂け女

各地で歌や踊りを披露する妖
実は以前お忍びで彼女の舞台を見たことがある
遊郭とは毛色が違うが彼女らしいよい舞台だった

ナイトプールでいっしょに写真を撮った仲
が、そのフィルムを口裂け女が持っているのが
少しだけ気になる

誰にも見せないでほしい
+ 海について- 海について
夏の海は楽しく、みんなが笑顔になるので好き

一方で冬の海は物悲しく、過酷さを感じるので少しだけ苦手
ただし救い主がいっしょならその限りではない
+ 苦手なこと- 苦手なこと
なにをどうしても目立ってしまう

本当は誰にも意識されることなく
救い主と静かに過ごしたいのだが
砂浜を歩くだけで周囲の視線が集まってくる

ただ、その並外れた美貌ゆえに
実際に声をかけてくる男はほとんどいない
+ 恥ずかしい秘密- 恥ずかしい秘密
水着に慣れようと、海に行く前に
何度か着物の下に着けて過ごしたことがある

誰にもバレなかったのだが
すれ違うたびにドキドキして落ち着かなかった
+ キャラかけあい- キャラかけあい
・朱雀[ドール] (衣装違い可) (1種)
・紅葉[雛] (1種)