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プロフィール編集
  夏の夜に溺れましょう?

「この貝の中なら、誰にも邪魔されず、ふたりっきりに、なれますよ?」

見た目と性格は聖女だが
言動は幻妖界の「歩く風紀違反」、八百比丘尼

実は彼女、ひょんなことから
恋愛小説家として活躍するようになっていた

ギリギリのギリで官能小説にならないよう
整えられた小説はあれよあれよと大流行

そんな彼女の連載作
――人間と人魚姫の悲恋を描いた作品はクライマックスを迎えていた

「この場面を描き切るには経験値が足りません
 ……取材しましょう! 海でデートをするんです!」

人魚姫になり切るため、水着に着替え、お供の貝妖怪も従えた

「あとは恋人役を、あの御方に……うふふ♥」

八百比丘尼が指名したのはもちろん救い主

だが、愛欲煩悩主義の尼さんとの恋人デート(仮)
……何も起こらないはずがなく……!?
アツアツの夏を見逃すな!
+ キホン見聞- キホン見聞
身長:162cm
体重:52.21kg
誕生日:6月9日
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■天狐

幻妖界に呼んでくれた恩人だが
天狐も八百比丘尼を恩人として敬い
客人として受け入れてくれる

互いに良き茶飲み友達

「でも風紀違反だけはよしてちょうだいね?」
とたびたび釘を刺される
八百比丘尼は返答は口にせず、朗らかにほほ笑んだ
+ 趣味- 趣味
海水浴。水着を得たことと
貝のアワビちゃんと仲良くなったことで
理由なく海面に浮かんで過ごす時間が増えた

波の音を聴きながら身を任せると、心が自然と凪いでくる

……と思いきや、貝にぶつかる波の
白い飛沫が飛び散る様を見て意味深に微笑んだりもしている
+ 執筆活動の前日譚- 執筆活動の前日譚
妖狐ノ國で子供たちに
童話や昔話の読み聞かせをしていた八百比丘尼

「小説を書いてみませんか?」という
編集者の誘いを受けて執筆してみたものの
内容はアウトオブアウト

恋愛譚としてよくできていたのだが、あまりに官能小説だった

「あ、あの、行為の描写をですね
 どうにかうまくボカすというか
 ――直接書かずに、想起させたり
 読者に勝手に想像させるとか、そういう修正を!」

「え~? 直してみますが
 ……でも、直接書いた方が、みなさん悦びません……?」

困り果てた編集者
ふと思い当たり、ツテのあった天井嘗めと
たまたま遊びに来ていた垢嘗めに
修正前と修正後の小説を読んでもらった

官能小説の方は黙って唾を飲むが
修正後の小説はキャーキャー言いながら
大盛り上がりで読んでくれた

「はは~なるほど~。こういう反応になるんですね……♪」

八百比丘尼の本懐はヒト助け、救済
悦んでもらえるならば、自らの考えを変えることに
なんのためらいもなかった

以降、彼女の小説から官能色はだいぶ減った
たまに行き過ぎて修正を頼まれるのはご愛嬌
それは彼女の性なのであった
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■垢嘗めと天井嘗め

欲を我慢できない性(さが)がわかりやすく出てしまう姉妹
垢嘗めは八百比丘尼の小説を見るとキャーキャー騒ぎ
天井嘗めが諌めるが
結局最後はふたりでキャーキャーしてることが多い

わかりやすく悦んでくれるので、八百比丘尼もふたりが好き
+ 好きな食べ物- 好きな食べ物
さくらんぼ

桃と同じで、真っ赤に熟れたものを味わうのが好き
へたは口に含んで上手に結べる
んべっ、と舌を伸ばして見せる瞬間が、なんか好き
+ 執筆活動の後日譚- 執筆活動の後日譚
救い主との取材デートを経て
八百比丘尼の恋愛譚は最終回が掲載された

物語を最後まで見届けた読者からは称賛の嵐

「泣いた」 「後世に残すべき傑作」
「続編を……!」の声が編集部に殺到した

「……というわけで、救い主さん!
 次作も取材にご協力を!
 次は恋に恋する妖の者と人間男性の愛欲と絆を――」

夜叉ノ國までおねだりにきた八百比丘尼を
夜叉組は苦笑しながら見つめていたのだった

なお、数秒ごとにツッコミが入ってた
恐るべし、八百比丘尼
+ 苦手な事- 苦手な事
我慢

気持ちいいこと、愉しいことは救済をもたらす
という信条なので、気持ちを抑えるのは本当に苦手

しかし、欲を抑えたあとに
解放することでしか得られない快楽があることも、また事実で
――嗚呼っ、ままならないっ! とクネクネ悶える
+ 恋愛に対しての考え方- 恋愛に対しての考え方
問.売れっ子作家となった八百比丘尼さん
貴方にとって愛とは?

「うふふ。それはやっぱりですね~
■■■■■■■■■■■■■」"

※編集部判断で「見せられないよ!!!」の
 殴り書きと共にお蔵入り
+ ナイトプールの前日譚- ナイトプールの前日譚
ある日のこと
八百比丘尼は、一緒にお茶をしていた
天狐の顔色が良いことに気が付いた

理由を尋ねると、先日、滝夜叉姫が妖主たち数名を
鶴亀温泉に招待してくれたのだと言う

「夜からだったけど、貸し切りにしてくれたのよ
 ゆっくり羽根を伸ばせて楽しかったわぁ」

「なるほど~。オトナ同士で
 ゆったり、しっぽり……良い休日でしたね♪」

話は弾み、天狐はふと呟いた
「妖狐ノ國にもそういう施設を作ろうかしら?」

鬼ノ國には遊戯施設ができたし
「やるなら、ないとぷーるがいいわね
 堺ノ國から流れてきた人間界の雑誌に載っていたわ」

昼はワイワイ、夜はゆったり、オトナの世界に
――お酒も可

「その管理、私にお任せいただけませんか?
 また、水着も使いたいですしっ♪」

かくして、ナイトプールの責任者・八百比丘尼が誕生した
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■貂

國外へ行くとき、天狐の命令で
八百比丘尼の護衛をすることが多い

八百比丘尼が「歩く風紀違反」と呼ばれることを
本人以上に気にしており、暴走や行き過ぎを止めてくれる

あまり口に出さないが、八百比丘尼の恋愛譚のファン
こっそりドキドキしている
+ ナイトプールの前日譚- ナイトプールの前日譚
「お疲れ様でした~」
営業終了後、ナイトプールの清掃を終えた

妖狐の兵士を見送ったあと
八百比丘尼は揺れる水面を見つめる

「なんだかいいですねぇ~
 とっても風流で、雅で、懐かしい……」

気持ちが凪いだあと
なんとなく寂しくなりかけたとき、ふと気づいた

「まぁ……水面にうかぶ月が歪んで、はーとの形に……」

すると、どうだろう

八百比丘尼の気持ちは瞬く間に赤く、鮮やかに華やいだ

この夏、貝の上で救い主と肌を重ねた(?)
――胸のドクドク、キュンキュン、ピュッピュが止まらない

「嗚呼っ、やっぱり愛と煩悩って素敵……!
 生命の輝きですね♪」

今度はいつ会えるでしょう
八百比丘尼は鼻歌で子守歌を奏でながら帰路についた
+ 恥ずかしい秘密- 恥ずかしい秘密
貝の中に救い主と閉じ込められて以来
暗いところで寝転んでいると
思い出して悶えるようになってしまった

たまにわざと思い出したくて
アワビちゃんに頼んで、貝を閉じてもらっている
さすがにみんなには見せられない姿である
+ 大切な場所- 大切な場所
ナイトプール

みんなが楽しく過ごせるよう、これからも励みます!
+ 関係するキャラ- 関係するキャラ
■九尾

作風はまったく違うが、八百比丘尼の先輩作家
小説の最終回を終えたあとのインタビュー記事には

「九尾さんのご助力により、より良い作品に仕上がりました」
という文面が載っており
それを読んだ九尾は鳥肌を立てながら奇声をあげたという

……哀れ
+ キャラかけあい- キャラかけあい
・白狼天狗(2種)
・九尾(1種)