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タレスについては後世の哲学者たちによる書物が残っているのみで、彼の直鎖は現存していない。
タレスは、フェニキア人の一族テリダイ一家の家系に誕生した。政治活動を行っていたが、後に自然哲学に傾倒。多才な人物として知られ、測量術や天文学に精通していた。
タレスは最初の哲学者として知られるが、それは彼が万物の根源について初めて具体的な思考を行ったとされるからである。当時のギリシャでは世界(宇宙)は神が創造したという神話的解釈が一般的であった。しかし彼は「万物の根源は水である」と主張した。すべてのものは水から生まれ、水に還るとし、自然も生命体であり水から生成されているのだとした。
総ての事物は誕生・存在・消滅を一貫した流れのうちに行っており、これこそが「原理」であるという彼の思想は、アリストテレスも著作「形而上学」で引用している。
タレスは自然哲学者とされるが、これは「万物の根源は水」という思想が科学的な観点から述べられていると考えられているためである。かれは生命が生きていくうえで欠かせない「栄養のあるもの」はすべて水気を含んでいると考えた。水気のない土地には樹木は生えないし、人の体からは血が流れる。熱は湿度を帯び、すなわち水分を含んでいる。彼は周囲の事物から帰納的にこの思想に至ったと考えられる。
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