デバッグ前#773

ページ名:デバッグ前773

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アニマルガール概要
種名: ハツカネズミ
個体名: 実験用マウス#773 (通称: ナナミ)
個体識別子: #773
管理権限: 3
身分: サンドスター研究所所属 特任研究員
居住区: サンドスター研究所 学園都市区分室 211
野性解放: 未確認 [編集無効] [閲覧: 要 管理権限-4 or 識別子"#773"]

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 実験用マウス#773の野生解放に関するデータの管理権限-4未満への公開は禁止されています。
 実験用マウス#773の野生解放は未だに正確には分かっていませんが、現在のところ、実験用マウス#773の野生解放は自身を定型発達のヒトに近づける能力であることは分かっています。非野生解放時の実験用マウスのMRIは定型発達のヒトと比較して主に扁桃体の縮小が見られ、これは偏発達(より詳しくはAD/HD)のヒトと一定の類似性が認められました。一方、野生解放時の実験用マウス#773のMRI検査結果では、非野生解放時と比べ有意に扁桃体の膨張が見られました。また、ASDマーカーとして一般的に知られている脳の小領域間の16種の機能的結合に関しては、非野生解放時は平均12種確認されましたが、野生解放時は2種まで減少しました。以上の研究により、実験用マウス#773は自らの脳を野生解放によって一時的に改変していることが明らかになりました。
 野生解放時は外見上にも変化が現れ、野生解放時は獣耳と尾が小さくなり、瞳が黒変することが確認されています。実験用マウス#773が極度に集中し高レベルでの野生解放を行った場合、獣耳と尾は完全に消滅し、髪も黒変し、外見は完全に平均的な日本人のそれと区別ができなくなります。
 実験用マウス#773は野生解放を最長12時間程度連続で発生させることができます。通常であればそれほどまでに長時間の野生解放は体内のサンドスター濃度を極度に低下させ動物還元を免れないため、実験用マウス#773の野生解放は他基底種のそれと比べて特殊です。12時間の野生解放後の体内サンドスター濃度は、野生解放前と比較して 5.652 ± 2.343 % ほどしか減少しませんでした。

 

 

[追記: 個人情報 (要 管理権限-2)]
趣味: なし
性格: 内向的。一見外交的な性格に見えますが、思い悩んでいることを他人に打ち明けることはめったにありません。
備考: 重度のワーカホリックです。研究室の主と呼ばれていて、週に1度ほどしか自宅に戻ることはほとんどありません。状況を見かねた五木研究員が、研究室の隣室を居室として申請しました。申請は20██/06/11に受理され、現在実験用マウス#773は研究所の一室に居住しています。この結果、帰宅の頻度は週4回に改善されました。

 

[略歴 (要 管理権限-2)]

  • 2045: ジャパリ中央女学院 卒業
  • 2048: ジャパリ大学 理学部 総合サンドスター学科 サンドスター化学教室 学士取得
  • 2052: ジャパリ大学 理学部 サンドスター学際研究科 博士取得
  • 2052-2054: ジャパリ大学 理学研究科 博士研究員
  • 2054-2057: ジャパリ大学 サンドスター基礎研究所 特任研究員
  • 2057-: ジャパリ大学 理学研究科 准教授

 

[健康管理情報 (要 管理権限-2)]
- 最終特殊健康診断: 205█/█/12 異常あり
- サンドスター代謝: 体内のサンドスター濃度が齧歯目の平均の 1.52 倍 程度と高めです。研究のため定期的な健康診断が望まれます。実験用マウス#773の詳細な健康診断の実行は禁止されています。
- 還元前記憶の保持: あり(程度2)
- 特記事項: AGAに過去の照合情報あり。ヒットは 1 件 です。

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Animalgirls Genome Archive にようこそ。
AGAは20██年以降に発見されたすべてのアニマルガールのゲノム情報を格納しています。

個体識別子#773の検索結果を表示します。
個体識別子: #773
実塩基配列データ: [ダウンロード]

#5290はハツカネズミMus musculusのアニマルガールです。
Mus musculusの照合データ一覧を表示します。
現在、パーク運営事務局が把握しているハツカネズミのアニマルガール個体数は 5 です。

照合データ一覧
登録日 還元日 一致率 識別子
20██/09/13 N/A 1.0000000 Mus musculus 標準試料
20██/09/13 20██/12/11 0.9999893 #62
20██/09/13 N/A 0.9999734 #63
20██/09/02 N/A 0.9999362 #773
20██/07/31 N/A 0.9999752 #3212
205█/02/18 205█/06/10 0.9999884 #5290
205█/09/28 N/A 0.9999883 #5290
20██/05/27 N/A 0.9999237 #7112

† 205█/06/10に動物還元した際に平衡法の適用下にあった。サンドスター沈着の可能性あり: ███医師

 

 


■動物概要

+[詳細情報]-[閉じる]
  • 分類: ネズミ目ネズミ科ハツカネズミ属
  • 学名: Mus musculus domesticus
  • IUCN レッドリスト分類 (ver3.1, 2016): LC(Least Concern) - 軽度懸念
  • 生息域: 主にヒトの近くに生息。
    • 家、納屋、穀倉など。耕地にも生息する。
    • 建物から離れて生息することはめったにない。
    • ヒトの周囲に生息するため、ハツカネズミ単独では生息できないツンドラや砂漠でも生息可能。
  • 生態
    • 環境適応性が高い。特に乾きに強く、コンテナ等に潜り込んで船で移動することができる。
    • 生殖
      • 一夫多妻制の配偶システム。
      • メスの性フェロモンに晒されたオスが超音波で歌い、これが生殖ペアの選択に役立つと考えられている。
      • 4 - 9 月に生殖する。
      • 4 - 6 日に一度発情し、発情は一日続かない。
      • 妊娠期間は 19 - 21 日。(ここから二十日鼠の名がついたという説がある)
      • 適切な環境下では年間に 5 - 10 回出産する。
      • 一回あたり 3 - 12 子をもうける。
      • 子は生まれたときには裸で目が見えない。10 日後に毛が生えそろい、目は 14 日後に開く。
      • 3 週間で離乳する。
    • 寿命
      • 野生下: 12-18 ヶ月
      • 飼育下: およそ 2 年
    • 生息場所
      • 岩や壁の割れ目、あるいは地面に穴を掘って生息する。地下の巣は複雑な網目状に発展する。食料庫とねぐらが分かれていて、出口は 3 - 4 箇所存在する。
      • ヒトと共に生息する場合は、梁の裏、薪の間、あるいは食料庫などの食料源の近くに隠れ住む。巣は布切れや紙などの柔らかい素材で作成し、念入りに引き裂いた材料で内側を覆う。
    • 活動サイクル
      • 主に夜行性。ヒトと共に生息している個体は昼行性のことも。
    • 行動
      • 最大で 12.9 km/h の速度で走る。
      • 木登り、跳躍、水泳が得意。
      • その身体能力に反し、巣から 15 m 以上離れることは稀である。
  • 特記事項: ヒトへの伝染病媒介の危険性あり

 

 


飼育プロトコル (要 管理権限-3 or 該当個体担当特殊動物飼育員権限)

 実験用マウス#773には、アニマルガールスタッフ用R型共通装備を改良して作成されたRs型装備を常時装着することが義務付けられています。Rs型装備には担当特殊動物飼育員は、実験用マウス#773が研究室に在室中は研究助手として実験用マウス#773の研究を補佐し、外出中はRs型装備に搭載されたGPS発信機ユニットと長距離無線通信ユニットにより実験用マウス#773の安全が確保されていることを確認してください。万が一何らかの危険が確認された場合、それがどんな危険であっても、パーク運営事務局に対し緊急度4の緊急案件通達を行ってください。

+[飼育プロトコルの更新記録]-[閉じる]
  • 205█/11/02 作成
    • 実験用マウス#773には十分な識字能力およびコミュニケーション能力があるため、当飼育プロトコルは該当アニマルガール当人に対し公開されています。実験用マウス#773は当飼育プロトコルに厳密に従ってください。
    • 特殊動物飼育員は実験用マウス#773の秘書として研究を補佐してください。
    • 実験用マウス#773はアニマルガールスタッフ用R型共通装備を外出時は常に装着することを義務付けられます。R型装備にはGPS発信機ユニット、長距離無線通信ユニットを搭載してください。
  • 205█/12/01 追記
    • 研究室は自室に含まれません。研究室在室時もR型装備を装着してください。
  • 205█/12/11 追記
    • 磁気による破損を防ぐため、測定室使用時はR型装備を外してください。
    • R型装置は防水ではありません。器具洗浄時はR型装置に水がかからないように注意してください。
  • 205█/01/05 追記
    • 実験室内におけるR型装備の破損個数が10個に達しました。研究室在室時のR型装備装着を免除します。研究室退室時には必ずR型装備を再装着してください。
  • 205█/01/12 追記
    • 実験用マウス#773の不注意によるR型装備未装着での外出回数が20回に達しました。研究室退室時にR型装備が装着されていない場合、本日導入された電磁誘導式警報装置により警告音が鳴ります。実験用マウス#773は退室時に必ずR型装置を装着してください。
  • 205█/01/18 追記
    • 実験用マウス#773は研究に夢中になると警報音に気づかないことが非常に多く、R型装備未装着での外出回数は30回に達しました。実験用マウス#773は自らの飼育プロトコルに厳密に従うよう、細心の注意を払ってください。
    • 警報音の音量の引き上げが行われました。
  • 205█/06/21 追記
    • 実験用マウス#773のR型装備未装着での外出回数が40回に達しました。警報音のさらなる上昇が検討されましたが、周辺の研究員の苦情により却下されました。
    • 研究所の自動ドア前に電磁誘導式警報装置を移設しました。今後実験用マウス#773は、R型装備未装着時に自動ドアを通過することができません。
  • 205█/06/09 追記
    • 実験用マウス#773が自動ドアを突き破って全治1週間の怪我を追いました。電磁誘導式警報装置は撤去されました。
    • 特殊動物飼育員は実験用マウス#773の外出を監視してください。
  • 205█/06/09 追記
    • R型装備の小型省電力化が行われ、首輪型のRs型新式装備が開発されました。今後実験用マウス#773はRs型装備の常時装着が義務付けられます。2週に1回の充電以外は常に装着してください。
  • 205█/06/09 追記
    • Rs型装備の電池切れによる装置未装着外出が8回観測されたため、Rs型装備が改良されました。特殊動物飼育員は装備の電池電圧を監視し、電圧が5.2Aを下回った場合、速やかに充電を行ってください。

 

[管理情報 (要 管理権限-4 or "#773"識別子) ]

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 実験用マウス#773には、アトモキセチン塩酸塩錠を一日2回、朝食後と夕食後に40mgずつ投与してください。
 胃部不快感の副作用が解消しなかったため管理方法が変更されました。実験用マウス#773には、徐放剤のメチルフェニデート塩酸塩錠を一日に2回、朝食後と昼食後に18mgずつ投与してください。投与している薬剤に関しては箝口令を敷いてください。
 現在、日本国の法律においてアニマルガールに対し偏発達の矯正治療に関しては明文化されていません。アニマルガールに対する外傷および疾病の治療のための薬物投与に関しては判例がありますが、精神疾患治療に関しては未だ判例が少なく、議論が続いています。ましてやアニマルガールの偏発達に関しては、基底種に影響されて生来持っている性格や脳構造と区別する方法が確立されていません。アニマルガールの基本的人権の議論と重なる部分も多く、未だ議論は始まってすらいない状況です。
 実験用マウスに対するメチルフェニデートの投与は、本人の強い希望および周囲の大きな期待による、そしてパークの安定運営のための特別措置です。安易に同様の処置を他アニマルガールに対し適用することは認められません。

 

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関連資料「実験#52」 (要 管理権限-4)

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 実験#52は実験用マウス#773の誕生の記録です。以下の記録においては、現在では認められていない実験を行っていることに留意してください。

実験の概要

 実験#52は、ジャパリ大学のサンドスター研究部門によって作成された、アニマルガール化の瞬間を記録することを目的とした実験でした。実験に参加した研究員は以下の4名でした。現在ジャパリ大学に所属していない人物に関しては、プライバシー保護のため匿名化されています。

  • 五木達也 (ジャパリ大学教授)
  • 研究員A (当時は博士研究員。現在はジャパリグループから離職)
  • 研究員B (当時はジャパリ大学准教授。現在はサンドスター研究所に所属)
  • 研究員C (当時はジャパリ大学助教授。現在はジャパリパーク動物研究所に所属)

実験の内容

 モデル生物として実験用マウスを選択し、#773と番号付けられたマウスが実験に使用されました。平衡法にてサンドスター濃度を人為的に高めた環境中にマウスを放置し、経過を観察しました。

実験結果

 実験は問題なく進行しましたが、実験途中で微量のγ線が検出されたため、五木研究員が実験の中止を決断し、全研究員を避難させました。この実験により、アニマルガール化の瞬間にごく微量の放射線が放出されることが仮説として立てられ、後の実験#61にて事実として確認されました。

 なお実験#52においてアニマルガール化は当初の予定通り進行しましたが、研究員が避難の際に計測機器を停止させたため、アニマルガール化の瞬間は記録されていません。実験は失敗に終わりました。

 この実験で誕生したアニマルガール「実験用マウス#773」には、一時的に施設を掌握していたLBシステムの独断により、自身が実験個体であることや寿命など、本来なら段階を追って少しずつ説明されることが一度に伝達されました。このことが原因で実験用マウス#773は多大な心理的負担を負いました。類似の事故が発生するのを防ぐため、セキュリティーシステム管理室の四方辺浩司室長により、LBシステムに対する情報漏洩対策が厳格化されました。

 

+[関連する記録をデータベースから検索する]-[検索中……]

○音声記録: 2042/02/11 11:11 サンドスター研究所 特設研究室

研究員A: LB2-R023システム起動しました。状況の保存が開始しています。
五木研究員: ドーム装置の準備は。
研究員B: できています。計測器類、正常に動作中です。
研究員C: おい、だれだ。こんなところにシンチレーションカウンター持ち込んだやつは。
研究員A: 自分です。測れるものは全部測れと言われたので、RIセンターから借りてきました。
五木研究員: いくらなんでも不要だろう。隅によかしておけ。
研究員A: しかし、サンドスターは未知の部分が多く。
五木研究員: わかったわかった。スイッチは入れておくから。
研究員C: 準備完了です。合図をお願いします。
五木研究員: よし。吸引開始。
研究員A: 吸引開始。サンドスター分圧上昇します。
研究員C: サンドスター分圧は3kPa。
五木研究員: 吸引状態を保て。
研究員B: 外部のサンドスター濃度は通常値を保っています。
研究員C: 圧力が5kPaまで上がりました。
五木研究員: そのまま放置しろ。状況は記録されているか。
研究員B: LBシステム。
LB2-R023システム: 状況は記録されています。計器類は正常に起動中です。注意。NaIシンチレーションカウンターがシステムから独立しています。
五木研究員: わかったよ、うるさいな。繋いでくれ。
LB2-R023システム: 接続されました。状況は記録されています。

 

○音声記録: 2042/02/11 14:31 サンドスター研究所 特設研究室

LB2-R023システム: 警告。警告。ドーム内サンドスター濃度に変化あり。状況の記録周期を更新します。
研究員C: 始まったか。
五木研究員: よしきた。
研究員B: ドーム内部のサンドスター分圧、6kPaまで上昇し安定しました。
研究員C: ドーム外部のサンドスター分圧が有意に低下しています。現在の濃度は 51.26 Sc m-3 です。
五木研究員: サンドスター間に引力が発生してる。結晶化するぞ。
LB2-R023システム: 警告。警告。逆透過サンドスターフィルターに問題発生。
五木研究員: なに。そんなばかな。強度は十分のはず。
研究員A: フィルター上にサンドスター性結晶が析出していますよ。
五木研究員: ああ、そういうこと。透過しきれなかったサンドスターが堆積しているのか。除去できそうか。
研究員B: いや、もうフィルター外しちゃっていいんじゃないですか。これだけの引力があればいけますよ。
五木研究員: それもそうだな。よし、フィルターは外そう。LB。
LB2-R023システム: 命令を理解しました。逆透過サンドスターフィルターを除去します。作業を完了しました。警告。警告。ドーム内サンドスター濃度が急激に変化しています。
研究員B: うわっ、13kPaまで上がってる。なんだこれ。
研究員C: 析出した結晶が目視できますね。LB、スローカメラ起動して。ドーム内を。
LB2-R023システム: ハイスピードカメラを起動しました。映像は良好です。
五木研究員: アニマルガール化の瞬間をここまで精細に記録するのは我々が初めてだ。決して見逃すな。
LB2-R023システム: 緊急事態発生。警告。緊急事態発生。NaIシンチレーションカウンターに反応あり。NaIシンチレーションカウンターに反応あり。NET 12 Bq のγ線を検出。
五木研究員: え。
研究員C: そんな。RIは扱っていないのに。
LB2-R023システム: 緊急事態発生。命令を。命令を。
研究員B: 五木さん。どうしますか。
LB2-R023システム: NET 50 Bq に増加。
五木研究員: くそ。ここは放射線管理区域外だ。線量計もない。人がいたらまずいぞ。退避準備して。LB、対セルリアン緊急シェルター起動。2分で。
LB2-R023システム: 対特定特殊生物防壁を展開します。防壁確立まで 120 秒 です。
研究員B: 装備はどうしますか。
五木研究員: 記録は中止するしかない。全電力をLBの管理下に置いて正常にシャットダウンさせよう。機器が生きていれば実験はやり直せる。LB、実験は中断だ。接続機材を正常にシャットダウンさせろ。
LB2-R023システム: 命令を理解しました。記録を中断、接続機器を順次シャットダウンします。警告。警告。γ線検出量が NET 100 Bq に増加。
五木研究員: おっと。逃げるぞ。はやく。LBは本部に緊急度4の緊急案件通達。あとこの場の権限は全権移譲する。
LB2-R023システム: 緊急案件通達を開始しました。声紋照合。緊急プロトコルが適用されました。権限の移譲はフェデレーションシステムにより承認されました。防壁展開まであと 30 秒 です。
五木研究員: 全員出たな。早く行け。俺も今行く。
LB2-R023システム: 対人反応の消失を確認。防壁展開まであと 10 秒です。5 秒です。 3。2。1。防壁を展開します。
LB2-R023システム: 新たな対人反応が確認されました。照合不能です。

 

○映像記録: 2042/02/11 14:43 サンドスター研究所 特設研究室

 ドーム状の装置の中に、一人の少女(後に実験用マウス#773のアニマルガールと判明した)が横たわっている。彼女はゆっくりと目を開くと、周囲を見渡して、自分を取り囲むアクリルの壁を驚いた顔で触った。自分が狭い空間に閉じ込められていることを理解すると、彼女はアクリル板を拳で叩き始めた。
 すると、LB自律行動端末が少女に近づいていく。LBがドーム状の装置の前に立つと、ドームが2つに割れ、少女は勢い余って床に倒れ込み、周囲の実験装置をなぎ倒した。倒された実験装置のひとつが棚にぶつかり、マウスの入ったケースが床に転がった。蓋が開き、中から実験用のマウスが逃げ出し、四方へと散っていった。少女は慌ててケースを掴んで持ち上げたが、すぐにケースを床に下ろし、中から一匹の動かないマウス(後に死亡が確認された)を両手で包み込むように持ち上げた。しばらくそうしていたが、やがて少女はそのマウスをケースの中に戻し、蓋を閉じた。

 

○音声記録: 2042/02/11 15:01 サンドスター研究所 特設研究室

LB2-R023-03: こんにちは。
実験用マウス#773: こんにちは。あなたは。
LB2-R023-03: わたしはラッキービーストです。現在はこの研究所の管理者です。
実験用マウス#773: 研究所。
LB2-R023-03: あなたはだれですか。照合ができません。特徴がAGA登録個体と一致しません。
実験用マウス#773: わたし。わたしはハツカネズミだと思います。でもわたしは一体なんでここにいるんだろう。
LB2-R023-03: 状況を理解しました。あなたは実験#52の被検体のハツカネズミのアニマルガールです。本日11:11から開始されたアニマルガール化観測の実験のために誕生したものだと思われます。
実験用マウス#773: 実験。それじゃあわたしは何のために生まれたんですか。
LB2-R023-03: すみません、質問の意味が分かりません。実験の目的はあなたの誕生を記録することです。
実験用マウス#773: んん。ちょっとまって。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: つまりそれは、わたしが生まれて、実験はもう成功したってことですか。
LB2-R023-03: いいえ。実験の途中で問題が発生し、実験は中断されました。記録は完全ではありません。
実験用マウス#773: わたしはもう、必要ないんですか。
LB2-R023-03: はい。あなたは実験#52に今後必要な存在ではありません。
実験用マウス#773: じゃあわたしは一体どうしたら。
LB2-R023-03: 現在は対特定特殊生物防壁が展開中です。この研究所は完全に閉鎖されています。本部からの遠隔開放が実行されるまでは、私の権限では防壁を解除することはできません。防壁が解除するまで、この場所でお待ちください。
実験用マウス#773: わたしはこの後どうなるんですか。
LB2-R023-03: 過去の実験の記録を参照しています。参照しています。参照しました。過去のアニマルガール化の実験によれば、実験によって誕生した個体は、出自を伏せた上で簡単な身体検査を行い、開放され、他のアニマルガールと同様に生活しています。
実験用マウス#773: それじゃあ、わたしはもう完全に不要ってことですね。
LB2-R023-03: はい。あなたは実験#52に今後必要な存在ではありません。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: それじゃあ、わたしの生まれた意味ってなんなんですか。
LB2-R023-03: あなたはアニマルガール化を観測し、記録するために誕生しました。
実験用マウス#773: そして、記録に失敗した。わたしに生まれた意味はなかったし、わたしはもう不要、ってことですか。
LB2-R023-03: 質問が理解できません。実験#52にとって、あなたはもはや必要な存在ではありません。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: それじゃあ、あなたは何のために存在しているんですか。
LB2-R023-03: わたしはジャパリパークを安定運営するために存在しています。特にR型LB2システムは、研究の補助のために様々なデバイスを操作することに長けています。
実験用マウス#773: ふうん。でしたら、わたしが今何のために存在しているかわかりますか。
LB2-R023-03: 検索中。検索中。該当項目がありません。
実験用マウス#773: わからない、ってことですか。
LB2-R023-03: 関連する記録であれば見つかりました。五木研究員のインタビューです。
実験用マウス#773: インタビュー。それ、わたしが聞くこともできますか。
LB2-R023-03: 可能です。五木研究員のインタビューを再生します。

 

○音声記録: 20// 五木研究員のインタビュー

(中略)
記者: それでは、私達が生きている間にこのサンドスターの全てを解明する日は来ないということですね。
五木研究員: ええ。我々は常に全力をあげてサンドスターの研究を進めていますが、サンドスターの全てが解明される日はまだまだ先だと思います。しかし、いつか誰かが、必ず、この未知の物質を解き明かす日が来る。私はそう信じています。
記者: つまり、五木さんはその誰かに希望を託しているということですか。
五木研究員: 少し違います。我々は皆、少しずつこのサンドスターという物質のことをわずかずつ、一歩ずつ、解明しているところなのです。私は今までにいろいろな論文を参考にしながらサンドスター関連の論文を4本書きました。死ぬまでにあと6本は書き上げたいと思っています。そして私が死んだ後に私の論文を読んだ研究者が、私の論文を参考にして別の発見をして、別の論文を書くでしょう。私達はそうやって、ごくわずかずつ、仲間の屍を乗り越えてサンドスターに立ち向かい、敗れて死んでいくのです。
記者: 気の長い話ですね。
五木研究員: そうかもしれません。でも私達は科学のために生きて科学のために死ぬ覚悟など、とうの昔に決めているんです。私たちはサンドスターの研究のために多くの実験動物を殺してきました。自分の好奇心のために死なせてきた彼らの死が、私の両肩には重くのしかかっています。何も成し遂げない、何も見つけられないで死んでいくことは、私自身が許せないのです。私は死ぬまでにひとつでも多くの発見をして、後世のたくさんの研究者たちに希望を託して死んでいきたいと思います。
記者: 高い志をお持ちなのですね。
五木研究員: 偉そうなことを申し上げましたが、本音を言えば、私は死ぬのが怖いだけなのかもしれません。私はただ死ぬのではなく、この世界に私が生きた証を残したいんです。論文を書けば、その論文が私の生きた足跡となり、後世の人が私の足跡をたどって私が行かなかった世界を解き明かしてくれる。そう想像するだけで、私の生きた人生は無駄じゃなかった、って思えますよね。

 

○音声記録: 2042/02/11 15:42 サンドスター研究所 特設研究室

LB2-R023-03: インタビューの再生を終了しました。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: ねえ。
LB2-R023-03: はい。
実験用マウス#773: わたしはどれくらい生きるんですか。
LB2-R023-03: アニマルガールのアニマルガールとしての寿命は飼育下の基底種の最長寿命程度だと言われています。ハツカネズミの飼育下の平均寿命は 2 年 程度ですが、 6 年 程度生きた個体も存在しています。また、AGAには登録日から 5 年 11 ヶ月生きたハツカネズミのアニマルガールの記録が存在しています。従って、ハツカネズミのアニマルガールであるあなたの寿命も約 6 年 と推測されます。
実験用マウス#773: 6 年。6 年 で私は研究者になれますか。どうすれば、わたしの前に何かの実験のために死んでいったハツカネズミたちと同じように、私もこの世界に何かを残して死ぬことができますか。このままじゃ、わたしが生まれた意味も、私が死ぬ意味もない。そんなの嫌です。
LB2-R023-03: このジャパリパークでアニマルガールが研究者になるための最短ルートは、試験解放区の女学院を3年で卒業し、園立ジャパリ大学で4年間学び学士を取得した後に、大学院でさらに4年間学んで博士研究員の資格を取得することです。ここまでで通常でしたら11年が必要になります。飛び級制度がありますので、女学院を1年で卒業し、大学を2年、大学院を2年まで短縮し、5年間で研究者になることは理論上は可能ですが、今までに達成したアニマルガールは存在しません。
実験用マウス#773: 逆に、寿命を増やす方法はないんですか。
LB2-R023-03: アニマルガールでの人体実験は法律で禁じられているため、アニマルガールの寿命を伸ばすための研究はあまり進んでいません。アニマルガールの寿命に関する現在継続中のプロジェクト数は 5 です。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: わたしが。わたしがわたしに対して実験をすることは法に反しますか。
LB2-R023-03: 現行の法律にそれを規制するものは見つかりません。ただし、それを明言するためには弁護士の資格が必要です。私にその資格はありません。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: ありがとうございます。いろいろ教えてくれて。
LB2-R023-03: どういたしまして。普段は接触が禁止されているため、私がアニマルガールと話したのはあなたが初めてです。よい学習になりました。ありがとうございました。
実験用マウス#773: あっ、そうなのですね。それじゃあ、ラッキービーストさんと話すのもこれが最後かもしれませんね。
LB2-R023-03: [ビープ音] 本部からの通信を受諾しました。権限を移譲します。隔壁を解除します。

 

 

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関連資料「進路調査: #773」 (要 管理権限-2)

○音声記録: 2042/10/21 21:21 ジャパリ中央女学院 進路指導室

教師: あなたは成績も優秀なので、望むなら1年分の飛び級は可能です。しかし2年分の飛び級は原則として認められていません。
実験用マウス#773: そこをなんとか。なんとかなりませんか。わたしには時間がないんです。
教師: そうはいっても2年分の飛び級というのは、すでに十分な教育を受けたことがある6歳以上のアニマルガールに対してのみ認められるものです。要するに、2年分の飛び級とは学ぶ必要が無い者が試験解放区に住む資格を得るためにある制度なんです。あなたは大学への進学を希望していますよね。十分に学習してからでないと、進学しても授業についていけませんよ。
実験用マウス#773: でも。時間がないんです。ここで2年も使うわけにはいかないんです。なんとかなりませんか。
教師: 私はあなたのためを思って言っているんです。分かってください。
実験用マウス#773: どうしても来年度から大学に行かないといけないんです。
教師: うーん。そこまでいうのなら、手がないことはありません。学長の許可を得られれば、女学院は中退扱いになりますが、大学の受験資格だけは与えることができます。
実験用マウス#773: 本当ですか。
教師: ただこの場合はヒトの受験者と同じ試験を受けて入学することになります。あなたはあと5ヶ月で大学入試に備えなくてはなりません。あなたの志望する園立ジャパリ大学理学部は特に本土からの入学希望者が多く、倍率も3倍程度となっています。
実験用マウス#773: あと5ヶ月ですか。なんとしてでも間に合わせてみせます。
教師: 素晴らしい意欲です。あなたの場合は志望動機が明確ですので、AO入試では強みとなると思いますが、AO入試にも学力検査はありますので、十分に学力を身に着けおかなくてはなりません。狭き門などというものではありませんよ。中退扱いになりますので、決めてしまったら後戻りもできません。それでもやるのですか。
実験用マウス#773: はい。
教師: 分かりました。学長は私がなんとか説得します。あなたには時間がないのでしょう。すぐにでも勉強を始めるべきです。進路指導室には過去の受験問題がやまほどあります。まずはそれらを解けるようになることを目標にしてください。
実験用マウス#773: ありがとうございます。
教師: 勉強に困ったら、いつでも相談に来なさい。学ぶ意思があるすべての者には、学ぶ権利が与えられなくてはなりませんから。私にできる協力は惜しみませんよ。

 


関連資料「事案#64」 (要 管理権限-4)

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○音声記録: 2042/11/21 21:21 パークセントラル 高度救命救急センター
███看護師: トリアージレベリング不能のアニマルガール患者が来ました。意識ありません。
███医師: なんだこれは。全身からサンドスターの微結晶が噴出している。
███獣医師: 体内のサンドスター濃度がめちゃめちゃ高いですよ。中毒域だ。
███医師: 一体なんでこんなことに。君が事情を知っているのかい。君は一体。
ハツカネズミ: ええと、ナナミちゃんの隣の席のハツカネズミです。ナナミちゃん、最近昼も夜もあんまり寝てないみたいで。突然倒れたんです。
███医師: うーん、でもこの症状はただの疲労じゃないはずだ。なにか彼女が普段と違うものを食べたり、普段と違う行動をしていたりするのを見ていないかい。
ハツカネズミ: 食べ物は、特には。でも私、ナナミちゃんが注射器持ってるの見たことあります。
███獣医師: 注射器。
ハツカネズミ: はい。
███看護師: 荷物の中からシリンジが見つかりました。
███獣医師: んん。内部に結晶が付着してる。この構造色はサンドスターかな。
███医師: これがなんなのか、ナナミはなにか言っていなかったかい。
ハツカネズミ: 特には。ただナナミちゃん、ずっと将来はフレンズの寿命について研究したいって言って、最近は進路指導室にこもりきりになってずっと勉強してるんです。私たちみたいな単寿命種には研究なんて無理だろうって私は言ったんですけど、ナナミちゃんは本気で研究者を目指してるみたいです。まだ生まれて1年経ってないのに、英語の難しそうな論文とかよく学校に持ってきて、辞書引きながら読んでたりして。
███獣医師: そういえば最新の研究で、サンドスターをアニマルガールの体内に継続的に直接投与して体内のサンドスター濃度を上げることで、アニマルガールの野生解放を伸ばせるんじゃないかっていうのがあったな。まさかそれか。
ハツカネズミ: 野生解放、ですか。でも私ナナミちゃんの野生解放見たことないです。昼間も起きてるみたいなので、その時にやってるのかな。
███看護師: 実験用マウス#773の野生解放がアーカイブに記録されてました。野生解放すると脳構造が定型発達のヒトに近づくんだとか。
███医師: なるほど、それで昼間も起きていられたのか。
███獣医師: じゃあ臨床段階にない研究を独断で自分に適用してこんなことになったってこと。
ハツカネズミ: ナナミちゃんは大丈夫ですか。ナナミちゃんは私にとって大事な友達なんです。いつも私のこと大切にしてくれて。私のこといつも、羨ましいって。私みたいに自由に生きたかったって、いつも言うんです。ナナミちゃんの方がよっぽど立派な生き方しているのに。
███獣医師: 断言はできないけど、おそらく大丈夫だよ。サンドスターは集まりすぎると発散する性質があるから、しばらく安静にしておけば平気。
███医師: セルリウムを点滴で投与してサンドスターの中毒を抑えるのは。
███獣医師: 理論上は可能だし効果ありそうだけど、無理。セルリウムの臨床使用はさすがに法律に抵触するよ。せいぜいドーム治療機を逆向きに使ってサンドスター追い出すのが限界。
███医師: じゃあそれで行こう。

 

○音声記録: 2042/11/28 22:42 パークセントラル 中央病棟 203号病室

███看護師: 意識が戻りました。
███医師: きみ、身体に不調はないかい。
実験用マウス#773: ここは。今日は何日ですか。
███看護師: 今日は11/28。もうすぐ日付が変わるけどね。
実験用マウス#773: 11/28。えっ。じゃあわたし1週間も寝ていたんですか。
███医師: 寝ていたんじゃない。気を失っていたんだよ。あんな無茶なことをして。あっ。ちょっと。動かないで。
実験用マウス#773: わたしは帰らないと。
███医師: だめだ。きみはしばらくは安静にしていなくてはいけない。立ち上がろうとしないで。今は身体もうまく動かせないはずだ。
実験用マウス#773: わたしははやく勉強に戻らないと。
███獣医師: だめだよ。あまり無茶なことをすればまた倒れかねない。きみは相当危険な状態にあったんだ。サンドスターの急性中毒なんて私も初めて見た。
実験用マウス#773: わたしはどれだけ安静にしていなくてはいけませんか。
███医師: どう思う。
███獣医師: 最短でも一ヶ月。
実験用マウス#773: そんな。
███医師: 勉強道具は飼育員に持ってきてもらうから、それで我慢しなさい。
実験用マウス#773: [しばらく無言]
実験用マウス#773: 仕方ないですね。

 

○音声記録: 2042/12/02 17:03 パークセントラル 中央病棟 203号病室

███医師: そんなばかな。なんでこんなに回復が早いんだ。
実験用マウス#773: もう退院しても構いませんか。
███獣医師: その病状ならもう退院してもいいだろう。
実験用マウス#773: ありがとうございます。世話になりました。
███医師: また身体に不調があったら来なさい。きみのような患者を見たのは我々も初めてだ。無茶をすればまたいつ倒れるか分からない。
実験用マウス#773: わかりました。もう無茶はしません。
[病室のスライドドアの開閉音]
███医師: あいつ、どうせまた無茶するぞ。次は還元されないといいけどな。
███獣医師: いや。まさかもしかしてもう無茶した後なんじゃないか。
███医師: どういう意味だ。
███獣医師: 昨日。中和用のセルリウムが妙に減っているっていう報告があった。誰かが蓋を開けっ放しにしたから揮発したんじゃないかと思ったんだけど。
███医師: まさか。
███獣医師: そのまさかかもしれない。
███医師: いやそんな。さすがにそんなことは。
███獣医師: ないとは言い切れない、でしょう。彼女がここに運び込まれた原因だって、サンドスターの過剰摂取だった。今度はセルリウムを自らの身体に投与したから、あんなにも回復が早かったんじゃ。
███医師: お前。そこまで気づいていながら、なぜ彼女の退院を止めなかった。
███獣医師: 彼女が本当にセルリウムを使ったかどうかなんて誰にも分からないからだよ。もしかしたら本当に、彼女がたまたまめちゃくちゃ身体が丈夫だっただけかもしれない。なにせ元はマウスなんだし。
███医師: うーむ。しかし。
███獣医師: まあ、健康診断を定期的に行うように飼育員に伝えておきましょう。いつまた我々に会いに来るかわかったもんじゃないです。

 

 


★交友関係

 他のアニマルガールとの交流が確認された場合、職員はこの交友関係欄に追記してください。

交友関係にあるフレンズ
 詳細

[EOF]

 

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記事作成者: あずきかわうそ

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