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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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カメントツによる漫画「スタッフがおいしくいただきました」とは異なります。 |
この記事の項目名には以下のような表記揺れがあります。
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「スタッフが美味しくいただきました」の注釈表示のイメージスタッフが美味しくいただきました(スタッフがおいしくいただきました)は、日本のテレビ番組の企画等で、料理や食材が登場した際に、画面上に表示される注釈(テロップ)。それら料理や食材を無駄に捨てずに食べたことを示すものだが、その信憑性には疑問を挙げる声もある。また、この注釈の表示が却ってテレビ番組の質を下げているとの意見もある(後述)。
テレビのバラエティ番組などで食材を粗雑に取り扱った際、それを不道徳とする視聴者からの苦情に備え、その自衛策としてテレビ局側が用いることになったと考えられている。いつ頃からこの注釈が使われ始めたかは明確ではないが、テレビプロデューサーの菅賢治によれば、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)で、小玉スイカを用いた芸を放映したところ、「食べ物を粗末にするな」と視聴者の声が届き、それを受けて翌年にこの注釈を表示したという。
この注釈の言葉通り、番組中に登場する料理や食材を実際にスタッフが食べているかどうかについては、諸説がある。
映画監督ルッジェロ・デオダート。彼の作品『食人族』は作中で複数の動物が殺されるなどのシーンがあるため批判を受けたが、製作者側が殺した後に出演者らで食べたと発言している2014年(平成26年)のAOLニュースによれば、情報番組などの制作会社スタッフからは「リポーターが全部食べるのは無理なので全部食べないようにと指示しているものの、店への配慮や礼儀の意味で、残りの料理はスタッフが全部食べる」という証言が得られている。
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『テレ東のさしめし 〜芸能人と「さしめし」しませんか?〜』 | |
番組内の料理を食べる番組スタッフたち |
ニュースサイト「ネタりか」では、2017年(平成29年)のグルメトーク番組『テレ東のさしめし 〜芸能人と「さしめし」しませんか?〜』(テレビ東京)の取材において、番組内の料理をスタッフたちが実際に食べている様子を紹介し、これをもってこの注釈を真実と結論づけている。また同年のグルメ漫画家のラズウェル細木らによる書籍『めしざんまい ふるさとの味』でも、料理番組のリポーターを務めるタレントの宮脇理恵子が、この注釈を「本当」と主張しており、「少なくとも自分の出演している番組については、本当に全部食べる」と語っている。
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『土曜の夜は!おとななテレビ』 | |
番組内の料理を食べる番組スタッフたち |
2018年(平成30年)1月には、元ビーチバレー選手のタレントである浅尾美和が自身のブログで、『土曜の夜は!おとななテレビ』(TVQ九州放送)の収録時の、スタッフが料理を食べる写真を紹介すると共に「これはロケの時の写真です 出してもらったお料理はスタッフの皆さんで美味しくいただきます」と投稿し、ニュースサイトにおいて、舞台裏での「スタッフが美味しくいただきました」を真実であることが報じられた。
Twitterでも、スタッフが実際に食べていたという証言もあり、「居酒屋での収録で、追加で注文までしていた」「冷めて伸びたラーメンを食べていた」「体重が増えた」などの証言も寄せられている。
松本人志は2014年(平成26年)に『ワイドナショー』(フジテレビ)で、この注釈の真偽を社会学者の古市憲寿から問われ、「正直に言うと、スタッフが食べてるところを見た事はございません。でも、僕が見た事がないだけで、食べてるかもしれません」と返答した。
スタッフが食べていることを完全に否定する意見として、ビートたけしが著書『バカ論』において、床にケーキが撒かれている場面を指して「嘘つけ。床にぶちまけられたケーキを美味しく食べる奴がどこにいるんだ」と述べている。評論家の古谷経衡も、スタジオで披露された料理はスタッフが処理することはなく、そのままゴミ袋に捨てられていると述べている。アメリカでのパイ投げ合戦2011年(平成23年)10月の『ネオバラエティ 新3番組 ちょい見せSP』(テレビ朝日)では、マツコ・デラックスが「絶対に食べていない」と発言し、スタッフが「食べている」と否定した。2013年(平成25年)10月には『きらきらアフロTM』(テレビ東京)でも横山裕が、パイ投げの後の「美味しく頂きました」は絶対に嘘だと話している。
撮影で使われる料理は、長時間放置したりする関係上、衛生的に問題の生じる場合がほとんどのため、実際に誰も食べないとしても無理はない、との意見もある。そうした衛生的な観点、および健康面を考慮した上で、先述の「実際に食べていた」というスタッフからの証言に対しても、「全部を食べられるわけがない」とする指摘もある。
評論家の上滝徹也は、この注釈について「『あるある問題』などで視聴者の目が厳しくなっていると制作者が意識しているということであり、ワンステップとしてはいい」と一定の評価を与えている。一方で上滝は、そう評しつつも「見る側への責任転嫁であって、形だけのお断りで終わってはいけない。バラエティー仕立てにする時は、情報を扱う手続きや番組の中身そのものをきちんとしていく取り組みをしてほしい」とも話している。実際にスタッフが食べたかどうかは視聴者にはわからないため、この注釈が「視聴者からの苦情に備え、取敢えず表示しておけば良いもの」、いわば予防線や免罪符になっている可能性も示唆されている。
放送作家のそーたには、制作サイドが敏感になり、無駄批判に先手を打ってこうして注釈を表示することに対し、過剰な自主規制が萎縮に繋がる危険性を感じている。テレビプロデューサーの菅賢治も、子供の頃にお笑い番組を見ていて母親から「こんなことしちゃ駄目」と言われたように、実社会から離れたテレビの中のことを、「間抜け、馬鹿」と笑えることが必要と主張しており、制約の厳しさによってテレビから面白さが失われていると語っている。
ビートたけしは、食材についてテレビへ寄せられるクレームに対し「だったら近所のコンビニでも行って、『まだ食べられるのに弁当を捨てるなんてけしからん!』と文句を言うところから始めてみたらどうなんだ」と苦言を呈している。たけしはまた、単にテレビを見ているのみであった視聴者が次第に批評家と化し、こうしたクレームを寄せるようになり「スタッフが美味しくいただきました」や、温泉中継でタオルを巻いての入浴場面での「特別に許可を得ています」の注釈などのようにテレビの規制が過剰に強化され、テレビから面白さを奪っていると述べている。2017年4月末の『ニコニコ超会議2017』においてもたけしは、テレビでこのような注釈が必要になったことに対して、「もうテレビ自体がインチキ臭くなっちゃった」と語っている。
先述の松本人志は、かつて『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)で料理番組を模したコント「キャシィ塚本シリーズ」で、食材を笑いの題材にしたために苦情が殺到したといい、先述の『ワイドナショー』で「食べ物は食べる以外の使用方法もボクはあるんじゃないかと思っていて……」「たとえば飴細工は飴ですけど、ひとつのアートになってるじゃないですか。だから、食べ物もときには笑いの小道具として認めてもらえたら、こんなにありがたいことはないなと思うんですが、なかなかこの主張は通らないですよね」と語っている。また松本は、ドラマでは食べ物を吹き出すシーンが問題視されず、お笑い番組のみが批判されていることの矛盾点をも指摘している。
評論家・タレントの森永卓郎、フリーアナウンサーの垣花正らは、ラジオ番組『垣花正 あなたとハッピー!』(ニッポン放送)2018年5月2日放送において、放送中に注釈でいちいち断っていると、バラエティの笑いの流れが途切れてしまい、それが足枷せとなることで面白さが奪われ、視聴率の低下に繋がることを示唆している。2010年開催のトマティーナコラムニストでもあるタレントの松尾貴史は、食べ物の大事さなどの道徳心を子供に教えるのはテレビではなく周囲の大人だとしており、テレビでお笑い芸人が表現していることが、子供が見るにあたって不快に感じたりするのであれば、クレームを付けるのではなく、別のチャンネルに変えるか、テレビを消すのが正しい対処だと主張している。また松尾も先の松本人志と同様に、スペインのトマティーナ(トマト祭り)で大量のトマトが扱われる場面や、プロ野球チーム優勝時のビールかけの中継でも「スタッフが美味しくいただきました」の注釈が表示されないことの矛盾点をも指摘している。
2012年(平成24年)には、放送倫理・番組向上機構に、顔が突っ込んでぐちゃぐちゃにされたケーキにこの注釈がつけられたことについて、「食べているとは思えず、バラエティ番組であろうとも真実が語られるべきで責任逃れは止めて欲しい」との否定的な意見が寄せられている。
こうした現状への皮肉の1つとして、『オモクリ監督 〜O-Creator's TV show〜』(フジテレビ)の2015年(平成27年)9月13日放送分では、濱口優(よゐこ)が「注釈が多すぎるテレビ番組」と題し、架空のテレビ番組を発表した。一見ありきたりな、注目エリアやグルメの紹介という内容だが、わずか5分弱の間に30回以上も注釈が入る。「特別に許可を得て撮影しています」「個人の意見です」など、現実にも有る注釈のみならず、お笑い芸人の話の途中に「まもなくオチを言います」、相方の頭を叩くと「本気で叩いているわけではありません」「音は大きいですが見た目ほど痛くありません」と何度も注釈が表示される。偶然の出逢いの場面では「事前にリハーサルを行っています」と、偶然ではないことを明らかにし、レポーターによる「3万個」とのコメントでは「卑猥な表現に聞こえたことをお詫びします」と、過剰なお詫びの注釈が出る。エンディングの注釈では「このバラエティ番組はフィクションですが登場する人物・団体・名称は実際に存在します。また芸人が頭を叩いたりする過激なシーンは芸人特有の『おいしい』という価値観のもと行っており 決して暴挙などではありません」と、痛烈な皮肉が展開されている。
これに対して、共演者の千原ジュニアが「(こういう未来が)来るかもわからないですね」と苦笑して見せると、濱口も「来るでしょう。テレビがこんだけ弱くなってたら。ずっとお詫びばっかり入れて番組が進まなあかんくなるんじゃないかな」と憂慮した。ビートたけしも「今みて『そうそう』って普通になっちゃってる感覚があるんだよね」「“食べ物はスタッフで食べた”とか、出たらシラケるよね。お笑い、本当にやんなっちゃうよね。誰がこんなこと言うようになったんだろう」と嘆いた。
また『チュー'sDAYコミックス 侍チュート!』(TBS)では、2010年(平成22年)の「誰も傷つかない完ぺきなドラマ」と題した企画で、紙を丸めて捨てる場面に、「再生紙を利用しております」「ゴミは分別しております」、妊娠の発覚の場面に「絶対に男の子!」の台詞には「女性批判ではありません」など、3分ほどの間に20の注釈が表示され、「過剰な丁寧さに笑いをこらえきれず、表現とは何なのかも考えてしまう」との感想が寄せられた。その続編とも言える「テレビの真実」では、「スタッフが美味しくいただきました」の注釈の実証として、パイ投げで床に散らばったパイを、徳井義実が床に這いつくばって食べており、男前とされて女性人気もある徳井のこの場面に「腹の底から笑った」との声も上がっている。
2020年(令和2年)8月には、平成文化研究家の山下メロがTwitterで、「スタッフが食べている映像だけを集めた特別番組」を提案したところ、同2020年8月19日時点で「いいね」が12万を超えて、大きな反響となった。
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横山了一 | |
各方面に気を使いすぎておかしな事になったヘンゼルとグレーテル |
同様の皮肉として、2017年(平成29年)2月には、漫画家の横山了一が描いた漫画『各方面に気を使いすぎておかしな事になったヘンゼルとグレーテル』が、Twitterで話題となった。 横山が「スタッフが美味しくいただきました」の注釈をヒントに、グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』で地面にパン屑を撒く場面を連想し、同作品をもとに、横山と加藤マユミの漫画家夫妻で注釈を考えたものである。
ヘンゼルとグレーテルが森をさまよう場面では「危険なので決してマネしないでください」、道標としてパン屑を撒く場面では「この後スタッフが美味しくいただきました」、魔女をかまどに突き飛ばす場面では「この物語はフィクションです」など、すべての場面に徹底して注釈が入れられている。
横山は執筆の理由を、「ブログやTwitterに時々寄せられる文句がきっかけ」「漫画はどんな内容であっても『不謹慎』『必ずこうとは限らない』といったコメントをいただくことがあり、これにいちいち反応するのではなく、漫画として活用して発散したいと思った」「世の中が、がんじがらめになっていると感じることがある。もう少し緩やかになれば良いとの思いを込めた」と語っている。横山の代表作の一つ『戦国コミケ』ほどリツイートが伸びず、横山は「読み手を選んだのかもしれない」と語っているが、「ツボに入った人にはかなり刺さったみたい」とも言い、Twitterでは「世知辛い世の中ですねぇ」「現代のやるせなさ」「こんな感じな気がしなくもないな」といった反応が寄せられている。
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高月北は、大阪府泉北郡忠岡町の地名。高月北1丁目及び2丁目がある。脚注[編集][脚注の使い方]参考文献[編集]この節の加筆が望まれています。外部リンク[編集]この節の加筆が望まれています。この項目は、...
高所恐怖症分類および外部参照情報診療科・学術分野精神医学ICD-10F40.2ICD-9-CM300.29テンプレートを表示高所恐怖症(こうしょきょうふしょう)は、特定の恐怖症のひとつ。高い所(人によ...