カオスサーガ

カオスサーガとは、2016年11月15日にリリースされた幻のMMORPGである。

概要

元々は中華圏で開発・運営されていた『诸神黄昏』というMMORPGを日本向けに翻訳して輸入したもの。日本での運営は株式会社ブライブで、DMM.comにて展開された。キャッチコピーは「神の血よ…世界を救えるか！？」「神々が入り乱れるカオスなMMORPG」。ブライブは日中韓を中心としたメンバーで構成されており、各国の面白みや強みを十二分に引き出したアジア発の超良質なゲームを作ると意気込んでいた。

2016年10月21日、公式ツイッターが開設され事前登録開始。順調に登録者は増加し、サービス開始となる11月15日午後12時30分までに1万人を突破した。ここまでは何の変哲も無いゲームであったが…。実際にゲームをプレイしたユーザーから「ファイナルファンタジー11のモデルを丸パクリしている」という疑惑の声が上がり始めたのである。同時に比較画像もアップされ、言い逃れできない事態へと発展。チョコボみーっけ！17時半頃からネット実況板でスレが立ち、騒ぎになる。また、タイトルロゴもスクエニが提供する「チェインクロニクル」のロゴに似ていると指摘されている。スクエニ以外にも、カプコンが提供する「モンスターハンター」シリーズのジンオウガもパクっており、図らずもチョコボとジンオウガが同じ画面にいるシュールな光景が生まれた。ブライブ側も事態を把握したのか、11月16日午前10時35分に緊急メンテ突入。午前11時45分にはメンテ終了時間が未定となり…。

そして同日15時にサービス終了を宣言。いきなりログイン不能となり、お詫びと称して返金に応じた。公式サイトには「サービス終了のお知らせ」と大きく表示され、これと並行してyoutubeに上げられていたPVも削除されてしまった。こうして26時間30分というゲーム史上類を見ない短時間でサービス終了に至った伝説を打ち立てた。この記録は未だに破られておらず、そしてこれからも破られる事は無いと思われる。余談だが、実際に遊べた時間は約22時間である。公式ツイッターはリリースから僅か3ツイートでサービス終了を発表しており、こちらも最短記録である。神の血で救う前に世界が消滅してしまった。当然ながらネット上ではお祭り騒ぎとなり、ツイッターではトレンド入りを果たした。この騒動はYAHOO！ニュースにも取り上げられ、DMM.comとブライブに取材を敢行。DMM側は「ゲームを提供する会社とは別」と無関係を強調、ブライブ側は「担当者が対応に追われていて、取材できるような状況ではない」と返した。スクエニとの関係を傷つけたくないDMM側は即座にカオスサーガの項目を撤去したとか…。

この即死に匹敵するサービス終了劇には後日談があった。11月22日、カオスサーガ配信停止に伴うお知らせとお詫びを公式サイトに掲載。今回の騒動の原因はブライブ側の確認方法・確認項目・人員配置が不十分だった事を認めた。12月28日にも再度掲載し、再発防止のため確認作業の段階的実施などの対策を講じると発表。2017年8月4日に24件の著作権侵害を行っていた事を認め、スクウェアエニックスに謝罪した。カプコンへの謝罪は無かった。ブライブとスクエニの本社は徒歩15分の近距離であり、凸を喰らった説も。しかし現在、その謝罪文がサイトから消されている。

まさにカオスなゲームであった。

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