てんごくとじごく/じごくりょこう(かいけつゾロリ)

ページ名:てんごくとじごく/じごくりょこう(かいけつゾロリ)


目次

概要

「てんごくとじごく」「じごくりょこう」とは、かいけつゾロリの31、32作目である。

ゾロリ一行がある出来事から地獄に落ちてしまうという回。

なおかいけつゾロリのシリーズにおいて、巻をまたいで一つのエピソードを展開するという形式のいわゆる二部構成はこれが初である。

てんごくとじごく

この物語はゾロリのいる世界とは違い世界から始まる。それは地獄。

そこには閻魔大王が胡麻煎餅を食べながら地獄に堕ちる者が書かれている「閻魔帳」を見ていた。

すると閻魔はある人物の名前を見つける。その名前は「ゾロリ」。ゾロリは既に地獄に来る日が過ぎているのに、いまだに地獄に来ていないことに疑問を持つ閻魔。

そこで閻魔は悪魔にゾロリの様子を見てくるようにと命令する。

この悪魔は以前に「きょうふのカーニバル」「あついぜ!ラーメンたいけつ」にて、ゾロリ達を監視していた。

しかし、見張っていても中々地獄に来る気配はないと報告する悪魔。

それに激怒した閻魔はいっその事殺して無理やり地獄に連れて来ようと企てる。

閻魔に命令され慌てて地獄を飛び出す悪魔。

一方、ゾロリ達は黄金のトロフィーを盗み出し、警察に追われている最中だった。

高層ビルの屋上にまで逃げ出したが、もう逃げ場などなかった。

ゾロリは隣のビルに飛び乗ろうとフェンスからジャンプ。しかし、二つのビルの間は遠く、ゾロリの手が引っかかってやっとだった。

さらに、イシシとノシシがゾロリの足と尻尾にしがみついた上に軍手をしていたため、ますます落ちそうになる。

すると、ビルの上から閻魔の手下、悪魔が現れた。助けを求めるゾロリだが、ゾロリを殺すのが目的の悪魔は助けるはずがない。

「はやくその手をはなして、じごくへいくんだな。」

悪魔はそういうと、尻尾の尖った先をゾロリの手に刺して、落とそうとする。

ゾロリは痛くて手を離すが、手からトゲを抜こうと悪魔の尻尾をつかんだ。

ビルから両手を離してしまったため、ゾロリ一行と悪魔は地面に向かって真っ逆さま。

ゾロリはつかんでいる悪魔の尻尾が尖っていることに気がつき、ビルの壁へ突き刺した。

その刺した尻尾のおかげで地面へ激突せずにすんだ。

安心もつかの間、すぐさま警官達が追いかけてきたので、ゾロリ達は逃げ出した。

悪魔は警察にゾロリたちが向かった方角とは逆を指さした。これは決して親切心ではない。ゾロリが警察に捕まれば手間がますますかかるから。

悪魔は先回りして、「けいさつかんしんにゅうきんし」「こちらにどろぼうにあんぜんな森あり〼。」という標識をたてた。

それを見たゾロリは早速標識の差す方向へ向かう。すると、大きなトンネルを発見。中へ入るゾロリ達。

しかし、そのトンネルの正体は地獄から連れて来た怪獣。ゾロリ達を餌にしようという悪魔の罠だったのだ。

だが、この怪獣は口も大きければ、お尻の穴も大きかったので、ゾロリは何ごともなく怪獣の体内を通り抜けただけだった。

原ゆたか先生「これって、しらないまにゾロリたちはう○ちになったってこと?」

川辺で休むことにしたゾロリは手に入れたトロフィーの箱を開けると……そこにはトロフィーではなく輪投げセットが入っていた。

ゾロリ「あれだけ、右から三つめのはこをとってこいとねんをおしておいたのに。」

ノシシ「ああ。だから、おら、ちゃんとこっちから三つめのはこ、もってきただよ。」←左手をあげる。

ゾロリ「ちがーう。右は、おはしをもつ手だろ。」

イシシ「しかたないだ。おらたち、さいきんおはしをどっちでもつかわすれちまうぐらい、なにもたべてないだからなー。」

そう言われてゾロリは空腹を思い出し、落ち込んでしまった。

それを見たイシシ、ノシシはお詫びに食べ物を探して、ゾロリを元気付けようと出かける。

この森は、自然の恵みが豊富だったので、食べ物がすぐにたくさん見つかった。

イシシ&ノシシはこの材料を使ってスープを作ることにした。

その様子を伺っていた悪魔はそのスープ鍋に以前ゾロリ達を苦しめた「どくドリフ」という毒キノコ*1投げ入れる。

しかし、イシシ&ノシシが軍手なしで鍋を持ったため、あまりの熱さで思わず鍋を放り投げてしまった。

結果的には助かったのだが、せっかくの料理が台無しになってしまったショックは大きい。へこんだ三人は空腹の中、近くの草むらで野宿することにした。

寝ている三人に悪魔は本気になり、ゾロリの下にダイナマイトをセットした。だが、悪魔の尻尾に導火線が引っかかっていた。それに気づかないまま、爆発スイッチを押した悪魔は自分だけが自爆してしまった。

爆発音に思わず飛び起きるゾロリ。するとどこからともなく謎の声が。

失敗ばかりの悪魔に辟易した閻魔が直接ゾロリの前に現れたのだ。

閻魔は「おまえののぞむしにかたをさせてやろうぞ。」と。当然必死に断るゾロリだが、寝ぼけたイシシは「でっかいでっかいタコヤキにふみつぶされてしねるなら、ほんもうだあー。」と。

これを聞いた閻魔は、巨大なたこ焼きを出現させ、ゾロリたちを押し潰した。

やはり地獄に落ちた三人。「なんでこんなところにつれてこられたんだ。」と抗議するゾロリに対し、閻魔は閻魔帳に載っているゾロリの名前を見せる。

もう寿命だったと、落ち込むゾロリ。するとイシシ&ノシシは自分の名前はどこにに載ってるかと尋ねる。

閻魔は「おまえたちは。ゾロリのそばでうろうろしていたから、みちづれになっちまっちゃんだ。いますぐちじょうにもどしてやる。」。

だが、イシシ&ノシシは「オラたちは地獄の果てまでついていくと誓った」とゾロリから離れるのを拒否。

すると閻魔は三人達を奥の部屋へ蹴とばす。その先には何十人もの悪そうな人達が鬼から地獄の説明を受けていた。

地獄のリストまで掲載されており……

  • 血の池地獄

2キロもある血の池を泳ぎ切らなければならない。

  • 舌抜き地獄

閻魔大王にペンチで舌を抜かれる。

  • 親父ギャグ地獄

体が凍るほど寒い親父ギャグを聞かされる。

  • 針山地獄

するどい針のある山を登って降りなければならない。

  • 引っ張り地獄

2人の鬼が体がちぎれるほどひっぱり合う。

  • 炎地獄

熱い炎の橋を渡らなければならない。

  • かまゆで地獄

ぐつぐつと煮込まれる。

  • あり地獄

這い上がろうともがけばもがくほど抜け出せない。

  • 受験地獄

毎日テストがあるのでずーっと試験勉強。

  • 編集地獄

本を1週間で1冊書かされる。作中では原先生にそっくりな亡者が本を書かされていた。

  • 漫画地獄

漫画を1日に20冊読まされる。一見楽しそうだが、1冊につき10枚の感想文を書かなくてはいけない。考察好きのWiki籠りなら余裕だな!

地獄に来たものはこれらから7つ選んで、順番に回ることになる。我慢して7つの地獄をクリアすれば生き返ることができるが、もし「痛い」「辛い」「助けてー」などの弱音を吐いたらまた初めからとなる。と説明する鬼。

説明を終えると「亡者のユニフォーム」が渡された。地獄更衣室で着替えするように促す鬼。

震えあがるノシシだが、地獄まで持ってきた輪投げセットを見てゾロリは何かをひらめいた。

それは、輪投げの輪を天使の輪、軍手を羽に見立てて、天使に変装するという作戦であった。

それを見た鬼は怒鳴って三人を地獄から追い出した。

そこには「間違って地獄へ連れてこられた人用のエスカレーター」があった。ゾロリは天国に住むママに会えると思うと、すぐにエスカレーターで天国へ向かう。

しかし、そのエスカレーターの長さは尋常ではなく、実に六時間も経ってようやく天国の門が見えてきたほど。地獄は地の底の底にあるのだから当然だが。

疲れ切っていたゾロリたちだったが、天国に到着すると気持ちよさそうな温泉に飛び込む。

温泉につかっていると、優しそうなおじさんが話しかけてきた。おじさんはつぼに針を打つことで三人の疲れを取ってくれた。

おじさんはキツネとイノシシのつぼが書かれた本を渡す。

急に空腹を思い出した三人はお菓子天国へ向かう。そこには町全体が全てお菓子で出来ていた。

ひたすら食べるゾロリたち。すると優しそうなおばさんがいくら噛んでも甘いチューインガムをくれた。

ここでいよいよ三人はゾロリのママを探す旅に出発した。

色々な天国を回って、ママのことを尋ねたはいいももの、証言が思い出話や性格ばかりであったため、天国の住人は分かってもらえない。

すると、音楽天国でのカバッハからラクガキ天国で似顔絵を描いた方が良いとアドバイスをもらう。

早速ラクガキ天国で描いてみることに。ゾロリが不安そうにクレヨンを持った途端、手が勝手に動きだし、紙にはママの顔が描き出されていた。

ゾロリはその似顔絵のおかげで、とうとうママの家を探し当てた。

だが、ドアのベルを押しても返事がない。すると、お隣のおばさん曰く「ママさんバレーの大会に行った」とのこと。

ゾロリたちがバレー会場に駆け付けた頃には、既に試合は終わってしまっていたが、そこにはゾロリのママの姿が。

ゾロリは、思わずママのところへ駆け寄った。

しかし、ママはゾロリの頬を引っぱたく。

これは、「ゾロリ城を建てる」「素敵なお嫁さんをもらう」「いたずらチャンピオンになる」というゾロリの夢を生前に一つも叶えていなかったからだ。

ゾロリは閻魔が自分の名前が書いてある閻魔帳を見せたことを告げるも、ママは閻魔に生き返らせてもらうようにお願いするようにと言う。

「じぶんのうんめいはじぶんできりひらくのよ。ママはいまのゾロリちゃんといっしょにくらしても、うれしくないの。しっかりいきてから、ここにいらっしゃい。ママはいつまでもまっているから。」

そういうと、今度はイシシ、ノシシを向き、

「いつもゾロリちゃんにつきあわせてごめんね。あなたちもちからをあわせていきかえるのよ。わかった?」

そういいながら、二人の頭をなでたママは、地獄行きのエスカレーターを指さす。

ゾロリたちがエスカレーターに乗りこみ見えなくなった頃、ママの目からは涙が。

「ゾロリちゃん、ごめんね。ママ、ほんとはだきしめてあげたかった。でも、いつまでもあまえんぼのゾロリちゃんじゃいけないとおもうわ。しっぱいしてもいい。やるべきことをしっかりやってからここにきてほしいの。……あの子、ひどいママだとおもってるかもしれないわね。」

と、泣くママだったが、ゾロリはママの気持ちがしっかり伝わっていた。

ゾロリ一行は地獄に行って必ず生き返ると決意して前編は終了となった。

じごくりょこう

地獄へ戻ってきたゾロリ一行は門番の鬼に閻魔と話をさせてくれとお願いする。

地獄の門をくぐると早速怒り心頭の閻魔の姿が。

ゾロリは少しもひるまず、生き返らせてもらうように頼む。

だが、閻魔は閻魔帳にある名前を理由に、多くある地獄から7つ選んでクリアしなければならないと言う。7つの地獄めぐりは今までに1人しかクリアした者はいないほどの難関。

ゾロリが選んでいると、イシシ&ノシシは「自分たちは間違って連れてこられただけ」と文句を言う。

それに対し、閻魔は「三人で7つの地獄をクリアできれば全員生き返らせる」という約束を取り付ける。しかしもちろん、一人でも弱音を吐けば、三人とも地獄に居残りとなる。

イシシ&ノシシは承諾し、ゾロリたちは地獄の中から七つを選んだ。

  • 舌抜き地獄
  • 引っ張り地獄
  • 血の池地獄
  • 針山地獄
  • 親父ギャグ地獄
  • 炎地獄
  • あり地獄

最初は「舌抜き地獄」を見て、閻魔は巨大なペンチを用意した。

ゾロリたちはいつもの服に着替え準備万全。

ゾロリが出した舌を容赦なくペンチで挟む閻魔。だが、引っ張った途端、ゾロリの舌はどこまでも伸びていく。それを、どこまでも引っ張ったためとうとう見えなくなるほど遠くへ。舌の正体はお菓子天国でもらったガムであった。

次の地獄は引っ張り地獄。イシシ&ノシシが二人そろって飛び出していった。鬼の前に現れたのはイシシだけ。早速鬼達はイシシの手足をもって、「この次ページには残酷なシーンがあるから、開けない方がいい」と読者に警告を出す。

それから、鬼がイシシを引っ張ると、体が二倍の長さになってもちぎれず、イシシも平気そうにしている。鬼達は気味悪くなり手を離すと、イシシは伸びたままはい回る。

気持ち悪がる鬼から離れ、ゾロリの元へ戻るイシシ。

イシシの姿を見て思わず泣くゾロリ。「こんなとき、ノシシはなにしてるんだ。」と怒るが、イシシの体の下からノシシが出て来た。

二人は腹巻を伸ばすことで、あたかも一人かのように見せていたのだ。

次の地獄の「血の池地獄」へ向かうが、どの血もドロドロ血なため三人は中々入ろうとしない。それを見てイライラした鬼は金棒を持って襲い掛かる。

ゾロリはイシシ&ノシシにあれが出せるかと尋ねる。二人が準備万全と言うと、三人は一斉に池に飛び込んだ。

そして、イシシ&ノシシは力いっぱいおならを出した。ゾロリは溺れないように巨大な泡を作るという作戦を思いついたのだ。

しかし、それだけではクリア出来ないどころか、全部おならであるため、三人は息が出来ない。

そこでゾロリは泡からお尻を突き出し、スペシャル強力なおならをかました。

三人を包み込んだ泡は亡者を蹴散らし、血の池のゴールまでまっしぐらに進んでいった。

血の池をなんとかクリアした三人の前には鋭い針が生えた針山地獄がそびえたっていた。

イシシ&ノシシは先ほど疲労も相まって登れないとため息をつく。

するとイシシは「はりははりでもてんごくのおんせんでうってもらったはりは気もちよかっただなあ。」と呟く。

その言葉を聞いてゾロリは、天国でもらったつぼの書いた本を思い出した。これに書かれていることと同じことをすれば、針山を越えられると考えた。

「痛みのなくなるつぼ」「元気になるつぼ」「やる気のでるつぼ」など、様々な方法を試しながら登っていった。

登り終えて降りた頃には、三人とも元気がいっぱいになっていた。

次は「親父ギャグ地獄」。張り合いのない地獄と言うイシシ達にゾロリは油断は出来ないと警戒。

三人は岩陰からそっと親父ギャグ地獄を除くと、酔っぱらった親父が五人ほど集まっていた。

イシシ&ノシシはあんな親父なら勝てると余裕で飛び出してきた。

親父たちは二人を取り囲み、親父ギャグの連発をしてきた。

そのギャグを聞いた二人はあまりの寒さに体が凍ってしまった。

それを呆然と見つめるしかないゾロリだったが、隣の地獄「炎地獄」を発見すると、ゾロリは耳を塞いで親父達に近づく。

そして凍った二人を思いっきり炎地獄に向けて押し出した。

二人は凍っていたおかげで、炎地獄を無事にクリア。

しかし、凍ってないゾロリが炎を抜けることなの不可能。しかしゾロリは二人の親父を小脇に抱えて走ってきた。親父ギャグの威力は凄まじく、炎が氷に変えていった。

ノシシは凍った炎の欠片を持っていくことにした。

いよいよ、最後の地獄。ゾロリは意を決して向かう。

その頃、閻魔はガムであることに気づかず、引っ張り続けていた。

そこに青鬼がゾロリ達が6つ目までクリアしたことを報告する。

ようやくガムであることに気づいた閻魔は激怒。どうしてもゾロリをクリアさせまいと閻魔はあることを企む。

ゾロリ達はあり地獄についたとき、青鬼がゾロリ達に地獄リストを拝見させるように言う。

リストを受け取った鬼は何かコソコソした後、「7つ目はあり地獄じゃない」と言う。そこに書かれていたのは「なんでも」あり地獄。

なんでもあり地獄はもう少し奥と案内する青鬼。不思議がるゾロリだったがひとまず奥へ歩いていく。

なんでもあり地獄につくと、深い谷にボロボロの橋がかかっており、向こうには閻魔が待っていた。橋を渡って向こうに来られたら、生き返れるという。

しかし、最後の地獄がこんなに簡単なわけがない。谷の底から不気味なうなり声が聞こえてた。

すると、上からパネルが落りてきた。

そこには「恐ろしい怪獣がお腹を空かして待っている」というもの。そんなものを読んでしまった三人は余計に足がすくんでしまう。

そして何かが這い上がってくるような音がすることに気づくと、今度は「毒虫が這い上がってくる」という内容のパネルが。

それを読んで、三人は慌てて向こう岸に向かうも、もう少しの所で大量の毒虫が足元へ。

後戻りしようにも、慌てて走ったせいでボロボロの橋は崩れてしまっていた。

その時、突然ノシシが熱がった。炎地獄で拾った凍った炎が溶け出し、元の炎に戻っていたのだ。

その炎に驚き、逃げ出す毒虫を見て、7つ目の地獄もクリアと喜ぶゾロリだったが、その炎は木の橋まで燃やしてしまった。ゾロリ達は谷ぞこに真っ逆さま。

万事休すかと思われたが、突然ママが現れてゾロリ達を助け上げた。

「天使が勝手なことをするんじゃない」と怒る閻魔だが、ママは「ゾロリがこんなに早く死ぬのはおかしいと思って、これを調べてもらった」と閻魔帳を取り出す。

閻魔は「名前が載っている以上、地獄に来なければならない」と反論。

だが、ママがゾロリの名前があるページを強く叩くと、「ゾ」の字にある濁点がバラバラと取れた。

濁点は胡麻煎餅の胡麻であり、このページは「ソロリ」というゾロリとは全く無関係な人物の名前だったのだ。

流石の閻魔もこの事実には言い訳できない。土下座してママに謝罪する。

生き返らせてあげるように言うママは、

「あなたたち、いきかえるためによくがんばった。とてもりっぱだったわ。ねえ、ゾロリちゃん。ちじょうにもどったらゆめにむかっていっしょうけんめいいきるのよ。まえにもいったけど、しっぱしてもかまわないの。くいのないじんせいをおくってから、ママのところへきてちょうだい。やくそくよ。ママにはそれがいちばんうれしいの。」

そう言って、ゾロリを抱きしめ、チュウをしてくれた。

「イシシちゃん、ノシシちゃんもうちのゾロリをたすけてくれてほんとにかんしゃしてるわ。ちじょうにもどってもよろしくおねがいね。」

と、イシシ&ノシシを撫で、チュウをして、天国へと帰って行った。

そして、三人が生き返る準備が出来た。閻魔は「巨大たこ焼きを全部食べて証拠を無くしてくれ」とお願い。ゾロリたちは「言われなくても食べるつもり」と返したので、閻魔はほっとしてメカのスイッチを入れた。

一方、地上では二人の男が巨大たこ焼きを発見。男のうち一人がビデオカメラを取りに行ってしばらくすると、たこ焼きから咀嚼音が聞こえてきた。生き返ったゾロリたちが閻魔の約束通りたこ焼きを食べようとしていたのだ。慌てて止める男の声も虚しく巨大たこ焼きは全部食べつくされた。

巨大たこ焼きの撮影を逃したのを嘆く男をよそに、ゾロリ一行の旅はまた始まる。

登場キャラクター

  • ゾロリ

CV.山寺宏一

ご存知主人公の狐。

今まで不死身ぶりや幸運ぶりを見せてきたが、今回の話で死亡してしまう……。

  • イシシ&ノシシ

CV.愛河里花子・くまいもとこ

ご存知双子の子分。今回もドジの多さは相変わらずだが、引っ張り地獄で知恵を見せる。

  • 閻魔大王

CV.飯塚昭三

ゾロリを間違って地獄へ連れてくるというミスをしてしまい、証拠隠滅も図ったが、後に内部告発により今回の失敗(とあり地獄をなんでもあり地獄に書き換えさせた公文書偽造)が全て明るみに出てしまった。

ママから「ぐーたら閻魔」呼ばわりされることからも、普段の評価が伺える。

その後「たべられる!!」では今回の事件を受けて「とんま大王」へと格下げに。閻魔大王試験を受けようとしたが、格下げ後の不摂生が祟り身体検査で不合格になってしまったため、ゾロリ一行を襲撃する。

  • 悪魔

CV.中尾隆聖

閻魔大王の手下。ゾロリを地獄へ連れていこうとするも全て失敗に終わる。

原作での出番はここまでだったが、アニメでは出番が大きく追加されている(下記参照)。

  • ゾロリーヌ

CV.玉川紗己子

ゾロリのママ。天国でも一番優しい人とされている。この回ではゾロリに対する愛情が強調されている。

  • 緑鬼

CV.高橋裕吾

地獄の門番を担当している鬼。

  • 紫鬼

CV.坂口候一

天使に化けたゾロリたちを地獄から追い出した。これが後に問題視され、清掃係に格下げにされた。

引っ張り地獄にも登場。

  • 赤鬼

CV.茂木優

地獄のルールを説明したり、引っ張り地獄の鬼として登場。

  • 血の池地獄の鬼

CV.鈴木達央

血の池地獄に登場する鬼。原作では黄色、アニメではピンク色になっている。

  • 青鬼

閻魔大王の命令でゾロリの行く予定だった「あり地獄」を「なんでもあり地獄」に書き換えた。

アニメでは上記の紫鬼になっており、これにより紫鬼の出番が増えたため「今日は走ってばっかりだな」とぼやいていた。

  • 親父達

CV.鈴木達央、坂口候一、飯塚昭三、茂木優、高橋裕吾

親父ギャグ地獄に登場する親父達。

見てわかる通りCVは他の地獄連中との兼任。

  • 怪獣

CV.川瀬晶子

「なんでもあり地獄」に登場。食べられた者は体の一部になってしまう(そして次の亡者が落ちてくるまで空腹な日々を過ごす)という恐ろしい怪獣。

原作ではグロテスクなデザインだったが、アニメでは可愛らしくなっている。

  • 毒虫

「なんでもあり地獄」に登場。刺された所は二十年ほど引くことがない腫れができてしまう。

原作では虫そのものだったが、アニメでは大きな顔になっている。

  • パンダてつろう

地獄から生き返ったただ1人の男。

名前の由来は、おそらく丹波哲郎。

  • ネコジマ

閻魔大王が落としたたこ焼きを目撃した人物。しかし、ゾロリ達がたこ焼きを平らげたため撮影することは出来なかった。この時点では名前はない。

  • ソロリしんじゃえもん

刑務所で謎の急死を遂げた凶悪犯。この名前を閻魔がゾロリと間違えたことで今回の騒動が始まった。

名前の由来は、おそらく曽呂利新左衛門。

  • イヌタク、チポル、トポル

冒頭でゾロリ達を追いかけていた。アニメでは出番なし。

アニメ版

元々前後編構成だったエピソードをさらに分けたため、全4話構成となった。

サブタイトルは「きょうふのあくま」「てんごくとじごく」「じごくりょこう」「ゾロリさいごの日!?」。

基本的な流れは原作と同じだが、前編の展開、特に悪魔の扱いが大きく変わっている。

  • トロフィーを手に入れる経緯が、女子ビーチバレー大会に女装して参加するというずるい方法で手に入れたことになっている。
  • 悪魔の性格が原作よりも礼儀正しくなっており、敬語が増えている。おかげで中の人もあってフリーザ感が増した。
  • 原作で登場したどくドリフの他に、どくかわぶたという毒のある魚も登場。また、アニメでは「ぜったいぜつめい」より前の出来事ではあるが、ゾロリは既にこれらの存在を知っていた。
  • ダイナマイトで爆殺する作戦が「列車で轢き殺す作戦」「岩で押し潰す作戦」に変更されている。
  • たこ焼きに潰されて死にたいと言ったのがノシシになっている。

ゾロリが地獄へ落ちた後は失敗続きの悪魔まで地獄に落とされることになる。

天使に変装する作戦を考えたのも悪魔となっている。

天国に行った後も、悪魔はゾロリ達に対し、意地悪な態度を取り続けていた。悪魔曰く「人を信じたら悪魔でなくなる」。

しかし、ママの本心を聞いて自分の行動に罪悪感を持つ。そして、ママが悪魔から天使の輪と「あ」を取ったことで正体であるクマに戻った。

その後、地獄めぐりに挑戦するゾロリ達を天国からクマとママ、ママさんバレーチームが見守ることに。

そして、ゾロリの選んだ地獄を勝手に書き換える様を見て、バレーチームはある疑問を抱き始める。「何故閻魔大王はゾロリにだけ意地悪するのか」と。

悪魔が事情を説明しても、やはり疑問は尽きない。なにせ閻魔帳に名前があるのなら、わざわざ地獄から手を出さなくても地獄に来るからである。

そこから、ママが閻魔帳を調査するという流れになっている。

  • ソロリがガオンが作ったゾロリそっくりのメカになっている。
  • ネコジマの出番はなく、巨大たこ焼きを目撃したのは全ての発端となったガオンになっている。


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