ペギラ

ページ名:ペギラ


目次

概要

『ウルトラQ』で初登場した冷凍怪獣。身長40m、体重2万t。

元々は南極に生息しており、現地を訪れた観測隊にマイナス130度にも達する反重力光線などで、大きな被害を与えた。

弱点である「ぺギミンH」という物質が搭載されたミサイルにより一度は撃退されるものの、後に真夏の東京に出現、その回のサブタイトル「東京氷河期」の通り寒波による大被害をもたらした。

しかし、この回でも最後は「ペギミンH」を積んだセスナ機の特攻により撃退され、東京から逃げ去った。

いずれのエピソードにおいても、撃退こそされたものの最終的に死亡はしておらず、倒す手段が存在しないバルンガを除けば、『Q』怪獣で最強と推すファンも多い。

生態

ペンギンの突然変異という出自設定から腕部は翼となっており飛行が可能(ペンギンは飛べないはずだが…)。ただし、ペギラの誕生経緯は劇中では語られておらず、全く面影のなさもあり本当にペンギンから誕生したのかは謎。一部記述ではアザラシなどの海生哺乳類の突然変異という説も唱えられており、容姿的にはむしろこちらの方が信憑性はある。もっとも、その場合もどうやって飛行能力を身につけたのかという疑問は残るが。

額には角が生え、目は眠たいように常に半開きでどこかユーモラスである。

また、撤退の際には黒い霧のような物を発生させていたが、『ウルトラマンZ』では雪雲(積乱雲)らしい事が示唆されている。

上記の通り南極に繁殖するコケ類から抽出された「ぺギミンH」と呼ばれる物質を苦手とし、これを使用されるとたちどころにその場所から逃走を図る。

ただし、これは『Q』で登場した個体にのみ見られた特徴であり、後年の作品でも(そもそもペギミンHが登場しないこともあり、)同様の弱点を抱えているのかは特に語られておらず不明。

その後のウルトラシリーズでの活躍

レッドマン

Battle-12、14、57、80、81、85、89、91~93、101、106、107に登場。

このうち、12、85、89では単独でレッドマンと戦っている。

ちなみに、レッドマンに登場した怪獣の中では最多の登場回数を誇っている…が、いずれの回もあまり見せ場らしい見せ場を作れずに退場してしまっているためか、あまり話題にされない。

着ぐるみはいずれもアトラクション用のものを使用している。

また、中盤で一度使用される着ぐるみが変更されている。

ウルトラマンメビウス

第21話で、怪獣墓場を漂っている様子が確認できる。なお、上記のように『Q』に登場した個体は最後の最後まで死亡した描写がなかったため、同一の個体かどうかは不明。

『レッドマン』を除けば、映像作品には、実に40年振りの登場となる。

『大決戦!超ウルトラ8兄弟』にも登場が検討されていた。

ウルトラギャラクシー大怪獣バトル

惑星ボリスに野生の個体出現し、レイの操るゴモラと戦っていたようだが、ZAPの面々に発見された際には既に敗北・死亡していた(この時、体内の冷却液の作用でレイを巻き込んで氷漬けになってしまっていた)。

また、劇場版『ウルトラ銀河伝説』では、ベリュドラの首を構成する怪獣の1体として登場している。

ウルトラマンX

ウルトラフレアの影響で復活・実体化したスパークドールズの1体として登場。

平成作品でやっと登場した生きている状態のペギラである。

シンガポールに出現し、自身の持つ冷凍能力で一帯を凍土に変えてしまった。

OPでは市街地でエックスと戦闘しており、『ウルトラQ』から50年近くを経て、OPではあるがウルトラマンや他の怪獣と戦う様子が初めて映し出された。

ただ、後にXio(若しくはそれ以外の防衛組織)に撃退されたのか、第1話とOP以外では一切出現せず、スパークドールズも登場しなかった。

ウルトラマンオーブ

TV本編には登場しなかったが、『ウルトラマンオーブ 超全集』によればEpisode6「さすらいの太陽(TV本編)」の前章にあたるオーバーチュア=序曲において、ガイが冷凍車に乗って日本へとやってくる前に対決しており、オーブに敗北後、その怪獣カードはジャグラーによってマガバッサー復活の為に利用されたらしい。

ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ

第3話で登場。

水の惑星リクエターで冷気で周囲を氷漬けにしながら暴れていたところへ、ウルトラマンリブットが駆け付け、戦闘になる。

リブットと激戦を繰り広げるが、最後は手刀の一撃を受けて怯んだところへギャラクシウムブラスターを浴びせられて爆散した。

『X』ではOPでわずかに描かれたのみだったが、本作品で、登場からおよそ53年の歳月を経て、遂に映像作品本編で初めてウルトラ戦士との戦いが実現した。

しかも、映像作品および実写作品に初登場となるウルトラマンリブットの対戦相手という大役を担っての登場であり、感慨深いと感じたファンも多かったようだ。

ウルトラマンZ

第5話「ファースト・ジャグリング」に登場。

3万年ほど前に「天より降りたる光の槍」によって封印され、北米・アラスカ山脈の永久凍土の中で長きに渡り眠りについていた。しかし、地球温暖化の影響で眠りから目覚め、自身を封印した石器を破壊するために石器が送られた日本に飛来した。

『Q』以来の冷凍能力は健在で、ペギラ襲来直前から気温が低くなり、雪も降り始めたほど。また、「超低温になると無重力状態になる」という『Q』での理論を、車のミニチュアを使った技術で表現している。

石器が保存されている帝都山大学を目指していたところでストレイジのウインダムと交戦し、そのパワーと冷凍能力でウインダムに対し有利に立ち回り、ウインダムおよびパイロットのヨウコを氷漬けにしてしまった。また、セブンガーの硬芯鉄拳弾(ただしオートモード)の直撃を受けても、一時的に怯みはしたもののその後はまた暴れていた。

紆余曲折あり中々変身できなかったウルトラマンゼット・アルファエッジと交戦し、凄まじい空中戦を展開、ゼットの攻撃を悉くいなした上で、冷凍光線で動きを封じ込めて地上に叩き落して優位に立つ。

しかし、直後に石器がゼットに反応し「ゼットランスアロー」に変化したことで形勢が逆転(その際、ゼットランスアローの出現に驚愕し焦ったのか目を丸めていた )。最期はゼットランスファイヤーを喰らって火だるまになり、そのまま爆死した。

『UGF』でウルトラ戦士との初対決こそ実現していたが、TVシリーズにて地球でウルトラマンと戦うのは『X』のOPを除くと初となり、『ウルトラQ』以来となるメイン扱いの怪獣となった。

第5話は、新たな力であるゼットランスアローをお披露目する回だけではなく、あの男の再登場および後半で不意打ち気味にゼッパンドンとの戦闘が控えていたこともあり、ペギラ自体はある意味前座に近い扱いであった。とは言え、ウインダムを活動停止に追い込んだ上に、ゼットランスアロー登場まではゼット相手にも有利に戦いを進めるなど、強敵として抜群の存在感を示した。

ちなみにハルキからは「ペンギン野郎」と呼ばれていた。

モチーフも変化元もペンギンなのだが、どうしてこの個体は北極圏であるアラスカにいたのかは不明。

元々、ウルトラQの個体は万城目から「北極に向かうつもりであった」と推測されていたため、似たような経緯で過去に移住に成功していた個体なのかもしれない。

ウルトラ怪獣擬人化計画

円谷プロ公認(!)の企画により美少女化されたペギラ。

デザインを担当したのは、今泉昭彦氏。

南極に住んでいるという設定を反映してか、着物を着た雪女のような姿にデザインされている。なぜか幼女体型だが、角はアホ毛、牙はイヤーマッフルの飾り、翼は振袖の長い「袂(たもと)」に見立てて処理しており、加えて目蓋の重いどこか眠たげな目元、袖口から覗く三本爪などなど、ペギラの“基本パーツ”はしっかり押さえている。

雪女にしては肌の色が少々濃い気もするが、これはオリジナルの体色に合わせたとも、「雪焼けしている」とも解釈できよう。

なお、同企画の擬人化怪獣の中でも、飛び抜けて幼い容姿から、Pixiv上では“ペドラ”のタグ(異名)を立てられていたりする。

誰が上手いこと言えと……。

漫画版

第26話で登場。

ゴモラやベムスター、ウインダムのクラスメートのようだ。

小説版・アニメ版

ペギラの魂を宿した怪獣娘の一人:アデリーナ・海堂として登場。

語尾に「~(なの)です」とつけて喋る癖がある。

オーストラリア人の父と日本人の母との間に生まれたハーフで、自分が怪獣娘であることを世間に公表している。人懐っこく素直で優しい性格から人間関係にも恵まれており、日本にも大勢友達がいる。日本のアニメが好きで、日本を訪れる際には、必ず秋葉原やコミマを訪れているらしい。

作中では言及されていないが、怪獣娘に変身していない状態(人間態)の状態でも褐色肌であることから、オーストラリアの先住民若しくはミクロネシア系の血を引いた人物である可能性がある。

かつてペギラが使用した冷凍光線兼反重力光線を「冷凍光線」と「反重力光線」、それぞれ別々に使い分けることができるようになっている。また、能力を応用して、熱を出して苦しんでいた多岐沢マコトのリンパ腺を冷却して症状を和らげるといったことまでやってのけた。

搭乗していた旅客機内でテロリストによる自身を標的とした爆弾テロ騒動に巻き込まれ、たまたま乗り合わせていたマコトや、日本にいる怪獣娘の友人たちとも協力して事態収拾のために奔走することになる。

…どうやら、こちらの世界でも飛行機との相性の悪さは克服できなかったようだ。

その後、劇場版『怪獣娘(黒)』にも登場(小説版のアデリーナと同一人物かは不明)。ライブキング、ハネジロー、レイキュバスと共に、GIRLS本部に潜入してきたブラック指令にじゃれついており、脚に噛みついていた。

余談

初代ウルトラマンやウルトラセブンのデザインで有名な、成田亨が初めてデザインしたウルトラ怪獣といわれている(他社の特撮デザインはしていた)。とはいえ前任者の井上泰幸が残したデザインの翼や顔などのリファインであったという。

第5話と第14話では鳴き声が異なる。第5話登場時の鳴き声は後にサラマンドラ等にも使用されている。第14話登場時の鳴き声はバランやバラゴンからの流用、『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』では第5話の映像だが鳴き声は第14話と同じになっている。

なお5第話では南極観測隊員役に『ジャンボーグA』でアンチゴーネを演じる森山周一郎と副隊長の声をエンペラ星人を演じる内海賢二(ただしノンクレジット)が、第14話では毎日新報の秀山記者役で野本礼三が出演している。当時は珍しくなかったが、作品全体だと後々アニメ業界で活躍される面々が結構出演されていたりする。

柳田理科雄による空想科学読本で上記の能力を面白おかしく解釈された件で、SF小説家山本弘は、自著で特撮ファンだったらこのように解釈すると反論した。この論争はのちに怪獣と共存する世界を描いたSF小説『MM9』のアイデアに結びついたようである。



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