能力を持たないクリーチャーのこと。
「バニラクリーチャー」「バニラカード」とも呼ばれる。
「カードのテキスト欄に何も書かれていない→テキスト欄が真っ白→バニラ」または「バニラアイスクリームのように基本的でシンプル」という流れで名づけられた説が有力。
カード内では「カードに能力が書かれていないクリーチャー」と表現されている。
不死身男爵ボーグC火文明(2) |
クリーチャー:ヒューマノイド2000 |
氷菓の超人(バニラ・ジャイアント)C自然文明(4) |
クリーチャー:ジャイアント/アンノイズ5000 |
パワーと種族以外に評価できるポイントが存在しないため、多くのデッキでは敬遠される。強いて言えばデメリットが無い事がメリット、メリットが無い事がデメリットと言えるだろう。
見方を変えれば、文章欄に何も書かれていないという事は「複雑な効果を考える必要がなく、基本ルールにおけるカードの役割・用途などを把握しやすい」という事でもある。そういう性格のカードが今もなお収録され続けているのは、ある種の「初心者向け」と言えるかもしれない。
長らくハズレカードとして扱われてきたバニラだが、エピソード2で《アクア・ティーチャー》や《駱駝の御輿》が登場すると、物量に物を言わせる【バニラビート】というデッキが組めるようになった。そのため、下手な能力しか持たないカードよりかは実用性のあるカードになれたと言えるだろう。ただし、《メテオレイジ・リザード》のような、コストも高い上にパワーもそのコストに見合っていないようなカードが救われることはないだろう。
2〜4コストのバニラならば採用圏内となるので、以前に比べるとかなり待遇は良くなったと言えるだろう。サポートカードも数を増やしており、今後もバニラの躍進に期待がかかるところである。
ルール [編集]
- ブロッカー、パワーアタッカー、W・ブレイカーなどのキーワード能力は、たとえその注釈文がなくても能力として扱うため、これらだけを持っているカードは「カードに能力が書かれていないクリーチャー」ではない。
- DMX-22版の《ファンタジー・フィッシュ》はアイコンしかないが、能力が書かれている扱いになる。
- 「マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く」しかテキストに記されていない多色クリーチャーは「カードに能力が書かれていないクリーチャー」として扱う。
- これは『多色カードはタップしてマナゾーンに置く』という性質が、聖拳編での初登場から2018年12月のルール変更までは「能力」の扱いだったのが、改定により「多色カードはマナゾーンにタップインする」事がルールとして定められたため。
- 間違われやすいがソウルは能力ではない。そのため、《キュート・ウィスパー》や《究極男》など、ソウルを持つバニラも「カードに能力が書かれていないクリーチャー」として扱われる。《プロメフィウスα》に関しても同じ。
- 《ギル・ポリマのペンチ》は「カードに能力が書かれていないクリーチャー」として扱われる。これはルールを説明するための注釈文(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)を能力として扱わないためである。
- バニラサポートの能力のテキストは、《神帝スヴァ》と同様、実際のカードに書かれている文字(バニラの場合は何も書かれていないテキスト欄)を参照するため、サバイバーやダイナモなどで能力が付与されていてもサポートを受けることができる。
- 《激竜王/ガイアール流激烈竜王破・滅》などのツインパクトの場合、呪文側には能力が書かれているが、クリーチャー側がバニラである場合は「カードに能力が書かれていないクリーチャー」として扱う。
その他 [編集]
- 文脈によってはW・ブレイカーやT・ブレイカーなどは「能力」とは見なされないことがある。 この流れで《暗黒の騎士ザガーン》など単純な能力しか持たないクリーチャーを「バニラ」「W・ブレイカー持ちバニラクリーチャー」と呼ぶこともある。
- ただし、この場合は「準バニラ」を使ったほうが的確。
- パワーが高いクリーチャーはW・ブレイカー等をもち準バニラになることが多いため、バニラは高コストほど少なくなる。
- DMRP-14時点では1〜7コストにバニラが存在する。
- 超次元ゾーンのクリーチャーは覚醒や解除、W・ブレイカーなど何らかの能力が与えられるケースが非常に多いため、すべてがバニラではない。
- 覚醒後の解除を持たないサイキック・クリーチャーや、龍解後のドラグハート・クリーチャーはバニラとして誕生する余地はあるが、現時点ではそのようなクリーチャーは存在しない。
- デュエル・マスターズにおいて、バニラは長らくの間「穴埋め」「ハズレ」として冷遇されてきた。デュエル・マスターズでは強力な能力持ちクリーチャーもバニラも、召喚するには等しく限りあるマナが必要であり、さらにライフポイントのような概念もないため、パワーの大きさよりもマナコストに対する(能力、稼げるアドバンテージの)コストパフォーマンスが他のTCG以上に重視されてきたためである。 現在では後述のフレーバーテキスト遊びやバニラサポートが充実してきたため、少しずつ待遇は良くなっていると言える。
- かつては、能力がない分パワーの高さに優位性があり、軽いものならば進化元やシンパシー要員として採用が検討できた(《アクア戦闘員 ゾロル》など)。また、コストに対してパワーが高く設定されている《予言者クルト》、《無垢の面 ラニヴ》、《破界の右手 スミス》などの評価も高かった。しかし、現在はインフレの影響で、パワーの高い能力を持ったクリーチャーが登場したため、その優位性は崩壊しつつある。
- DM初期からバニラのパワーはマナコスト×1000を基準に作られていたようである。(コスト論も参照)
- 設定上パワーが低いとされる水や闇のバニラはパワーが1000低いことがある。それに加え、《シザー・アイ》、《汚れた者スケルトンソルジャー》など種族まで冷遇されたカードもある。
- インフレが進み、今度は自然や光に《光撃巨兵レーザリオン》や《霊騎デュナス》など、さらに500や1000上がっているものが登場した。戦国編以降顕著。
- ちなみにコスト2には、上記のインフレやのジョークカード等の登場で、全文明に2000を超えるバニラが存在していることになる。
- 例: 《電子の使徒バルアサッテ》(光)、《デュエマン》(水)、《ザ・ブラック・ボックス》(闇)、《巳年の強襲者 コブラ》(火)、《雪精 ステッキ》(自然)
- ドラゴン・サーガで登場したリキッド・ピープル閃は、弱者に知識を与え、護るために生み出されたヒーローという設定を持つ。それを反映してか、リキッド・ピープル閃や関連種族であるクリスタル・コマンド・ドラゴンにはバニラと相性のいいカードがいくつか登場した。
- MTGの開発が初心者救済のために一定数のバニラを収録していると述べたこともあり、DMのバニラも初心者救済のためと解釈されるときもあるが、初心者向け構築済みデッキ(デュエル・マスターズ)とされるスタートデッキですら、年々強化されると同時にバニラがそのまま収録される事が減ってきている。
- 一方でコロコロコミックに付録としてついてくるデッキではバニラは未だ現役である。
- 先述のように、バニラは敬遠されがちである。そのため慣れたプレイヤーからは、バニラが多い拡張パックはパックそのものも敬遠される。逆にバニラの少ない、収録されていないパックは比較的よく売れ、特にDM-26はハズレなしの最強セットとも呼ばれた。
- 革命編からパック全体の収録枚数が増えたのだが、そのころから数合わせにしか見えないバニラや既存カードの下位互換が増えたため、この収録枚数の増加そのものに否定的な意見が多い。
- なおDM-38から、すべての通常エキスパンションに準バニラですらない、完全なるバニラが収録されている。
- 拡張パックはカードくじとしての側面も持つため、「強力なカードの引き立たせ役」との見方もある。
- 上記の売上の話や、この「引き立たせ役」としての役割は、バニラに限らず、準バニラなども含めた「カードパワーの低いカード」全体に当てはまる話である。
- 唯一他のカードに勝っている『文章欄の余白の多さ』を利用して、長大なフレーバーテキストが書かれることも増えた。《パーロック》やその関連カードを皮切りに、エピソード2以降はその傾向が顕著となっている。
- フレーバーテキスト上では、バニラは「非力」や「無力」といった言葉、あるいは成長前の未熟な状態と表現されることが多い。
- 「バニラ」は当初はプレイヤー間での俗称であり、公式のルールブック等にも記載されていないが、雑誌等のメディアで用いられることも多く、半ば公式化している。
- コロコロコミックのDMR-05紹介付録では《希望の親衛隊ラプソディ》と《カムバック・マイ・パーロック》にこの語が使用されている。また、店頭で配布されているDMR-05の攻略ガイドでも《希望の親衛隊ラプソディ》に対してこの用語が使用されている。その後、DMD-17でもこの用語が使用された。アニメ「VS」第5話では滑川 ナメヒコが使う【バニラビート】に対して勝太が「バニラ」という言葉を使用し、アニメ「デュエル・マスターズ!!」ではナレーションが《The カップラー漢》を「バニラ」と呼んでいる。
- DMX-22で《バニラ・ゾーン》という呪文が収録されるなど、公式でもバニラという用語はドラゴン・サーガや革命あたりからより定着している。
- 《偉大なる無駄》などの効果のない呪文はバニラ呪文と呼ばれることも多い。
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