外道衆

ページ名:外道衆

外道衆は、仮面ライダーシリーズに登場する怪人。

目次

概要[]

三途の川に棲む妖怪達。「六門船[1]」と呼ばれる和船を拠点とし、人間界にある「隙間」から次元間を移動する。三途の川から長く離れすぎると川の水が抜けて体が干上がってしまう「水切れ」を起こすため、人間界では長時間活動できない。三途の川は人間が苦しみ不幸になると水かさを増すため、人々を襲い苦しめることで三途の川を氾濫させ、この世を支配しようと目論む。単純に破壊活動を行って多数の人々を苦しめることもあれば、量より質ということで一人の人間の心を弄んで苦しめることもあるなど、正に「外道」な集団であり後述のように決して一枚岩の「組織」ではない。姿形は異形、まさしく怪物・化け物であるが、思考・感情などは人間と大差ない。幹部格には人体を構成する部位の文字が使用されている。敵幹部の造形は七福神と海の生物をモデルにしている。

外道衆[]

血祭ドウコク(ちまつり-)外道衆の長。アヤカシの中でも際立った偉丈夫で荒武者を彷彿とさせる。酒を飲んでいるとき以外は片時も剣を手放さない。アヤカシ達からは「御大将」と呼ばれる。本気で怒ると手がつけられず、太夫と酒以外ではなだめられない。笑って済ませられる範囲でのアヤカシの悪ふざけや軽口・冗談などに対しては比較的寛容な態度を示す一方で、外道衆全体に対する反乱や明らかに自分に対する敵意を持った行為に対しては厳しい態度を取り、制裁を下すこともある。また、「敵意を持っている」ゴズナグモを出入り禁止にするに留め、それ以上の罰を与えていないことから、たとえ、敵意を持っていたとしても「内心に留まっている限り(反乱を起こすなど、実際の行動に移さない限り)」特に処罰するようなことをしないことも分かる。アヤカシ達を「縛る」力を唯一もっており、それ故外道衆を圧倒する絶対的権力を握る根拠となっているが、半分人間の十臓には効果が不十分(それでもしばらくは動けなくなる)で完全に支配することができない。夏は三途の川の水と共に力が増幅する。先代シンケンレッドを簡単に斬り伏せる程の実力を持つが、止めを刺さなかったために「封印の文字」を使われ、結果相討ちとなる。バラバラにされた身体を長い年月をかけて復活するが、封印の後遺症なのか人間界へ出ると即水切れしてしまうため三途の川での滞留を余儀なくされているが、水切れを押して戦っても、シンケンジャー6人とアクマロを圧倒するほどである。相討ちで滅ぼしたと思っていた志葉家の末裔・シンケンジャーが生き残っていたと知って激怒し、彼らを抹殺して人間界を三途の川に沈めようと企む。シタリ曰く、太夫が外道へ堕ちる前の薄雪の頃から、太夫の三味線の音色に執着している模様。第四十幕にて後遺症の限界まで人間界へ赴いた為、三途の川の底に沈んでいたが、太夫の三味線に宿っていた嘆きの力が解放され復活、再び人間界に現れた。その際に太夫の体を自らに取り込み、その効果によって封印の文字や水切れを無効化、地上に三途の川の水を溢れさせ、シタリとともに六門船に乗って侵攻。シンケンジャー達の文字通りの真っ向勝負を迎え撃ち、互いの勝利を譲らないほどの執念で戦いを展開、最終的に二の目でシンケンオーに討ち取られた。その造形は七福神の毘沙門天をモデルとしている。薄皮太夫(うすかわだゆう)ドウコクの側近。姉御口調(一人称は「わちき」)で、常に三味線を携え不気味な音色を奏でる。三味線には仕込刀があり、戦闘でもシンケンジャーに引けを取らない。ドウコクを抑えることができる唯一の存在であり、彼女の前でのみドウコクは甘い一面を見せるが、他のアヤカシ達とは全く反りが合わず、顔を合わすと険悪な空気になるので、ドウコクが制止に入ることも多い。元々は人間で薄雪(うすゆき)という名の花魁であったが、かつて愛し合い、自分を身請けすると約束した武士・新佐が他の女と祝言を上げると知って、宴席に乗り込んで火を放ち、大勢の人を焼き殺した。自らも裏切られた怒りと絶望で外道に堕ちるが、その際に新佐を三味線に変えて道連れにしている。花嫁達を攫って打掛を作ろうとしたのも過去への未練故とシタリは分析している。また、自らを「はぐれ外道」と言う事もある。外道に堕ちても心が満たされぬため、似たような境遇の十臓に距離を置きつつも密かに援助・支援している。十臓の独断行動に怒ったドウコクから抹殺指令を受けるも、十臓の本当の目的を聞き、思いとどまる。この事を知って怒りを露わにするドウコクに対して「(自分を)斬り刻め、骨まで」と言い放ち、関係を更に悪化させた時期もある。ドウコクに燃やされかけた三味線の補修に必要な人間の男を捕らえるために人間界に赴くが、シンケンジャーとドウコクが差し向けたユメバクラの妨害に遭い失敗。それ以来、人間界をさまよっていたが「三味線の修復」と引き換えにアクマロに雇われる。アクマロには裏切られ攻撃を受けるが、ドウコクに助けられると同時に、ドウコク自らが体の一部で三味線を修復し、三味線は返還された。その後、六門船へ帰還するもドウコクはまだ川底に沈んでいた。再び人間界に赴くと、ユメバクラの一件で太夫の過去を知っているシンケンピンクに自ら斬られる事で「人間だった過去」を手放し、その際に一緒に斬られた三味線(=新佐)の嘆きの力を解放、ドウコクを復活させた。その後、人間界へ現れたドウコクに自らの意思で取り込まれた。造形のモデルは七福神の弁財天。骨のシタリ(ほね-)ドウコクの知恵袋。イカのような頭部を持つ、比較的小柄な体格の外道衆。腑破 十臓(ふわ じゅうぞう)外道衆のはぐれ者。シンケンジャーの必殺技である兜・五輪弾を切り裂く程の剣の達人。武器は裏正(うらまさ)という名の逆刃の妖刀だが、裏正が破損していた時期は蛮刀毒泡沫(ばんとうどくほうまつ)を使用していた。人間の姿に戻ることもでき、それ故にドウコクの完全な支配下に置かれることもない。また、源太の寿司を気に入るという意外な一面もある。元は人間だったが、強さと戦いを求めて生きたまま外道へ堕ち三途の川を渡った後、異形の姿となり次元の隙間を長い間さまよっていたらしい。外道に堕ちてもなお、戦いへの飢えは満たされず、丈瑠こそが裏正と自分に見合う相手と認め、剣士として立ち合いを望む。また、丈瑠にかつて死病に侵されていた我が身を見限って外道になった経緯、そして目的があくまで「強い者と骨の髄まで斬り合う事」だと語った。志葉家当主が受け継ぐ外道衆を完全に葬ることができるモヂカラの存在を知っていながら黙っていたことが、シタリを通じてドウコクの知るところとなり、怒りを買ったが、それも全く意に介せず、ひたすらシンケンレッドとの勝負に執着し続ける。レッドとの戦いを想うあまり、仲間でさえ気付かず、丈瑠自身も目を背けていた丈瑠の変化を誰よりも早く見透かした。そしてレッドとの立会いで瀬戸際まで追い詰めたが、レッドの捨て身の太刀に裏正を折られて敗北し海に落ちる。その後は一時的に行方不明となるが太夫に発見され、「裏正の修理」と交換条件でアクマロに雇われることになった。実は裏正は、アクマロが殺害した十臓の家族の魂を閉じ込めて造ったものであり、アクマロはその裏正と、人と外道の間にいる十臓こそが「裏見がんどう返しの術」を発動できると考えていたが、十臓は裏正の正体に気付いていながら、二百年も人を斬り続け、心からの外道になっていた。術の発動は失敗し、十臓に斬られたアクマロは「あんたさんこそ、本当の外道」と評した。影武者である事が発覚した丈瑠に最後の決戦を挑み、昼夜を分たぬ激烈な斬り合いの果てに敗北。丈瑠の周りに駆け付けた仲間たちを見るも更に斬り合いの快楽を追い求めようとするが、左足に刺さった裏正に宿る妻の魂に引きとめられ、噴き上がる火柱の内に消え去っていった。十臓が消えた後には裏正一振りのみが残ったが、丈瑠たちが仲間としての絆を再確認する様子を見届けるように消滅した。はぐれ外道故か命は一つしか持っていなかったようで、二の目となることはなかった。造形のモデルは元「七福神」の猩猩(人型ではないため、七福神から除外された)。筋殻アクマロ(すじがらの-)第二十八幕から登場。三途の川の底に眠っていた謎の外道衆で、ドウコクの「夏の力」により復活し、六門船に姿を現す。ドウコクやシタリさえもその存在を知らなかったが、「かつて、シンケンジャーと言えばもっと強く…」との台詞から以前のシンケンジャーとは戦闘経験がある様子。ドウコクに対しては低姿勢で接してはいるが、独特の公家言葉でしゃべる端々には高慢さが伺える。人間界への攻撃や作戦立案も独自に行っており、従属しつつも距離を置いていたが、人間界をさまよっていた十臓と太夫を仲間に雇うなど水面下で暗躍しながら、第四十幕にてドウコクに対し反旗を翻すに至る。ドウコクらに知られていないアヤカシを配下に多数持つ他に、特殊な紙を切ることで「切神」(折り紙がモチーフの折神に対し、紙切りがモチーフ)と呼ばれる怪物を生み出すことができる。策略家であるが、戦闘力は高く、ドウコクに及ばぬもののかなりの実力者。自分の手を4本の鉤爪に変えた格闘戦(この鉤爪は切神作成にも使用される)、蹴鞠による中・遠距離攻撃、刃のついた笏による斬撃や電撃など多彩な攻撃技を持つ上に、二の目で巨大化した時はサムライハオーのモヂカラ大弾円をエネルギー光弾として跳ね返すほどの耐久力も持つ。「地獄を見たい、感じたい」という異常な願望を持っており、「裏見(うらみ)がんどう返しの術」[2]で地獄をこの世に顕現することが、彼の最終目的であった。その為に十臓に裏正を与えて外道に引きずり込み、二百年前から秘かに工作を進めていたが、成就を目前にして、利用していたはずの十臓に裏切られた挙句、シンケンジャーに倒されてしまう。しかし、二の目となり、サムライハオーに一刀両断にされた刹那、その痛みに地獄を見出し、歓喜の声を上げながら散っていった。造形のモデルはえびすと鯱。アヤカシ外道衆が送り込む怪物で、人間社会に妖怪・物の怪のルーツとしてその伝承を残している。ドウコクに対しては大将と呼ぶ者もいるが、部下というよりも同志タイプのためか、シタリや太夫にタメ口を効いたり、からかい半分でやって来てドウコク等を怒らせるタイプが多い。また、内心ではドウコクの支配を良しとせず、反逆の機会を窺っている者や、アクマロの配下となっている者もいる。一の目・二の目と呼ばれる2つの命を持ち、一の目である等身大で倒されても二の目で復活し、巨大化する(アヤカシから仮面ライダーに変貌したチノマナコは例外)。全てのアヤカシに共通して、各自が2種類のモチーフを組み合わせた外見(例:カゲカムロは鎧兜と大きな笑い顔)をしている。ただし、従来のシリーズと異なり、生物・無機物・現象とモチーフには統一性がない。その行動パターンはほとんどが過去と差異がなく、シンケンジャーは文献により打開策を見出すこともあるが、一般には別の名前の妖怪として(ただしアヤカシ自体ではなくその被害者を指す場合もある)伝えられているもよう(詳細は侍戦隊シンケンジャー#放映リストの各怪人のリンク先を参照)。また、第46幕ではシタリの命がけの助力によって、三の目も発動している。『電子戦隊デンジマン』のベーダー怪物に似た左右非対称の者も多い。チノマナコ / チノマナコ・ディエンド変身態外道衆が送り込む怪人「アヤカシ」の一体。ナナシ連中(-れんちゅう)外道衆の戦闘員。スス木霊(-こだま)六門船にいる小さな妖怪。

クサレ外道衆[]

劇場版1作目に登場。外道衆の中の外道衆と呼ばれる妖怪たち。後に本編で生き残りが登場する。

脂目マンプク300年前、初代シンケンレッド/志葉烈堂によって封印されていたクサレ外道衆の頭目。一万体のクサレ外道衆の大軍団を率いて、シンケンジャーにほぼ休む暇を与えない戦いを強いる。血祭ドウコクに対しても、本気ともとれる冗談を言うなど、恐れの無さと底知れなさを見せる。ドウコクも認める程の実力を持つ。逃げずに最後まで戦うことを選んだシンケンレッドに対して、それを称えるなど、外道とも思えないような行動もとる。作戦自体も大兵力による力押しという極めてまっとうなものであり、後に元部下のアゼミドロから「真面目すぎた」と評された。巨大化戦では真の姿である第二形態となる。外道衆の幹部アヤカシはすべて七福神と海の生物をモデルとしており、その例にも漏れず、造形のモデルは布袋と蛸。クサレノサカマタクサレ外道衆の鯱を思わせる姿をしたクサレアヤカシ。複数存在する。テレビ本編には第二十三幕から登場。腕がない代わりに巨大な口をもったアヤカシで、口からはエネルギー弾を放って敵を攻撃する。巨大なサイズの大ノサカマタもいる。クサレナナシクサレ外道衆の戦闘員。等身大のほか巨大なクサレ大ナナシも複数存在する。

脚注[]

  1. 三途の川の渡し賃であり、真田幸村の家でもある真田家の家紋「六文銭(ろくもんせん)」とかかっている。
  2. 六道が関連する苦しみを一直線に結び、この世の者でもあの世の者でも無い者(≒十臓)が裏正で中心を斬り裂く事で完成する。

関連項目[]



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