概要
大正とは日本の元号の一つ。大正元年(1912)~大正15年(1926)を指す。建築史の観点では以下の3点が重要な変化である。
セセッションの台頭
明治が辰野金吾や片山東熊が到達した西洋建築の完璧な模倣から始まったのに対し、大正は当時西洋の最先端だったセセッション様式を採り入れた時代でもあった。幾何学的な模様を積極的に採り入れた、伝統的な様式建築のようで異なるこれまでにない個性的で独創的なデザインが花開いた時代である。
帝国ホテルの衝撃
フランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテル(1921)が与えた影響も大きい。大谷石の有機的な独特な加工、直線を自在に組み合わせた外観、スクラッチタイルのもつ温かみは全国各地に多大な影響を与え、各地にライト風の建物が多く建てられた。
関東大震災の影響
大正12年(1923)に発生した関東大震災が建築史に与えた影響は大きく2つある。1つ目は、煉瓦建築が次々に倒壊してしまい、煉瓦建築への信用が低下したことである。関東大震災を契機に全国的に煉瓦造建築は姿を消していってしまう。2つ目は防火・防災を意識した建材の注目が高まったことである。木造建築が多かった東京では、燃えにくいモルタルや銅板を表面に使った建物が登場する。いわゆる看板建築の出現である。当初は東京だけだったが面白いことに大きな被災をしていない全国各地に瞬く間に広まっていった。また新しい建材として鉄筋コンクリートも台頭していった。
大正時代の建物一覧
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