ヴィトー・コルレオーネ

ページ名:ヴィトー・コルレオーネ

ヴィトー・コルレオーネ(Vito Corleone)はマリオ・プーゾの小説作品『ゴッドファーザー』シリーズに登場する架空の人物。映画版では老年期をマーロン・ブランド、青年、壮年期をロバート・デ・ニーロが演じた。

目次

キャラクター概要[]

表向きはオリーブオイルを輸入する会社の経営者だが、正体は賭博などを手掛けるニューヨークに拠点を置く最大のシチリアン・マフィア「コルレオーネ・ファミリー」の創設者で初代ドン。その強大な勢力ゆえに、作中でしばしばコルレオーネ帝国と評されている。

友情と信頼を何よりも大切にする良き人であり友人からの頼みごとを卑怯な理由で断ったことは一度も無く、かつ誠実な対応を取るため同業者からも非常に信頼されている。友人を信じる信念を貫いた結果、政界にも影響力を及ぼすほどの大人物となり特に彼と親しい人はゴッドファーザーと尊敬の念をこめて彼を呼ぶ。

生涯[]

1892年12月7日、イタリア、シチリア島のコルレオーネ村でヴィトー・アンドリーニとして生まれる。子供の頃は非常に無口で、母に愚鈍と言われていた。

1901年、父のアントニオ・アンドリーニが地元マフィアのドン・チッチオに殺される。兄のパオロが、父の葬儀の日に復讐のため、チッチオを襲撃するが返り討ちにあって死亡する。父、兄と逆らったため、まだ幼いヴィトーも命を狙われる。助命を求めるためチッチオの元に赴いた母親はその場で射殺され、隙を見て逃げ出したヴィトーは村人の助けを得てアメリカ行きの移民船に乗り、故郷シチリアを離れた。入国審査の際、審査官によって、当時ではよくあった苗字を出身地名であるコルレオーネに変えられてしまい、以後、ヴィトー・コルレオーネと名乗るようになった。

アメリカ移住後はニューヨーク・リトルイタリーに住み、ジェンコ・アッバンダンド(シニョール・アッバンダンド)の経営する食料品店に引き取られる。1914年にカルメラと結婚。2年後に長男のサンティーノ(ソニー)が誕生する。

リトルイタリーを縄張りにし、一般家庭や商店から法外なみかじめ料をとっていたマフィア、ドン・ファヌッチによってジェンコの店を追い出される。家族を養うため、不法者のピーター・クレメンザ、サル・テッシオと共に盗人家業を始める。

1920年、いくらか生活に余裕ができたヴィトーたちに目をつけたファヌッチが法外なみかじめ料を要求してくる。ヴィトーはファヌッチの状態を見抜き、彼を油断させて射殺した。その後、ファヌッチの縄張りを引き継ぎ、街の相談役(事実上のマフィア)として活動しはじめる。この年、三男・マイケルが誕生する。

金をせびるだけのファヌッチと違い、良き問題解決人として、良き友として振舞うヴィトーは住民の尊敬を得るようになる。その後、蓄えた財産で、恩人・ジェンコの名を冠した「ジェンコ・オリーブオイル輸入会社」を設立する。以後、表向きはオリーブオイル輸入会社の経営者となる。

1925年、シチリアに一時帰郷。オリーブオイル事業で親交を深めていた地元マフィアのドン・トマシーノと協力し、ドン・チッチオを殺害、復讐を果たす。この時、ドン・トマシーノは足を撃たれて歩行困難な身体になる。

1933年、ニューヨークを拠点にする大物、ドン・サルヴァトーレ・マランツァーノ(実在の人物)との抗争が始まる。当初は、シカゴの大物、アル・カポネとも強力なコネクションを持つマランツァーノが有利と見られていたが、カポネの増援をルカ・ブラージが壊滅させるなど、次第にコルレオーネが優勢となる。最後は、和平を呼びかけてきたマランツァーノをテッシオが射殺し、抗争は終結。マランツァーノの地盤をコルレオーネ・ファミリーが引き継ぐ形となり、ファミリーはニューヨーク最大のマフィアとなる。

1937年、ニューヨークを拠点に置く地下組織(いわゆる五大ファミリーの)、バルジーニ、ストラキ、クネオ、タッタリアに呼びかけ、地下組織間の協定を締結する。

1945年、タッタリア・ファミリーと親しい麻薬密売人のバージル・ソロッツォがコルレオーネ・ファミリーに資金面・政治面での麻薬取引の協力を持ちかけるがヴィトーはこれを断る。しかし、ソニーは乗り気であったことから、ソロッツォは、ヴィトーを消せばコルレオーネ・ファミリーは麻薬ビジネスに協力すると考え、彼の暗殺を目論む。結果として暗殺は失敗し、ヴィトーはかろうじて一命を取り留めたが、比較的短期とは言え寝たきりの状態が続き、組織をまとめられるような状態でなくなる。その間、実質的にソニーがドン代理となって、コルレオーネ・ファミリーをまとめあげ、タッタリアとの抗争が始まる。

1948年、ソニーが暗殺される。これを受け、翌1949年に五大ファミリーの招集を呼びかけ、シチリアへ逃亡したマイケルの身の保障を条件にタッタリアと和解。部分的にだが、麻薬ビジネスへの協力も承諾する。その後、帰国させたマイケルを後継者としてドンを引き継がせ、自身は相談役に退く(事実上の引退)。

その後、庭の野菜を育てたり、孫と遊んで余生を楽しく過ごしていたが、1955年7月29日に自宅で死亡。

家族[]

テンプレート:Col

  • 拾い子:トム・ヘイゲン - 「両親に失礼だ」という理由で養子にせず。

その他[]

  • 同一のキャラクターで、二人の役者がアカデミー賞を受賞した稀有なキャラクターである。
  • モデルは実在の大ボス、ジョセフ・ボナンノといわれている。

関連項目[]



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