ガッシュ・ベルと高嶺清麿

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ガッシュ・ベルと高嶺清麿(たかみね きよまろ)は、雷句誠の漫画『金色のガッシュ!!』及び同作を原作としたテレビアニメ『金色のガッシュベル!!』の登場人物。

目次

ガッシュ・ベル[]

声 - 大谷育江(140話まで)/吉田小南美(141話以降)/摩味(サンデーCM劇場))

主人公。「魔界の王を決める戦い」の100人の王候補の中の一人。金髪で、紺色(初期では緑)のマントを身にまとった魔物の少年。実は、このマントは高級な魔法の布で作られており、胸のブローチがある限り半永久的に再生し続け、魔力を通せば自由自在に伸縮して頑丈な盾にもなる(しかし、これは後述のゼオンに手紙で教えられるまで使い方を全く知らず、ただのマントとブローチとして身に着けていた)。

髪に隠れているが、二本の小さな角が頭にある(これはバオウを受け継いだ証であり、ゼオンにこれは無い)。嗅覚が一般的な魔物よりも優れている。電撃系の術を使う。一人称は「私」で、「ウヌ」や「~なのだ」等の貴族言葉が口癖[1]。好奇心旺盛で、正義感が人一倍強い性格。また、踊りを見ると全般的に共に踊ってしまう性格のようである。
さらに、ティオや恵(=女の子)のいる前で堂々と全裸になり水浴びをするなど、恥知らずで無神経な部分もある。
ブリを異常なほど好み、丸ごと一匹抱えてバクバクと丸かじりして頭と骨を残して平らげてしまったり、海で泳いでいるブリを見つければ、全裸になって海に飛び込み、泳いで捕まえようとする。他、アニメ版では寿司屋で解体前のブリを勝手に食べてしまったり、劇場版ではパラシュートと間違えてブリを背負ってスカイダイビングしてしまう程だった。

前向きで情に篤い真っ直ぐな心は、かつて心を閉ざしていた清麿やティオ、魔界時代でもレイン、ウマゴンなどや千年前の魔物のアルムやパムーンにも良い方向で大きな影響を及ぼしている。因みに、彼の思う結婚とはお父さんとお母さんになる事らしい。雷句誠のブログによると恋心をまだ理解できておらず、ガッシュにとってはティオもコルルもただの友達であるとのこと。魔界にいた時から作中で確認できる魔物の中で唯一殆どの術を使うと、術の発動中は何故か気絶してしまう。そのため基本的に呪文での攻撃中は本人の意志で向きを変えることが出来ないので清麿が抱えて向きを変えさせる事で広範囲を攻撃したりする描写もある。ただし、ラウザルクやバオウ・クロウ・ディスグルグなどの意識が無ければ使えない呪文では気絶しない。

人間界に送り出された後、ゼオンに攻撃された挙句、魔界にいた頃の記憶を奪われ、瀕死状態だった所を高嶺清太郎に助けられる。その恩返しとして日本にいる清太郎の息子・清麿を鍛え直すために日本へ大鷲に乗って向かった。魔界では落ちこぼれだったので戦い始めた頃は多くの魔物から初めに狙われたが、コルルの為に何もしてやれなかった悔しさとその時の彼女の言葉で「優しい王様」を目指すことを決意し、清麿と共にいくつもの戦いを経て、魔界に居た頃とは比べものになら無いほど成長した。その為、魔物との戦いでは殆ど敗北がない。

実は現魔界王の息子であり、ゼオン・ベルの双子の弟。生まれて間も無い頃に父から「バオウ」を受け継いだが、バオウの力を悪用されることを防ぐため、王族の身分を隠し庶民のユノへ托されたが、物心ついた時にユノから冷酷な仕打ちを受け続ける事になってしまう。3歳の時、非情なユノから本当の家族(=親)が居ないと聞かせられ、自身の孤独と絶望から一時は塞ぎ込んでしまったが、夜中に王家の使いとユノの会話を偶然聞き、王族である両親と兄が居る事実を知った事で希望を見出し、どんな時でも明るく過ごそうとし、家族に気付いて貰える様にと、見様見真似で貴族言葉を使うようになった(それ以前は少年の口調であり、一人称も「僕」だった)。表面上(特に学校生活)では天真爛漫であるが、兄のゼオンと同様、厳しい現実の中で生きて来た。然し、そうした事情を知らないゼオンからは彼が貰う筈の「バオウ」を与えられ、苦しい努力をする事も無く「魔界の王を決める戦い」の候補者に選ばれたものだと誤解され、恨まれていた。ただし、自由を与えられる事無く虐待同然の英才教育で育ったゼオンに比べると、ユノにこき使われながらも友人関係に恵まれていたガッシュの環境はまだマシな方であったのも確かである為、ゼオンがガッシュを酷く憎んでしまったのは仕方が無いとも取れる。

ファウード内でリオウ戦に敗れ、清麿が瀕死状態になった時、一時的に体の色が変化・尋常で無い力を発揮し、また本が異常な光を発し、術が増え元々あった術の力がゼオンにやや近いほどに格段にパワーアップした。これは、清麿の「死」とそれをリオウに罵られた事からガッシュの心に強い憎しみが生まれ、ガッシュの中に眠っていたバオウの雷の力が目覚めた時のもの。真の姿になったバオウに一度は心と身体を食われてしまうが、二度目にはそのバオウを使いこなしてゼオンを倒し、彼と和解(その際、誤解が晴れた)し、奪われていた魔界での記憶を完全に取り戻した。最後には暴走したファウードを止めるためゼオンから貰った力で強化されたバオウ・ザケルガでファウードを止めた。しかし、その後の記憶の内容に関する詳細はあまり公開されておらず、シュナイダー(ウマゴン)の事も完全には思い出せず、今でもウマゴンと呼んでいる。

フランスでの対クリア戦後は、デュフォーが身体能力の強化、マントの使用方法(マントを回転させて周りのものを破壊したり、破壊した物を掴んで集めたり、木の上まで飛行したり出来る)、バオウ・ザケルガの強化などの指導を行い、7ヶ月目の段階で確実な成果を出した。ブラゴと共に再びクリアと交戦するも完全体となったクリアには歯が立たず、力尽きる寸前まで追い詰められるが、そんな状況でも今まで出会ってきた仲間たちのことを思い、生き返らせてみせると言い切った。そのことをクリアは哄笑し、それを跳ね除けるように清麿が叫んだその時、2人に応えるように凄まじい光と共にガッシュの本が金色(こんじき)に変わる[2]。魂になった仲間の魔物たちがガッシュの声や戦っている姿を感じた際、自分達もガッシュのために闘いたいと思った時に金色の本の中へ現れる事が出来るらしく、その結果としてガッシュと清麿がその魔物の術を使う事を可能としている(この時に使われる心の力は「術を持っていた者」が肩代わりするらしく、心の力の尽きている清麿が多種多様な『シン』級の術を連発するという状況までも作り出している)。仲間達の思いによって生まれた「シン・ベルワン・バオウ・ザケルガ」でクリアを倒す。その後、清麿の卒業式の三日後ブラゴとの王を決める最終決戦を行い、死闘の末彼に勝利する。その直後魔本により王座獲得を告げられた後、魔界へ帰って行った。「やさしい王様」らしく、魂になった魔物全てに肉体を与えて魔界を元通りにし(このとき、ファウードには人間サイズの新しい肉体を与えた)、最後の敵クリアにも新たな名前と肉体を与えた。戴冠式や法律の勉強で多忙を極める中、以前と同じように学校にも通っている。かつて自身を虐げていたユノには極刑を与えず、召使として雇っている。そして清麿に近況を伝えるとともに「互いに立派になって再び会おう」という約束を手紙に記し送った。その最中、この「魔界の王を決める戦い」を正しいものと痛感したのだった。

アニメ版ではバオウによるパワーアップもせずにゼオンと対峙するが彼に圧倒され、再び記憶を奪われそうになるが、ガッシュの力が覚醒して本が金色に変わりパワーアップしたバオウ・ザケルガでゼオンを倒す。ゼオンと和解しようとするが、ゼオンはその言葉に全く応えず魔界へ帰っていった(この時、記憶も返して貰えなかった)。しかし、ゼオンの最後の悪あがきとしてファウードを暴走させるが金色に輝いてパワーアップしたバオウでファウードを破壊する。その後、ブラゴとの一騎打ちで出番を終える。

番外編では、学校が終わった後、王様の仕事をしている。教師や生徒から特別扱いにされたり、ティオやウマゴン達と遊ぶ時間がなくなった事で悩んでいる。

人間換算年齢:6~7歳。身長:推定100~110cm。趣味:友達作り、バルカン遊び。好きな食べ物:ブリと清麿の母・高嶺華が作る手料理。

呪文[]

  1. ザケル口から電撃を吐く術。最も使用回数の多い術でもある。リオウ戦後のガッシュの強化後は、威力や出力がギガノ級にも劣らない程に大幅に増し、発動の際の閃光による目眩ましという補助手段にも使えるようになった。その他、折檻(フォルゴレやナゾナゾ博士への制裁)にも多用された。ゼオンも使える。
  2. ラシルド目前の地面から、巨大な長方形の雷の盾を出現させる術。盾は敵の術に電撃を付与してはね返す。盾の強度は若干弱めだが、ザグルゼムを当てて強化する事でギガノ級の術を跳ね返すことも出来る。また大きさを生かして目眩ましに使われることもある。リオウ戦後のガッシュの強化後は、それまでより巨大になると共に紋章の数も増え、ザグルゼムで強化しない状態でもギガノ級の術をはね返せるようになった。
  3. ジケルド着弾点周辺を磁石に変える、磁気を帯びた光球を吐く術。光球自体に攻撃力はない。周囲に鉄製の物が無いと発動しない。弾速は遅いが、その性質により条件さえ整えばほぼ確実に効果が得られる。対象が金属以外のものに変化するなどして磁気の効果が及ばなくなると、この呪文も無効化される。コルル戦直後に「やさしい王様になる」と言う決意がガッシュ自身の成長となり、使える様になった。有効な状況が限定されるため使用回数が非常に少なく(フェイン戦、キャンチョメ戦、コーラルQ戦など)、リオウ戦後は一度も使われなかった。しかし、人間など「心の力」を必要としない相手に使用することで、燃費を節約など利便性がある(アニメでは、原作よりも、多く使われた)。
  4. バオウ・ザケルガ口から放出した力を巨大な雷の竜として放つ術。イギリスを訪れたガッシュが森で記憶を取り戻した際に呼応して発現した。ある程度の意思の様な物を持ち、術や敵を噛み砕くように攻撃する。ガッシュの最大呪文の一つであり、この呪文で幾度も窮地を脱している。他の術を使う事で本に蓄積される力を使用するため、事前に多くの心の力を使っていると威力が上がる。その性質上、他の呪文をある程度使用しなければ発動すら不可能。また、使用後は心の力のみならず、清麿の体力も大幅に消耗してしまう。ザグルゼムと併用すると、形が変わる。他の術と異なり、最初からページの全体が読める状態で現れた術である。リオウ戦以前はギガノ級の一つ上程度の威力の術だったが、ガッシュの強化後は真の力を取り戻しより強力になる。しかし当初は黒い力を纏った禍々しい姿で現れ、内在する強い憎しみでガッシュの意識を奪い、パートナーも含め敵味方を問わず全てをも喰らいつくそうとする危険な術と化した。ガッシュはこれを強靭な意思で従わせる事に成功し、真の力を解放した上で完全に制御下に置いた。これにより前述の特異性が消滅、通常の術のように心の力だけで使用可能となり、清麿が過度に消耗する事もなくなった。打倒クリアに向けた特訓による更なるパワーアップ後は威力もクリアの「シン」級の術と同等レベルに強化された他、ある程度の細かい動きも可能になりクリアの術への対抗手段も会得した。元々はガッシュの父親(現魔界の王)が生み出した力であり、鍛えられたバオウは魔界の脅威の一つとされるほど驚異的な力(アースが言っていたのはこの事)を持っていたが、同時に闘いでバオウが喰らった憎しみなどの負の心も蓄積されているため、制御できなければ暴走し全てを破壊する危険性も孕んでいた(ガッシュのバオウが真の力を取り戻した後の黒く禍々しい姿はこの憎しみの影響)。そのため年老いた王がバオウを制御できなくなる前に息子であるガッシュに託された。アニメ版では、ガッシュのパワーが覚醒し、その威力はゼオンの最大呪文を一方的に打ち破りファウードをも破壊する程の威力を誇る。しかし、清麿の体力の消耗もかなり激しい。なお、ザグルゼムなしで攻撃を受けるだけで分裂し、合体も可能である。オリジナルの異界編ではブラゴのバベルガ・グラビドンと合体し、黒いバオウ・ザケルガに変化、マエストロの最大呪文を打ち破った。カードゲームにも出ている。
  5. ザケルガ一直線に走る貫通力の高い電撃を吐く術。ザケル同様、リオウ戦後のガッシュの強化後はギガノ以上に威力が増しており(それまではロデュウ曰く「初級の上ランク程度の術」だったらしい)、ファウードの力を得てパワーアップしたジェデュンのギガノ級の術を簡単に破っている。ゼオンも使える。
  6. ラウザルクガッシュの身体能力を一時的に強化する術。使っている間気を失う事は無いが、その間は他の術を併用して使う事は不可能。原作では体が金色に光っているが、アニメでは虹色である。リオウ戦後ではゼオンの身体能力に匹敵する程にパワーアップされた。任意で術を解くことも可能だが、これが強化に伴うものかは不明。作中では出てこなかったがゼオンも使えるとのこと(作者談)。
  7. ザグルゼム任意の地点(物体、魔物、術など)に強い電気を蓄積させる電気球を吐き出す術。ジケルド同様、光球自体による攻撃力は皆無。これを通過(命中)した電撃系の術は強化される他、近くに他の電気球が存在すればそこへ誘導される。複数個を通せば更なる強化が可能で、直接相手の術に当てれば、威力で劣る呪文での相殺も可能となる。弾速はそう速くはなく、連携などで隙を狙わなければ相手に直接当てるのは難しい。また、電気球を受けた物体にガッシュの電撃が命中した時、複数の方向においてほとんど同じ距離に他の電気球を受けた物体が存在する場合はガッシュの電撃が分裂し、その一つ一つが元の電撃と同等の威力を持つため、誘導の仕方によっては一回の呪文で複数回分の攻撃も可能となる。リオウ戦後ではこれもパワーアップしており、敵の攻撃で破壊されたラシルドを一発分だけで再生しさらに強度を上げる(しかし、他の術がパワーアップしたためあまり使われる事はなくなった)。こちらも作中では出てこなかったがゼオンも使えるとのこと(作者談)。
  8. ガンレイズ・ザケルリオウ戦後(清麿蘇生後)に出た術の1つ。ガッシュの背後に8個の大砲の様な物体が出現し、小さな電撃を連続で撃ちだす術。清麿がガッシュを抱え、掃射する形で敵の術を防ぐこともできる。ゼオンも使える。
  9. テオザケルリオウ戦後に出た術の1つ。ザケルの強化版。巨大な電撃を放つ。ザケルとザケルガ同様に威力が高い。ザケルガの上位互換版。修行後は更に威力が上がっている。ゼオンも使える。
  10. バオウ・クロウ・ディスグルグリオウ戦後にでた術の1つ。巨大なバオウの腕を出現させ、相手を切り裂く術。ガッシュの術の中でも相当強く、アンサートーカーの力もあったとは言え、ファウードの力を得てパワーアップしたジェデュンの最大呪文を打ち破った上に、この一撃でジェデュン自身も送還している。またラウザルクと同様、発動中ガッシュが気絶する事はなく、ガッシュの意思で操れる。
  11. マーズ・ジケルドンリオウ戦後に出た術の1つ。術を反発する力と敵を引き付ける力を持つ球体を放ち、相手の術を弾いたり、相手を球体の中に引きずり込み、閉じこめたりする術。閉じこめた相手が動こうとすると電撃を浴びせる。アンサートーカーの力で角度計算をして放てば、ディオガ級の術を一方的に弾いた上で相手を捕らえる事も可能。
  12. エクセレス・ザケルガガッシュが対クリアのための特訓の成果で習得した呪文の1つ。上空または自身からX状の巨大な電撃ビームを放つ。ブラゴのディボルド・ジー・グラビドンと同等の威力を持つ。
  13. ジオウ・レンズ・ザケルガガッシュが対クリアのための特訓の成果で習得した呪文の1つ。電撃の蛇のような魔獣の姿の術を放つ。放たれた術からは、体にある部品が分離し、それぞれから強力な電撃を放つ。それぞれの部品は清麿(もしくは、彼の指示を受けたガッシュ)の意思で自在に操作が可能。
  14. バルド・フォルス劇場版オリジナルでティオ、ウマゴン、キャンチョメと共に一時的に放った術。金色の巨大な鳥を放つ。

金色の魔本[]

ガッシュの赤い本が強い心の力などの影響で強化された状態。最初はブラゴと初めて戦った際に一時的に変化しておりその時、ザケル(質量が多い)一発でブラゴのギガノ・レイスを相殺する程であった。

アニメ149話ではゼオンとの戦いの中でガッシュがゼオンに人間界でみんなと出会った記憶を失いたくないという際に完全に変化し、ガッシュ自身の体力と呪文がゼオンのパワーに近い程に強化された。

原作ではクリア完全体との戦いでガッシュが傷ついた際に変化し、ガッシュの「自分達を助けたい」という思いを感じ取った、ガッシュがそれまでに知り合った魔物の子たちの魂が魔本の中に現れると同時に発動。彼らの術が極限まで強化した状態で魔本に現れた。それらは全て「唱えるのにオレ(清麿)の心の力は必要ない、『持ち主だった者』の力が溢れている」術であり、そのため、清麿の心の力が空でも単に唱えるだけで使える(術を発動させる際にその術の本来の持主である魔物の姿が現れ、ガッシュや清麿との会話や戦闘での指示なども行っている。魂が幻のような形で現れたものらしくクリア完全体はその存在を認識できていない)。またその全てが『シン』の術かそれに匹敵する強さの術であり、それ以前にはクリア完全体に全く歯が立たなかったガッシュと清麿を勝利に導いた。この変化も一時的でありクリアとの戦いが終わった後は元の赤色に戻っている。ブラゴに勝利し、ガッシュが王となる事を告げた本の色も金色であり、この時は本自身が意思を持った様な状態で清麿に激励を送ると共にこれまでの戦いにおける破壊箇所の修復や犠牲者の回復などを行い、最後の選択を与えた後にガッシュと共に魔界へ消えた。

金色の魔本による呪文
  1. ジオルク自分の体を再生・回復する呪文。 元々はダニーが使っていた術であり、ガッシュの本が金色に変わった時に出現した。心の力が尽きたはずの清麿の言葉によって発動し、クリアの力によって削られてしまったガッシュの身体を回復させた。
  2. シン・ゴライオウ・ディバウレン超強大な白虎を放つ術。『シン』の術の1つ。元々はウォンレイが覚える術であり、「ゴライオウ・ディバウレン」の強化版である。クリアの消滅波を防ぎきった。
  3. シン・ガルバドス・アボロディオいくつもの爪を生やした超巨大な魔物を放ち、対象物を撃つ。『シン』の術の1つ。元々はレインが覚える術であり、「ガルバドス・アボロディオ」の強化版である。クリア完全体を押し返すほどの威力を誇る。
  4. シン・ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドン無数の剣を放ち、対象物を斬り刻む。『シン』の術の1つ。元々はアースが覚える術であり、「ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドン」の強化版である。クリア完全体の尻尾を細切れにした。
  5. ミコルオ・シン・ゼガルガ超強大な機械の精を召喚し、包み込んだ物を叩き潰す。『シン』の術の1つ。元々はキッドが覚える術であり、「ミコルオ・マ・ゼガルガ」の強化版である。アースが細切れにしたクリア完全体の尻尾を消し飛ばした。
  6. ミベルナ・シン・ミグロン無数の月を召喚し、攻撃する。『シン』の術の1つ。元々は千年前の魔物のレイラが覚える術であり、「ミベルナ・マ・ミグロン」の強化版である。パムーンの術と共にクリア完全体の無数の角弾の動きを止めた。
  7. ファルセーゼ・バーロン無数の星を召喚し、攻撃する。元々は千年前の魔物のパムーンが覚える術であり、パムーンの持つ『小さな星を操る』能力が更に高まった物だといえる。レイラの術と共にクリア完全体の無数の角弾の動きを止めた。どうやらシンの術ではない模様。
  8. シン・チャーグル・イミスドンV型の極太の光線を放つ。『シン』の術の1つ。元々は千年前の魔物のビクトリームが覚える術であり、「チャーグル・イミスドン」の強化版である。レイラ・パムーンの術と連携してクリア完全体の無数の角弾を全て消し去った。なお本家チャーグル・イミスドンと同様、ガッシュもVの体勢をとる必要があるらしいが、チャーグルでパワーをためる必要はない様子。ビクトリーム本人が1人で使用した場合にどうなるのかは不明。
  9. シン・ドラゴノス・ブロア超強大な波動を放つ。『シン』の術の1つ。元々はアシュロンが覚える術であり、「ディオガ・ブロア」の強化版である。アシュロン曰く「真なる竜の吐息(ブレス)」であり、クリア完全体の下半身を構成していた巨大な消滅弾を一撃で消し飛ばすほどの威力を誇る。
  10. シン・ドラグナー・ナグル身体能力、特にパンチ力を最大限にまで高める肉体強化呪文。『シン』の術の1つ。元々はテッドが覚える呪文で、ドラグナー・ナグルの強化版。クリア完全体を圧倒するほどの威力と、無数の消滅弾を回避して完全体の体を駆け上る敏捷性を得ることが出来る。
  11. シン・グラード・ガンズ・コファル巨大なライフル銃と周囲に浮遊する無数の小型のライフル銃を召喚し、宝石の一斉射撃で攻撃する。『シン』の術の1つ。元々はチェリッシュが覚える呪文で、グラード・マ・コファルの強化版。クリア完全体の無数の消滅弾を全て消し去った。
  12. シン・ドルゾニス両手に螺旋状のドリルを発動し、相手を攻撃する。『シン』の術の1つ。元々はバリーが覚える呪文で、ドルゾニスの強化版。かつてのバリーのように弱所を的確に攻撃し、完全体の弱点を守るクリアの抜け殻を破壊した。この術の使用時にガッシュはバリーに半分意識を取られたような状態でバリーからの指示を元にクリアに攻撃を行っていた。
  13. シン・ヨポポイ・トポポイ・スポポポーイ相手を不思議な踊りによって踊らせる(正確には自分と同じ動きをさせる)術。『シン』の術の1つ。元々はヨポポが覚える呪文でヨポポの『魔物を誘い寄せる』能力がさらに高まった物だと言える。殺傷能力が無いため戦闘には不向きに見えるが、クリア完全体すら抵抗できず踊ってしまう程に影響力は強い。作者曰く「あれはれっきとした技です!」との事。
  14. シン・スオウ・ギアクル超巨大な水竜を召喚し、攻撃する。『シン』の術の1つ。元々はパティが覚える呪文で、スオウ・ギアクルの強化版。「シン・ニュシルド」との連携により、クリア完全体の動きを止めた。
  15. シン・ニュシルド強力なジェル状の盾を召喚し、攻撃を防ぐ。『シン』の術の1つ。元々はビョンコが覚える術で、ギガノ・ニュシルドの強化版。パティの呪文を包み込み強化し、クリア完全体の動きを止めつつ、ガッシュ達を避難させた。
  16. シン・サイフォジオ4方向に伸びた剣が、自分以外の周囲の味方全ての体力を回復させる。『シン』の術の1つ。元々はティオが覚える呪文で、サイフォジオの強化版。清麿、ブラゴ、シェリーの体力を回復させた。
  17. シン・ライフォジオ特殊な光が任意の対象を包み込み、水の中であろうと宇宙空間であろうと『生命』というものを守りきる。『シン』の術の1つ。元々はコルルが覚える呪文であり、本来のコルルの心を象徴するような『やさしい術』。ガッシュと清麿の体を包み込み、宇宙へ行くための『守り』となる。決着後は、宇宙空間に投げ出されたヴィノーの命を救った。
  18. シン・シュドルク肩に強大なブースターをつけ、超音速で飛行する呪文。『シン』の術の1つ。元々はウマゴンの最強呪文。ガッシュを宇宙へと導く。詳細はウマゴンとカフカ・サンビームを参照。
  19. シン・ポルク相手に幻を見せる呪文。『シン』の術の1つ。元々はキャンチョメの最強呪文。クリアに地球と迫って来るガッシュ達の幻を見せた。詳細はキャンチョメとパルコ・フォルゴレを参照。
  20. シン・ベルワン・バオウ・ザケルガ最後まで魔物たちを見捨てずクリアと戦ったガッシュと、そんなガッシュを助けたいと願った全ての魔物の子供たちの思いによって生まれた、「シン」の術と融合した「バオウ・ザケルガ」。「金色の魔本」状態のガッシュが使う最大呪文であり、恐らくは全ての魔物の子が使う術の中で最強の攻撃呪文。頭部から更にバオウの頭が現れ、頭部だった部分が胸部になり、さらに両手にバオウの頭部が現れている。クリア完全体すらちっぽけに見える程に圧倒的な巨体の龍で、悪あがきとして放った渾身の消滅波すら物ともせず、クリア完全体を宇宙空間にて完全に粉砕した。

高嶺清麿[]

(たかみね きよまろ)

声 - 櫻井孝宏/福山潤(サンデーCM劇場)

もう一人の主人公。ガッシュの赤色の本の持ち主。中学2年生の1学期の時点で既にマサチューセッツ工科大学の首席卒業生の論文を難なく読みこなす事が出来る程の天才児。しかし頭が良すぎる為に、周囲の生徒達からの妬み、更にはいじめまで受ける羽目に陥り、自堕落になって不登校気味の毎日を過ごしていた。ガッシュと出会い、その奔放さに振り回される内に前向きな行動を示すようになり、本来の明るさを取り戻した。現在ではいじめを行っていたクラスメイト達ともすっかり打ち解け、実りある学園生活を送るまでとなっている。テストでは100点は当たり前、90点台ですら珍しいが、ギャグ回における二度の意地悪な設問によって70点と、赤点である20点をそれぞれ取ったことがある。素手の喧嘩はあまり強くなく、芸能界のアイドルなどにもあまり興味がない。人気投票では第一回が2位、第二回と第三回が3位だった(魔物のパートナーの中では、不動の1位)。一部の女子に大人気がある。ガッシュとは、部屋でくつろいでいた時に出会った。

魔物達との戦いにおいてはIQ190(アニメ版ではIQ180)の頭脳をフル回転させ、ガッシュを勝利へと導く知将。ただし、パピプリオの麻痺効果のある術・ポレイドを、すぐに効果が出なかったことから効果がない術と判断してしまうなど、不測の事態に弱い一面もある。魔物との戦いを通じて、身体能力もクラス内で上位になるほど高まった。料理だけは絶望的に下手で、自分でさえその場で吐き出してしまうほどの殺人的に不味い料理を作る。ガッシュを王にするための道を探ることに日々余念がない生活を送るが、その頭の良さ故か、パムーンの石盤を発見した際には、その謎を解こうと自分でも意味不明な行動を取ったこともある。この事は後にパムーンの怒りを買ってしまう一因ともなった。コルルたちとの一件から、『戦いたくない者の心を操り無理矢理戦わせる』行為をガッシュ共々心底から嫌悪しており、それを行ったゾフィスに対しては「その顔思いっきりブン殴ってやる!!!」と激しい怒りを露わにした。原作では実際に殴る状況へと至らなかったが、アニメ版においては、シェリーへの助太刀の際にその機会を得た。

基本的には真面目な性格だが、同時にかなり短気な面があり、キレた時には阿修羅のごとき禍々しい顔になって普段の冷静な清麿からは考えられない行動に出る。その怒り顔は回を重ねるごとに、魔人、大魔王、鬼神といった異形の者へと表現がエスカレートしていった(その恐ろしさは、ゼオンやデュフォーが冷や汗をかく程である)。当初は日常編のギャグ描写として見られるだけだったが、リオウ戦直後の昏睡状態から覚醒した際には、仲間達への非道な仕打ちを指示したゼオンに対してかつてない程の人間離れした形相を露わにし、その場にいる仲間達を含めた全員をも驚愕させた。更に、戦いに破れて柱に閉じ込められているティオ達を馬鹿にしたロデュウに対しては、もはや到底人間とは思えない程の凄まじい姿で拷問同然の電撃呪文の猛攻(ザケル、ザケルガ、テオザケルの連続攻撃。その段階でロデュウは虫の息となったにもかかわらず、次なる術行使への息継ぎを挟み、心の力が消耗した際にはファウードの回復液を飲んでわざわざ回復し、更に連発している徹底ぶり)を加え、完膚なきまでに叩きのめした。このこともあってかどうかは不明だが、ガッシュに「人の皮を被った鬼」と言われたことがある。

ファウード編においては、リオウとの激闘の末にサイフォジオでさえ回復不能なほどの損傷を受け、心臓が停止してしまう。生死の境を彷徨ったが、仲間達の思いを受け復活。覚醒した後、相手の攻撃に対し瞬時に次の動作に対する判断を下すことのできる「答えを出す者(アンサートーカー)」と呼ばれる能力を身につけ、持ち前の冷静な戦闘理論と共にその能力を生かした戦術をこなした。ただし熟練者にあたるデュフォーによれば、この力は未熟かつ不安定なものであった上、常に使用していると脳が持たないほどの負担があるものであった。ファウードでの戦いが終わった数日後には更に能力が不安定になり、意味不明でアホな内容の夢を見た挙句、無意識な形で一時封印されてしまい、日常生活では使用できなくなってしまう。対クリア戦後はデュフォーの特訓により、この能力を自由に引き出せるようになり、バオウを3発ほど連続使用できるほどに心の力も高まった。

残す戦いがブラゴとの決着のみとなった中で迎えた卒業式では、「仰げば尊し」斉唱中にガッシュとの別れを思うあまり号泣。全てが終わり、高校へ進学してほどなく経った頃に魔界から送られてきたガッシュからの手紙を読んだ彼は、地球を救えるほど大きく立派な人間となって再び再会する事を心に誓った。

異性としての恵へ対する感情は不明のままだったが、彼女から受ける行為に頬を赤く染めたり、照れたりする事から、それなりの好意を持っている様子は伺えた。

アニメ版では昏睡状態に陥ることもなくファウードの体内で戦っていたが、力の温存のためにほとんど戦闘には参加しなかった。また、ゼオンの出した式神が日本を破壊すると発言した時にその式神に対して、術者であるゼオンが驚くほどの形相を露わにした。

作者のブログより、照れくさくて隠してはいるが水野スズメの清麿に対する想いに気づいているという事が明らかになった。

誕生日:9月18日[3]。年齢15歳。血液型:B型。身長:172cm[4]。趣味:読書、ツッコミ。好きな食べ物:鰻、コロッケ。好きなタイプ:素直な子。

脚注[]

  1. この口癖は、作者が最初に「ウヌ」と思いついたことからきている。また、作中ではその言葉はゼオン曰く「ガッシュが3歳から使うようになった」らしい。
  2. 一時的に金色に輝いたことがあったがそれとの関連性は不明。
  3. ただし、読者の間で清麿が4月生まれでないと作中において矛盾が生じるとの指摘がなされているため、作者の設定ミスである可能性が高く、また、この年度になる年齢の可能性もある。
  4. アニメ版においては大海恵とほぼ同身長で、注意深く観察すると、やや彼女の方が高めだと判別できる程度の差で描かれていた。


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