アシュリー走る2(あいりすミスティリア)

ページ名:アシュリー走る2(あいりすミスティリア)

 

【もーっと怖いお兄さん】

す・・・・・・すみませんでした・・・・・・がくっ               

 

男には目もくれずアシュリーが走る。

珍しく熱くなっているようだ。

何があのときと同じなの?

アシュリーと並走しつつ尋ねる。

私が白銀騎士団の正騎士に任命される前のことです。

狩りに出ていらっしゃったエリーゼ様が、夜盗に誘拐される事件がありました。

幸運にもこの手でお救いすることができまして、私はその功績で正騎士に

叙任されたのです。

《白銀の疾風》という名も、叙任の際にエリーゼ様にいただきました。

朝日を受けて走る私の姿が、白く輝く風のようであったとのことで。

もう過ちは繰り返すまいと誓ったのに、またこうして大切な人を

さらわれてしまうなんて。

 

唇を噛むアシュリーに伝える。

アシュリーは、出会った頃より確実に強くなっている――

エリーゼも救出できたのだから、今の君がリリィを助け出せないわけがない――

・・・・・・できるでしょうか、この私に?
  冥王が言うんだから間違いない。
はいっ!
  力強く頷き、アシュリーが走る速度を上げる。

ちぇー、せっかくクルちゃんの出番だと思ってたのに、冥王さまに

アシュリーちゃん取られちゃいました。

まー、そりゃクルちゃんなんかより、主の言葉の方が効きますよね。

ヒーラーの治癒より主からの一言かぁ・・・・・・はあ             
  でも、俺はアシュリーと一緒に戦えない。

そうですね。 クルちゃんにはクルちゃんのできることを。

よーし、頑張るぞーっ

 

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