花起こしの妖精2(あいりすミスティリア)

ページ名:花起こしの妖精2(あいりすミスティリア)

 

  学園の裏にある花壇を覗くと、イリーナが花に水をやっていた。

おや、冥王殿も水やりですか?

自分はクリス殿の花壇を借りて、花を育てているのです。

元気に育ってくれると良いのですが。

  話しかけてあげると元気に育つらしいよ

ほ、本当ですか?

まあ、どちらにせよ、花とお喋りするのはちょっと恥ずかしいですが・・・・・・

あはは

 

後日、再び花壇の様子を見にきた。

イリーナがいたので声をかけようとしたが、何やら独り言を呟いている。

話しかけてあげると、花は元気になる・・・・・・
  きょろきょろと周囲を見回してから、花に顔を近づけるイリーナ。

こほん・・・・・・きょ、今日もいい色でありますねー。戦場に咲いていれば、

あまりの美しさに兵士も戦いをやめるでしょう。

では、今日もたくさんお水を飲んでください。

春の妖精の恵みであります・・・・・・なんちゃって。

そういえば、歌を聴かせるのも効果があるそうですね・・・・・・よし。

らーららーら、ふーらわー、らーららーららー♪

ふーらふーら、ふーらわー、らーららーら・・・・・・

  らー♪
ほあっ!?
  ぎぎぎ、と機械のような動きでイリーナが振り返る。
め、めめめ、冥王殿!? もしや聞いていたのですか!?
  頷くと、イリーナが顔を真っ赤にして震えだした。

あ、あわわ、あわわわわ・・・・・・!

・・・・・・撤退-----!

 

全力で駆け出すイリーナ。

そのまま自室に立てこもったが、誰にも言わないと約束して事なきを得た。

 

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