謎解きは慎重に2(あいりすミスティリア)

ページ名:謎解きは慎重に2(あいりすミスティリア)

 

ふう、カッチカチのゴーレムさんでしたね

さてさて、ようやくお待ちかねの遺跡探検です。張り切ってまいりましょう!

  遺跡に入り、長い下り階段を進んでいく

地下のせいか、砂漠の中なのに快適ですわね。

汗を拭くのが大変でしたから助かります。

くんくん・・・・・・この匂い、やはりか。
ちょ、ちょっとシャロン、そういった行為はデリカシーに欠けるのではなくて。
ん? 違う違う。 遺跡に残っている匂いを確かめていたのだ。
遺跡の匂い?

皆の者、遺跡の主がわかったぞ

聞いて驚け、我が父様じゃ!

ええええーーーーーっ!?

・・・・・・って、驚いたのは私だけですか?

シャロンさまがあまりに嬉しそうなので、なんとなく予感はございましたね

ふふふ・・・・・・見つけた・・・・・・とうとう見つけたぞ!

父様とのリベンジマッチの日をどれほど待ちわびたことか!

 

炎を吐きそうな勢いでシャロンが吼える。

だから遺跡に行きたがったのね

すまんの冥王、光り物に興味はないのじゃ。

父様はハジャーズの気候を特に好んでいた。

ドラゴニアの遺跡がハジャーズにあると聞いたとき、もしやと思ってのう。

じゃあ、この遺跡にお父様がいらっしゃるんですか?
おそらくは最深部にな。
実のお父様と戦うのですか?

無論よ。 種子を宿し成長した我の姿を見せつけてやる。

勝てば財宝も手に入るのじゃ、問題あるまい?

ええ、ここまで来て引き返すのは面白くありませんわ
はい、行けるとこまで行きましょう

父様の性格からして、この遺跡にはたくさんの罠が張り巡らされているだろう

忍び込んできた冒険者を篩(ふるい)にかけるためじゃ。

罠に引っかかるような雑魚は、父様と面会することすら適わぬというわけだ。

なかなか高貴なお父様なんですね

古竜ガルガンチュア・・・・・・それが父様の名じゃ。

最も古き竜にて、最も高潔な血を持つ者・・・・・・全ての竜を統べる、

ドラゴニアの始祖でもある。

  ああ、ガルちゃんね
知り合いか!?
 

1、2度、世間話をしたことがある。

 

半分伝説上の存在になっているドラゴニアで、普通の生物がほいほい会えるわけじゃない。

とにかく、気を引き締めなければいけませんね
うむ。頼んだぞ、隊長
  罠を警戒しつつ、ティセを先頭に遺跡を進む。
行き止まり、ですね。枝道もありませんでした。
一本道があるだけの遺跡ってことですか?

壁に石版がはめられていますわ

『ここは神聖なる地。智慧なき者は引くがよい』とあります。

アホは帰れってことですか!?これは、意地でも先に進まないと!
  その瞬間、ずごごっと地鳴りが聞こえた。
へ? なんでしょう?
まずい、下がって!
  と、叫んだティセの足下に、ぽっかりと穴が空いた。
ザ・落とし穴ーーーーっ!?
きゃああぁっ!?
 

ティセっ!

とっさに伸ばした手を、ティセが握った。

持ち上げたいところだが、人間界での俺は貧弱。

ティセの重みに負け、二人まとめて底の見えない闇に吸い込まれた。

ティセ!!
めーおーさまーーーーーーっ!!!

 

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