大晦日は西の果て2(あいりすミスティリア)

ページ名:大晦日は西の果て2(あいりすミスティリア)

 

【野良イノシシ】

ぶもぉーっ!?

  草原の彼方へ逃げていくモンスター。

【子キツネ】

こんっ♪ こんっ♪

怪我はないようですわね。 家族がいるなら森へお帰りなさい。          

大きくなったら、『豊穣の守護獣』として作物を守って頂戴。

【子キツネ】

こんっ!

  キツネはもう一度跳ねて、森へ帰っていった。
『豊穣の守護獣』って?

キツネは作物を荒らすネズミを退治してくれるし、身体も麦穂と同じ色をしているでしょう?

パルヴィンの民は昔からキツネを大切にしていますの。

なーるほど。 国によって色々あるんですねえ。
でも、王都の近くであんな凶暴なモンスターが出るなんて思いませんでしたわ。

最近モンスターが増えてるみたい。

冥界へ帰る前に何匹か討伐しないとね。

平和を乱すものは、決して許しませんわ!
 

モンスターが消えた方角に向けて言い放つ。

ルージェニアの平和に対する思いは、誰よりも熱い。

~~~~っ・・・・・・
なぜかプリシラさんがご満悦顔に。

やっぱりお姉様だなぁ~と思って。

ファッションセンスはアレだけど、平和のために戦ってる時はほんと

かっこいいんだよね。

なんたって、お姉様はパルヴィンの太陽だし。

太陽?
パルヴィン王家の家訓なんだ。『民を照らす太陽となり、国の平和を守るべし』って。

プリシラの言う通り、私はパルヴィンの太陽であろうとしていますわ。

平和の光でパルヴィンを照らし続けようと、自らに誓っていますのよ。

さっすが、お姉様!

こんなに眩しい太陽が照らしてくれてるなら、パルヴィンは安泰だね

 

ルージェニアを眩しそうに見つめるプリシラだった。

屋台で買い物をしつつ、王城へ到着。

国王への挨拶を終えると、広い応接間に通された。

ちなみに、パルヴィンの国王はルージェニアをプリシラの実兄だ。

お兄様、相変わらずでしたわね。

『俺は妃選びに忙しいから好きに過ごせ』だなんて。

あれで政治に秀でているのだから、意味不明ですわ・・・・・・もっちもっち      

お兄様らしいクズっぷりで、逆に安心だけど・・・・・・もっちもっち
 

お餅料理を口にしながら話す姫姉妹。

 

餅のピザ、みたらし団子、いちご大福・・・・・・

テーブルの上に屋台で買った料理が並んでいる。

つきたてのお餅は透き通るように白く、ちょっとした風でも揺れそうなほどに柔らかい。

もっちもっちもっちもっちもっち!

もっちもっちもっちもっ・・・・・・うぐっ!?

  ほら水だ! 飲め!

っ・・・・・・ごくごくごく! ぷはぁ、はぁ、はぁ・・・・・・お餅が喉に。

もう少しで精霊に導かれてしまうところでした。 

助けていただきありがとうございます、旦那さま

 

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