串焼き（キュイディメ）

 

――串焼き、この言葉を聞いて、最初に脳内に浮かぶのはなんでしょうか。ニラ焼き、手羽先串などを思い浮かべる人もいるだろう。好みによって好き嫌いが分かれるが、知名度と重要度から言えば、串焼きの基盤として、まずは羊肉串の名を上げなければならない。中国で大人気の羊肉串はウイグル族から発達した料理である。ラム肉を食べやすい大きさに切り、塩や香辛料に漬けてから串に刺す。炭火を起こした細長い形のコンロの上に並べ、串を回転させつつ焼き上げます。コンロの下から立ち上る炭と香辛料の香りと混ざり合い、香ばしい羊肉の香りが広がり、通りかかった人々を魅了する。これは加熱調理のとき、「メイラード反応」が発生したからである。「メイラード反応」とは、食材に含まれるアミノ酸やタンパク質と、糖が結びついて化学反応を起こして褐色物質を生み出し、茶色く色づき、香ばしさや旨味が生成されるとのこと。もちろん、屋台店で羊肉串しか頼まない客なんていない。串焼きは一種の料理と言うより、鍋や焼肉のように、いろんな調理法で構成された料理集に近い。一部の科学者は、火食による脳の満足感を追求するため、人類がより多くの料理を作り、生存競争でさらに大きな優位を占めたと考えている。このような変化は遺伝子によって代々続き、そして素朴な串焼きは最も魅力的な料理となった。要するに、串焼きを好むのは人間の一種の「本能」である。だから、本能の誘いを避けようとしないで、暑い夏の夜に串焼きを買って楽しく食べてみよう。

イラスト：Asrid様　　　ボイス：未実装