大晦日の昼下がり、俺たちは祠を使ってパルヴィンへやってきた。 冬の肌寒さはあるものの、空は雲一つない晴天。 以前と変わらない、のどかな空気が流れている。 |
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皆でパルヴィンに来るのは久しぶりですわね。 あなた方は国を救ってくれた英雄。きっと歓迎されますわよ。 |
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パルヴィン年越しなんてすっごく楽しみです。でも、今年はなんでまたパルヴィンなんです? | |
去年は東の端にあるトミクニへ行ったのでしょう? ならば、今回は西の端のパルヴィンで年を越すのが自然ですわ |
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・・・・・・え、どゆこと? | |
お姉さまは基本的に勢い。理屈は気にしたら負け。 常識に縛られないところがお姉様の美点なんだよねー♪ |
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シスコン漏れてるわよ。ちゃんと栓しといて |
い、いいでしょ別に! | |
いつもは冷静なプリシラも、ルージェニアのこととなるとすぐ感情的になる。 | |
・・・・・・ん? あれ? | |
ユーが風の匂いを確かめるように空を見上げた。 | |
種子の気配がありますけど、かなり遠いみたいです。 どうします、冥王さま? |
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遠いなら、まずは王都に行こう | |
了解しました。 種子探しは年が明けてからにしましょう |
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よーし、そしたら王都に向けてレッツゴー。 今頃、お祭りで賑わってるんじゃないかな |
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おおっ、これは血が騒いできましたよー | |
新年を祝うお祭りですわ。 今年の収穫に感謝しつつ来年の豊作を祈りますの。 |
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出店のお餅料理が絶品なんだよね、お姉様。 お餅のピザ、お餅のシチュー、いちご大福、みたらし団子・・・・・・ |
ぎゃー! カロリー度外視、恐怖と至福のお餅尽くし! | |
ああ駄目、思い出させないで頂戴。 お腹が鳴ってしまいますわー | |
わたしも聞いているだけでお腹が・・・・・・冥王さま、早く王都へ行きましょう! おっもちー♪ おっもちー♪ |
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【???】 きゅーーーん |
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むむっ!? この助けを求めるような鳴き声は!? | |
【???】 ぶもっ! ぶもーっ! |
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冥王さま! モンスターが何か追いかけてます! とがった耳に、ふさふさの尻尾・・・・・・キツネの子供でしょうか? |
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プリシラっ! | |
うん、お姉様っ! | |
躊躇なく駆け出すパルヴィン姉妹。 俺たちも一足遅れて後に続く。 |
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【野良イノシシ】 ぶももー! |
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【子キツネ】 きゅぅ、きゅぅ・・・・・・ |
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そこのモンスター、お待ちなさい! 『豊穣の守護獣』をいじめるなんて、この私が絶対に許しませんわ! |
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姫姉妹がキツネとモンスターの間に立ちはだかる。 | |
【子キツネ】 きゅぅぅ・・・・・・ |
もう大丈夫、ボクたちが助けてあげる | |
《アイリス》、戦闘準備! | |
ええ、いっきますわよー! |
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