絵画詳細
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『民衆を導く自由の女神』
作者:ウジェーヌ・ドラクロワ 制作年:1830年 所蔵:ルーヴル美術館
1830年に起きたフランス7月革命を主題としたドラクロワの代表作の1つで、鮮やかなフランス国旗が印象的な作品。 この革命は、シャルル10世の即位による政策に反発した民衆が蜂起し、パリを制圧したというもの。 ドラクロワは、蜂起には参加こそしなかったが自分にできることとして「国家のために絵を描くべき」だと感じたという。 中央の女性はマリアンヌと呼ばれ、フランスを擬人化した女性像とされる。ちなみに左にいるマスケット銃を抱えた男はドラクロワ本人がモデルといわれる。 こういった、現実に起こった事件を主題とし情熱と激情的な筆使いで描いた歴史画はドラクロワの最も得意とするジャンルの作品である。 |
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『サルダナパールの死』
作者:ウジェーヌ・ドラクロワ 制作年:1827年 所蔵:ルーヴル美術館
英国のロマン主義詩人・バイロン作の『サルダナパール』という戯曲に基づいており、アッシリア帝国最後の王・サルダナパールの最期を描いた歴史画。 当時、批評家たちから激しい批判を浴びた作品でもある。 遠近法を無視した描写や過度な色彩、破壊的な思想、過激な官能性など、当時、理想とされていた新古典主義の様式とは対極の表現を用いたためである。 ドラクロワは、政府から呼び出され「作風を変えるように」と忠告をされたという。しかし、これらのタブーとされる叙情性こそがロマン主義の本質であり、今なお本作が同主義絵画の最高峰といわれる所以である。 |
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『ミソロンギの廃墟に立つギリシア』
作者:ウジェーヌ・ドラクロワ 制作年:1826年 所蔵:ボルドー美術館
1821年に起こったオスマン帝国とのギリシア独立戦争を題材としており、中央の女性はギリシアを象徴した擬人像であり、絶望とも懇願とも取れるポーズをしながら悲愴な表情を浮かべている。 ギリシアの独立に共感した英国のロマン主義の詩人・バイロンが戦死した場所でもある。 瓦礫から突き出た右手はバイロンを暗示しているという。 ドラクロワの最高傑作『民衆を導く自由の女神』につながる、擬人像による社会的時事表現への足掛かりとなった作品である。 |
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