すき焼きは誰もが知る日本の鍋料理だ。今では日本の最高級牛肉を味わうことのできる代表的な調理法の一つであり、どれだけ食べても飽き足らない、絶品料理である。すきやきの語源は鋤焼きからきているといわれ、昔の農民が農作業の合間に手に持った農具で食料や野菜を焼いて食べたことに由来している。しかし、日本における牛肉食の歴史から見ると、すきやきの始まりは近代にあり、牛鍋の調理方法をほとんど踏襲している。関東風の作り方では先に牛肉に火を通してから、しいたけ、ねぎ、春菊などの食材を順にすばやく加え、さらに鰹節と昆布でとった”出汁(割下)”と調味料を加えて煮込む。こうするとあっさりとした味わいのすき焼きが出来上がり、食材そのものの味を最大限に生かすことができる。一方、関西風のすきやきでは出汁は先に入れず、まず鉄鍋に牛脂をひいて牛肉を炒める。半ば火が通ったところですきやきのたれを入れ、続いて水分の出やすい野菜から順に加えて炒める。そうすることで、濃厚な味付けと食感の違いを楽しめるすきやきとなる。もちろん、どちらのすきやきも食べる際には溶いた卵につけてから口に運ぶ。こうすれば鍋から出したばかりの食材を適度に冷ますことができ、かつ滑らかな口当たりにすることができる。それから忘れてはいけないコツがある。”火は通しすぎない”こと! |
イラスト:一朵焼麦様 ボイス:田野アサミ様
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