トンクワチョン(キュイディメ)

ページ名:トンクワチョン(キュイディメ)

 

トンクワチョンは中国広東地域の10大料理の一つ。清朝の宮廷料理「スイカスープ」に由来すると言われている。当時の宮廷の厨房ではスイカを半分に切り分け、ワタを取り出して中にチキンスープと食材を入れていた。スイカの皮も一緒に煮込むことで、独特の味わいを生み出した。この新進気鋭な料理法は役人の出張に伴い中国各地に広まることとなる。冬瓜の生産が盛んな広東にまで広まると、現地のシェフがこれを取り入れ、「トンクワチョン」を作り出す。

 トンクワチョンを作るには、肉厚な冬瓜を選ぶ必要がある。まずは白いワタを取り出し、水を入れて10分間煮込む。これは青臭さを取り除くのが目的である。次に冬瓜の中に出汁を入れ、水にさらした食材と冬瓜を一緒に入れて1時間火を通せば完成。

 伝統的なトンクワチョンの食材としては、豚肉、焼いた鴨肉、蛙肉、生の鴨肉、カニ身、塩漬けしたエビ、鴨の腎臓、ハムが用いられる。これら8種類の食材は”八宝”と呼ばれており、これを用いて作ったトンクワチョンを”八宝トンクワチョン”と呼ぶ。最も歴史ある冬瓜である。現在では好みに合わせて新しいレシピが登場している。たとえばアワビ、ホタテ、ナマコなどを使った海鮮トンクワチョン。鳥獣だけを使って作られた”ジビエ”トンクワチョン。そして野菜だけで作られた採食トンクワチョンなど・・・・・・作り方は様々だが、どのトンクワチョンもスープがたっぷり入って具は柔らかく、さっぱりとした甘みが口いっぱいに広がる。さらに見た目は独特で、味と香りだけでなく、目で見て楽しむこともできる。

イラスト:ANXII様   ボイス:向井莉生様

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