森の近くにある村までやってきた。 | |
静かな村ですねぇ。 夕食の時間なのに、かまどの煙も上がってません。 寝床を貸してもらえるか、お話を聞いてみましょう。 |
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しばらくして、ユーが村長に話を聞いてきた。 | |
村長さんが言うには、家は貸せるけどご飯は用意できないってことでした。 なんでも、村は今日の食事にも困っているようでして。 |
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いったい何があったのですか? | |
この村の人たちは、森で狩りをして生活しているらしいんです。 ところが、少し前から見慣れないモンスターが増えて、森に入れなくなっちゃったみたいで。 |
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炊事の煙が上がっていないのは、そういった事情でしたか | |
おなかがすくのは悲しいことです。 ファムも、森でくらしていたころはえものがとれなくて、たいへんな思いを した日もありました。 |
めいおうさま! ファムたちが森のモンスターをたおしてあげましょう! | |
えいえいおー、と拳を突き上げるファム。 | |
またいつもの脱線ですか。 《アイリス》の任務は種子の回収です。 人助けではありません。 |
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それなら、種さがしのあとに食べものをとってきて、みんなで ご飯を食べてはどうでしょう? |
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いずれにせよ、私たちの食事は作らねばなりません。 飢えている村人の前で、私たちだけが食事をとるのも気が引けます。 |
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確かに、下手をすればこちらが食料にされかねませんね・・・・・・ |
まあ、それは冗談としても、恩を売っておけば村に滞在しやすくなるでしょう。 食材調達と調理の手間は増えますが、悪くない話かもしれません。 |
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ベアトリーチェが大きく頷く。 | |
ご主人様、ファムの案を採用してはいかがでしょうか。 昼のうちは森で種子を捜索し、その帰り道で食材を多めに調達する。 村に戻ってきてからは、ファムが責任をもって村人のぶんも料理すると。 このやり方でしたら、種子も探しつつ無理なく民忠も上げられるでしょう。 |
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たみちゅう? | |
どのみち日が暮れれば種子の捜索は打ち切りだし、ファムの真摯な思いは 無にしたくない。 じゃあ、その方針で。 |
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めいおうさま、ありがとうございます! |
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じゃあ、早速村長さんに話してきます! | |
ファムとユーが村長の家へ飛んでいく。 交渉の結果、大きな空き家を無料で貸してもらえることになった。 |
夜ご飯は、ここでごちそうしますね。 がんばって作りますから、みんなでおなかいっぱいになりましょう! |
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【村長】 ありがとうございます。 皆さんは救世主でございます。 |
【村長】 お腹を空かせた子供の泣き声を聞いていますと、 胸が張り裂けそうになりまして・・・・・・。 それでは皆様、明日からよろしくお願いいたします。 |
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村長は血の気が戻ったような顔で家を出て行った。 | |
そんちょうさん、喜んでくれてよかったです! | |
ふふふ、ファムは料理長ですね。 | |
りょーりちょー! なんてすてきなひびきでしょう。 ファム、がんばります! |
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満開の笑顔にこちらまで明るい気分になった。 |
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