おなかがすくのは悲しいこと2(あいりすミスティリア)

ページ名:おなかがすくのは悲しいこと2(あいりすミスティリア)

 

  森の近くにある村までやってきた。

静かな村ですねぇ。

夕食の時間なのに、かまどの煙も上がってません。

寝床を貸してもらえるか、お話を聞いてみましょう。           

  しばらくして、ユーが村長に話を聞いてきた。

村長さんが言うには、家は貸せるけどご飯は用意できないってことでした。

なんでも、村は今日の食事にも困っているようでして。

いったい何があったのですか?

この村の人たちは、森で狩りをして生活しているらしいんです。

ところが、少し前から見慣れないモンスターが増えて、森に入れなくなっちゃったみたいで。

炊事の煙が上がっていないのは、そういった事情でしたか

おなかがすくのは悲しいことです。

ファムも、森でくらしていたころはえものがとれなくて、たいへんな思いを

した日もありました。

めいおうさま! ファムたちが森のモンスターをたおしてあげましょう!
  えいえいおー、と拳を突き上げるファム。

またいつもの脱線ですか。

《アイリス》の任務は種子の回収です。 人助けではありません。

それなら、種さがしのあとに食べものをとってきて、みんなで

ご飯を食べてはどうでしょう?

いずれにせよ、私たちの食事は作らねばなりません。

飢えている村人の前で、私たちだけが食事をとるのも気が引けます。

確かに、下手をすればこちらが食料にされかねませんね・・・・・・

まあ、それは冗談としても、恩を売っておけば村に滞在しやすくなるでしょう。

食材調達と調理の手間は増えますが、悪くない話かもしれません。

  ベアトリーチェが大きく頷く。

ご主人様、ファムの案を採用してはいかがでしょうか。

昼のうちは森で種子を捜索し、その帰り道で食材を多めに調達する。

村に戻ってきてからは、ファムが責任をもって村人のぶんも料理すると。

このやり方でしたら、種子も探しつつ無理なく民忠も上げられるでしょう。

たみちゅう?
 

どのみち日が暮れれば種子の捜索は打ち切りだし、ファムの真摯な思いは

無にしたくない。

じゃあ、その方針で。

めいおうさま、ありがとうございます!

じゃあ、早速村長さんに話してきます!
 

ファムとユーが村長の家へ飛んでいく。

交渉の結果、大きな空き家を無料で貸してもらえることになった。

夜ご飯は、ここでごちそうしますね。

がんばって作りますから、みんなでおなかいっぱいになりましょう!       

【村長】

ありがとうございます。 皆さんは救世主でございます。

【村長】

お腹を空かせた子供の泣き声を聞いていますと、

胸が張り裂けそうになりまして・・・・・・。

それでは皆様、明日からよろしくお願いいたします。                 

  村長は血の気が戻ったような顔で家を出て行った。
そんちょうさん、喜んでくれてよかったです!
ふふふ、ファムは料理長ですね。

りょーりちょー!

なんてすてきなひびきでしょう。 ファム、がんばります!

  満開の笑顔にこちらまで明るい気分になった。

 

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