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日本では翌年にMSX、MSX2にも移植された。その後、リメイク版としてスーパーファミコン(以下SFC)用ソフト『ドラゴンクエストI・II』、ゲームボーイ(以下GB)用ソフト『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』に収録されている。2000年代後半に入ると携帯電話用アプリ(iアプリ、EZアプリ (BREW) 、S!アプリ)としての配信も行われるようになった。2011年9月15日発売の『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』に、FC版がSFC版『I・II』などと共に収録された。
北米では、1990年にNESにて "Dragon Warrior II" として発売され、後にGB版 "Dragon Warrior I & II" にも収録されている。
以降、特記が無い限りはオリジナルであるファミリーコンピュータ版について述べる。
ドラゴンクエストシリーズの第2作。徐々に高まった前作の人気を受け、発売直後から方々で品切れとなる人気を博し、最終的に大ヒットとなり、後にドラゴンクエスト現象と言われる基礎を作った。
本作のゲーム内の時代設定は前作『ドラゴンクエスト』の100年後とされている。本作の主人公たち3人は勇者ロトの血を引く前作の主人公の子孫たちであり、主人公のローレシア王子はまず仲間のサマルトリア王子とムーンブルク王女を見つけ、そして3人で力をあわせて悪の大神官ハーゴンに立ち向かう。前作『ドラゴンクエスト』と本作、後に発売された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の3作はストーリーの関連があることから、後に、登場する英雄「ロト」の名を取って「勇者ロトの伝説シリーズ」、「ロト三部作」などと呼ばれるようになった。キャッチコピーは「勇者の伝説が再びよみがえる」。
ROM容量は前作の倍の1メガビット(約128キロバイト)となり、既存システムの整理やパーティー制・ターン制などの新システムが追加され、本作で取り入れられたシステムの大部分は後の作品にも受け継がれている。フィールドマップの広さは前作(100×100)の6倍以上(256×256)となっており、冒険できる範囲が広がり、徒歩だけでなく、船に乗ったり、「旅の扉」で遠隔地へ瞬時に移動したりすることも可能となった。ビジュアル面でも、海岸線や壁などに代表されるグラフィックの強化や、使用している楽曲数の増加などが為されている。
社会現象を巻き起こした『ドラゴンクエストIII』の発売後には、本作『II』のゲームブック化や小説化、ドラマCD(CDシアター)化も行われている(小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエストを参照)。
なお、2003年に発売されたスピンオフ作品『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』は、本作の世界よりさらに未来の話という設定になっており、本作とほぼ同様の世界地図が登場している。
移植版・リメイク版については移植・リメイクの節を参照。
前作は主人公1人だけで冒険をするシステムであったが、本作では主人公たちが複数人のキャラクターでまとまって行動するパーティーシステムを採用。最終的には3人パーティーとなる。3人は能力の成長の仕方、覚える呪文、装備できる武器などが異なる。ただし、前作を経験していないプレイヤーへの配慮として、いきなり2人以上のパーティーで始まるのではなく、ゲームスタート時は1人だけでゲームを進めていくようになっている。
本作に登場する3人のプレイヤーキャラクターのうち、「あなた」と呼ばれているのは「ローレシアの王子」であり、その名前はゲームスタート時にプレイヤー自身が付け、後に仲間になる「サマルトリアの王子」と「ムーンブルクの王女」の名前は、「ローレシアの王子」の名前によって自動的に決定されるが、隠しコマンドを使うことによって自分の好きなように名前を付けることもできる。
貨幣のゴールドは全員共有だが、経験値やHP、MPなどのステータスは各キャラクターで別々となっている。アイテムも各キャラクターごと個別に管理され、それぞれ装備品を含めて8個まで持つことができる(まとめ持ちはできない)。仲間がいるときは、移動中にアイテムをほかのキャラクターに渡したり、回復用のアイテムや呪文を他のメンバーに対して使ったりすることもできる。
ダンジョンは「洞窟」と「塔」の2種類となり、地下に降りていくダンジョンと上層へ登っていくダンジョンに分かれている。塔は外縁又は吹き抜けから落ちることで地上に出たり下階に来たりできる。あるアイテムを装備していると落ちる際に遠くまで飛ぶ。また、前作ではダンジョン内は真っ暗で、アイテム「たいまつ」や呪文「レミーラ」で明るくできたが、本作はダンジョン内が明るく表示されるようになったため、いずれも廃止された。
コマンド移動画面でのメニューコマンドは6つに整理され、一つのコマンドに複数の役割を持たせたり、無駄なコマンドをそぎ落とすなどの整理が行われている。
また、階段は上に乗ることで自動的に昇降するようになった(前作の「かいだん」)。
店城や町などに置かれた店は、武具を買える武器と防具の店、使用する道具を買える道具屋、HP・MPを全回復する宿屋、新登場した教会の4つが存在する。前作に登場した聖水屋は道具屋と統合され、鍵屋は鍵が消耗品ではなくなったため削除されている。
教会では、寄付金を払うことにより、死んだキャラクターの蘇生、毒の治療、呪いの解除が可能である。
また、本作限りの店として福引所が用意されている。「ふくびきけん」1枚につき1回福引(スロットマシン形式)に挑戦でき、絵柄が揃えばアイテムが手に入る。「ふくびきけん」は主に、道具屋で買い物をしたときにたまにおまけとしてもらうことができる。
移動手段本作では移動手段が徒歩(と城へ帰還する呪文やアイテム)だけでなくなり、ほかの移動手段が追加された。
シリーズで初めての乗り物として、水上(海・川・湖)を移動することができる船が登場した。フィールド上から主人公たちが乗り込むことによって、水上を移動することができる。ただし浅瀬は通れない。上陸の際は、歩いて通ることのできる地形であればどこにでも上陸できる。地上同様、水上でもモンスターとの戦闘は発生する。瞬間移動の呪文「ルーラ」や道具「キメラのつばさ」を使ったときは、主人公たちと同時に船も移動先の城や町の近くへ移動する。
また、旅の扉という青い渦巻状の物体が各地の城・町やほこらなどに用意されており、飛び込むと、遠く離れた場所に一瞬で移動することができる。これを使わないと行くことのできない場所もある。旅の扉の多くは鍵が無いと利用できない。
前作同様、フィールド上・ダンジョン内などでランダムエンカウントでモンスターとの戦闘となる。本作ではフィールド画面に戦闘ウィンドウが開くのではなく、背景が黒一色の戦闘専用の画面に移行する形式となっている。
本作ではパーティーを組んでいる主人公一行に対して、敵も徒党を組んで襲い掛かってくる。『ウィザードリィ』のように同じ敵モンスターが複数集まりグループを組んでいる場合もあり、同じモンスターの集団に対しては通常攻撃(たたかう)では通常一体ずつしか攻撃できず、攻撃呪文にはグループ全員や敵全員を攻撃する効果を持つものもある。何匹いるのかはコマンド入力時のメッセージとともにグラフィックでも表示される。
従来の主人公→敵といった一律な順番ではなく、最初に味方全員の行動をコマンド選択で一度に指示し、1ターン内に敵・味方が各キャラクター1回ずつ(複数回連続攻撃する敵もいる。味方も装備により2回連続攻撃することも)行動するというターン制が取り入れられた。ただし、戦闘の最初のターンでプレイヤー側から一方的に攻撃できる場合(先制攻撃)や、逆に敵から一方的に攻撃を受ける場合(不意打ち)もある。複数のキャラクターが入り乱れるようになったことで戦闘は一気に戦略性が向上し、後のドラゴンクエストシリーズ作品の戦闘システムの基礎を築いた。
呪文には、攻撃や回復、状態異常を及ぼすものの他、命中率や防御力などの能力値に影響を及ぼす補助呪文が追加された。また状態異常には、この「死亡」やコマンド入力が行えない「眠り」、呪文が使えない「マホトーン」に加えて、移動画面に戻ったときに歩くごとにHPが減っていく「毒」と、通常攻撃の命中率が低下する「マヌーサ」が新たに追加された。
戦闘コマンドには新たに敵からの攻撃のダメージを減少させる「ぼうぎょ」が追加された。1キャラクターが選べる戦闘コマンドは4つで、ローレシアの王子は「じゅもん」を選択することができない代わりに「にげる」を選択でき、他のメンバーは「にげる」を選択できない。ローレシアの王子が死亡している場合は、生存している第一のキャラクターの「ぼうぎょ」コマンドが「にげる」に変わる。
プレイヤーキャラクターのHPが0になるとそのキャラクターは死亡扱いとなり、一切の行動ができなくなる。全員が死ぬと全滅となり、所持金が半減し、ローレシアの王子のみ生き返り、直前に「復活の呪文」を聞いた場所に戻される。
現れた敵をすべて倒すと勝利になり、経験値はとどめを刺したキャラクターと関係なく全員平等に手に入る。ただし死んでいるキャラクターは経験値を得ることはできない。本作ではモンスターが2体以上出現した場合のみ、その匹数により獲得した経験値が割増になるシステムがあり、倒したモンスターの経験値合計×{1+(出現匹数-1)/10}が実際の獲得経験値となる。 途中で逃げたり、味方が「メガンテ」の呪文を使った場合は、一部の敵を倒していても経験値やゴールド(貨幣)は手に入らない。本作からは、戦闘に勝利したときに敵モンスターが一定確率で宝箱を落とすことがあり、中には敵の宝箱からしか手に入らないアイテムもある。
前作同様、本作にはセーブ用のメモリが搭載されていないため、復活の呪文とよばれるパスワードを記録しておかなければならない。本作では最大52文字と前作の20文字より長いが、パーティーの人数や所持品の数などによってパスワードの長さが異なる可変長方式となっている。パスワードを1文字でも記録ミスすると、その前の記載時点から(メモを残していなければ最初から)やり直しになる。パスワード入力時に流れる楽曲は『Love Song 探して』。
前作とは違い、本作は世界が広いため、複数の場所でパスワードを聞くことができる。ゲームを再開するときはパスワードを聞いた場所から再開となり、「ルーラ」「キメラのつばさ」の使用時の移動先も、前回パスワードを聞いた場所となる。
前作と同じくパスワードには現在のHPやMPの値が記録されないため、パスワードを入力してゲームを再開した時点でHP・MPは必ず最大値となる。ただし呪文を聞いた時点でパーティーに死者がいた場合は、復活に要するゴールドが差し引かれた状態になったうえで全員復活する(不足の場合はゴールドが0になってスタートする)。その他、一部のフラグなども記録されず、仲間の名前が自動生成される点と合わせて、パスワードを若干なりとも短くしようとする配慮が見られる。
本作発売後には、語呂合わせによっていきなり高レベルからスタートできるなど、さまざまなパスワードが雑誌などに掲載された。
もっとも有名な語呂合わせパスワードである「ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺぺ…(以降最後まで「ぺ)」については、元々裏技として仕込まれたものではなく偶然ユーザーによって発見されたものであると堀井雄二が証言している。
FC版では容量の都合で没案になった要素が多くあるということが、FC版発売後の関連書籍や雑誌などの記事にて語られている。その中でもゲーム雑誌のドラクエIIの広告にて没モンスターの『まだらぐも』が掲載されている事が確認されている。
ROM内にデータが残っている「しのオルゴール」「みみせん」もその1つ。また、当初はオープニングのエピソードは絵物語形式で進行する予定だったが、容量の都合により削除され、使用される予定だったドット絵(正確には線を引いて内部を塗りつぶすプログラムとそれを指定するデータにより描画しており、これを担当した専任のプログラマがいた)は取扱説明書に1枚だけ採用されている。
内容はFC版とほぼ同じだが、ロムの容量が増えたことでオリジナルアイテムとしてムーンブルクの王女のみが装備できる防具「あぶないみずぎ」の追加や、「あくましんかん」4匹などFC版では無かった敵のフォーメーションが登場し、全体的に敵が強く設定されているなどの変更が行われている。
BGMにアレンジが施されており、特にパスワードを入力する際のBGM『Love Song 探して』はポルタメントを多用し、「歌」を強く意識したアレンジとなっている。ほぼ全曲においてFC版より長2度低く、例えばハ長調の王宮のテーマは変ロ長調になる。
コマンド画面でのアイテム表示が、8個一列ではなく4個二列に変更されている。
MSX版MSX版では、単色スプライトでないと複数個のキャラクターの横並びが困難で、PCGが横8ドット毎に2色までしか表現できないという制約の為に、スプライトとPCGを組み合わせてキャラクターを表示している。その為にキャラクターの背景が黒く表示されるが、MSX1でもファミコン版に近い色使いのキャラクターを実現し、主人公3人の行進が可能になった。PCGが横8ドット毎に2色までしか表示できない為に敵の色や背景の模様がのFC版と一部異なる、効果音が鳴っている間はBGMのパートが一部欠けるなどの違いもある。
画面スクロールはPCG8ドット毎。MSX1版はFC版と同程度の速さがある。
MSX2版MSX2版はファミコン版に忠実なグラフィックを実現している。戦闘突入時のフェードアウトがFC版と違い、MSX版はパレットが固定なので直接に戦闘画面・MSX2版はパレットを暗くしていく方式となる。
画面のスクロールにおいて、MSX2版の速度はFC版よりも遅い。
北米で発売されたNES版"Dragon Warrior II"は、内容は日本版とほぼ同じだが、日本版には無かったプロローグ(ムーンブルク城が襲われるシーン)が追加されている。
また、データの保存にバッテリーバックアップ方式が採用され、日本版での教会の十字架が五芒星のマークに、棺桶が幽霊のグラフィックに変更されている。
詳細はドラゴンクエストI・II#スーパーファミコン版を参照
FC版のストーリーを基に、操作性やグラフィック面など多くの点を改良したリメイク作品。FC版発売から6年後の1993年に第1作『ドラゴンクエスト』と合わせて1本のソフト『ドラゴンクエストI・II』として発売された。町の人の台詞なども一部が変更・追加されたほか、ゲーム中盤でのシナリオの追加も行われた。
詳細はドラゴンクエストI・II#ゲームボーイ版を参照
1999年に発売。SFC版と同様、第1作とセットで1本のソフトとなり、ナンバリングタイトル初の携帯ゲーム機用ソフトでもある。SFC版に準拠した移植だが、GB版ではその場でゲームを中断する「中断の書」機能が追加されている。
2005年から配信が開始された携帯電話アプリ。iアプリ(メガアプリ非対応機種)版では容量の問題のために前編アプリと後編アプリに分けられており、それ以外の機種では1つのアプリに全編が収録されている。
グラフィックは『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII』を、サウンドは『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』をベースとしたものになっているが、音楽の長さが一部短縮されている(FC版相当)ものもある。
GB版同様、「中断の書」機能が搭載されている。このほかには、レベルや必要経験値・呪文習得レベルの設定の変更や、攻撃呪文「ギラ」「ベギラマ」の対象範囲の変更、瞬間移動呪文「ルーラ」および瞬間移動アイテム「キメラの翼」の仕様変更(『ドラゴンクエストIII』以降のように行先の選択が可能に)、出現するモンスターの一部変更、「命の紋章」の入手場所の変更、最高レベルが3人とも50までに変更(FC版・SFC版・GB版では、ローレシアの王子が50、サマルトリアの王子が45、ムーンブルクの王女が35)、などが行われている。
詳細はドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・IIIを参照
2011年9月に発売。FC版の第1作・『III』、SFC版の『I・II』・『III』とセットで収録。中断機能が追加されている。
『ドラゴンクエスト』において、アレフガルドを恐怖に陥れた竜王は勇者ロトの血を引く勇者によって倒され、それ以降、世界は平和な時代が続いた。勇者は、ラダトームの姫であったローラとともに新たな地を訪れ、国を築く。国号は妻の名を採って「ローレシア」とされた。その後、国はローレシア・サマルトリア・ムーンブルクという3つの王国に分割され、勇者とローラがもうけた3人の子供とその子孫が各国を治めていった。
本作はそれから100年が経ち、平和が破られた後の物語である。ムーンブルク王国の城が邪教の教祖大神官ハーゴンの手先によって滅ぼされ、ムーンブルクから脱出した1人の兵士がローレシアにたどり着く。兵士はハーゴンのことをローレシア王・王子に伝えるとその場で息絶える。サマルトリアやローレシアがハーゴンの手に落ちてしまうのを阻止するため、ロトの末裔であるローレシアの王子(主人公)が、ハーゴン討伐のためローレシアを旅立つ。
アレフガルド一国のみが舞台だった前作だが、本作ではそのアレフガルドを含んだ世界すべてが舞台となる。
世界地図の北端と南端、東端と西端はそれぞれ繋がっており、例えば世界地図の北西に位置するルプガナから北方へ向かうと南西のベラヌールに、西方へ向かうと北東のローレシア大陸に着く。これは以降のドラゴンクエスト作品すべてについていえることである。
物理的なマップの広さは前作の6倍以上となったが、アレフガルドのみにマップ全域を充てていた前作に比べればアレフガルドそのものは縮小され、マイラ、リムルダール、メルキドといった町村や洞窟は省略されている。
国家・都市物語を進めるうえで特に重要な道具について解説する。
銀の鍵、金の鍵、牢屋の鍵、水門の鍵扉を開けるための鍵。前作と異なり本作では何度でも鍵を使えるが、扉に対応する鍵を使わないと扉は開かない。ラーの鏡真の姿を映す魔法の鏡。その後のシリーズにも定番アイテムとして登場する。5つの紋章世界各地に散らばる紋章。太陽・月・星・水・命の5つがあり、入手した紋章はステータスウィンドウ内に記号で表示される。リメイク版の公式ガイドブックでは物ではなく「心に刻む」ものとされている。これらの紋章のある場所で「山彦の笛」を吹くと山彦が返ってくる。物語の中盤はこの紋章を集めることが中心となる。邪神の像破壊の神を模った像。ハーゴンのいるロンダルキアへの道を開くために必要となる。ルビスの守り主人公たちが、かつてアレフガルドを創った精霊であるルビスから授かるお守り。まやかしを打ち砕く能力を持っており、邪神の像とともにハーゴンに近づくために欠かせない道具として存在する。ロトの剣、ロトの鎧、ロトの盾、ロトの兜勇者ロトの残した武具。剣と鎧は前作と同様のものだが、本作ではロトの剣よりも威力の強い武器が複数存在する。この節ではゲーム内で語られる設定を中心に述べる。100年後ということにより、前作の登場人物の子孫が主人公・主要キャラクターとして登場している。
( )内の英語表記は北米版での名前(2つ併記してあるものは、左側がNES版、右側がGB版)。
プレイヤーキャラクター前作から100年後という設定を考慮し、キャラクターのコスチュームアレンジが中近世的なものからスチームパンク作品的なものとなった。それぞれの盾、服、頭巾にロトの紋章が施されている。
同盟国同士でもあるが、物語開始時点ではプレイヤーキャラクター3人に互いの面識はない。ただし、リメイク版ではサマルトリア王子・ムーンブルク王女が幼少時にローレシア城を訪れたことがあることが明らかになっている。小説やゲームブック、CDシアターでは物語開始時点で3人とも顔見知りという設定である。
最高レベルはFC、MSX/MSX2、SFC、GB版での値。携帯電話版では3人とも50に統一されている。
解説文中の呪文の詳細はドラゴンクエストシリーズの呪文体系を参照。
ローレシアの王子この物語の主人公。小説版では「アレン」という名前になっている。ムーンブルク兵の命がけの報せを受け、父である王からハーゴン討伐へと送り出された。服の色は青を基調としている。頭に青い頭巾とゴーグルを着用。髪の色が発売メディア毎に不定(茶髪や黒髪など)で、「モンスターバトルロード」では銀髪。次作『ドラゴンクエストIII』でいう戦士のようなタイプであり、全編を通じて武器攻撃の主力となる。攻撃力とHPが高く素早さも十分にあり、全ての武器(杖も装備可能)・防具(「あぶないみずぎ」を除く)を扱えるが、呪文は一切使えない。リメイク版では「ゆうしゃのしそん」という肩書きが与えられている。最高レベルは50。リメイク版では最終ボスを倒した後にローレシア王から、勇者の称号を得る。ナンバリングタイトルの主人公で唯一、呪文を使うことができない。『IX』では、服装が装備品として登場する。サマルトリアの王子ローレシアの王子を探して旅立ったが、のんびり屋で寄り道好き。一部派生作品では「クッキー」、小説版では「コナン」という名前になっている。妹(サマルトリアの王女)がいる。服の色は緑を基調としている。頭にはヘッドギアとゴーグルを着用。「たたかう」による前衛としても、「じゅもん」による後衛としても使えるキャラで、リメイク版では「まほうせんし」の肩書きが与えられている。相手を即死させるほどの大ダメージを与える「ザラキ」や死んだ仲間を復活させる「ザオリク」などの呪文を覚えるが、装備できるもっとも威力の高い武器が序・中盤で買える武器「鉄の槍」で(リメイク版では、「ひかりのつるぎ」や「ロトのつるぎ」も装備できるように変更されている。)、メインの攻撃呪文である「ベギラマ」がムーンブルク王女の「イオナズン」と比較すると劣るなど、凡庸、または器用貧乏という特徴を持つ。ただし大器晩成型で、高レベルになると能力(特に攻撃力)が大きく向上する。最高レベルは45。〔名前設定: アーサー/カイン/クッキー/コナン/すけさん/トンヌラ/パウロ/ランド のうちいずれか〕『IX』ではクッキーの名称で配信キャラクターとして登場する。ムーンブルクの王女一部派生作品では「プリン」、小説版では「セリア」、エニックスのゲームブックでは「ナナ」 という名前になっている。ムーンブルクはハーゴンの軍勢によって滅亡しており、彼女も行方不明となっている。白いローブに赤紫の頭巾をかぶっている。髪の色はFC、MSX/MSX2版、『モンスターバトルロード』、後述の『IX』では紫色で、SFC以降のリメイク版は金髪。HPは低く、扱える武器の種類も少ないが、唱えられる呪文の種類が豊富でMPと素早さが高い。呪文による後方支援を専門としており、リメイク版では「まほうつかい」という肩書きが与えられている。今作での最強攻撃呪文「イオナズン」、味方1人を全快させる回復呪文「ベホマ」などを覚える。最高レベルは35。〔名前設定: アイリン/あきな/サマンサ/ナナ/プリン/まいこ/マリア/リンダ のうちいずれか〕『IX』ではWi-Fiクエストのお題達成の報酬として、プリンの名称で配信キャラクターとして登場している。その際の性格はお嬢様のような淑やかな性格になっている。敵キャラクター主人公たちが敵として戦うことになる存在。本作の一般モンスターの一部は漫画『ドラゴンボール』の天下一武道会のモブとしてゲスト出演している。
大神官ハーゴン (Hargon)破壊神シドーを崇める大神官。主人公たちの倒すべき敵。ロンダルキア台地に神殿を構え、多数の魔物を率いてムーンブルクを滅ぼした。呪文を多用するほか、2回攻撃をし、時折「甘い息」で眠らせてプレイヤーを行動不能にする。また、呪文「ベホマ」(リメイク版では「ベホイミ」)を唱え体力を回復する。リメイク版では遠方の人間に呪いを掛ける能力も持っている。なお、謎の呪文「パルプンテ」を唱えると、可能性は低いが即死したり逃げ出したりすることがある。本作のイラストの姿では頭身が低く若干コミカルだが、パッケージイラストではリアルに描かれ、アーケードゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』で再登場した際は、元の意匠を残しつつアレンジが施され、肩書きも「邪神官」に変更された。破壊神シドー (Malroth)最終ボス。ハーゴンの死の際に召喚される、4本の腕を持った、破壊を司る龍の姿の邪神。明確な意思はなく、ただ本能のままに破壊を繰り返す存在。HPが255でハーゴンなどほかのボスキャラクターと比べて目立って高くはないが、完全回復呪文「ベホマ」を使うという特徴を持つ。最終ボスが「ベホマ」を使う例は、『IX』までのシリーズ全作品を通して唯一のものである。リメイク版では「ベホマ」を使用しなくなった代わりに、HPが1750にまで増えている。炎を吐いて全体に大ダメージを与えるほか、2回打撃(時折眠らせる)をし、呪文で守備力を上げる(ルカナンで防御力を下げる事は可能)など、多彩かつ凄まじい攻撃と防御を仕掛ける。雑誌での紹介記事ではハーゴンがラストボスとして紹介されていたが、FC版『II』およびSFC版『I・II』ではパッケージの背景に姿が描かれている。後に『IX』や『モンスターズ』シリーズ、『モンスターズバトルロード』などでも登場している。また、『IX』ではレベルが上がると「ベホマ」を使用するようになる(ただし、完全回復はしない)。『バトルロード』では目が赤く光っている「真・シドー」という強化形態が、『モンスターズ2』ではオリジナルの強化形態「ジェノシドー」が登場。アトラス (Atlas) ・バズズ (Bazuzu) ・ベリアル (Belial)ハーゴンの3体の手下。それぞれ「ハーゴンの神殿」の各階層で戦闘となる。アトラスは棍棒を持った巨人の魔物で、高威力の打撃による2回攻撃を1人に集中して仕掛けてくる。バズズはコウモリの翼が生えたサルのような悪魔で呪文を多用する。HPが減ってくると自爆呪文「メガンテ」で主人公たちを全滅させようとする。ベリアルはフォークのような武器を持ったバズズよりも巨大な悪魔で、2回攻撃の他に炎を吐き、呪文を多用し、時折「ベホマ」を唱えて体力を完全回復する。呪文への耐性が高い。3体は後のドラゴンクエストシリーズでも登場する。ドラゴンクエストモンスターズシリーズでは度々3体が揃って登場し『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』では本作品とほぼ同じ出現場所でパワーアップして登場する。『III』から『IX』までのナンバリングタイトルでは全く登場しないか、3体のうちのいずれかが登場しないという状態で、揃い踏みはしていない。『トルネコの大冒険』シリーズの『2』以降や前述の『キャラバンハート』など番外作品ではいくつか競演している。またアトラス以外はいずれもザコ敵としての再登場である。『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』では「ロンダルキアの悪魔たち」として揃い踏みで登場、通常一体で登場する魔王クラスの敵の中では異例の、三体一組の敵として立ちはだかった。後の『バトルロードIIレジェンド』の「レジェンドクエスト」ではアトラスが先駆けて登場し、バズズとベリアルはハーゴンと同時に登場する。本作は、特にゲーム後半で重要アイテムを持つ人物「ラゴス」の発見が難解とされたことや、ダンジョン「ロンダルキアへの洞窟」のトラップの多さ、ルビスのほこらの発見が困難、ラストダンジョン(ラストボスの城)の1Fが難解すぎる、ラスボスのシドーが完全回復呪文「ベホマ」を使用することなどから、「最高難度のドラゴンクエスト」と評されることもある。
製作者の中村光一はテレビ番組でのクリエイターインタビューにおいて、ロンダルキアへの洞窟について「(迷路を抜ける古典的なテクニックである)壁を右手伝いで辿って行けば、穴に落ちずに抜けられるように作ってあるので、あんなに反響が多いとは思わなかった」とコメントしていた。さらに、終盤のテストプレイに十分な時間をかけられなかったせいで、「洞窟に挑む際は多分これくらいのレベルだろう」との想定で行われたバランスを読み誤り、高い難易度のまま確定してしまったことも明かしている。
すぎやまこういちは本作のBGM用として、前作でベースにしていたバロック音楽に加え、ポップス寄りの曲も作曲した。エンディング曲『この道わが旅』は、アニメ『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』およびアーケードゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』でもエンディング曲として採用された。
ゲーム中の名前・パスワード入力時に使用されている楽曲には、牧野アンナが歌う『Love Song 探して』が使用されている。牧野はゲーム中に「アンナ」の名前でゲスト出演しており、話しかけるとBGMが同曲に変化するというサービスがある。リメイク版ではこの演出は無くなっている。この曲もアニメ『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のBGMで使用されている場面がある。
各楽曲についての解説については「ドラゴンクエストシリーズの楽曲一覧」を参照
本作のゲーム画面の雑誌への掲載が著作権侵害とされた裁判の判決(地裁)と解説が判例百選に掲載されている。
†は廃盤。
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領主タケトラ登場シリーズドラゴンクエストX種族エルフ性別男風の町アズランの長。フウラの実父。風乗りであった妻のカザユラを早くに亡くしてしまい、フウラに後を継いでもらいたがっているが、フウラにその気はな...