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ダンジョンズ&ドラゴンズ (Dungeons & Dragons : 略称は"D&D")とは、アメリカのファンタジーテーブルトークRPG。ゲイリー・ガイギャックスとデイブ・アーンソンによって作られた、世界で最初かつ最大のロールプレイングゲームである。日本語版はいくつかの出版社から翻訳されていたが、2008年現在ではホビージャパン社によって発売されている。
アメリカのTSR(Tactical Studies Rules)社が1974年に制作・販売した。その後、何度か改版を重ねたが、1997年にWizards of The Coast(略称WotC)社がTSR社を買収して以降は同社より販売されている。2000年には大幅に変更を加えた第3版が発売された。なお、この第3版はアドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ第2版に続くもので、かつてのD&Dの改版では無い(後述)。
小説ドラゴンランス・シリーズは、AD&Dのリプレイから生まれたため、D&Dの強い影響を受けている。
最初の発売以来、ルールシステムに幾度かの改訂を重ねており、その過程でいったんダンジョンズ&ドラゴンズ(日本のユーザーの間では赤箱・青箱などの俗称で呼ばれる)とアドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ(Advanced Dungeons & Dragons : 略称はAD&D)の2つに分かれた。前者は簡潔さを重視した製品であるのに対し、後者は広範な状況を再現できるように多数のルールやデータを持つものだった。
2000年には第3版(D&D 3rd Edition : 通称D&D3e)が発売されているが、これはAD&Dの流れの上での「第3版」であり、従来D&Dと呼ばれていたゲームとは異なった思想と構造を持つシステムになっている。これに伴い以前のD&Dのシリーズは「クラシック」と銘打たれるようになった。
2003年には、第3版を改定した第3.5版が発売されている(日本語版は2005年に発売)。
2008年には、ルールをさらに大幅に改定した第4版がアメリカ合衆国にて発売された。(2008年6月現在、日本語訳については未定)。
ダンジョンズ&ドラゴンズ初版Dungeons & Dragons (一般に Original Dungeons & Dragons と呼ばれる)ダンジョンズ&ドラゴンズ シリーズDungeons & Dragons (第2版)Dungeons & Dragons (第3版)Dungeons & Dragons (第4版)…邦訳は新和版BASIC Set (通称:赤箱、LV1-3)EXPERT Set (通称:青箱、LV4-14)COMPANION Set (通称:緑箱、LV15-25)MASTER Set (通称:黒箱、LV26-36)IMMORTAL Set (通称:金箱、イモータルレベル)Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia(第5版)…邦訳はメディアワークス版Classic Dungeons & Dragons GAME(第6版)アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ シリーズAdvanced Dungeons & Dragons 1st editionAdvanced Dungeons & Dragons 2nd edition(第2版)…邦訳は新和版Dungeons & Dragons 3rd edition(第3版)…邦訳はホビージャパン版Dungeons & Dragons V3.5(第3.5版)…邦訳はホビージャパン版Dungeons & Dragons 4th edition(第4版)(D&D第5版までおよびAD&D第2版まではTSR社より販売された)以下、特に付記のない限り、第3版(D&D3e、2000年)および第3.5版(D&D3.5eもしくはD&D V3.5、2003年)に関して述べる。
ゲームプレイ中の様子
プレイヤーは、まず人間、エルフ、ドワーフなどの種族を選択し、次にファイター(戦士)、ウィザード(魔法使い)、クレリック(僧侶、聖職者)、ローグ(盗賊、密偵)などのクラス(キャラクターの種別)を選択しプレイヤーキャラクターを作成する。
プレイヤーキャラクターの基本的な能力は、以下の6つの能力値で表される。能力値の数値の決定方法はいくつかのルールがあり、プレイグループの好みで選ぶことができる、また、選んだ種族やクラスによって能力値の最終的な数値は変動する。
キャラクターは能力値のほかに「技能(Skill)」と「特技(Feat)」という選択式の能力を作成時及び一定レベルごとに得る。特技は第3版以降において登場する要素で古いルールには見られない。特技は、クラスの能力として得られる場合もある(ボーナス特技と呼ばれる)。
レベルアップ時には既に選択したものとは別のクラスを選び、複数のクラスを持つ「マルチクラス」も可能で、特定の条件を満たす事で「上級クラス(Prestige class)」を選択する事も出来る。
なお、クラシックではエルフ、ドワーフなどの種族はそれ自体がクラスであり、ファイターなどのクラスは原則的に人間のみである。また、マルチクラスなどのルールも存在していない。
成功判定には20面ダイス1個を使った上方判定を用いる。20面体ダイスを一個振るだけというシンプルな判定方法は、D&Dというゲームにおいてシリーズを問わずに共通している部分である。ただし、この他にもダメージ決定などで4面、6面、8面、10面、12面、20面まで6種類の多面体ダイスを使用する。
D&Dでの戦闘は、攻撃側が攻撃目標の「アーマークラス (en:Armor class)」 から算出される目標値以上の値を20面体サイコロで出せば攻撃が命中したと扱うというシンプルなルールとなっている。アーマークラスは攻撃目標の着ている鎧の種類や敏捷力の能力値によって決まる。
クラシックや第2版以前のAD&Dでは「アーマークラスが低いほど攻撃が当たりにくいことを表す」とされ、アーマークラスから攻撃命中判定の目標値を決定するためのTHAC0という表が用意されていた。基本的にアーマークラスが低いほど攻撃命中判定の目標値が高くなる。
このルールは直感的にわかりにくいと言うこともあり、第3版以降のD&Dではアーマークラスは「アーマークラスが高いほど攻撃が当たりにくいことを表す」と改定された。第3版以降のD&Dではアーマークラスそのものの数値が攻撃命中判定の目標値となり、THAC0は廃止されている。
D&Dでの戦闘はミニチュアゲームの影響を多大に受けており、戦場をスクエアマップ(四角いマス目が書かれたマップ)で表現してその上にプレイヤーキャラクターやモンスターのミニチュアを置く事でキャラクターたちの戦場での位置を表すという遊び方が推奨されている。なお、第3.5版からはスクエアマップとミニチュアの使用は推奨ではなく必須要項となった。
ミニチュアについてはD&D専用のミニチュアが昔から様々なメーカーより発売されており、ゲームをプレイしない人にもファンタジーミニチュアのコレクションとして好まれることもある。ただし、正規のミニチュアを使わなくてはゲームができないわけではなく、サイコロや消しゴムなどコマとなる代用品を使えばゲームは可能である。
スクエアマップについては1マス1インチのものが使われ、1マスがゲーム世界の5フィートを表す。白紙のスクエアマップに戦場の地形を書き込むという使い方が一般的だが、地形などの絵柄がすでに印刷済みのスクエアマップも市販品として発売されている。また、ただの紙ではなく耐久力のある厚紙に印刷されたスクエアマップもあり、そのようなものは「タイル」と呼ばれる。タイルは厚紙である利点を生かし小さなパーツに分けられていることが多く、このパーツを組み合わせることで戦場を自由にデザインすることができる。
アドバンスト・ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズが第3版に改定された際、基本ルールが大きく変更・整理された。この第3版以降のD&Dが基本ルールとして採用しているのが、d20システムと呼ばれる、WotC社による汎用ルールである(詳細はd20システムの項目を参照のこと)。このルールの導入によってシステムの汎用性が高まった結果、「火吹き山の魔法使い」で有名な「ファイティング・ファンタジー」シリーズをもとにしたシナリオが発表されたり、「クトゥルフの呼び声」「トラベラー」「ストームブリンガー」など既存のテーブルトークRPGの有名タイトルのd20コンバート版が怒濤のように発表されるなどの現象が見られた。
D&Dは当初はダンジョン探索が中心のゲームだったこともあり、背景となる世界については重視されていなかった。ルールブックでも背景世界については大まかな指針が示されるだけで、ダンジョンマスターの裁量に委ねられる部分も多かった。しかし、緻密な背景世界グローランサを持つ『ルーンクエスト』をはじめ、特徴的な背景世界を持つテーブルトークRPGが増えてくると、D&Dでもドラゴンランスをはじめとしてさまざまな背景世界が発表されていった。
以下に代表的なものを挙げる。
グレイホーク (Greyhawk)ゲイリー・ガイギャックスが創造したワールドで、D&Dの背景世界としては最古のもの。第3版では標準の背景世界となった。フォーゴトン・レルム (Forgotten Realms)オーソドックスな「魔法のファンタジー世界」で、クセのないことが特徴といえる世界。地域ごとに詳細なデータが提供され、膨大な規模を誇る。この世界を舞台にした小説やコンピュータゲームも多い。クリン (Krynn)小説『ドラゴンランス』シリーズで有名な世界。鉄の価値が非常に高い、マジックユーザーの成長に制限があるなどの特徴がある。ミスタラ (Mystara)クラシックD&Dの舞台として展開されたワールド。古代ローマ風の国やヴァイキングの国、遊牧民の国など、多様な文化圏の国々が存在する。またこのワールドのサプリメントのガゼッタシリーズはサプリメントごとに様々な追加ルールが発表されており、Rapid Fireなど第3版以降の《速射》(Rapid Shot)特技の元になった技能や、「Wrath of the Immortals(神々の怒り)」というサプリメントにおいては信仰特典というクレリックが信仰する神によって様々な信仰特典を得られるルールなど、AD&D第2版のスペシャリティープリーストや第3版以降の領域(Domain)特典の先駆と見られるルールがあり、後のD&Dへの影響が色濃く見られる。エベロン (Eberron)WotC社がアイデアを一般から募集し、1万を超える応募の中から選ばれたワールド。魔法の技術で動く列車や、プレイヤー向け種族にロボットなどが登場するのが特徴。『ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン』もこのエベロンが背景世界となっている。トーチポートホビージャパンがアイデアを一般から募集した、ファーガンド大陸に存在する日本オリジナルの街。初心者が使いやすいように設計された街で、まだ外の世界については拡張されていないが、グレイホークやフォーゴトン・レルムなど他の背景世界に適応できるよう指針が示されている。Athas「ダークサン(Dark Sun)」の世界。ほとんどの土地が砂漠であり、魔法や物資も枯渇している。この世界の住人はサバイバルと生存競争にさらされており、プレイスタイルもそれに則ったものとなる。その他オリジナルの背景世界として「レイブンロフト」(Ravenloft) などがあるほか、『ディアブロ』や『ファファード&グレイ・マウザー』などの原作を持つ背景世界も発表された。また、AD&D第2版においてはこれらの背景世界は多元宇宙として存在するとされ、「スペルジャマー」(Spelljammer) や「プレーンスケープ」(Planescape) などのキャンペーン・セッティングでは異なるワールド間を移動しての冒険もサポートされた。D&D第3版以降はWotC以外からも背景世界が発売されている。ダンジョンズ&ドラゴンズは世界的に商品展開しているテーブルトークRPGの一つである。販売元のアメリカはもちろん、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアなどのヨーロッパ諸国では各国の言語に翻訳されて販売されている。また、欧米諸国の言語を使用しているオーストラリア、カナダ、ブラジルなどといった国々でも同じく商品が販売されている。アジアにおいては日本、中国、台湾、韓国において商品展開された経緯がある。その国独自にローカライズされたオリジナル製品も存在しており、たとえば日本においては「ミスタラ黙示録」 (メディアワークス/電撃ゲーム文庫) や「若獅子の戦賦」 (ホビージャパン/HJ文庫G) などのリプレイが日本オリジナル作品として存在している。
メディアミックス展開も豊富であり、TSR社時代は「ドラゴンランス」や「竜剣物語」などの小説シリーズ (日本語版は富士見書房、アスキー、アスキー・メディアワークスより出版) 、TVアニメーションシリーズ (日本では未放映)、「プール・オブ・レイディアンス」や「アイ・オブ・ザ・ビホルダー」などのパソコンゲーム (日本語版はポニーキャニオンより発売) 、「ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム」や「ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ」 などのアーケードゲーム (日本語版はカプコンにより開発、販売) が複数国で展開された。2000年以降に版権がWizards of The Coast社に移ってからもメディアミックスには力が入れられており、新しい背景世界であるエベロンを舞台にした小説シリーズ (日本語版はホビージャパンより出版) 、映画化(日本公開名「ダンジョン&ドラゴン」) 、「バルダーズ・ゲート」や「ネヴァーウィンター・ナイツ」などのパソコンゲーム (日本語版はSEGAより発売) 、MMORPGである「ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン ストームリーチ」 (日本語版はさくらインターネットにより運営) などが展開している。
アメリカではいわゆるゲーマー以外にも一定の認知がされている知名度の高い作品であり、それゆえに、海外のドラマや小説などではナードを象徴する小道具として使われることがある。一例としては、スティーブン・スピルバーグが監督した映画、「E.T.」の冒頭シーンでは、少年たちがダンジョンズ&ドラゴンズを遊んでいる風景が観られる。アメリカでは社会的な批判にさらされたことも何度かあり、特に、多神教の神官や、黒魔術的な魔法を使う魔術師をプレイヤーキャラクターに用いることから、キリスト教団体などからのバッシングを受けたことがある[1]。
世界初のロールプレイングゲームであるダンジョンズ&ドラゴンズは、アメリカ合衆国でウォー・シミュレーションゲームのデザインの仕事を行っていたゲイリー・ガイギャックスとデイブ・アーンスンの二人が中心になって1974年に作られた。
ダンジョンズ&ドラゴンズの原型となったのは、ガイギャックスたちが以前に作っていた、中世ヨーロッパの騎士たちの戦いをテーマとした「Chainmail」と言うミニチュアゲームである。従来のミニチュアゲームでは、チェスや将棋と同じく、同じ種類のミニチュアはすべて同じ能力を持つのが前提であったが、このChainmailのファンタジー版の追加ルール (ガイギャックスたちはSFやファンタジー小説の愛好家だった) では、ミニチュアをプレイヤーの任意に成長させれるルールを搭載し、プレイヤーの嗜好によってミニチュアの能力に個性を持たせることができた。これがロールプレイングゲームの「プレイヤーキャラクター」という概念に発達することになる。
Chainmailを遊んでいたガイギャックスとアーンスンは、ゲームのコマである騎士たちに戦闘以外の様々なこと(たとえば、戦場にある城砦の地下牢=ダンジョンを探索することなど)を行わせると面白いのではないかと思い、それらのルールをChainmailに搭載しようとした。しかし、ガイギャックスたちは自分たちが騎士たちに行わせたい戦闘以外のことがあまりに多いことに気づき、すべてを明確なルールとして記述するのは不可能であると判断した。そこで、スポーツの審判のように「ルールブックにない状況が発生したときに判断を下す役割」をゲームに投入するというアイデアを組み込んだ。これがロールプレイングゲームの「ゲームマスター」という概念に発達することになる。ここまでゲームを改造することにあたり、これはもはやChainmailではなく全く新しいゲームとして売ったほうがいいと判断し、ダンジョンズ&ドラゴンズというタイトルのゲームが誕生したのである。[2]
TSR時代 (1974年~1997年)ガイギャックスたちはダンジョンズ&ドラゴンズを販売するために1974年にTSR(Tactical Studies Rules)社を設立した。手刷りの1000部からスタートしたダンジョンズ&ドラゴンズは、ゲームファンだけでなく、SFやファンタジーのファンにも注目され、瞬く間に大ヒットを記録することになる。しかし販売からわずか2年後の1976年にはTSR社の経営権をめぐったいざこざで、会社がTSR Hobbies, Inc社とTactical Studies Rules published社の二つに分裂してしまう。そして、それぞれの会社はそれぞれにダンジョンズ&ドラゴンズの第二版を作ってしまったため、ダンジョンズ&ドラゴンズは全く別の二つのルール体系に分かれてしまうようになってしまった。後にTSR Hobbies, Inc社はTactical Studies Rules published社に再度吸収されるような形になるが、2つのルール体系はその後もそれぞれ独自に発展し続けた。初期のダンジョンズ&ドラゴンズが「アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ」と「クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ」 (1985年に株式会社新和により日本語翻訳されたシリーズ)の2つに分かれていたのはこの影響である。
ダンジョンズ&ドラゴンズはアメリカだけでなく、欧米諸国を中心に国際的に広まっていった。ロールプレイングゲーム自体の知名度も高まり、様々なメーカーから独自のロールプレイングゲームが発売され、また、テーブルゲームではなくコンピュータゲームとしてのロールプレイングゲームも開発されるようになっていったが、それでもダンジョンズ&ドラゴンズはロールプレイングゲームというジャンルの元祖にしてスタンダードという地位を長年保ち続けた。ドラゴンランスなどのゲームを元にした小説も世界的なヒットを成し、1980年代から1990年代初頭まではTSR社とダンジョンズ&ドラゴンズはロールプレイングゲーム界の巨人であり続けた。1986年にはガイギャックスはTSR社を離れており、この頃のダンジョンズ&ドラゴンズはすでに新しい世代によって作られているものであった。
しかし、1990年代後半に入ってから、TSR社の経営に次第にきしみが出るようになっていった。1997年、最終的にTSR社はWizards of The Coast社に商品の権利とともに身売りすることで歴史を閉じることになる。
Wizards of The Coast時代 (1997年~)Wizards of The Coast社は1990年に設立されたテーブルゲームを中心としたゲーム出版会社であり、世界初のトレーディングカードゲームである『マジック:ザ・ギャザリング』を作り出したことで知られるメーカーである。TSR社を買収した1997年当時は『マジック:ザ・ギャザリング』の国際的な展開の成功により、ゲーム界では知られたビッグネームとなっていた。
創設者のピーター・アドキンソンがダンジョンズ&ドラゴンズのファンだったこともあり[3]、ダンジョンズ&ドラゴンズの商品展開はTSR社から速やかに引き継がれた。
TSRのスタッフも同時に受け入れたため、Wizards of The Coastがダンジョンズ&ドラゴンズの商品展開を引きついた当初はTSR時代とあまり変わらないような商品が出されていった。TSRのロゴマークや商標も引き継いでいたため、販売元がWizards of The Coastに変わったからといってダンジョンズ&ドラゴンズに大きな変化が見られることはなかった。しかし、Wizards of The Coast社はダンジョンズ&ドラゴンズの権利を入手した当初から「新しいダンジョンズ&ドラゴンズ」を作ることを計画しており、2000年になって、『Dungeons & Dragons 3rd edition』を発売。「アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ」と「クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ」の二つに分かれていたタイトルを正式に統合させたこの新版の登場は、TSR時代とは全く異なる新時代のダンジョンズ&ドラゴンズとして、ゲームファンや市場に対して衝撃を与えた。
何より、「他社がD&Dのゲームルールで使用してもよい」としたと言われるd20システムは、アメリカのテーブルトークRPG市場にd20旋風を起こした。多くのメーカーは、システムの自社開発をすることなく新製品をd20システムで出せるメリットに注目した。さらに、大物タイトルであるダンジョンズ&ドラゴンズとデータ互換性をもたせることで、自社のゲームにあまり興味がないようなダンジョンズ&ドラゴンズのファンに対しても、自社商品に注目させることができるのである。この結果、アメリカのテーブルトークRPG市場には数年でd20システムの製品があふれるかえるようになり、『Dungeons & Dragons 3rd edition』という新しいゲームを市場に浸透させるのに大いに役立った。
また、Wizards of The Coastのダンジョンズ&ドラゴンズの商品展開のさせ方の特徴として、ダンジョンズ&ドラゴンズ専用のミニチュアを大規模に展開させたことがある。ミニチュアゲームから発展したダンジョンズ&ドラゴンズは初期の頃からファンタジーミニチュアの使用が推奨されるゲームであり、ラルパーサ社やシタデル社などからはダンジョンズ&ドラゴンズ専用のミニチュアが過去にも販売されていた。しかし、ファンタジーミニチュアの定番であったメタルフィギュアは塗装や組み立てをユーザーに任せるものであり、模型趣味的な嗜好を持たないものには敷居の高いものとなっていた。Wizards of The Coastはダンジョンズ&ドラゴンズ専用に「塗装成型済みプラスチック製ミニチュア」を自社から販売することでユーザーの手間を大幅に削減した。このミニチュアは日本では「トレーディングフィギュア」と呼ばれる販売形態を持つ商品であり、食玩同様にブラインドボックスで販売されている。一つの箱の中にランダムで数個のミニチュアが入れられている。何が入っているかは開封するまでわからないため、高いコレクション性を持つアイテムでもある。また、このミニチュアはメイジナイトから端を発するコレクタブルミニチュアゲーム(トレーディングフィギュアゲーム)として単独で遊ぶこともできるようになっている。『Dungeons & Dragons 3rd edition』の改定版である『Dungeons & Dragons V3.5』では、ルールの改定により、スクエアグリッド(四角形のマス)を使った戦場マップの使用がゲームプレイに必須となり、マップ上でのプレイヤーキャラクターの位置をあらわすのになんらかのコマを使用することがすべてのユーザーに必要となった。この頃からミニチュアの需要はダンジョンズ&ドラゴンズの商品展開において大きなウェイトを占めるようになり、日本においてもルールブック発売元のホビージャパンから輸入販売の形でダンジョンズ&ドラゴンズのトレーディングフィギュアをユーザーに対して供給している。
2008年6月にはルールを再度改定した『Dungeons & Dragons 4th edition』を発売。d20システムも4th edition対応に改定され、トレーディングフィギュアも4th editionに対応した新しい種族、モンスター、キャラクタークラスのミニチュアがラインナップされた。3rd editionが広く普及した市場を4th editionへ乗り換えさせるべく新たな商品展開が計画されつつある。(2008年6月現在)
(ミニチュアに関する詳細はダンジョンズ&ドラゴンズ ミニチュアゲームの項目も参照のこと。)
日本でのD&Dの展開は1985年から始まったが、継続的に展開しているわけではなく、何度もの中断期を挟んでいる。翻訳展開が中断するたびに異なる出版社へと翻訳権が移行したため、商品展開の仕方は出版社によって大きく違い、時期によって全く違うゲームの様相を見せている。
日本でのD&Dの出版史は「翻訳以前」「新和時代」「メディアワークス時代」「ホビージャパン時代」の4つに分けるこができる。これらの時代ごとの詳細については下記で詳述する。
AD&DとD&Dの統合の経緯を知らない日本のゲーマーの中ではホビージャパン版が「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ第3版」とされていることに対し、新和版がD&D第1版、メディアワークス版がD&D第2版だという誤解を持っている者もいる。しかし実際には、新和版は「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」第4版、メディアワークス版は「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」第5版の翻訳で、ホビージャパン版はそれらとは異種のシステムである「アドバンスト・ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」の第3版である(「系譜」も参照のこと)。
翻訳以前 (~1985年)D&Dは日本語での翻訳が開始される1985年以前より一部の好事家たちに注目されていたゲームであった。特に日本ではTRPGブームに先行して、ボードゲームとしてのウォー・シミュレーションゲームのブームが1980年代初期からあったのだが、ウォー・シミュレーションゲームのファンたちにとってD&Dは「ウォー・シミュレーションゲームから派生した全く新しいゲーム」として認知度はそれなりにあり、熱心なゲーマーはゲームショップなどで輸入品を買い求め、自分達でプレイを行っていた。そのようなゲーマーたちの中には、安田均や大貫昌幸など後の国産テーブルトークRPG業界で重鎮と呼ばれることになる者たちも多くいた。
また、D&Dの認知度は当時(1980年代初期)のパソコンユーザーの中にも高かった。ウィザードリィやウルティマなどのコンピュータRPGがパソコンユーザーの中で注目される中で、その元になったゲームとしてD&Dに興味がもたれるようになていったのである。
1983年に『トラベラー』がホビージャパンより翻訳されて以降、日本語でテーブルトークRPGができるような環境が生まれたが、D&Dが日本語でできるようになるまでは1985年まで待たねばならなかった。
新和時代 (1985年~1991年)すでにいくつかのTRPGが日本語で発売され、RPGの元祖であるD&Dの翻訳が待望される中、1985年に株式会社新和よりついに日本語版のD&Dが出版される。
基礎となったルールは原語版でいうDungeons & Dragonsの第4版(ボックス型ゲーム)。現在では「クラシックD&D」と言われるルールである。ボックスの体裁や掲載イラストなどは原語版のものをそのまま用い、翻訳はオーアールジーと大貫昌幸がメインになって行われた。
新和はDungeons & Dragonsのサプリメントやシナリオ集、スペルカードなどのアクセサリーなどを好調に翻訳していき、また、「オフィシャルD&Dマガジン」という専門のサポート雑誌を創刊。重厚な体制でユーザーのプレイ環境をサポートした。
また、この「新和時代」においてのD&Dの広がりに貢献したのがグループSNEである。グループSNEは翻訳や製品の開発こそしなかったものの、小説『ドラゴンランス戦記』の翻訳や、リプレイ『ロードス島戦記』の連載など、メディアミックス方面においてD&Dの精力的な紹介活動を行っていった。
新和のD&Dは好調に展開し、1980年代はテーブルトークRPGといえばD&Dが代名詞になるくらいに日本でも独占的なシェアを持つにいたったが、1989年の『ソードワールドRPG』の販売をきっかけに日本のテーブルトークRPGに安価で手軽な文庫形態のゲームが多くなってくると状況は変化する。新和のD&Dはコストの高さから初心者へのエントリーゲームとしての地位を序々に失っていくことになり、1990年代にはユーザーの間でのD&Dの位置付けが「中級者以上のマニア向けゲーム」というものにシフトしていく。新和自体も販売戦略を中級者以上向けにシフトし、サプリメントなどは序々にヘビーユーザー向けなものが増えていった。これが結果的に良い方向に傾き、多くのライバル国産ゲームが出てくる中でも、国産ゲームとは雰囲気の異なる「洋ゲー」風味のコアな製品のラインナップに一定のファン層をD&Dは掴みつづけることになる。
しかし1991年に新和が始めた『アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ』(原書での『AD&D 2nd』)の翻訳販売が上手くいかず、日本におけるD&Dの展開は急速に下降線をたどる。この失敗の要因についてはいくつかの説があるが、今までのD&DユーザーをAD&Dに上手く移行させられなかったことも大きいとも言われる。新和は今までのD&Dファンが何も言わずともAD&Dに移行することを目論んでAD&Dを契機にそれまでのクラシックD&D路線を全て打ち切ってしまったのたが、D&Dユーザーの多くは、今まで集めてきたクラシックD&Dのサプリメントの資産やルールのノウハウが使用できないAD&Dには簡単には移行できなかったのである。そしてクラシックD&Dの性急な打ち切りは、それまでのユーザーの多くをD&Dから遠ざけるきっかけになってしまった。
結局、新和はAD&Dのごく基本的な製品(コアルール)を翻訳した後はサプリメントも「ファイターハンドブック」「キャンペーンガイド」の二冊を出したのみで市場から完全に撤退してしまった。クラシックD&D以上に豊富なサプリメントがAD&Dの売りであったため、これはAD&Dを期待していたファンにとっても残念な結果と言える。特にシナリオ集もキャンペーンセッティングも出版されなかったため、実際のプレイに必要な環境を揃えきれたとは言えないものとなってしまっている。
D&D関係の展開はその後空白期を迎え、それから3年後にメディアワークスによるD&D翻訳が始まることになる。
新和時代はゲームの翻訳出版をそれなりに手堅く行っていたことでファンの間に高い評価を持つ。しかし、鈴木土下座ェ門事件のような都市伝説が生まれるほど版権に厳しい会社であり、それがアマチュアゲーマーの二次創作活動を必要以上に縛り付けてしまい、結果的にそれがこの時期のD&Dの発展を阻害したという批判もある。
また、初期は富士見書房の『ドラゴンランス戦記』や角川書店の『ロードス島戦記』など、他社を絡めた多彩なメディアミックスを行っていたにも関わらず、後期になると他のテーブルトークRPG市場とはほとんど交流を持たない形で閉じこもってしまっていたことが急激な衰退につながった部分もある。インターネットなどでユーザーが自分から情報を掴むことのできない時代、自社の会報(オフィシャルD&Dマガジン)以外のゲーム雑誌に紹介記事も載せず、メディアミックス的な広告戦略も行わないようになったD&Dは、ユーザーコミュニティを急速に閉塞化させたのである。新和のD&Dの展開がこのようにクローズドになっていった原因には、メディアミックス的展開を行うことについての版権管理のリスクを極度に恐れすぎたためという指摘もあるテンプレート:要出典。
なお、新和版の翻訳の精度については賛否両論で特に初期の版は誤訳が多かったことで知られている。現在でも語り草になっている伝説的な誤訳に、「プラチナ金貨」(Platinum Pieces) の誤訳である「プルトニウム貨」がある。(PlatinumをPlutoniumと誤認したと思われる)
メディアワークス時代 (1994年~1998年)1994年、『央華封神RPG』『クリスタニアRPG』などを出版していたメディアワークスによりD&Dの翻訳販売が再開される。翻訳を担当したのは新和版の黎明期にメディアミックス展開に貢献したグループSNEの安田均である。
基礎となったルールは原語版でいうDungeons & Dragonsの第5版である「Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia」。これの翻訳版である日本語版は『ダンジョンズ&ドラゴンズルールサイクロペディア』と名づけられた。Rules Cyclopediaはいわゆる「クラシックD&D」の最後のバージョンであり、今までのD&Dがプレイヤーキャラクターのレベルに応じてBASIC Set、EXPERT Set、COMPANION Set、MASTER Set、IMMORTAL Setと散逸していた基本ルールを一つにまとめあげたクラシックD&Dにおける決定版である。ルールサイクロペディアの原書は製品の体裁も今までのようなボックス版ではなく、入手しやすいハードカバーの書籍となっていた。
メディアワークスが翻訳した『ルールサイクロペディア』の特徴は、日本市場向けのローカライズを徹底したことにある。当時の国産テーブルトークRPG市場のメインストリームは「文庫によるルールブック出版」と「リプレイや小説によるライトノベル市場とのメディアミックス」であり、ルールサイクロペディアもそれに則って日本独自の展開をしたのである。そのため、製品はハードカバー書籍ではなく文庫で発売された。大判書籍全ての内容が文庫に入りきるわけはないため、収録されたルールは全体の3分の2ほどを抜き出した抄訳版となり、「プレイヤーズ」「ダンジョンマスターズ」「モンスターズ」の3冊に分割された。キャラクターのレベルも9レベルまでしかフォローされなかった。イラストも原書版のものは使われず、日本人のゲーマー層に受け入られやすいポップなものに変更されている。なお、翻訳されなかった部分は後にサプリメントの形で増補していく予定になっていた。
メディアミックスについてはリプレイ「ミスタラ黙示録」や小説「竜剣物語」などを同じく文庫で出版することで実現していた。またルールブック発売と同時期にカプコンからアーケードゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム』が稼動したが、これもメディアミックスの一環であったと思われる。サポート雑誌は電撃アドベンチャーズであった(このような日本市場向けのローカライズはかつての新和版D&Dが日本市場から孤立していき衰退を早めたことへのカウンターという側面もあると思われる)。
しかし、メディアワークス版D&Dが展開を始めた直後、日本のTRPG市場全体が急激に衰退しはじめる(テーブルトークRPG冬の時代を参照)。この時期はメディアミックスと安価な文庫による大規模展開を目指していたゲームの多くがバブル崩壊を起こし壊滅的な打撃を受けることになるのだが、メディアワークス版D&Dもこの例外ではなかった。ルールサイクロペディアの未翻訳部分を収録する予定であった「上級ルールブック」も発売は無期延期となり、1996年に出たシナリオ集「ナイツ・ダーク・テラー」を最後にリプレイや小説も含めて商品展開が全く行われない時期が続く。そして、1998年にはD&D販売元のTSR社がWizards of The Coast社に買収されたことから、メディアワークスは翻訳権を失い、メディアワークス版D&Dは正式に展開の終了を宣言した。これによりメディアワークス時代は終焉を迎えたのである。
メディアワークス版D&Dの徹底した日本向けローカライズは賛否両論が分かれる。割愛された多くの未訳部分が結局翻訳されることがなかったことに対して多くの批判がある一方で、新和時代のイメージを引きずらない展開は新しいD&Dファン層を作ることには貢献したという評価もある。テンプレート:要出典
また、1994年当時はアメリカではすでにクラシックD&Dは「過去のゲーム」であり、主流はAD&Dに移っていた。当時の日本においてもクラシックD&Dはすでに「過去のゲーム」であり、その中でAD&DでなくクラシックD&Dのルールサイクロペディアの展開を選んだこと自体が、すでに時代にあっていなかったとする指摘もある。
メディアワークス時代は結果的に展開期間こそ短かったものの、その間に評価の高い三冊のシナリオ集(「キングズ・フェスティバル」「クイーンズ・ハーベスト」「ナイツ・ダーク・テラー」)を翻訳しており、新和時代で未訳だったことも相まって高い評価を受けている。
ホビージャパン時代 (2003年~)翻訳までの経緯1998年にメディアワークス版のD&Dの翻訳権が失われた理由は、販売元のTSR社がWizards of The Coast社(以後、WotC社と記述)に買収されたためということは前項でも書いたが、この時にTSRの契約をWotC社が引き継がなかったことにはある理由がある。それは、ホビージャパン社がトレーディングカードゲーム『マジック・ザ・ギャザリング』の日本語版を発売する際にWotC社のアナログゲームの独占翻訳権を結んでいたことに起因する。つまり、D&Dの版権がTSR社からWotC社から移った時点で日本語のD&Dを出せるのはホビージャパンだけになったのである。しかしこの当時、ホビージャパンはTRPG市場から完全に撤退しており、TRPGファンの中では「ホビージャパンがWotC社と契約を持っている限り、日本語のD&Dがもう出ることは二度とない」という悲観的な見方が一般的であった。
一方、アメリカでは2000年に入るとWotC社はD&Dブランドの大刷新を行った。ルールを大きく変更したAD&Dの三版が新たに『Dungeons & Dragons 3rd edition』(以後、D&D3rdと略す)の名前で「AのつかないD&D」として発売され、それまでの『Dungeons & Dragons』のシリーズは「クラシック」と銘打たれるようになった。
D&D3rdはアメリカで大きな話題を呼び、その評判は日本にも伝わってきた。従来のD&Dファンはもちろん、海外ゲーム好きにもD&D3rdは一つの「話題の新作」として注目され、当時の未訳ゲームの中では桁違いにプレイされるようになった。旧来のAD&Dと違いシンプルに特に洗練されたゲームシステムは日本の多くのゲームデザイナー/ライターにも刺激を与え、彼らの手によって商業的な場でも紹介やリスペクトがされていき、未訳ゲームに特に詳しくないようなTRPGファンに対しても序々に知名度を上げていった。また、同時期に『ドラゴンランス』や『ダークエルフ物語』などのD&D小説がアスキーからハードカバー版として新たに翻訳されなおして出版されたことも、日本のTRPGファンにD&Dを「思い出させる」要因になっている。
そのような動きの中で「(懐かしのゲームではなく)今話題になっている最新の海外ゲーム」としてD&Dの翻訳待望論の声が高まっていき、2002年についにホビージャパン社により『Dungeons & Dragons 3rd edition』が翻訳展開を行うことが発表されたのである。
発売後から現在まで2002年の年末(実質的には2003年の年始)に、『Dungeons & Dragons 3rd edition』(3eと略)のプレイに最低限必要な三分冊のコアルールブックの最初の一冊目が『ダンジョンズ&ドラゴンズプレイヤーズハンドブック』の名前で翻訳された。翻訳が始まった当初は展開速度は遅めで、コアルールの三冊が揃うのに半年くらいの時間がかかったことから、メディアワークス版の時以上に先行きが危ぶまれもしたのだが、コアルールの翻訳が揃ってからはサプリメントの翻訳を順調に続け、2007年現在では日本語で発売されているTRPGの中ではトップクラスの展開を保っている。翻訳については新和やメディアワークスように外部の会社に任せる形でなく、ホビージャパン自体が桂令夫や岡田伸などのゲーム翻訳家と契約して独自の翻訳チームを組んでいる。
翻訳が開始されたときはちょうどアメリカでは改訂新版にあたる『Dungeons & Dragons 3.5 edition』(3.5eと略)が出版され、その後のサプリメントも全て3.5eのものにシフトしていくことが告知されていたため、いまさら3eというのはタイミングが悪いのではないかという不安もあったのだが、2005年には日本語版の3.5eも翻訳され、アメリカ本国の商品展開との刷り合わせに齟齬はないようになっている。なお、日本語版の3eが展開している時には、3.5eで内容が大きく変わるサプリメントは翻訳されなかった。これは始めから3e翻訳が開始された時点から、早期に3.5eへのシフトを予定していたと思われる。
翻訳にあたってはWizards of The Coast社からの強い要請で、レイアウトや体裁を原書版と一切変更しないことになっている。そのため、メディアワークス版であったようなローカライズは一切行われていない。しかし原書版に忠実な製品作りの反動として、製品の価格が他の国産TRPG製品の平均よりも倍近い物になってしまっている。これは翻訳製品は価格帯が高くなりがちな上に、フルカラーである原書版を日本語版でも再現しているために起こっている弊害の一つである。また、ホビージャパンはD&D関連製品を通常の問屋流通でなく返品不可の玩具流通の経路で卸しているため、高価格なD&D関連製品は書店では取り扱われにくい。価格の高さと流通の弱さは「ユーザーの間口を激しく狭くしている」と展開の初期から指摘されているが、この点を改善することは現状の日本のTRPG市場規模ではほぼ不可能であり、ウェブ上での通販に力を入れたり、独自の玩具流通を持つことを生かして『ダンジョンズ&ドラゴンズミニチュア』やダンジョンタイルを展開したりと、現状の弱点を受け入れる形でそれを生かすアプローチが試みられている。
原書版に忠実な展開を行っているという点では新和版に近いものがあるが、閉鎖的な印象の強かった新和版よりも日本のテーブルトークRPG市場とのマッチングが意識されている。翻訳製品のローカライズがされない代わりに日本独自のサプリメントを製作したり(これはD&Dではなくd20システムのサプリメントという形で販売している)、リプレイの雑誌連載などを積極的に行ったりしている。
現行のバージョンであるD&D3版及び3,5版のラインナップである。英語でのみ書かれているものは日本語版では未訳のもの。
以後は3.5版対応
以後は3.5版対応
以後は3.5版対応
以後は3.5版対応
以後は3.5版対応
D&Dを元にコンピュータゲーム化した作品が多数作られている。以下、代表的なものを挙げる。
ドラゴンランス シリーズ
フォーゴトン・レルム シリーズ
グレイホーク シリーズ
エベロン シリーズ
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