登録日:2021/04/02 Fri 12:30:00
更新日:2024/05/27 Mon 09:36:52NEW!
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スター・ウォーズ star_wars sw ジェダイ エージェン・コーラー ザブラク マスター 評議員 銀河共和国 ライトセーバー 武闘派 メイス・ウィンドゥ 瞬殺 イース・コス レジェンズ
「評議会こそが間違っている! そう思ったことはないか!?」
「ない!!」
「……俺もあんたぐらいの確信が欲しかったよ!」
クインラン・ヴォスとエージェン・コーラー
【概要】
エージェン・コーラー(Agen Kolar)とは、スター・ウォーズ・シリーズの登場人物。
銀河共和国末期のジェダイで、最終階級はマスター。クローン大戦末期にはジェダイ最高評議会メンバーにまでなった。
映画本編、すなわち現行のカノンの設定では、単なる脇役という扱いである。
EP3では、メイス・ウィンドゥ主導のパルパティーン最高議長ことダース・シディアス討伐チームに加わったが、剣術の腕を披露する暇もなく瞬殺されて、それで終わり。他に台詞は無かった。
したがって、以下は断りない限りレジェンズ設定に基づくものとする。
【風貌】
種族はザブラク。人間によく似ているが、頭部に数本の角が生えているのが特徴。
肌は茶色で、顔にニキビ跡のような小さいイボがたくさんある。
パッと見ではわかりにくいが、EP1で登場したシス卿ダース・モールとは同族である。
ちなみに、エージェンは肌の茶色が色濃くて、ボサボサ髪で、小さいイボがたくさんあるほうである。
肌の茶色が浅めで、髪がストレート気味で、顔に白い刺青とひび割れのような模様があるのは、別人のイース・コスである。
……もともとは同一人物で「どちらもイース・コス」という設定だったが、EP2撮影スケジュールの関係で「同一人物とは言い張れないほど見た目が違う」となってしまったため、後から「エージェン・コーラー」というキャラクターに変更されたという経緯がある。
この辺の事情はイース・コス参照。
【性格】
最終的にはジェダイ最高評議会のメンバーにもなった人物ではあるが、そのなかでは社交性が薄くてぶっきらぼう、好戦的で、「まずは叩きのめしてから質問する」といった、どちらかというと粗暴な人物。
戦闘能力に自信がありすぎるようで、それがある種の傲慢さにつながってもいる。
外交任務や調停任務にはまったく不向きであり、戦闘では大いに輝くが、物事の裏を読んで駆け引きをしたり、相手の事情を慮ったりすることは苦手。
あるハット(地元の元締め)からは「あんたは顔を見せるたびに何か壊してるな」と文句を言われていた。
反面、ジェダイ評議会に対する忠誠心は強く、命令に反発するようなことはまずないらしい。また同胞であるジェダイに対しては「ジェダイの兄弟」という認識を持っており、裏切ったクインラン・ヴォスの追跡(後述)の際には何度もジェダイオーダーに戻るよう説得している。
そういった性格はどこかダース・モールと似ており、ザブラクの気質なのかもしれない。
(ちなみにエージェンとモールとは当然面識はない)
もちろん、唯々諾々と従うタイプではなく、必要な意見はしっかり主張するが、優先順位が違うということである。
その意味ではクワイ=ガン・ジンとは真逆のタイプといえるかもしれない。
【能力】
EP3でメイス・ウィンドゥがシス卿討伐チームに抜擢したように、相当の凄腕として知られる。
特にライトセーバーを用いた剣術、およびキックなどの体術に秀でており、そこに遠慮のない性格が加わり、ジェダイ全体としても上位に食い込む腕前を誇ったという。
得意とした戦闘フォームは高機動型の「アタロ」と、パワー重視のシエンをさらに重く激しくした「ドジェム=ソ」。時にはその両者を組み合わせることもあったと言う。
……映画本編ではもっさりしたパルパティーンに抵抗もできずに瞬殺されたので、実際はかなり怪しいのだが……
各アニメ作品でもそうした腕前が披露されることは無く、アニメでグリーヴァスを圧倒したキット・フィストーや、一騎打ちでシディアスと渡り合ったダース・モール*1に比べると設定倒れの感は否めない。
一応ep2では、迫り来るジオノージアンを回し蹴りで返り討ちにしたり、包囲されたシーンでは、アナキンの左隣で激しくキレのあるライトセーバー捌きを見せていたりと、衣装関係で激しく動けないシャアク・ティらと比べたらまだ動けている方だが…。
使用するライトセイバーは通常型。
光刃の色は時期によって違い、EP2では緑色、EP3では青色。弟子のタンユースターのクリスタルと併用しており、青にも緑にもできるらしい。
ちなみにEP3小説版やコミック版では緑のままで、映画製作の最終段階で変更されたらしい。
【来歴】
◆前歴
出身はザブラクの入植惑星の一つ、惑星イリドニア。
詳しい来歴は不明ながら、EP2時点(クローン大戦勃発時)までにはジェダイマスターとなっていた。
彼は主に辺境領域で任務をこなしており、ハットの領域でも人脈を作ったりしている。
その任務は多岐にわたり、その都度高い能力を見せて解決し、頭角を現していったのだが、
エージェンは性格が社交性に欠けて剛直で攻撃的だったため、外交的な活躍はできず、もっぱら戦闘で片を付けることが多かったようである。
辺境域というのは銀河共和国の通貨さえ通じない領域なので、それはそれで「適切な対応」ではあるのだが……
ともかく、彼は当時のジェダイ騎士団の中でもそれなり以上に有力な人材であった。
◆クローン大戦
「クローン大戦」の開幕となる「ジオノーシスの戦い」において、彼はメイス・ウィンドゥの直卒する200人のジェダイ大隊に加わり参戦。
このときはタン・ユースターというパダワンを連れていた。
しかしドロイド軍の攻撃でジェダイ部隊は壊滅し、ユースター少年もかなり粘ったものの戦死。
幸い、直後にヨーダが発見されたばかりのクローントルーパーを率いて駆け付けたため、エージェンも間一髪助かり、なし崩し的に「共和国軍」の一員として、クローン大戦に参加した。
弟子を死なせたことはさすがにつらかったようだが、彼はジェダイの規律に従うことで心を立て直し、そのまま共和国軍のジェダイ将軍として参戦。勇敢に戦うようになる。
一方、評議会の「戦争参加」決定に反対し、騎士団から離脱するジェダイに対しては理解できず、敵視していたらしい。
◆ブレンタールⅣの戦い
ハイパースペースの要衝・惑星ブレンタールⅣを巡る、地元の指導者ショガー・トクおよびそれを支援する独立星系連合との戦いに参戦。
このときのエージェンは、ジェダイ評議員プロ・クーンやシャアク・ティの指揮下についた。
しかし情報収集の失敗から想像以上の対空砲火を受けて、エージェンらの降下隊は大きな損害を受け、現地で作戦の練り直しを強いられた。
(この情報収集はクインラン・ヴォスの任務であった。この失敗で彼は責任を感じ、スパイとして深入りしすぎて暗黒面に片足を突っ込む羽目になる)
このときはシャアク・ティが地下から潜入、エージェンは彼女の動きを隠すため陽動攻撃、プロ・クーンは宇宙艦隊を率いて待機、とそれぞれ行動を開始。
最終的にシャアク・ティが突破に成功するが、それまでにエージェンは敗北して捕虜になっていた。
◆クインラン・ヴォス追跡
一方エージェンは、評議会への絶対の忠誠を「利用」されてもいた。
端的なのは、クインラン・ヴォスをドゥークー伯爵のもとにスパイとして送り込んだ一件である。
ヴォスをドゥークーに信頼させるには理由がいる。そこで評議会は、ヴォスには因果を含ませて独立連合に送り込むが、エージェンにはあえてなにも教えず、本気でヴォスの討伐に向かわせた。
この一連の計画を考えたのは、ヨーダやメイス、キ=アディ=ムンディ、ソルメ(クインランの元マスター)といった限定的なメンバーである。
エージェンとしてはいい面の皮だが、評議会に絶対服従していた彼は疑いもせずにクインランを追撃。
ハットの月、ナー・シャッダにてクインランを捕捉して交戦し一度は捕えたが、現地を治めるハットに咎められたため、ついに彼を取り逃がす。
しかし、賞金稼ぎ「クリムゾンノヴァ」がジェダイに賭けられた懸賞金を狙って動き出したときにクインランが関わっていたため、エージェンは「クインランを仕留め損ねたからこんなことが起きた」と自分を責めることになってもいる。
この任務は、クリムゾンノヴァの本拠地、宇宙ステーション「リグ」で起きたために「リグの任務」と呼ばれたが、このときはメイス・ウィンドゥを筆頭に、エージェン・コーラー、サシー・ティン、キット・フィストーが参戦。
ギルドを崩壊させる勢いで暴れまわった四人の武闘派ジェダイは、最終的に彼らを降伏させたが、
ジェダイに賞金を懸けていた黒幕(カリス・フェン)はクインランに暗殺されており、ドゥークーのメッセージとしてクインランがフェンを暗殺した映像も添付されていた。
クインランを送り込んだのはその場にいるメイスだし、彼は事情を知っていたはずなのだが、自分で送り込んでおきながらメイスたちは「クインランはもう本当に暗黒面に転向した」と結論付けた。
エージェンはナー・シャッダでヴォスを捕まえなかったことで自責の念に駆られているが……
最終的に、この「クインラン造反」はジェダイの仕掛けた計画であったことは公になるのだが、それが「ジェダイも保身と欺瞞に満ちた行いをする」という一つの証拠として挙げられる羽目になった。
シスは欺瞞を用いるというオビ=ワンに対して、アナキンもこの件を持ち出して「ジェダイも必要となればウソを使うじゃありませんか」と質問したところ、オビ=ワンはつい頭に血が昇る事態になった。図星だったのだろう。
なお、クインラン・ヴォスはCGアニメ「クローン・ウォーズ」にて「開戦当初はまだジェダイナイトだった」とされているほか、スパイとして差し向けられる設定がなくなっており、かつてのスピンオフ作品からは矛盾する設定となっている。
もっともドゥークーや暗黒面との縁がなくなったわけではなく、「クローン・ウォーズ」打ち切り後の小説では「ジェダイ評議会からドゥークー暗殺指令を受けて独立星系連合に送り込まれる」「アサージ・ヴェントレスと接近し暗黒面を学ぶ」というストーリーが描かれ、エージェンとの縁は別としても、近い話はあるようだ。
◆評議会入り
大戦後期、詳しいいきさつは不明だが、同族のマスター、イース・コスが失脚し、ジェダイから追放されてしまった。
その後釜に抜擢されたのがエージェン・コーラー*2で、これまでとは違ってジェダイという組織を管理・運営する立場に回ってしまう。
武骨な彼には評議員というポストは向いていなかったようで、発言は少なくなり、うまく立ち回れなかった。
逆に前線で暴れるほうが性に合っていたようで、行ける任務があれば積極的に前線に赴いた。
◆最後の戦い
EP3本編、独立星系連合はドゥークー伯爵もアサージ・ヴェントレスもソーラ・バルクも失い、残る大物はグリーヴァス将軍とヌート・ガンレイのみとなったが、不仲な彼らでは長持ちするはずもなく、もはや戦争の趨勢は明らかになっていた。
しかしそれにもかかわらず黒幕のシスは行方が杳として知れず、それどころかジェダイ評議会は、大戦を通じて「皇帝」のような権力を握ったパルパティーン最高議長に対して、強烈な疑念を抱くようになっていた。
そんな折、パルパティーンからアナキンを最高評議会のメンバーに推薦するという事態が起きる。
エージェンを含めた評議会は、これを利用して逆にアナキンをパルパティーンのスパイとして利用することにしたが、アソーカ・タノの一件を経たアナキンは、ますます評議会への信頼と忠誠を失っていく。
これは評議会への忠誠を疑ったことのないエージェンには分からない心であった。
最終的に、ヨーダが惑星キャッシークの救援に、オビ=ワン・ケノービは惑星ウータパウのグリーヴァス討伐に向かい、メイスたちは動き出すであろうシディアスを討伐する予備戦力としてコルサントに残留。エージェン・コーラーも本拠地ジェダイ聖堂にとどまっていた。
しかし事態は完全にシスの手に握られており、評議会の作戦もいちおうは目標を達しつつも、それすらシスの計画に織り込み済みとなっていた。
ヨーダとオビ=ワンはそれぞれの任地で作戦を達成したが、コルサントから離れてしまい実質的に無力化。
アナキンのスパイ計画も確かに功を発揮して、パルパティーン最高議長その人がダース・シディアスと発覚したが、残るジェダイたちはそれに対する対策を詰める余裕もなく、ほとんど突発的に「議長逮捕」に動き出してしまう。
それでもメイス・ウィンドゥは、エージェン・コーラー、サシー・ティン、キット・フィストーを抜擢した。
当時ジェダイ聖堂に残っていたジェダイの中で、もっとも腕が立つのがこのメンバーだったからだという。
また、この四人は「リグの任務」においてチームを組んだこともあり、呼吸もあっていた。
負傷から癒えたばかりのシャアク・ティのみならず、シン・ドローリグさえ同伴しなかったのは、この「呼吸が合う」ことを優先したかららしい。
しかし彼らはシスの実力を見誤っていた。
四人のマスターは一斉にライトセイバーを起動したが、奇声を上げながら回転してとびかかったパルパティーンがいきなりライトセイバーを繰り出し、エージェン・コーラーはセイシー・ティンとほぼ同時に瞬殺された。
【余談】
EP3の映画本編では、本性を現したシディアスに最初に胸を貫かれるが、小説版でのシディアスはまず最初にサシー・ティンを不意打ちで殺し、次いで反応しきれなかったエージェンの頭を刺しているなど、細かい相違がある。
イース・コスの後任、という立ち位置のため、評議会メンバーとして現れるのはイース・コスの除名・追放後ということになる。
しかしそのため「イース・コス在任中は評議員になれない」ということになり、クローン・ウォーズでは一切出番なし。
さらにクローンウォーズもシーズン7で完結し「イース・コス除名エピソード」が製作される気配もないため、特にカノンにおけるエージェン・コーラーの存在感は限りなく薄くなってしまった。
(一応レジェンズでは「評議会入り前のエージェン・コーラー」はちょくちょく描かれていたが)
追記・修正は他の項目も参照しながらお願いします。
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- 一応映画では出番の多い方なのになぜこんなに空気なのか -- 名無しさん (2021-09-27 23:42:34)
- 小説版(今じゃレジェンズだけど)でのエージェンの戦闘力に関するオビ=ワンの評価はメイスと並んで「オーダーの最も優れた剣士」(なおアナキンは「ひとりで一連隊分の力」)。 -- 名無しさん (2022-12-10 03:02:04)
- (続き)だが結局順番がサシーと入れ替わっただけで秒殺されるのは変わらず。どうしてこうなった。一方フィストーはアナキンがオフィス・ビルに駆け込む直前まで粘っていた。こいつの方が強くね? -- 名無しさん (2022-12-12 12:54:34)
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*2 時期については、レジェンズ設定ではクインラン追撃失敗の後から、クリムゾンノヴァ討伐までの間のこと。
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