登録日:2021/01/01 Fri 00:55:25
更新日:2024/05/24 Fri 13:11:46NEW!
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花札 任天堂 ゲーム 猪鹿蝶 駆け引き サマーウォーズ 花札衛 こいこい ローカルルール多数 花見で一杯 月見で一杯 小野道風「解せぬ」
花札のゲームの一種で、花札を用いたゲームの中では恐らく最もポピュラーなゲームである。
2人いればできるし、ルールも単純。かつ1局1局の対戦時間もそれほどかからないので覚えられれば楽しい暇つぶしになるだろう。
実は花札のゲームでは歴史が特別ある訳ではなく、大衆知名度が高まったのは昭和に入ってからとされている。
注意!
この項目内で 任天堂の「花札の歴史・遊び方」のページ、及びWikipediaを主な引用先にしてルールを記載しているが、「こいこい」にはローカルルール・ローカル役等が多数存在する為、実際にゲームを行う際には相手とルールの事前確認を行った上でゲームを進めることを推奨する。
ルール
親決め
プレイヤーが3人以上いる場合、以下に示す親決めと同じ方式で札を選んで、人数を「引いた月が早かった上位2人」に絞りこみ、3位以下のものはそのゲームは不参加となる。
競技前に1月(初戦)の「親(先攻)」「子(後攻)」を決めるのだが、互いに札を引いて早い月の札を引いた方を親とする。
その後の親と子は「前月の勝者」とする場合が一般的。ただし「前月の子」を次の親とし、以降の親・子は交互に入れ替えというルールもある。
ゲームの流れ
場に札8枚、そしてお互いの手札が8枚になる様に、山札からカードを配ってゲームを開始。
ただしこの時点で場の札に4枚「同じ月のカード」が出てしまった場合は配り直し、手札にある札で役(後述)が完成している場合はその時点でゲーム終了として次の月に移る。
ゲーム開始後、以下の2つの工程を親から子の順に交互に行う。
①:手札1枚を場に出す。
この時場に同じ月の札があれば、1枚選択して手札から出した1枚と共に自分の持ち札にする。ない時は出した手札を新たな場の札とする。
②:山札から1枚引いて場に出す。
この時場に同じ月の札があれば1枚選択して引いた1枚と共に自分の手札とする。ない時は引いた札を新たな場の札とする。
大事なのは①、②共に同じ月の札が揃った場合に持ち札にするのは強制と言う点で、①の段階で手札を場に出すときは場の札とペアにならない札を出すのもあり。
「より上位の役を狙いたいが、ペアになる札を出してしまうと局が終了してしまう」時などに重宝するテクである。
なお、同じ月の札3枚が場に出ていて自分もその月の札を出した場合、その手札と場の同じ月の札3枚を全て自分の持ち札にできる。
役ができたら…
上記の作業を続けていき、持ち札の中で役が揃った場合、後述する「こいこい」を宣言するか、宣言せずに上がるかを選ぶ。
上がる場合はその月を終了し、上がったプレイヤーには作った役に応じた点数が与えられる。
なお上記の①・②の工程は1セットのため、①の段階で既に役ができたとしてもその時点では上がりにならず、②で更に役が揃えばその役も上がり時に精算。
さらに多くの役を見込める場合、「こいこい」を宣言してゲームを続行するのも手。
ただし役が揃う前に相手が上がってしまった場合は「こいこい返し」となり、なんと相手の点数が2倍に……。
より高い点数を狙うか、相手に上がりのチャンスを与えず堅実にいくかを点差や場の状況から考えていくのが重要になる。
なお「こいこい」の宣言は月につき1度しかできず、その「こいこい権」も共有される点に注意。
つまり片方が「こいこい」宣言をした場合、もう片方は宣言できず、また宣言後に役ができた場合でも「こいこい」の再宣言はできない。
ちなみに手札がない状態で役ができた場合は、それより上の役が揃わないことが確定しているので「こいこい」の宣言自体できない。
またお互いに役が揃わずに手札が尽きた場合、その月をノーゲームとして、親と子を入れ替えて次の月へ移る。
勝利条件
以下の条件のうちどちらかを適用するのが一般的。
A:1月から12月までゲームを行った際の総合得点で勝敗を決定。
B:予め規定の点数を決めておき、どちらが先にその点数に到達するかで勝敗を決定。
アプリ等で主に用いられるのはAだが、勝敗の決め方等については事前に話し合っておくのがいいだろう。
戦略
最初の手札から何の役を狙っていくかを考えるのはとても大事で、「高得点を狙うか」「相手の手の成立の妨害をするか」などの方針を決めておく必要がある。
持ち札は互いに確認可能なので狙っている役はバレており、どの札をどの順で出していくかが重要になる。
「こいこい」についても、場と手札の状況、点数から攻めるべきか守るべきかを考えたり、逆に相手からの宣言を想定して、手札の出し方を工夫することも場合によっては重要。
また、花札は取りたい札を取ったり、適当な札を出して相手の出方を伺ったりすることができる上に勝ち続ければ親を継続できるため、親(先攻)の方が圧倒的に有利。
この点なども「こいこい」するか、上がるかを考える上での重要な要素になり得る。
役
以下の役及び点は任天堂「花札の歴史・遊び方」及びWikipediaに準拠。
また、ルールの1つとして「上がり時の役の合計得点が7点以上の場合は点数を2倍にする」というものがあるため、元々の得点が7点以上の役は実際のゲームではこの点を2倍した数値を獲得できる。(こいこい返しが起きている場合は、その倍率も含めてなんと4倍の点数を獲得できる)
知名度の高いローカル役等がある場合は追記されたし。
出来役
- カス
点数:1 (+ α)点
カス札(1点札)を10枚以上集めることで成立する役。
10枚と聞くと難しそうに感じるが、集める札をカス札だけに絞れば簡単に揃う。
なお11枚以上集めた場合は10枚を超えた分が点数として加算される。
この役が揃って「こいこい」を宣言した後新たにカス札が持ち札に加わった場合、役が更新されたものとして上がりとなる。この仕様は、タン・タネにも適用される。
10点札である菊に盃をカス札の1枚としてカウントすることもある。
- タン
点数:1 (+ α)点
短冊札(5点札)を5枚以上集めることで成立する役。
6枚以上集めた場合、5枚を超えた分だけ点が加わる。
- タネ
点数:1 (+ α)点
タネ札(10点札)を5枚以上集めることで成立する役。
「(光札以外の)物が描かれた札を5枚以上集める」と考えればいい。
タン同様6枚以上集めた場合、5枚を超えた分だけ点が加わる。
タンに比べると札の枚数が少ないのが難点。
- 赤短
点数:5 (+ α)点
文字の書かれた赤い短冊札(松に赤短・梅に赤短・桜に赤短)の3枚を集めることで成立する役。「文字の書かれた赤い短冊札を3枚集める」と考えればいい。
下記の青短共々タンを作る過程で揃う事が多いため、タンとの複合で役になる事もしばしば。
桜に赤短を手に入れる過程で桜に幕も手に入れられれば花見で一杯も視野に入れられる。
- 青短
点数:5 (+ α)点
紫の短冊札(牡丹に青短・菊に青短・紅葉に青短)の3枚を集めることで成立する役。
赤短同様役成立時に、他の短冊札を持っている場合はその枚数が点数に加算される。
牡丹に青短 ⇔ 牡丹に蝶、紅葉に青短 ⇔ 紅葉に鹿(猪鹿蝶)、菊に青短 ⇔ 菊に盃(花見で一杯・月見で一杯)と、他の役に繋がりやすい札になっている。尤も、対象の札が取れればの話だが……。
- 猪鹿蝶
点数:5 (+ α)点
萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚を集めることで成立する役。花札を知らない人でもこの役の名前くらいは聞いたことがあるだろう。
役成立時に他のタネ札があればその枚数が点数に加算されるのだが、この役単体ではタネとしか複合できないのであまり積極的に狙いに行くべき役ではない。
- 花見で一杯(花見酒)
点数:5点
桜に幕・菊に盃の2枚を集めることで成立する役。
成立に必要な札が2枚しかないおかげでかなり狙いやすいが、それ故にこれと下の月見で一杯は採用されない事も。
三光や月見で一杯と複合すると、一気に点数が上がる。
- 月見で一杯(月見酒)
点数:5点
芒に月・菊に盃の2枚を集めることで成立する役。
役の特徴は花見で一杯と同じ。
これと花見で一杯が採用されている役の場合、桜に幕・芒に月の2枚は他の光札よりも優先して取る必要が出てくる。
- 三光
点数:5点
光札5枚の内、柳に小野道風を除く4枚中3枚を集めることで成立する役。
後述する四光・雨入り四光・五光とは複合しないので注意。
- 雨入り四光(雨四光)
点数:7点
柳に小野道風 + 他の光札3枚の計4枚を集めることで成立する役。
何故か普通の四光よりも点数が低いが、普通の四光よりも成立形が多い分バランスを取っているのだろう。
- 四光
点数:8点
柳に小野道風以外の光札4枚(松に鶴・桜に幕・芒に月・桐に鳳凰)を集めることで成立する役。
上記の通り、柳に小野道風があると「雨入り四光」となるので、区別の為に「雨なし四光」と呼ぶことも。小野道風がいったい何したっていうんだ!
- 五光
点数:10点
光札5枚をすべて集めることで成立する役。
花札の役の中では単体では最高得点になる。勿論だが、成立させるのは容易ではない。
その他の役
- 手四
点数:6点
最初の手札に同じ月の札が4枚すべて揃っている場合に成立する役。
手札を確認した時点で成立している場合にこの役で上がるため、これが出ると強制的に次の月に移行する。
- くっつき
点数:6点
同じ月の札2枚が4組手札にある状態で成立する役。
基本的な仕様は手四と同じだが、8枚全てに条件が付いているので、こちらの方が成立しにくい。
- つかず
点数:6点
「こいこい」宣言がされていない状態でお互いに役ができないまま手札が尽きた場合、 子を勝者として与える役。
流れの場合、基本的にはお互いに点が入らないので、この役が用いられることは少ない。
- 親権
点数:6点
「こいこい」宣言がされていない状態でお互いに役ができないまま手札が尽きた場合、 親を勝者として与える役。要は「つかず」の親バージョン。
やはりこちらも、「つかず」と同じ理由から用いられることは少ない。
追記・修正は「こいこい」の使う状況をうまく探りながらお願いします。
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▷ コメント欄
- ラブマシーンはこれの素人 -- 名無しさん (2021-01-01 01:52:31)
- 猪鹿蝶が有名な理由の一つはたぶん牙神幻十郎 -- 名無しさん (2021-01-01 05:51:47)
- 雨流れ、というルールを聞いた覚えがある。柳に小野道風を獲得すると月見で一杯及び花見で一杯が成立しなくなる。小野(ry) -- 名無しさん (2021-01-01 06:59:25)
- モバマスのゲームコーナーでめちゃやったなぁ。報酬抜きにしても札のデザインが可愛いし手軽にできて面白かったな。 -- 名無しさん (2021-01-01 07:40:47)
- 遊戯王で花札テーマのカード群があったなぁ。 -- 名無しさん (2021-01-01 08:51:37)
- サクラ大戦で知った -- 名無しさん (2021-01-01 09:38:02)
- Fateの花札ゲームにハマってやり込んだなぁ…懐かしい -- 名無しさん (2021-01-01 12:06:36)
- ルールによっては、こいこいを何度も宣言できるヤツもあるよね。 -- 名無しさん (2021-01-01 12:33:42)
- 赤短と青短を両方作ることができると15点入るルールもあるらしい。 -- 名無しさん (2021-01-01 13:27:40)
- 小野道風というより、柳雨が特別視されてる感じだな。鬼札 -- 名無しさん (2021-01-02 06:11:12)
- 失礼、雨(柳)が特別扱いされてる感じだな。鬼札(柳のカス)とかもあるし。 -- 名無しさん (2021-01-02 06:12:47)
- サクラ大戦 -- 名無しさん (2021-01-02 12:42:13)
- こち亀で両津と中川がやってたな -- 名無しさん (2021-01-02 18:06:18)
- 度胸試しという側面もあるからヤクザの間でよく遊ばれてたらしいってじっちゃんが言ってた。 -- 名無しさん (2021-01-19 14:17:13)
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