小アルカナ(タロットカード)

ページ名:小アルカナ_タロットカード_

登録日:2020/11/22 Sun 22:16:23
更新日:2024/05/23 Thu 12:53:40NEW!
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タロットカード 小アルカナ ワンド カップ ソード ペイジ ナイト クイーン キング マイナー ペンタクル なぜか軽視されがち←でも大事



小アルカナとは、タロットカードにおいて使用される56枚のカードのことである。


概要

大体の場合において、大アルカナ22枚の方が遥かに重要視されることが多く、アニヲタ的意味合いで使われるのも大アルカナがほとんどである。
しかし実際のところどちらが大事ということもなくタロット占いにおいては両方ともが重要な意味合いを持つ。
強いて言うなら、大アルカナは「抽象的な大雑把なニュアンス」、小アルカナは「日常的で現実的なニュアンス」をあらわしていると解釈されやすい。


小アルカナはワンド、カップ、ソード、ペンタクルの4つのスートそれぞれにエース、2~10までの数字とペイジ、ナイト、クイーン、キングの4つのコートカードの組み合わせで成り立っている。
見ての通り、トランプとほぼ同じ構成であり、何かしらの関係があるともされている。


56枚もの枚数があるのが初心者に敬遠されがちな理由だろうが、実際のところ読み取ることは大アルカナよりもかなり簡単。
各スートの大雑把な意味合いと、絵柄の表すところを理解すれば一つのストーリーになっていることがわかるだろう。


なお、コートカードについては概ね以下のような解釈がされやすい。


  • ペイジ…若さ、純粋さ。逆の意味合いで取れば未熟さ、幼さなど。
  • ナイト…最も活力にあふれた肉体的な最盛期を表す。積極的で行動力があるが、逆に言えば攻撃的で落ち着きがない。
  • クイーン…包容力のある女性性を表す。優しさや許し、慈愛などの意味合いがあるが、逆の意味では優柔不断でどっちつかず。
  • キング…権力の頂点を指す。厳格だったり自信家であったりするが、同時に人の話を聞かなかったり独善的な性質も持つ。

各小アルカナの解釈

比較的一般的だろう解釈を提示するが、これが正解というわけではない。そもそも占いなので、「描かれていることからフィーリングで読み取る」方が重要とされることも多い。


ワンド

棍棒や杖を指すスート。人間が動物から分かれて最初に手にした道具であり、最も原始的で動物的なエネルギー、活力を表すスート。
意志力・生命力・肉体的な健康などに関係すると解釈されやすい。


  • ワンドのエース

一本の杖を握った人間の手が描かれている。


正位置…始まり、意思の強さ
逆位置…暴走、自信過剰


  • ワンドの2

2本の杖の間に立って遠くを見つめる人間が描かれている。


正位置…計画、独立心
逆位置…エゴイスト、孤立


  • ワンドの3

3本の杖を背に荒野に立つ人物が描かれる。
2の人物が立派な石造りの建物に居たのにこちらは荒野にいるので、「安定を捨て旅立った後」と解釈できる。


正位置…達成、到達
逆位置…道半ば、思いだけが先行している


  • ワンドの4

4本の杖の向こう側に立派な建物が見える。


正位置…到達、目標の成就
逆位置…慢心、油断


  • ワンドの5

5本の杖で争っている人間が描かれている。


正位置…闘争、折れない心
逆位置…無意味な争い、対立


  • ワンドの6

それぞれが杖を持った、5人の従者を従え馬にまたがった人物が描かれる。


正位置…主導権を握る、人の上に立つ
逆位置…自惚れ、見た目だけの地位


  • ワンドの7

高い位置に立って下から6本の杖で追い立てられる人物が描かれる。
辛うじて地の利は得ているが、その表情は不安そのものであり、極めて危うい地位であることが読み取れる。


正位置…奮闘、地位を維持する
逆位置…無駄な抵抗、意固地になっている


  • ワンドの8

人物は描かれず、飛来する8本の杖だけが描かれている。


正位置…好転、チャンスの到来
逆位置…変化についていけない、振り回される


  • ワンドの9

城壁らしき場所で8本の杖で攻め立てられる人物が描かれる。
7に似ているがこちらは立ち位置が多少盤石であり人物の表情も不安げではあるが7よりは悲壮感がない。


正位置…不屈の闘志、諦めない
逆位置…無駄な抵抗、意味のない戦い


  • ワンドの10

10本の杖を抱えて歩く人物が描かれる。


正位置…重すぎる荷、こだわりすぎ
逆位置…押し付けられる、無意味な重責


  • ワンドのペイジ

杖を持って荒野に立つ人物が描かれる。


正位置…信念を持つ、真面目
逆位置…自信がない、志がない


  • ワンドのナイト

杖を持った騎士が描かれている。


正位置…向上心、情熱的
逆位置…攻撃的、落ち着きがない


  • ワンドのクイーン

杖を持った女王が描かれている。


正位置…包容力、天真爛漫
逆位置…傲慢、感情的


  • ワンドのキング

杖を持った王が描かれている。


正位置…野心的、自信家
逆位置…独善的、衝動的


カップ

満たされた杯が描かれたスートで、喜びや悲しみなど感情全般を表すスート。
また恋愛に最も関係の深いスートでもある。


  • カップのエース

水が溢れ出すカップを持った手が描かれる。


正位置…愛情で満たされる、満足
逆位置…愛情に振り回される、気持ちが定まらない


  • カップの2

互いに杯を酌み交わすカップルが描かれる。


正位置…恋愛の成就、対等な関係
逆位置…絶交、破談


  • カップの3

楽し気に踊りながらカップを酌み交わす3人の人物が描かれる。


正位置…友情、調和
逆位置…甘えた関係、堕落


  • カップの4

カップを差し出されているのに、それを手に取ろうともしない物憂げな人物が描かれる。


正位置…現状への不満足、閉塞感
逆位置…仕方なく動き出す、新しいものに手を伸ばす


  • カップの5

喪服を纏った人物と倒れた3つのカップ、そしてその後ろに立ったままのカップが描かれる。
倒れたカップは人物の前にあり、人物はカップが倒れたことを嘆いているが、その後ろにまだ無事なカップがあることに気づいていないのだろう。


正位置…落胆、期待外れ
逆位置…希望は残されている、別のものを得る


  • カップの6

幼い無垢な子供たちの楽しげな様子が描かれる。


正位置…家族愛、郷愁
逆位置…過去に囚われている、甘え


  • カップの7

空に浮かぶカップの中に欲望が満たされる様が描かれている。


正位置…幻想、虚栄心
逆位置…夢から覚める、現実への回帰


  • カップの8

カップを背に旅立つ人物が描かれる。


正位置…現状に満足しない、新たな自分を求める
逆位置…現状への満足、今あるものを良しとする


  • カップの9

カップを背に堂々と佇む人物が描かれる。


正位置…思わぬ成功、幸運
逆位置…傲慢になる、堅実な道を選ばず楽な道に流される


  • カップの10

虹の中にカップが浮かび上がりそれを見て喜ぶ人々が描かれる。
9までの個人的な喜びを超えて全ての人々が分かち合う喜びを表現している。


正位置…幸福、満たされた関係
逆位置…集団内のトラブル、不満


  • カップのペイジ

カップを持った道化師のような人物が描かれる。


正位置…独創的、ユニーク
逆位置…思い込みが激しい、夢想的


  • カップのナイト

カップを持った騎士が描かれている。


正位置…優しさ、人徳
逆位置…優柔不断、周囲に流される


  • カップのクイーン

カップを持った女王が描かれている。


正位置…愛情、母性
逆位置…現実離れしている、依存心が強い


  • カップのキング

カップを持った王が描かれている。


正位置…優しい、マイペース
逆位置…自我がない、愛情の押し売り


ソード

鍛えられた剣は、杖よりもより高度で発達した道具であり、人間の知性や理性を表す。
同時に高められた知性を持った人間は、自ら争いの渦中に飛び込んでいくことも増えるため、争いを表すカードが多い。


  • ソードのエース

1本の剣を持った手が描かれている。


正位置…勝利、精神力
逆位置…衝突、やりすぎな批判


  • ソードの2

目隠しをして両手に2本の剣を持った人物が描かれる。
目を隠すのは「感情を抑える」、剣をバランスよく持つのは「均衡」を表すとされる。


正位置…バランス、理性
逆位置…無感情、行動が遅い


  • ソードの3

心臓に3本の剣が刺さっている。


正位置…悲しみ、悲劇
逆位置…心の内に隠した悲しみ、癒されない悲しみ


  • ソードの4

4本の剣と共に眠る人物が描かれる。


正位置…動き出すべき時ではない、力の温存
逆位置…動かなすぎ、機を逸している


  • ソードの5

剣を持った勝者が描かれているが、敗者となった人物は自らの剣も投げ捨て、いかにも「アンタの勝ちでいいよ」と言わんばかりの投げやりな様子である。
勝ったことは間違いないが、その勝ち方がひどく不本意なことを表している。


正位置…不本意な勝利、卑怯な戦い
逆位置…無意味な争い、長引く戦い


  • ソードの6

剣を船首に乗せて漕ぎ出す船が描かれている。
「新しい場所への旅立ち」なのは事実だが、どちらかというと明確な目的もなく「ここではないどこかに行きたい」という程度の思いから旅立つような様子が強い。


正位置…退却、再起を図る
逆位置…流される、目的のない旅路


  • ソードの7

剣を盗み取る狡猾な人物が描かれている。
その勝ち方は褒められたものではないが、勝ちは勝ち、ということであろう。


正位置…狡猾、駆け引き
逆位置…詐欺、人を陥れる


  • ソードの8

目隠しをされて8本の剣と共に拘束された人物が描かれる。


正位置…状況が見えない、身動きが取れない
逆位置…状況が見えてくる、解決策が見えてくる


  • ソードの9

剣を背に眠れぬ人物が描かれる。


正位置…不安、孤独
逆位置…不安の解消、心の安定


  • ソードの10

10本もの剣を突き立てられて地に倒れ伏した人間が描かれている。他のスートの10は概ね人生の成功を描いているのにこれだけやたらと悲劇的。
しかし地平線の向こうには夜明けの兆しもあり、決して絶望ばかりではないとも解釈できる。


正位置…悲しみのどん底、絶望
逆位置…あとは浮き上がるだけ、好転


  • ソードのペイジ

剣を手に草原に立つ人物が描かれる。


正位置…論理的、冷静
逆位置…行動が遅い、冷淡


  • ソードのナイト

剣を持って駆け抜ける騎士が描かれている。


正位置…行動が早い、決断力に優れる
逆位置…冷酷、短気


  • ソードのクイーン

剣を持った女王が描かれている。


正位置…合理的、意志が強い
逆位置…閉鎖的、頭が硬い


  • ソードのキング

剣を持った王が描かれている。


正位置…厳格、現実主義
逆位置…非情、高圧的


ペンタクル

護符や紋章、硬貨を表すスート。
「現実的な利益・財産」に最も関係の深いスートである。


  • ペンタクルのエース

ペンタクルを持った手が描かれている。


正位置…バランス感覚、豊かさ
逆位置…物質主義、強欲


  • ペンタクルの2

2つのペンタクルでお手玉をする道化師が描かれている。


正位置…コミュニケーション能力の高さ、協調
逆位置…その場しのぎ、いい加減


  • ペンタクルの3

教会らしき場所で3つのペンタクルを見上げる夫婦が描かれている。


正位置…ある程度の成功、堅実な成長
逆位置…惰性、停滞


  • ペンタクルの4

ペンタクルをしっかりと抱え込んだ身なりの良い人物が描かれる。


正位置…成功、維持
逆位置…強欲、拝金主義


  • ペンタクルの5

ペンタクルの描かれたステンドグラスを背に追われる貧しそうな人物が描かれる。


正位置…失敗、財産を失う
逆位置…成功への兆し、希望が見える


  • ペンタクルの6

天秤をもって取引を行う人物が描かれる。


正位置…公正な取引、平等
逆位置…不平等な取引、正当な報酬を受け取れない


  • ペンタクルの7

どうやら鉱山らしき場所で掘り起こしたペンタクルを前に考え込む人物が描かれる。
努力して一応の成果は得られたものの、それが思っていたものとはだいぶ違っていたのだろうという感情が窺える。


正位置…不満足な成果、限界を感じる
逆位置…惰性からの脱却、新たな成功


  • ペンタクルの8

自らの手でペンタクルを作り上げる職人が描かれる。


正位置…努力が実を結ぶ、大器晩成
逆位置…惰性、マンネリ


  • ペンタクルの9

豊かな農園を背に微笑む人物が描かれる。


正位置…周囲からの支援、出世
逆位置…周囲から富を吸い上げる、強引な成功


  • ペンタクルの10

豊かそうな老人が描かれているが、孫と思しき人物は建物の外にいて老人によりそうのは犬だけである。
物質的な豊かさはあるだろうが、果たして心は満たされているのだろうか…?


正位置…成功、繁栄
逆位置…家庭の不和、自分だけの成功


  • ペンタクルのペイジ

ペンタクルを持って佇む人物が描かれる。


正位置…堅実、地道
逆位置…動きが遅い、成果主義


  • ペンタクルのナイト

ペンタクルを持った騎士が描かれている。


正位置…実務能力に優れる、安定
逆位置…拝金主義、損得勘定で判断する


  • ペンタクルのクイーン

ペンタクルを持った女王が描かれている。


正位置…管理、安定
逆位置…心が狭い、細かい


  • ペンタクルのキング

ペンタクルを持った王が描かれている。


正位置…莫大な富、成功
逆位置…即物的、支配欲




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  • タロットカードの種類(発売元、監修者、画家)によっては2〜10が本文中で解説された内容の絵柄ではなく、トランプの同数の札のように金貨や棒などのマークがその数並んでいるだけのデッキも販売されているので注意。同じペンタクルの9でも「>豊かな農園を背に微笑む人物」ではなく○+⭐︎のマークが9個あるだけという場合もあるのだ。この場合初心者には意味が非常に覚えづらくなる。 -- 名無しさん (2020-11-23 14:47:06)
  • タロットマスターだと引いた柄に応じてパワーアップするアイテムみたいな扱いだった記憶。ほとんど使ってなかったけど -- 名無しさん (2020-11-23 14:49:55)
  • 説明書片手にやらないと覚えられないな!! -- 名無しさん (2020-11-23 20:43:01)
  • ああ、大貧民の8切りの元ネタってこれか -- 名無しさん (2020-11-23 21:09:11)
  • >金貨や棒などのマークがその数並んでいるだけのデッキ 決して手抜きというわけではなくて、トランプみたいな遊戯カード由来と考えると人物の絵がないほうが自然ですよね。いきなり全部の数札に絵をつけ始めたウェイト版がすごかった。 -- 名無しさん (2020-11-24 15:15:25)
  • ペンたくるがテンタクルにみえちまったぜ… -- 名無しさん (2020-11-25 19:07:48)

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