登録日:2020/11/03 Tue 10:09:16
更新日:2024/05/23 Thu 11:04:09NEW!
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アニヲタ昔ばなし マッチ売りの少女 アンデルセン 不朽の名作 童話 冬 大晦日 マッチ 何故かなかなか立たなかった項目 悲しい結末 考えさせられる話 後味の悪いオチ 鬱展開
マッチ売りの少女とは、ハンス・クリスチャン・アンデルセンによって1845年に発表された童話である。
【あらすじ】
雪が降り積もる寒い街の大晦日の夜。
1人の少女がマッチを売っていた。
マッチが売れなければ父親に叱られるので、全てを売り切るまでは家には帰れない。
しかし大晦日の夜の慌ただしさから人々は少女には目もくれず、ただ通り過ぎるだけである。
それどころか、元々母親のものであった、履いていた大きな靴も猛スピードで走ってきた馬車を避ける際に脱げてしまい、
片方は馬車に潰され、もう片方も浮浪児に持っていかれたことで、少女は裸足になってしまっていた。
夜も更け、裸足の少女は少しでも暖まろうとマッチに火を付けた。
すると炎の中に、温かいストーブや七面鳥などのごちそう、飾られたクリスマスツリーなどの幻影が浮かび上がる。
だがその幻影も炎と共に消え去ってしまう。
ふと天を仰ぐと流れ星が流れ、少女は可愛がってくれた祖母の事を思い出す。
「流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴」と話してくれた優しい祖母…。
再びマッチをつけると、その祖母の幻影が現れるが、炎が消えると再び消えてしまう…。
それを嫌がった少女は持っているマッチ全てに火をつける。祖母の幻影は少女を温かく抱きかかえ、神様の元へと昇って行った。
残されたのはマッチの燃えカスと、幸せそうに微笑んだまま息絶えた少女の遺体だけであった。
人々はそれを見て同情はするものの、彼女が最後に体感した幸せな光景、そして行き着いた先は誰も知ることが無かった…。
【概要】
編集者から『これで童話を書いてほしい』と送られた三枚の絵のうち、マッチ売りの少女の絵を選んだアンデルセンが書いたもので、
誰にも救いの手を差し伸べられなかった不幸な少女が些細な幸せを幻影の中で手にし、それらに包まれたまま亡くなるという悲劇である。
少女本人は(幻影とはいえ)大好きな祖母に導かれ、幸せの中天国に昇っていったのだが、少女以外誰もそれを知ることはなく、
また、幻影の祖母以外(つまり現実世界の人間)は誰一人として生前の彼女を助けようとしなかった(もしくはできなかった)という救われない話でもある。
あまりにも不幸すぎる物語のため、後世では「少女には友達がいた」「父親も少女の事を思っていた」…等と改変されることがある。
だが、結局少女は寒空の中、マッチの中に見た祖母の幻影に導かれて亡くなってしまうという、結末は一切変わらない。
むしろこの場合、そこまで想っても少女を救うに至らなかった周りの人間の無力さが現れ、より空しい結果となる。
アメリカの絵本では「死ぬ直前に心優しい富豪に助けられ、少女は幸せに過ごした」というハッピーエンドに改変される事もある。
一流の悲劇より三流の喜劇であって欲しいのはいつの時代も変わらないのだ。
また、少女の遺体を心優しき牧師が見つけ、救えなかったことを悔やむと共に教会で手厚く葬り、
「二度とこのような少女を生み出してはならない」と諭する教訓的な終わり方をすることもある。
【時代背景】
こんな物語が生まれた背景には、当時の時代と貧しい者たちの扱いにある。
元々アンデルセン本人は「女性が幸せになる事に懐疑的」かつ「死こそが幸福」と考えている節もあったのだが、そこに母(祖母とも)の少女時代の話が加わり*1、この作品が生まれたという。
他にも「貧しい者を見捨てる当時のデンマーク社会への批判」ともいわれている。
アンデルセンは社会に見捨てられ、幸せな幻影すら見ることなく死んでいく貧しい者達にほんの少しでも救いを与えたくてこのような話を書いたのかもしれない…。
【余談】
- あらすじがやけに短いが、実際これだけの話であり、一人の不幸な少女が天に昇る迄しか書かれていない。
- 主人公の少女の容姿に関しては「幼い」「金髪」とだけ述べられているが、名前は決められていない。
後の創作では必要に応じて「アンナ」「マリア」「ミクサ」「リン」等と名付けられている。髪色は無視される事も多いが、年齢だけは一定である。 - 幻影の七面鳥やクリスマスツリーのせいで「話の時期はクリスマス」と勘違いされがちだが、実際はもう少し後の大晦日*2。
少女はすんでのところで新しい年にたどり着けなかった事がこの悲しい物語の肝である。 - 童話をモチーフにした作品には基本的に登場しているが、悲劇になることが作品のキモである為か、基本的に後年の創作、二次創作でも救われることは少ない。
- 学研映像局による人形アニメ版も存在し、1971年冬の東宝チャンピオンまつりで上映されている*3。
- 漫画「ドラえもん」の作中では、実際に起きたエピソードとされている。詳しいあらすじはマッチ売りのドラえもん参照。
追記修正は、少女を死の淵から救って幸せにしてからお願い致します。
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▷ コメント欄
- 「マッチョ売りの少女」、「マッチと言わず火炎放射器で攻撃」はお約束 -- 名無しさん (2020-11-03 10:52:16)
- 月光条例で藤田先生が描いた時のアンデルセンの想いとその上でなおどちらが良いかわからなくなったとの許してくれたって部分好き -- 名無しさん (2020-11-03 11:17:29)
- 当時のマッチは燃やすと幻覚物質を発するのでその中で見た幻だというネタにマジレスを見たことがある。 -- 名無しさん (2020-11-03 11:25:13)
- ディズニー版でも『ディズニー版人魚姫』ことリトル・マーメイドのようにハッピーエンドにならなかった悲しい物語 -- 名無しさん (2020-11-03 13:39:12)
- 意外と無かったんだこの項目 -- 名無しさん (2020-11-03 13:52:11)
- マッチ売りの「美」少女ってすごいクソゲーが昔あった。あとコン◎ーム売りの少年ってしょうもない漫画も・・・w -- 名無しさん (2020-11-03 14:30:05)
- 少女 「マッチいりませんか…?」 修造 「ダメだよ!もっと自分の商品をアピールしなきゃ!」 少女 「マ、マッチいりませんか!?」 修造 「下向いてちゃ何も伝わらないよ!もっと大声出して!!」 少女 「マッチいりませんか!!!」 修造 「いらない!!!!」 -- 名無しさん (2020-11-03 14:45:12)
- ドラえもん世界名作劇場では静香ちゃんがこの役演じていたけどオチがオネショをしてしまいました…だった 火遊びはしてはいけませんって教訓 -- 名無しさん (2020-11-03 14:51:28)
- ドラえもんの世界では実話なんだよな。ドリームマッチを少女が拾ったとか -- 名無しさん (2020-11-03 14:58:38)
- 昔、ネタ画像置き場で少女がド畜生キャラで描かれた面白GIF動画見た記憶がある…オチは無理やりマッチを買わされたおじさんがマッチに火をつけると大爆発が起きるという所謂爆発オチ -- 名無しさん (2020-11-03 15:44:40)
- 現実はこんなもんだと教えてくれる教訓 -- 名無しさん (2020-11-03 15:52:52)
- フリゲのRPGのおまけシナリオに、「マッチ売りの小娘」というのがあったな。 -- 名無しさん (2020-11-03 16:54:41)
- ワンダーランドウォーズのミクサ -- 名無しさん (2020-11-03 18:13:08)
- 「ムーミン」の後番組の最終回ではさすがに彼女の父親も亡骸に取りすがって「許してくれ…」と泣いていたが…救いの無いことに変わりはなかった… -- 名無しさん (2020-11-03 20:04:53)
- SSQの手にかかればダウナー系魔法少女と放火魔系魔法少女になる。 -- 名無しさん (2020-11-03 23:22:03)
- クレヨンしんちゃんでやったパロディはハッピーエンドになるし楽しく読めたな。まあマッチ売りと幻影の設定だけ借りた別物と言っていい状態だったけど。 -- 名無しさん (2020-11-03 23:45:21)
- 赤ずきんと同じく「マッチ売りの少女がモチーフのキャラクター」の欄があってもいいかとは思うけど、オトギフロンティアくらいしかぱっと思いつくのがいない -- 名無しさん (2020-11-04 00:42:51)
- ちびまる子ちゃんでこれのパロディやった時は流石にハッピーエンドになってた -- 名無しさん (2020-11-04 01:48:54)
- 漫画ペケだと「みんな生活苦しいのに一人だけ幸せな夢みてあの世行けてむしろ幸せなほう」とバッサリ言い捨てててシュールだった。 -- 名無しさん (2020-11-04 07:25:18)
- 賣火柴小女孩なんてパロディもあったな……最後は悲劇の運命を他者に押し付けるオチだった -- 名無しさん (2020-11-04 10:40:36)
- 一歩、一歩……。黒く焦げて。 -- 名無しさん (2020-11-04 12:40:45)
- ↑3 当時の格差社会はアメリカンドリームなんて夢のまた夢だからな -- 名無しさん (2020-11-04 17:20:24)
- これと笑うセールスマンを混ぜたような作品が燐寸少女 -- 名無しさん (2020-11-04 18:05:23)
- SCPのジョークオブジェクトに「マッチョが売りの少女」ってのがあったな。現実改変かと思うぐらいの怪奇現象を己の筋力のみで起こす筋肉モリモリマッチョマンの変態野郎(娘ではない) -- 名無しさん (2020-11-04 21:56:50)
- ↑8月光条例かなぁ。あと最近だとロボトミーコーポレーション。メインにはならないけど童話をテーマやモチーフにした作品には高確率で出てくる気がする -- 名無しさん (2020-11-04 23:16:28)
- ↑ぱんだにあさんの漫画『ねこむかしばなし』のパロディも大丈夫? -- 名無しさん (2020-11-04 23:19:12)
- マッチ売りの少女売春婦説とかもあったな -- 名無しさん (2020-11-05 10:31:29)
- ちょうど公開1周年を迎えたすみっコぐらしの映画だと、寒がりなしろくまが飛ばされた世界。マッチの幻影はコタツにラーメン、おでんに布団とやっぱりあったかいものばかり。 -- 名無しさん (2020-11-09 17:08:47)
- 『みにくいあひるの子』の項目もお願いします -- 名無しさん (2020-11-09 17:12:13)
- 攻殻機動隊のおまけアニメでタチコマ達が身も蓋もない批評してたのが面白かった -- 名無しさん (2020-11-14 16:32:33)
- おそ松さんでは確かイヤミがやっており、マッチを擦るとダヨーンが登場し、ごちそうや優しそうな老夫婦、机やイスを吸い込む幻影を見て驚いてシェーをやってたら、入浴中のおそ松兄さんに「うっせぇ!」と風呂桶で殴られてた(笑) -- 名無しさん (2020-12-24 08:00:01)
- 神父の方のアンデルセンだと、「少女が不幸なのは異教徒と異端と化け物どものせいですから皆殺しにすれば少女は救われました」なんて話に改変しそう -- 名無しさん (2020-12-24 10:49:24)
- ウリナリのクリスマスSPでは少女役の杉本彩が楽しい幻を見たいという願いでマッチを擦ると幻=レギュラー陣によるコント(辞めんなマンなど)に切り替わる構成だった。コントの合間にも天野の母ちゃんにマッチを売ろうとしたり、真冬にTシャツ姿の父さんのコップに驚いてたり -- 名無しさん (2020-12-24 11:17:18)
- メリーバッドエンドの古典というべきか -- 名無しさん (2021-07-14 16:43:53)
- むしろクリスチャンなアンデルセンだからこそ「一番の祝日であるクリスマスに幸せな幻を見て天に召される」という悲劇かつ救いの話だと思ってたのに…大晦日設定はむしろ日本向けの改変だと思ってた -- 名無しさん (2021-08-05 14:18:13)
- ディズニー版のマッチ売りの少女もあるけど、ディズニーなのにそのまんまバッドエンドだった・・・ -- 名無しさん (2022-04-26 08:18:01)
- ブラックソウルでは主人公の選択次第で救われるが、そもそもマッチを使うと発狂したり、そんな成分と分かっていながら「クスリ」と呼んで欲しがる男が存在しており… -- 名無しさん (2022-04-27 00:35:00)
- 現代的な解釈をすると少女はただ死んだのではなく異世界に転生して豊かな生活を送っているのかもしれない -- 名無しさん (2022-05-09 13:56:02)
- おばあちゃんが迎えに来た。 -- 名無しさん (2022-10-14 13:29:36)
- 『時空探偵ゲンシクン』ってマンガでアンデルセンに結末を書き直すようお願いしにいく回があるのだが、「少女は空想の存在じゃない。君の周りにもいる。自分の話で少しでも少女に気づき助ける人が増えてくれたらいいと思うからあの結末」ってオチが素晴らしすぎて未だに覚えている。 -- 名無しさん (2023-07-26 11:53:59)
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*2 近年では子供には複雑と考えられたのか時期をクリスマスにしているものもある。
*3 同時上映は『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦(「三大怪獣 地球最大の決戦」の短縮版)』『帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖(第13,14話再編集)』など
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