大黒天/マハーカーラ

ページ名:大黒天_マハーカーラ

登録日:2015/11/27 Fri 19:22:22
更新日:2024/01/16 Tue 13:06:29NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



タグ一覧
仏教 密教 ヒンドゥー 天部 アニヲタ神様シリーズ アニヲタ悪魔シリーズ シヴァ 鬼神 不動明王 大日如来 マハーカーラ 暗黒神 七福神 大国主命 大黒天



■大黒天(だいこくてん)

大黒天(梵:マハーカーラ)は大乗仏教(密教)の尊格。
日本では神道の神としても扱われる。
七福神の一柱として知られているが、元来は古代インドの鬼神の類であったとされる。
密教では元来の鬼神の姿を梵名を音写した摩訶伽羅天(まかからてん、まかきゃらてん)の尊名を用いて、小槌を持つ大黒天とは別の尊格として扱う場合もある。
天部の代表的な尊格の一つであり、民間では福徳財宝神として、密教では大神シヴァの化身たる畏るべき鬼神として様々な修法に用いられている。
また、七福神の一柱に組み込まれている事からも解るように、我が国では陰陽道や神道、正式な密教が伝来する以前から入り込んでいた修験道の様な原始密教(雑密)、性的秘法をも含む教義が組み込まれた後期密教(※日本には部分的にしか伝わらなかった「大日経」「金剛頂経」以降の、よりヒンドゥー色を強めた教義)の影響を受けた秘法や異端の修法に於いても登場して来る事が多く、三面大黒天の様な異形の作例もある。



【由来】

元来は古代インドの土着神で、強大だが祟りを成す鬼神の類であったと考えられている。
梵名のマハーカーラとは、マハー(大きい)・カーラ(暗黒、時間)を意味する事から大黒、大暗黒、大時と漢訳された。
この名は大神シヴァの異名の一つとして説明されているが、シヴァ神の信仰を拡大化していく中で取り込まれたインドの地方神の名であったと説明されている。
同様の経緯を経て仏教に取り入れられた地方神にはアチャラナータ(不動尊)等があり、これらは逆にシヴァの属性を取り込みつつ、大乗仏教にて重要な役割を与えられた尊格である。
チベット密教ではヒンドゥーの三大主神(ブラフマーヴィシュヌシヴァ)の習合した、強大なる仏法の守護者として多大なる信仰を集めている。
また、人喰いの鬼女であった荼枳尼天を降伏する為に大日如来が化身したとの説話もあり、太陽に対する暗黒の化身として天体に関わる属性をも考察されている(ブラックホール等)。


日本では福徳財宝神として小槌と大きな袋を持つ、柔和な笑みを浮かべた大尽の姿で知られているが、これは大黒天と「因幡の白兎」の昔話で知られる大国主命の音読みの共通点から自然発生的に習合していったと見られている。
元来は多面多臂の鬼神であった大黒天だが、8世紀に中国の高名な僧である義浄が「インドでは厨房に二臂の大黒天を祀る」と報告したのに倣い、中国では普通の人間(一面二臂)の姿で唐衣を纏った神将形の姿での作例がされるようになり、これが日本にも伝来されて大国主命と習合していった様である。


大国主命とは同じ神として扱われている場合もあり、元来は大国主命の奉祭であった甲子祭(※古事記で大国主命をネズミが助けた故事から始まった神事)の祭神が仏教の伝播と共に大黒天に変わっている等、ここでの両者は完全に同じ神として扱われている。


これらの事実から、今日では大黒天を神道系の神として紹介されている場合も少なくないのである。



【姿】

■摩訶伽羅天
古代インドの鬼神の姿であり、主に三面六臂で三眼。
髑髏と蛇を冠に戴き、罪人の髪を掴んだ姿で顕される。
梵名通り真っ黒い肌に火炎を纏っている。
仏教に取り入れられても尚、人の肝を取って食らう鬼神の本性を残すと云う。


■大黒天
温和な笑みを浮かべ、唐衣を纏った商人の様な姿で、小槌と袋を持つ。
小槌は日本に入ってからの持ち物だが、袋は大陸の神将形の頃には既に持たされていた。
因みに、袋の中に入っているのは七宝である。



【変形・化身】

非常に強大な神である事からか、様々な呪法、秘法の場に於いても登場し、且つ大きく姿を変える場合も多い。


■三面大黒天
その名の様に三面を持つ大黒天で商売の神。
同じく七福神に数えられる毘沙門天と弁財天と合体した姿とされる。
温和な笑顔を浮かべているが三面で武器をも携えた異形であり、摩訶伽羅天の代わりに密教の修法に使われる事もある。
如意宝珠により凡る願いを叶える。


■摩多羅神
天台宗でも大寺にしか所蔵が許されなかった念仏の守護者にして謎多き「玄旨帰命壇」の本尊として知られる、後期密教の影響が色濃いとされる天台密教の秘神の一つ。
慈覚大師(円仁)が中国で感得して持ち帰ったと考えられている。
星宿に関わる神ともされており、その正体は大自在天や大黒天であるとされている。
唐風の冠に狩衣を纏い鼓を叩き、呪文を唱えながら踊る男児と女児を従えた老人の姿で顕されるが、何かしらの秘教的な暗号の図像化であるらしい。
背後には北斗七星が配置されている。



【種字】


■マ


【真言】


■オンマカキャラヤソワカ



【余談】

元来は密教の秘法とされながらも大黒天を主人公とした比較的によく知られる修法として「千座秘密法」がある。
然るべき祭壇を用意した後に内縛印を結び、大日如来不動尊に、不動尊が大黒天に姿を変える観想を定められた期間に渡り行う。
成し遂げる事が出来れば、大黒天の如く凡る願いを叶える力を与えてくれると云う。




追記修正は大黒天に肝を捧げてからお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)

[#include(name=テンプレ3)]


  • 高野山の僧侶に聞いたが、大黒天は歓喜天に次いで扱いが難しい尊天で祀るなら一生もののお付き合いを覚悟せにゃならんそうだ --   (2015-11-27 19:45:11)
  • アマカッスがぶっぱしてたのってこれだっけ? -- 名無しさん (2015-11-27 21:57:03)
  • QEDシリーズ(漫画ではない)で最初に知ったなこの辺 -- 名無しさん (2015-11-27 22:45:14)
  • ↑3 にもかかわらず厨な創作でファッション感覚で駆り出されとる苦労人(天)。罰当たんぞ! -- 名無しさん (2015-11-27 22:50:25)
  • ↑きっとビルス様みたいな性格なんだろ -- 名無しさん (2016-04-21 12:51:42)
  • リヨキャスター -- 名無しさん (2020-10-09 13:04:01)
  • 大黒様の旧札だとお米券感ある -- 名無しさん (2023-06-06 15:21:54)

#comment

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧