登録日:2011/12/17(土) 21:34:47
更新日:2023/08/08 Tue 16:44:15NEW!
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灼眼のシャナ フレイムヘイズ ネイティブアメリカン チート集団 アメリカ 四天王 聖人君子 チート あだ名製造機 センターヒル イーストエッジ サウスバレイ ウエストショア ノースはいないの?←設定集で判明 四神→三神 大戦根絶 戦いという名の対話 相性◎ インディアン 神官 グンマー 魔性の女 アステカ 賢者 最終決戦で舐めプ 四人組
大地の四神とは灼眼のシャナに登場する
- “啓導の籟”ケツアルコアトルのフレイムヘイズ『星河の喚び手』イーストエッジ
- “殊寵の鼓”トラロックのフレイムヘイズ『皓露の請い手』センターヒル
- “憚懾の筦”テスカトリポカのフレイムヘイズ『群魔の召し手』サウスバレイ
- “清漂の鈴”チャルチウィトリクエのフレイムヘイズ『滄波の振り手』ウェストショア
の四人のフレイムヘイズのこと。
全員が古代の神官であるネイティブアメリカン(アメリカインディアン)。
はるか昔に“紅世の王”の呼び声を聞き届けて、「宙の心臓」こと“遍照の暈”ウィツィロポチトリのフレイムヘイズ、『焦沙の敷き手』ノースエアのもとで天賦の才を鍛えてから契約している。
その経緯から全員が知り合いで、四神独自の呼び名(シャナ=眩き炎など)で他のフレイムヘイズや“徒”を呼称するなど、
ある程度の共通指針、独自の達観した思想があり、神器も石のメダル型の「テオトル」で共通している。また名前は方角から取られている。
古代よりアメリカ大陸を守り続けたその戦歴と才能から来る戦闘力は「怪物」としか言いようがない。
また、彼らが契約した“王”は一般的な“王”で、アラストールのような神でも、三柱臣のような眷属でもないが、“王”の中でも極めつけに強力な部類であり、ウィツィロポチトリ含め全員が「“存在の力”をこの世の物質に転化・還元する」能力を持っている。
彼らの認識では、「大地の四神」とはあくまで契約した“王”を指し、自分達はその代行者たる神官、ということになっている。
フレイムヘイズに成る経緯は上記のようなものがあってこそであるため、そうそう一般のフレイムヘイズは彼らのように成ることは難しいと思われる。
誕生の経緯としては、他ならぬシャナが一番近いかもしれない。
元々彼らはアメリカ大陸を「世界」、そこに住む人々を守るべき「同胞」、それを喰らい世界を荒らす徒を「悪霊」と定義し、大地と人々を守っていた。
しかし、ある時から彼らの定義外の人間…白人によるアメリカ大陸の「開拓」が始まり、守るべき大地は荒らされ、同胞たちは虐殺されていった。
それでも同じく異国の地から渡ってきた討ち手らに諭されたこともあり、四神たちは各々同胞と異国人の衝突を抑えながら、徒を倒し人を守り続けていた。
そして三百年堪え続けたある時、アメリカに殺された同胞の少女の末期の願いにより国の完全破壊を為そうと、四神に同調した者たちと共に決起。
四神の想いを理解しながらも、彼らを止めるために集った世界中の討ち手との「内乱」に突入する。
十数年続いた誰も望まない苦渋の戦いは、戦いで世界のバランスが極度に乱れるという事態と、
討ち手の手薄となった各地での“徒”の跋扈が無視できなくなったことで四神が矛を収める形で終結したが、
以後、「世界」を守ることに挫折した四神は、それぞれ討ち手を補佐する外界宿の管理者としてフレイムヘイズの面倒を見たり、
商売をしたりという言った役回り(ちなみにウェストショア以外は商売人としても有能)に収まり、戦いを止めてしまった。
なおこの「内乱」は、“徒”の側からは「嗤うべき内紛」と見られており、四神の方は「長きに渡り“徒”を殺し続けた挙句、討ち手にまで牙を剥き、結局殺しに飽いて世間から消えた、討ち手の悪徳そのものたる魔物」と認識されていた。あまりといえばあんまりである。
以下個々人の紹介とネタバレ
【雨と渡り行く男】センターヒル
CV.仲野裕
彫りの深い顔をした初老の男。契約した“王”はアステカの雨神トラロック。炎の色は瑠璃。
使用する自在法は戦鬼の庭と恐れられる豪雨の大結界「トラロカン」。
その能力は激しい豪雨で通常の視聴覚を妨害し、遠話の使用を妨害し、持続型の自在法を敵に限り強制解除すると至れり尽くせりである。
おまけに凄まじい体術を誇るセンターヒル自身がこの結界内でのみ近距離瞬間移動が行え、雨を雹に変換して攻撃防御に利用する事も可能。
変換能力は植物で、トラロカンの中で死んだ“徒”は植物へと変換され世界に存在の力を還元する。
本編では大地の四神を代表してフレイムヘイズ兵団に同行し、創造神の動向を見極めた。
新世界を作るという“祭礼の蛇”の宣言に百数十年ぶりに戦いの必要性を感じた彼は、
“存在の力”と世界の歪みについて先師より秘中の秘として伝えられた真実を明かし、彼が認めた眩き炎(シャナ)に大地の四神の参戦を告げ、残る三神へのメッセージを委託。
絶望的な敗走を続けるフレイムヘイズ兵団の主力と生き残ったわずかな兵を生かす為にトラロカンを発動、殿(しんがり)として足止め役を務め、
シュドナイと交戦の末に死亡した。
本人は戦いはあまり得意ではなく、他の四神からは戦いを好まない人物であったと言われている。(それでも、他のフレイムヘイズより圧倒的に強く、“徒”からも「トラロカン」が恐怖の代名詞として知られている)
「戦う、という決断は―――」
「そう、きっと間違っていない―――」
以下更なるネタバレ
センターヒルを失い、大地の四神から大地の三神となった残り3人。
シャナからセンターヒルの遺言を受け取った彼らは独自の思想と行動指針をもって、
壊滅したフレイムヘイズ兵団に代わりシャナ一行と共に御崎市に集結した仮装舞踏会との最終決戦に臨む。
「強いったってあの大群には勝てないだろ…センターヒルもやられたし。奇襲作戦しかないな」
とか考えていた読者の想像を彼らは容易に裏切った。
創造神“祭礼の蛇”の畏れに惹かれて世界中から集まる無限とも思える徒達。
東西南北に陣地を敷いて彼らを誇らしげに迎える[仮装舞踏会]の将兵達。
突如、永遠に続くと思われた“徒”の進軍が断ち切られる。
漂う死の気配、そして現れる封絶内への侵入者。
彼らは正面から武力侵攻を…否、虐殺を開始した。
【全ての星を見た男】イーストエッジ
CV.乃村健次
強面ながら爽やかな声をした中肉中背の漢。契約した“王”は、アステカの豊穣神ケツアルコアトル。炎の色は青磁。
マージョリーの過去編にて新人ユーリイを気に掛ける優しいおじさんとして登場しており、作中で最初に登場した大地の四神である。
使用する自在法は空間内の光を凝縮して作った満点の星空とそこから発射する光の流星雨『夜の問い』。
どこぞの乱れ討ちガンダムやら英雄王やらを彷彿とされる勢いで広範囲に大量に打ち出される流星雨は、一撃一撃が必殺の威力を持ち、
攻撃範囲内の“徒”を圧倒的な威力で爆砕する。
変換能力は火炎で、その流星雨に撃ち砕かれた徒は存在の力が尽きるまで青磁色の炎に変換され燃やし尽くされる。
最終決戦では御崎市の東から侵攻し、その流星で空も地も覆いつくす大量の“徒”を爆砕して爆砕して爆砕し続けた。
相対した[仮装舞踏会]の軍勢はリベザル軍。
仲間からの補助強化を重ねに重ねたリベザルと拳と拳による対話を続け、結局無傷で生還した。(リベザルは片腕を失った)
「語り合う同輩の多き者らに、『この今』の意味を伝えることで、認識は広がる」
「『この今』が“紅世の徒”の画期―――『人間を喰らう時の終わりである』と」
【死者の道を指す男】サウスバレイ
CV.梶裕貴
何かと「ははははは!」と快活・凶悪な「作り笑い」を飛ばす、左足が義足の少年。契約した“王”はアステカの戦神テスカトリポカ。炎の色は象牙。
使用する自在法は不可視の下僕「亡者」を召喚し、物質に取りつかせて使役する『パチャクチ』。サウスバレイは土に取りつかせることで、黄金の仮面をつけた人や動物の姿を模した土人形として操る(このほか、外界宿からの監視員に「亡者」を取りつかせて追い払っている)。
亡者達は隊列も組まねば精密な連携も取らない。ただひたすら敵を襲い食い散らす(アニメではブラックホールのように吸い込んでいた)。
変換能力は土で、亡者は捕食した“徒”の“存在の力”を土と黄金に変換し巨大化、一定以上の質量を持つと分裂して増える。
その生態はまさしく“紅世の徒”そのもの。戦うほどに手が着けられなくなるが、彼に限らず『四神』はそもそも戦い始めでも手がつけられないので、最悪の度がどんどん深まっていくだけである。
人間を一方的に捕食し生態系の頂点に君臨していた“徒”達が、意思を持たない人形による「捕食」の恐怖に怯え憤り嘆き逃げ惑うという滑稽な光景を作り出す。
サウスバレイは同様に作った黄金の輿を亡者に担がせ、玉座にてその様を嘲笑いながら指揮を続ける。
指揮官としてはハボリムをして「モノが違う」と言わしめる戦巧者であり、本人の戦闘力も非常に高い。
最終決戦では御崎市の西から侵攻し、襲い掛かる大量の“徒”達を「亡者」を使って食って食って食いまくった。
相対した[仮装舞踏会]の軍勢はハボリム軍。
兵団主力軍を大苦戦させた蛍燎原による強化軍&砲台で足止めを食らい亡者の群れを削られるが、それも予定の内。やっぱり無傷で生存した。
「私の可愛い亡者達を恐れない敵と戦うというのは、中々に新鮮な心持ちだなあ、我が御憑神テスカトリポカよ?」
「結構結構!酷く純ではないか、恐ろしく粋ではないか、我が同胞らは!熱烈に迎えてやらねばなあ、『死者の道を指す男』よ!?」
【波濤の先に踊る女】ウエストシェア
CV.高橋美佳子
年齢が掴めない麗容な黒髪の女性。泣き虫。契約した“王”はアステカの水神チャルチウィトリクエ。炎の色は珊瑚。
異常なまでに人から気を遣われる性質で、旅に出る度に世話をしたい人間が行列を作るという魔性の女。
弱気で内気で何かと泣くが、平時だろうが非常時だろうが優勢だろうが劣勢だろうが全く態度が変わらない。なので、戦うほうからすると不気味で仕方がないらしい。
使用する自在法『セドナの舞』は津波、あるいはネイティブアメリカンに縁の深い生物(鮭やアザラシなど)となって攻撃/捕獲を行う水。
この水は自在法を放とうと放出する“存在の力”さえ水に変換することができる。
これに拘束されれば、“紅世”に帰るか、何らかの攻撃に巻き込まれて死ぬしか道がない。
また、水による攻撃でも彼女自身の攻撃でも砕いた“徒”を水にする事ができ、サウスバレイ同様戦えば戦うほど力を増し手に負えなくなる。
最終決戦では御崎市の北から侵攻し、大量の“徒”を水で捕らえて捕らえて捕らえまくって紅世に帰るか死ぬかを選ばせた。
相対した[仮装舞踏会]の軍勢はオロバス軍。
限定された水源に操作妨害の自在法を掛けられ力が制限されるも、当然無傷で生還した。
「少し、残酷だったかしら…」
「気に病むことはありません、『波濤の先に踊る女』。どうせ殺すのです」
ここまで読んで、雑魚を蹴散らしてばかりで何のために戦っているのかと思ったことだろうが、
この虐殺劇こそ最終決戦における大地の三神の戦闘目的そのものである。
創造神が作る新世界は人を食わずに“徒”が生きる事ができる世界。だが“徒”のために作られる世界であるが故、「この世」では異邦人ゆえに存在していた無意識の枷が取っ払われ、彼らがより跋扈することは容易に予想できる。
では、新世界に住む“徒”が自重し、世界的な危機を生まないように戒めるにはどうすればいいのか。
そこで彼らが考えたのが『“徒”が人を喰う時代』の終わりを告げること。
それを新世界へと旅立つ場において武力と対話の双方で作る「事実」として知らしめる事にした。
つまり、この戦場における彼らの目的は
1、新世界に相応しくない「人間=食糧」という価値観を持つ、現世代の“徒”を少しでも多く消滅させる
2、人を食った“徒”達が酷く悲惨な末路を辿ったという事実を作る
3、“徒”に強い影響力を持つ[仮装舞踏会]の将帥達に何故こうしたかを告げ、後の世に「事実」を広めるメッセンジャーとなってもらう
の三つだったのだ。
仮にシャナの目的である世界改変が失敗したとしても、「虐殺された事実」は残るため、一定の効果が生まれる。
箝口令をしいたとしても、大量の“徒”がいる分、誰かが伝えることは避けられない。
彼らの虐殺の恐怖がなかったら、“徒”たちも世界の改変を「それでいい」と受け入れたりはしなかった可能性もあったかもしれない。
目的は果たされ、三人は他のフレイムヘイズに先立って『無何有鏡』へ向かった。
後日談にサウスバレイがちらりと登場しており、おそらく全員健在なのだろう。また、契約者を失ったトラロックも新世界へ渡り、「秩序派」*1の1人として活動している。
他の三神と比較するとセンターヒルの能力は攻撃的ではなく、彼の死後、サウスバレイが「戦いを好まず得意でもない」と評し、そんな彼を殺したことに対して憤るなど、実際「大地の四神」の中では、センターヒルの単純な戦闘力はかなり低い。
が、他の三神との能力のシナジー効果は凄まじく、連携によって
- 探知不能の戦場に降り注ぐ即死の流星群
- 強化不能の軍勢を食い散らかし増え続けるゾンビ兵
- 水獣と津波が暴れ狂う戦場に補給され続ける水、水、水
という極悪虐殺コンボが完成する。
彼が最終決戦に参加していた場合、メッセンジャーに選ばれた将兵級の“王”を残し、
更に大量の“徒”が無慈悲に虐殺されることになっていたと思われる。
ちなみに四人の先師であるノースエアはかつてウィツィロポチトリ共々「大地の心臓の神官」「天空を制す黄金」と呼ばれていた強者であり、ウィツィロポチトリの変換能力は「灰」。空で太陽の如く構え、向かってくる“徒”を燃やして燃やして燃やしまくって最後には灰にする。
「大縛鎖」の儀式の際に“祭礼の蛇”を放逐する戦いに加わったうちの一人で、『久遠の陥穽』が発動した際に「世界の歪み」の本当の原理に気付いたが、これを伝えると“徒”の跋扈が加速するとの懸念から、弟子たちにこれを教えた上で門外不出と言い含めていた。
その末路は討ち手の迎える最期の中では典型的なものの一つで、精神をすり減らした末に洞窟に隠遁、「内乱」の直前に導きを求めて訪れた弟子たちを諭した後、精神が消滅したことで死亡、ウィツィロポチトリは“紅世”に帰還した。
◇余談
「四神」の面々は自分達やノースエア同様、他の討ち手や“王”のことも独自の符丁で呼ぶ習慣がある。作中判明しているのは以下。
『炎髪灼眼の討ち手』→「眩き炎」
『弔詞の詠み手』→「怒れる獣」
『震威の結い手』→「天空の槌」
『愁夢の吹き手』→「幻の涙」
『儀装の駆り手』→「聳える岩」
『犀渠の護り手』→「巌の盾」
『万条の仕手』→「嫋やかな舞」
『極光の射手』→「閃く矢」
“天壌の劫火”→「裁きの業」
“夢幻の冠帯”→「流れる力」
“破暁の先駆”と“夕暮の後塵”→「翻る双面」
“幕地震”→「賢明な鎧」
“蟲溺の杯”→「忍び寄る毒」
追記・修正は悪しき悪霊を殺して殺して殺しまくってからお願いします。
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- あれ、これなんの凶悪ボスキャラ項目……… -- 名無しさん (2013-11-06 18:39:00)
- 戦えば戦うほど手が付けられなくなるとかマティルダより性質悪ぃ…… -- 名無しさん (2013-11-06 19:21:00)
- 逆にいうと戦いはじめは大したことない…と思っていたのか?オロバスでさえただの蹴りで動けなくなり。パワーが自慢のカブトムシの攻撃さえあっさり相殺される。体術でさえあのヴィルヘルミナに遅れを取らない勢い -- 名無しさん (2014-05-21 21:37:48)
- むしろ4人が健在だった内乱時に交戦して生き残ったマージョリーさんすげえ -- 名無しさん (2014-09-20 14:44:32)
- 新世界でオイタをするとこの人たちがきて爆砕されるか、水葬されるか、喰われるのか…… -- 名無しさん (2014-09-20 16:28:53)
- 彼ら的には、あとは基本見守る方向に行くんじゃないかな。 -- 名無しさん (2014-09-22 00:09:04)
- 本来ならフレイムヘイズは場当たり的な復讐者だけどこいつらはシャナと同じく最強クラスの王と王に見合うために鍛錬を重ねたシャーマンだからな -- 名無しさん (2014-09-22 00:38:40)
- マティルダ、ヴィルヘルミナ辺りは三神に続く勢いの実力者。ただヴィルヘルミナだけはどうにも作中相性がよろしくない相手とよく当たってた感じ。四神のコンボにこのコンビが加わるともっと凄いことに -- 名無しさん (2014-09-22 00:45:10)
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