登録日:2022/06/26 Sun 02:57:57
更新日:2024/06/20 Thu 10:56:08NEW!
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主人公 落第騎士の英雄譚 逢坂良太 剣士 黒鉄一輝 次男 夜の一刀修羅 留年 声優の本気 逢坂良太の本気 陰鉄 落第騎士 無冠の剣王 一刀修羅 一刀羅刹 ステラの旦那 最弱(さいきょう)の自分使い尽くせ_研ぎ澄まされた心で
僕の最弱を以て、君の最強を打ち破る!
黒鉄一輝は、ライトノベル『落第騎士の英雄譚』の主人公。
メディアミックスでのCVは逢坂良太。
◆来歴
優れた魔導騎士を輩出している名家の生まれだが、一般的な水準の1/10という絶望的な魔力量しか持たない、最低であるFランク評価の伐刀者。
そのため「世に出たら黒鉄家の恥なので何もしなくていい」存在しないも同然のものとして扱われ、本人が望もうとも魔導騎士としての教育自体を受けさせてもらえず、できることはせいぜい見稽古だけであった。
中学時代には家を出奔し、道場破りをするなどして独学でひたすら修行を積み、魔導騎士養成学校の一つ・破軍学園への入学にこぎつける。
しかしその後も一輝が騎士になることをよしとしない黒鉄家によって圧力をかけられ、学園に能力本位の選抜制度を導入されたせいで最初の1年間は授業をまともに受けられず、留年。「落第騎士」は字面通りの意味です。
そうして2回目の1年生を迎え、新理事長の就任による体制の変化で能力本位制度が廃止され、ようやく生徒としてのスタートを切ったところから本編が始まる。
当初は《落第騎士》の二つ名を頂いていたが、学園代表クラスの実力者である桐原静矢に勝ったことで評価を改められ《無冠の剣王》と呼ばれるようになった。
◆人物
悲惨な境遇に晒されていながら、非常に温厚で心優しい好青年。ルックスもイケメンと評されている。
一方で「剣士」としての精神性も強固で、魔導騎士になるという目標のための覚悟、闘争心は強い。
道場破りその他多数の実戦経験を経て「戦い」における甘さは削ぎ落とされており、
「何をしても何をされても、負けたら終わり。それはお互い様」という厳しい認識を持っている。
思い悩むこともないということはなく、本編序盤では未だ社会的に綱渡りな状況に立たされているが故に、
追い込まれて心が折れかかった場面も2度にわたってある。
また、その境遇や「劣った能力」ゆえに、文字通り「死力を尽くす」ことに一切の躊躇がなく、自殺一歩手前な命懸けの行動でも平気でとれてしまうという危うさもある。
自分が「何ひとつ教えてもらえなかった」という境遇のせいか、教え魔の側面があり、他者から指南を乞われると喜ぶ。
色恋沙汰には鈍感だが、それはそれとして運命的な出会いを果たしたステラ・ヴァーミリオンとは早々に相思相愛の間柄となり、ステラ一筋を貫くようになったため以降他の女性に関心は見せずそういうイベントも乏しい。「久しぶりに再会した妹からいきなりディープキスを食らわされる」といった不可抗力の事態はあるが。
諸事情からルームメイトになっているうえ、ステラはいささか脳内ピンクなところがあるため、道徳的には大変危険な状態に晒されていた。
しかし「ご両親にご挨拶もせずに手を出すわけにはいかない」という硬派な思考および鋼の自制心によって清廉な関係を貫いていたが、
逆に言うと自制が必要になるだけの性欲は普通にあり、七星剣武祭決勝の後には死闘を終えた勢いでタガが外れてしまい、ご挨拶する前に夜の一刀修羅*1が発動した。そして第2部では早速国際問題に陥りかかることとなった。
騎士を目指しているのは、日本史に残る英雄であり曽祖父にあたる黒鉄龍馬にかつて救われ、彼に憧れたため。
◆戦闘能力
刀型の固有霊装「陰鉄」を使う剣士。
伐刀者として使える能力は、魔力による身体能力倍化。
……とは言うが、これは伐刀者なら誰でもできる基本能力であり、要するに何の能力も持っていないも同然。
魔力量が少ないので、当然その身体強化能力の性能も低いものとなる。
弛まぬ鍛錬によって素の身体能力は抜群だが、ある程度の身体能力と魔力がある伐刀者なら簡単にそれを上回れてしまう。
魔力による防御も事実上できないため、被弾すなわち命取りとなる危険も非常に大きく、彼の戦いは常にリスキーなものとなる。
魔力に頼ることができないことがいかに問題かという事例は、特殊事例とはいえ作中最初の戦いで示されており、
並外れた魔力を有するステラに対して、剣撃をクリーンヒットさせようが、何の工夫もない「素の防御力」を突破することができないという有様になり得る。
一方で、魔力の概念さえ抜きにすればその戦闘能力は極めて高く、端的に言って超人の域。
見稽古を強いられていたことがきっかけとなって身についた、「照魔鏡」に喩えられる観察眼が最大の武器。
観察眼を用いて黒鉄流の剣術を筆頭に無数の剣術を体得し、それらを下地に独自の技である7つの「秘剣」を使う。
また、固有霊装の都合上自分で使うのは剣術(および体術)だけだが、黒鉄流の武術は剣術以外も体得しており、それを指導する側に回れるほど。
足りないパワーをどっかから補おうとし続けた結果、生物としての生命維持に必要な生命力を戦闘のために引き出す事すら任意に出来る。
総じて「技量」「読み合い」「自己制御」といった分野に限れば、本編初期の時点ですでにほぼ完成された最高峰の能力を持ち、基本的にそれらを以てその致命的な弱点を補っていく。
伐刀絶技
- 一刀修羅
その貧弱すぎる能力を鍛錬で強化して生まれた、一輝の「人より劣るがゆえに死力を尽くさなければならない」という精神性を体現する伐刀絶技。
全魔力…どころか、前述した通り常人なら不随意であるはずの生命維持に必要な最低限の生命力まで引きずり出し、かつ1分間という短い時間に効果を圧縮することで、身体能力を数十倍にまで引き上げられる。またこの状態の一刀は魔力全開であり、敵剣士の魔力防御圏を貫く事ができる。
本人曰く「全力疾走というけれど、本当に全力で走って何もかも使い切るなら、走りきった後に意識があるのはおかしい」
…お前は何を言っているんだ、本当に。
発言通り心身と魔力の全てを絞り尽くして1分だけに叩き込むため、タイムリミットが来るとまともに動けない消耗状態となるうえ、途中で止めて魔力を残すなんて生温いことは不可能。
(それでもヘロヘロ状態で部屋に帰るくらいにまでは制御できてるあたり、やはりどうかしている)
体が消耗状態から回復したとしても魔力が全快の状態でなければ使用できないため、一度使えば再使用には丸1日待つ必要がある。
前述のような普通の攻撃ではダメージにならないといった能力的な限界を打開できる切り札だが、
この能力の何たるかを知っている相手であれば1分間逃げ回ったり防御に徹することで自滅を待つという選択肢があるため、
実戦はおろか試合形式の場でもネタが割れていると*2おいそれとは切れない札として描かれる。
再使用制限が災いして肝心な時に使えないというケースも。
- 一刀羅刹
強敵と満身創痍の状態で戦うことを強いられた絶望的な状況において、一撃で勝負を決するために生まれた伐刀絶技。
その効果は単純で、「1分間」から「一撃を放つだけの時間」まで凝縮した一刀修羅。出力は数十倍を通り越して数百倍とされる。
まさに必殺の一撃だが、できることは単なる剣撃でしかないため1対1専用、かつ一撃で戦闘不能に追いやれなければ敗北必至の博打技なので、輪をかけて迂闊に切れない切り札。
おまけにさらなる限界突破の超運動は肉体の許容量を超えており、使用後は大怪我同然の大ダメージ状態になる。
肉体損傷の回復は割と何とかなる世界であるため、どっちにしろ戦闘不能になるという意味では同じリスクだが。
剣術(秘剣)
- 第一秘剣・犀撃
全速力の突進・刺突攻撃。
破壊力においては突出しているが、一度出したら止まれない非常に大振りな技なので、一瞬の隙が命取りになるような強敵との戦いには適していない。
下方向にぶち込んで棒高跳びのように超跳躍するという応用も可能。
- 第二秘剣・裂甲
刀で寸勁を行う。
至近距離で有効打を与えることができ、刀の間合いの内側をカバーできる。
- 第三秘剣・円
攻撃の衝撃を、肉体を通して受け流す。その威力を乗せてのカウンター攻撃も可能。
元々は体を回転させて受け流す技だったが、筋肉の動きによって受け流すことで余計な動作なしに行える形に改良された。
見切りをわずかに誤ればただ直撃を貰うハイリスクな技だが、完璧に合わせることさえできればおおよそ何でも受けることができるという、ある種一輝のスタイルの極みにある技。
ステラとの再戦の際には、事前にこの技を極限まで練り上げ、覚醒したステラの受けたら即アウトな攻撃のラッシュをひたすら完璧にいなし続ける生命線となった。
- 第四秘剣・蜃気狼
穏急を織り交ざた足捌きにより上下・左右に残像を生み出す。「秘剣」と言っていいのかどうか
非情に使い勝手がいい技なので作中で最も使用されている秘剣であり、作者からも「便利」と評されている。
- 第五秘剣・狂い桜
相手を切り刻み、時間差で傷口を開かせる斬撃。
作中で最も遅く登場した秘剣であり、かといって別段強力というわけでもないので影が薄い存在。まあ性能的にもあまり使い所はなかっただろう。
- 第六秘剣・毒蛾ノ太刀
刀で浸透勁を行う。
人体に致命的な内部破壊を行うこともできるし、装甲を打ち抜いて内部にいる人間にダメージを与えることもできる。
- 第七秘剣・雷光
最高速度から放つ斬撃。
曲者揃いな秘剣の中で、単純明快かつ速さ=強さの側面もあるため破壊力も優れており、秘剣の中でも最初に登場してから頻繁に使われている主力技。
犀撃と雷光は当初一刀修羅状態の身体能力でないと出せない扱いの技だったが、後述の「比翼の剣技」を体得してからはそれを利用することで通常時でも使える技になった。
- 終の秘剣・追影
刀身を手で握り込み、それを鞘に見立てて*3放つ「影が追いつかないほどの速度」の居合斬り。
極限の戦いの中で生まれた正真正銘の最強技だが、相手を迎撃する形で一刀羅刹を発動できないと出せないというだいぶ限定条件な技。
その他
- 模倣剣技
その観察眼により、相手の剣術をその場で見せていない技はおろか、相手が未だ会得していない技を含めて完コピし、挙げ句にその場でアレンジを加えて上位互換の剣術で戦える。
それも対象と一戦交えたその最中に難なく実現可能。
これによって一輝はすでに数百の剣術を会得しているという。
剣術メインの作品であればとんでもないチート能力なのだが、
- 「相手の武器(固有霊装)が刀剣類でないと成立しない」
- 「相手が世界最高峰の実力者でもない限り、剣術合戦なら一輝は元々の技量だけでも十分圧倒できる」
- 「見切るのは剣術なので『相手の伐刀絶技を破る』という最大の課題には貢献しない」
そんな感じで、実際に役に立っている場面は少なく、「コピー能力者」的な運用は乏しい。
その超絶技巧の理由付け、その観察眼がいかに化け物じみているかの象徴的な能力といった感じの位置にある。
なお、別に伐刀者としての能力ではないので伐刀絶技には分類されない。
- 完全掌握
その観察眼により、対象の思考の根源たる「絶対価値観」を完全に掌握する。
桐原静矢との戦いにおいて開眼した、観察眼の極みと言える能力。
ひとたび成立すれば、逃げ回る不可視の相手の動きを完全に予知して追走し続けることすら可能。
模倣剣技より遥かに万能ではあるが、模倣剣技のように初見の相手でも発動できるものではなく、そしてメタ的に言えば「勝手知ったる相手と戦う」機会など作中そうそうあるものではないので、こちらも実際に活かしている場面はかなり少ない。
(ちなみに、アニメ版では綾辻絢瀬との戦いで完全掌握を使っている扱いになっているが、原作だとその描写はない)
- 抜き足
呼吸法と歩法の組み合わせにより、「覚醒の無意識」(目に見えていても実際には認識していない場所)に入り込むことで相手の知覚範囲から消える体術。
学園に臨時講師として赴任している西京寧音から学び取った技で、元はその師匠である南郷寅次郎の技。
南郷の弟子である使い手が他にも出てくるが、一輝のそれは完成度が高く、人混みで多人数の知覚から消えることも可能という超常現象レベルの代物。
- 天衣無縫
最小限の動きによってあらゆる攻撃をいなす、綾辻一刀流の奥義。
一流の使い手の攻撃は簡単にはかわせないが、銃弾の雨くらいなら完全回避可能。他の一流伐刀者なら魔力防御で凌げるような単純暴力も普通に命取りになる一輝にとってはありがたい技。
体得のために見たのはまだ奥義に至れていない綾辻絢瀬の技だけであり、「本人が使えない奥義」を模倣できる実例。
なにも後継者が伝承できない奥義をパクった畜生なわけではなく、元々は綾辻一刀流を道場破りした倉敷蔵人に挑む際に意趣返しめいて使われた経緯であることは関係者の名誉のために記しておく。
- 比翼の剣技
肉体の動きを極限まで制御し、0から100への急加速などの超人的な動作を可能とする、世界最強の剣士と名高い《比翼》エーデルワイスの剣技……というか体術?
諸事情によりエーデルワイスとガチで戦う羽目になり、まるで手も足も出ずに敗れたものの、その際に無意識のうちに模倣に成功。
格上の相手から身につけた都合上明確な劣化コピーにすぎない代物だが、それでもなお劇的なパワーアップであり、前述の通り一刀修羅ありきだった技を通常状態でも扱えるようになるなどしている。
さしずめ野生のラスボスを使ったパワーレベリング。
追記・修正は一分間で全力を使い尽くしてからお願いします。
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- なんで生きてるんだこの男の子と思う反面、どうやったら殺れるかのイメージも湧かない極悪剣士。 -- 名無しさん (2022-06-26 03:20:28)
- 中の人はSAOでは狂気の毒殺魔で松岡とは立場逆転。 -- 名無しさん (2022-06-26 07:44:07)
- ↑2 能力使用のインターバル狙って暗殺すればいけそう。まあ、最強クラスの彼女やらが近くにいるからそれはそれで困難だろうが… -- 名無しさん (2022-06-26 10:09:35)
- 父親は登場してるけど、母親ってでてきてたっけ? -- 名無しさん (2022-06-26 11:11:32)
- チート能力に対抗するためには、別のチートを持たないといけないよね。っていう -- 名無しさん (2022-06-26 19:27:47)
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*2 七星剣武祭編~それ以降はもう十分に名前が知れ渡っているため、作中の大半の時期はネタが割れた状態にある。
*3 陰鉄は抜き身の状態で生成されるので鞘が元々ない。
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