魔王物語物語

ページ名:魔王物語物語

登録日:2010/07/09(金) 12:45:09
更新日:2023/10/16 Mon 13:24:45NEW!
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フリーゲーム カタテマ 魔王 名作 rpg ゲーム 魔王物語物語 まもも rpgツクールxp




「魔王物語」という本がありました。


その本には結末が書かれていませんでした。



『魔王物語物語』は、同人サークル『カタテマ』で製作されたフリーゲームである。
使用されたツールはRPGツクールXP。
キャッチコピーは「シンプルで楽しいRPG」。
よく『まもも』と略称される。




【概要】

有名フリゲ『ネフェシエル』や『イストワール』と同系統の“探索型RPG”に分類される作品。
この手の作品の性質として、決まった順番でストーリーイベントをこなす一般的なRPGとは違い、クリアに至る道順にそれなりの自由度が設けられているのが大きな特徴である。
まあ「あちこち探ってれば何かが起きるから、行ける範囲で適当に冒険してみてね」というゲームだと考えておk。


全体的に難度が高いことでプレイヤーをたびたび泣かせつつ、

  • 装備により自在にキャラ特性や戦術を変えていける戦闘バランス
  • 一風変わったシステムの数々
  • 理解が進むにつれて奥深さを増していく世界観etc……

などが相まって独特の中毒性を醸し出し、多くのプレイヤーを魅了してもいる。


現在でも「面白いフリゲ」という話題では名前が挙げられることが多い。
市販のRPGに飽きて、少し変わった刺激を求める人は手を出してみてはいかがだろうか。




【主な登場人物】

ネグラの住人の項目を参照。



【システムとかいろいろ】

・なんでも装備システム

仲間に加わるキャラのうち、主人公のヒマリを含むメインキャラに適応されているシステム。
『武器』『防具』の装備欄が一つずつある他、ゲストキャラにはない三つの『なんでも』欄が設けられており、ここに道中で手に入るアイテムを文字通りなんでも装備できる、というもの。
本作ではキャラ性能に対して各人の素の能力値以上に装備が大きく影響するため、これらをどう組み合わせるかが重要になってくる。
武器や防具を『なんでも』欄に回すこともできるが、このときは能力の増減値や得られる特性が変化する。元は防具なのに攻撃関連の能力だけ上がったり、下手すると被ダメが増えたり。色々と試してみよう。


・熟練度

一定回数(20回、50回、100回)の戦闘をこなすごとに、装備しているアイテムの性能にボーナスが加算されるシステム。
基本的に初期値の20%ずつ加算され、最終的には1.6倍程度にまで性能が上昇する(例外アリ)。
注意点は、武器と防具はそれぞれ武器欄と防具欄に着けなければ熟練度が上がらないこと。
また、あるキャラで仮に熟練度を最大まで稼いだとしても、他のキャラに持たせた際にはそれが反映されないことにも注意。


・ビンの数だけしか回復アイテム持てないシステム

冒険の途中で手に入る『ガラスのビン』の数量分だけ、各地にある回復ポイントから
『体力回復(HP全快)』
『気力回復(HP小回復、一部ステータス異常回復、SP全快)』
などのアイテムを補充、持ち運べるシステム。
本作ではまともな回復アイテムはほとんどこの二つに限られるため、ビンが少ない序盤は無理をしないほうがいいかも。


・家具のようなものシステム

ヒマリの行動拠点となる部屋に、やキッチンなどといった小物や家具類を購入・設置できるというもの。
どれも何かしらの恩恵を得られるので、(物によっては無茶苦茶高いが)購入推奨。


・料理システム

家具の一つである『キッチン』の購入後に、ヒマリの部屋で行えるコマンド。
道中で手に入る『レシピ』に従い、特定のアイテムを組み合わせてここ限定のアイテムが入手できる。
材料自体も一つか二つしか手に入らないレア物だったりするので、実際に料理するかどうかはプレイヤー次第。


・おもしろエンカウントシステム

過去作品で開発されたシステムの応用版。
敵シンボルに「接触する」のではなく、「ある程度接近する」ことで戦闘開始条件が満たされるというもの。
また、戦闘が始まるまでに数秒間の猶予時間が設定されており、この間に他の敵シンボルに接近するとソイツとも戦わなければならなくなる。
猶予時間になるや、ヒマリ目指して高速で飛んでくる厄介な敵もいる。


接敵時のヒマリと敵との位置関係も重要なポイントとなっていて、同じ「敵二体と戦う」状況にしても

  • 二体とも「近い角度」でエンカウント ⇒ 一体を攻撃したとき、もう一方も巻き込める
  • 一体は右、もう一体とは左下など「角度が離れた」状態で接敵 ⇒ 一度にはどちらか片方にしか攻撃が届かない

……といった戦況の変化が生じていく。
これを利用して複数の敵を一撃で殲滅するのもいい(敵の数が多いほど経験値やアイテムドロップ率にボーナスが付く)が、位置取りをしくじって包囲された時には相応の損害を覚悟しよう。


余談だが、戦闘が終了するごとにHPとSP(他作品でいうMP)がわずかに自動回復するようになっている。
ただし時間経過で少しずつ回復する仕様なので、回復しきる前に他の敵とエンカウント……なんてことにならないよう注意が必要。


・戦闘スキル関連

各キャラクターが習得する戦闘スキルの中には、体力が一定の割合まで減らないと使えないものが多い。
このため、リスクを承知で体力を減らしたまま進むか、体力を回復し堅実に戦うかを常に迫られることになる。
ひどいものだとHPが40%を切らないと使えなかったり。




【本作の難しさについて】

先に少し触れたが、概ね『まもも』は二つの意味で“難しい”作品と認知されている。



1:攻略難度の高さ

開始早々、最弱レベルの敵にあっさり殺られたりするレベル。
何の前情報も無しにゲームを始めたプレイヤーは大抵の場合、ただのネズミ相手に屍を晒すことでこれに気づくこととなる。
で、いくらか慣れた頃に『殺人ネズミ』に殺られるのもお約束。
また本作の「決まった攻略ルートが提示されない」性質上、推奨レベルからかけ離れて敵が強いエリアに踏み込んでもすぐには気づけない。
しかも「戦闘が始まれば逃走不可」という仕様なので強敵にエンカウントしてから後悔しても時すでに遅く、死んで初めて「あ、まだここに来るの早かったんだ……」とプレイヤーは理解していくのだ。
というか全滅するたび『全滅履歴』なんて記録がつけられていくあたり、この「死んで覚える」スタイルは作者が狙っているものっぽい。


敵との遭遇はシンボルエンカウントに近い形式(先述のおもしろエンカウントを参照)なので、上手く敵を避けてお宝を漁る……なんてことも狙えなくはない。
実際には絶対避けられない位置に敵が配置されていることも多いため、あまり通用しないが。


他にも様々な高難易度要素がある。

  • 敵の判定が広く、避けて進むのは難しい。逃げられないことも相まって、下手に動くと囲まれて即死することも
  • HPがシビアなのに敵がクリティカルを出す。計算が狂って死ぬ
  • 「HPが減っていないと使えないスキルがある」「戦闘後、自動回復する」の組み合わせで、集めてスキルで殲滅する速攻戦術がやりにくい。装備の調整でわざとHPを減らす手はあるが裏技の類
  • 以上のようによく死ぬのに、回復・ショートカット・セーブポイントがそれぞれバラバラな上にまばらに配置されてるため、死ぬとかなり戻されることもしばしば
  • 取り逃がすと入手できない有用アイテムなど時限要素が結構ある

これらの不条理な点はソウルライクがこの世に生まれ、「難易度が高いが面白いゲーム」のノウハウが貯まる前の作品なので仕方ないが、今からプレイするなら覚悟が必要だろう。


2:ストーリーの理解そのものの難しさ

要するに、「どんな話なのか分かり難い」ということ。
端的に説明するため、本作のあらすじを紹介してみると……。


~あらすじ~


主人公ヒマリは魔王物語の結末を求め、島にやってきました。


マジでこれだけ。


実際にニューゲームを始めても、オープニングデモやそれに関するイベントなどほぼ皆無。
どうして魔王物語とやらの結末を求めているのか、
ヒマリという女性は何者なのか、
この島というのはどんな場所なのか、
それ以前に魔王物語って何なのか、とか、そういった一切の説明を放置して冒険に放り出されるのだ。


その後においても、親切に攻略の指針を示してくれる“村人役”の存在など期待できない。
探索先で会う『ネグラの住人』たちには言葉のキャッチボールをする気などさらさらなく、おのおの好き勝手なことを呟くばかり。
そもそもヒマリ自身が一言も会話に参加しない始末である。
そんな状況なので、作中の世界観や設定、ストーリーを知るには、シナリオ進行に従って増える用語集などの断片的な情報を元にプレイヤー自身が内容を噛み砕いて理解していかなければならない。
ぶっちゃけ、ラスボスを倒しても「結局どんな話だったの?」なんてことが十分にあり得る。……というか、一度クリアしたくらいだと理解しきれないプレイヤーの方が多いかもしれない。
まあそのぶん、物語の骨組みがある程度「掴めて」きたときの嬉しさや楽しさもひとしおなのだが。


そうした仕様上、ネタバレはこのゲームの魅力を大きく削ぐ
結末や大筋を知ってしまった物語に何の価値があるだろうか 。
攻略を見ないと見逃しやすいアイテムなどは多いが、幸いにも二度ととれないアイテムは少ないので初回プレイは是非ノーヒントでエンディングまで辿り着いてほしい。



以下、初プレイにありがちなこと

  • ネズミに殺される
  • 最初のネズミの被害を忘れた頃に殺人ネズミに遭遇
  • 一匹ずつなら……うわあああああ
  • ものすごいネズミに殺される
  • 鋭魚に撫でられただけで死ぬ
  • サソリにリンチされる
  • デフォーミティにホームラン
  • 溺死
  • あいきゃんふらい
  • 白……竜……?
  • クビキリの弱さに失望
  • 黙れちんぽ野郎
  • 横斬り技は火属性
  • ↑アホくさ



【関連作品】

  • 有志がカワードのその後を描いた『レレレ物語』
  • 本作を製作する中での裏話などをまとめた『魔王物語物語のつくりかた』
  • 『大陸編イラスト集』と同梱で販売されている『愛と勇気とかしわもちかい(何故かry』

ファンからは続編の要望が多数寄せられているが、現時点では「続編を作るかどうかは未定」とのこと。




主人公アニヲタはwiki物語の追記・修正を求め、島にやってきました。


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  • がっつり内容を追記したいんだけどやってもいいだろうか -- 名無しさん (2013-06-10 05:25:25)
  • ヤッチマイナァ! -- オーレン石井 (2013-06-10 08:48:37)
  • ↑ヤッチマッタ。おかしいとこあったら誰か追記・修正お願い -- 名無しさん (2013-06-10 09:27:14)
  • 文庫版が楽しみすぎる。島の世界観やら設定がどう書かれるのかとか -- 名無しさん (2014-09-06 22:39:44)
  • この作品のエンカウントシステムは商業作品のMOTHER2あたりの先例を考慮に入れてもかなり斬新だとおもう とはいえ有名作品だけども、エンカウトのシステムを真似する追従作品みたいなのが今のところ出てこないのはどう作っても難易度調整が難航することが目に見えているだろうからか -- 名無しさん (2022-02-23 22:07:43)

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