不破真広

ページ名:不破真広

登録日:2023/01/01 Sun 22:30:03
更新日:2024/06/28 Fri 13:36:29NEW!
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絶園のテンペスト 主人公 もう一人の主人公 豊永利行 三瓶由布子 金髪 イケメン 完璧超人 義兄 シスコン 復讐者 エゴイスト 合理主義者 策士 豪胆 大胆 非童貞 モテモテ きれいなジャイアン 復讐鬼 東京大学 不良 どう見ても悪役 ギャル男 年上好き 不破真広 正月に立った項目



「_あの時トウモロコシ渡してたのが愛花の彼氏かっ!?」\ガバッ/


「…?」\キョロキョロ/


「随分と奇抜な寝言だな、悪い夢でも見たか?」
「なんだ左門か…生まれてこの方、夢なんか見たことねぇよ」
「可愛げの無い奴」
「るっせ。…オレが寝てる間に、ガンガンが廃刊になったりはしてねぇようだな」
「ああ」


「今は何月何日だ?」


「1月1日だ。_あけましておめでとう」


「そうか…じゃあ西暦は何年だ。誰かさんみたいにリップバーンウィンクルは御免だぜ」


「2023年」



「10年経ってんじゃねーかっっっ!!! 不合理だっ!!!!」*1






不破真広とは、『絶園のテンペスト』の主人公の1人である。
よく書き間違えられるが「真尋」でも「真優」でもない。



概要

CV:豊永利行、三瓶由布子(幼少期)


城平京(原作)・左有秀(構成)・彩崎廉(作画)による漫画『絶園のテンペスト』の主人公。
人物紹介の際にはもう1人の主人公である滝川吉野の次に掲載される。


年齢は初登場時高校2年生。
何不自由ない裕福な家庭に育ち、もう1人の主人公である滝川吉野とは
義妹(父の再婚相手の連れ子)の不破愛花を交えた3人でつるんでいた親友同士であった。
幼い頃から悪ガキだった真広にとって、吉野はいいブレーキ役(と言いつつたまにアクセル役)として機能しており
小学校時代から「真広係」と言われるほどの凸凹コンビであった。*2
義妹である愛花を口ではゾンザイに扱いながら(愛花もその性格ゆえに軽口で返していた)もその実、目の中に入れても痛くないほどに愛していた。


しかし1年前の高校1年の秋に、両親と愛花は謎の死を遂げる。
現場は密室、物取りでもなく凶器も発見されない完全な不可能犯罪は、警察も暗礁に乗り上げ迷宮入りしていた。
溺愛していた愛花を殺した犯人への復讐に囚われた真広は学校にも来なくなって消息を晦まし、自分一人で犯人探しに明け暮れる。


が、そんな中で真広は、砂浜に打ち上げられていたボトルメール(瓶詰の救難信号)を拾う。
その中には「魔法使い」の一族・鎖部葉風の作り出した簡易通信魔具(木の人形に鉄釘を打ち込んだ物)が入っていた。
絶海の孤島に樽詰めにされて閉じ込められた葉風は、何とかしてボトルメールを拾った人を手足に島からの脱出を試みていた。
愛花の理不尽すぎる死には、この世の理を外れた「魔法」が関わっていると推察した真広は葉風に協力する傍ら、
愛花の復讐という目的を成し遂げるための「駒」として彼女を利用することとした。
葉風もあまりに復讐、復讐とうるせー真広の純粋さを信じ、これを許諾する。
こうして真広は、なし崩し的に葉風を孤島に流した鎖部一門の現当主・鎖部左門と対決していく事となる。



人物像

外見

クセの多い金髪(地毛)と、血のように炎のように真っ赤な瞳が特徴的な少年。
服装は寒色系が多い吉野とは対照的に暖色系のコーデが多い。
一見して不良っぽい外見であり、原作者をして「見るからに悪っぽいデザインにした」と言わしめている(笑)。
顔立ちは非常に整っており、公式でイケメンとされ、女性にも余すところなくモテる。(まあ本編での惚れられ方は吉野にボロ負けであったが)
大人組と比べると頭一つほど小さい(アニメではそこまででもない)ため、おそらく吉野ともども身長は16…おやこんな時間に誰だろう?


総論

一言で言い表すなら「人のいい独裁者」である。
表向きは真面目で礼儀正しい吉野とは正反対に、傲岸不遜・自信過剰が服を着て歩いているかのようなトンデモナイ不良少年である。
山本や左門といった年長者に対しても敬語など全く使わず、ズケズケと物怖じせず応対する。
愛花からも「王族みたいな人」と言われるほどのオレ様っぷりであり、物事の全てが自己中心である。
併せて本人は頑として否定するが、愛花を死ぬほど溺愛していたツンデレシスコンであり、
そのことを羽村から指摘された際には周囲一同内心「よく言った」と思っていたほど(笑)。


左門による黒鉄病の蔓延(要するに超悪質なバイオテロ*3)を受けても、基本的に「復讐のついでに叩き潰してやるか」というスタンスを全く崩していない。
信心も全く無く、アニメ版では黒鉄病で家主の死んだ家にすぐさま侵入して吉野と共に宿泊しようとしたほど。
その自己中心ぶりの極めつけは、富士山での左門との論戦中、左門の情報開示により葉風の孤島脱出が不可能になるや否や、
何の躊躇もなく葉風を切り捨て、どう見ても圧倒的優位に立っている左門を暴力で脅して言うことを聞かせようとしたシーンであろう。
少年漫画の主人公の自覚があるのか、オマエ…。


んが。だからと言って真広が自分以外の全てを見下している悪魔のような人間かといえば、そんな事は全く無い。
真広はその言動や外見から誤解されがちであるが、その性根は恐ろしいほど真っ直ぐである。
彼が何よりも嫌うのは「不合理」。全てを原因ありきの結果と考える真広は、理屈に合わない事が大嫌いである。
愛花の死に関して憤っていたのも、「殺されるような謂れもなければ、物理的にも不可能な犯行だから」というのが根底にある。
少しくらい実父と愛花のカーチャンのことも思い出してやれ
そのため無意味な虐めな暴力を行うことはなく、むしろそういった部類の行動は不合理だと倦厭している。
まあ、だからと言って吉野とは違って被る猫を宇宙空間まで投げ捨てているような人格ゆえに、荒事は絶えなかったようだが。
そういうわけで、裏を返せば「筋が通っている正論」には弱く、その凡庸さ・アホさ・ヘタレさ・読者の代弁者ゆえに躊躇なく正論をぶちかます
羽村めぐむには意外とシッペ返しを食らっていたりする。


本作の登場人物は皆なにがしかの二面性を抱えている(例:冷酷なトリガーハッピーかと思ったらポンコツでドジでお人よしのネーチャン)。
真広は特にその傾向が強く、情動的でありながらも理知的であり、独善・露悪的でありながらも義理堅い
基本的に真広は主人公でありながら、愛花と潤一郎以外の登場人物ほぼ全員(吉野含む)と1回は敵対している*4という、
改めて文章にしてみるとトンデモなくアブネー奴であるが、反面その誰とも最終的には和解し、それでいて気に入られている。
特に早河からは、どことなく自分たちに似た大局的な見地から物事を見いだせる明晰な頭脳と胆力を買われている。


「見た目は抜き身の刀みたいなDQNだが実は割といい奴」である真広は、「見た目真面目な常識人だが、実は真広と同等かそれ以上にぶっ飛んでいる」吉野とは
何から何まで正反対な男であるが、それゆえに背中合わせの絆を築けたとも言える。



各論

上記のような性格を踏まえたうえで掘り下げていくと…まあ、書くことに困る。
何せこの男、本当に厨スペック極まりないからである。


  • まず実家が資産家であり、超太い。家もまるで海外ドラマに出てくる富豪のお屋敷である。
  • 再婚(離婚か死別かは不明)した義母との関係も良好。
  • 親の教育方針により家事も万能、綺麗好きで片付け上手。
  • よっっっぽど不合理なこと(葉風が吉野に惚れた事とか)以外には物怖じしない豪胆さ、そして行動力。
  • 運動神経抜群で、後述する通り腕っぷしも中々。
  • 教科書を一回読んだだけで暗記・理解できるなど頭脳明晰で、高校入試は主席合格。アニメ版では不良学生いっぱいいたので偏差値はそうでもないのかもしれんが
  • それに加え様々な文学や雑学にも精通するインテリジェンス。
  • 注意力が高く、見た目に反してかなり気が利く。例としてはアニメ1話で吉野がケガをしているのにいち早く気付き血を拭うなど。
  • もちろんイケメン。

なんなんだこの野郎設定盛り過ぎじゃねえか!!! 漫画の主人公か!!!(そうです)


とまー、こういう具合に女性にモテる要素は有り余り過ぎてカンストしており、それはそれは非常にモテる。
本人も愛とか恋とかそういうのにはいちいち本腰を入れない(何せ口癖が「不合理だろ!」な男である)カラッとした性格なのもあって、
もはや交際人数は計測不可能(9.5巻より)、当人もあまり気にしていない。
ちなみに愛花が死んだときに難を逃れていたのは、「真犯人」が真広を逃がさなければ詰んでいたという裏事情を除けば
真広が朝帰りしていたからにほかならず、明言はされていないが非D(ry


城平先生によれば「実は女性は離れていく事はあるが、去る者は追わず来る者は拒まず。故に自分から振ることはない」そうで。もげろ。
吉野曰く「年上好き」で、愛花に対しても「てめーみてーな乳もねー尻もねー女に欲情するか」と軽口をたたいていたので、
実は案外どこぞの乳のバカデカいネーチャンあたりが好みだった可能性がある。当人も初交戦時に「いいぜその強気な所」とか言ってたし
まあ、最終的に「15歳くらいの女の子」という心の琴線に触れる相手を黒鉄病から助けたのがきっかけで、恋仲になっていたりもするのだが。
製作時期の都合でアニメには出なかったけどね 


戦闘能力に関しては、吉野と一緒に複数人の不良と戦い、それなりに怪我はあれど撃退しているので素人の中ではかなり高い部類に入る。
そもそも真広(と吉野)は相手に物怖じしない上に状況判断能力が異常に高いため、必然的に身体能力を十二分に発揮できるらしい(9.5巻より)。
実際のところ、第1話では自分より大柄なエヴァンジェリン山本28歳無職独身の顔面を片手でつかんで頭より高く持ち上げるという
かなりの腕力が無ければできないことをやっている(魔力の補助によるものではない)。
が、所詮は一介の「やたらと喧嘩の強い高校生」。夏村や潤一郎などに比べればその実力は大人と子供の差。
洋上での最終決戦時には名指しで足手纏い呼ばわりされており、原作漫画では主人公なのに前線に全く出てこないという極めて異例な扱いになった。


そのほか趣味嗜好を列挙すると、以下のようなことが分かっている。

  • 冬の夜空を眺めるのが好き。夏は暑いし蚊が寄るから嫌い。
  • トランプが下手。
  • 利き手は基本右だが、実は完全な両利きで左でも大抵のことはできる。


作中での同行

・序盤(1・2巻)
物語第1話で故郷の藤沢市に「絶園の果実」が向かっていることを知り、果実にひかれて飛ぶ揚羽蝶の群れを追って海を渡る。
その最中、自分の墓場の前で吉野に銃を向けていた乳のでかい女がいたので2ページ見開きで安全靴履いた飛び蹴りをぶちかまし、吉野(と読者)を驚愕させる。
乳のでかい女が起き上がって思いっきり銃撃しつつ詰問するとめんどくさげにバリアで一蹴、
銃弾の雨を難なくいなし、最後は顔面を掴んで地面に叩き付け一発KOという凄まじい初登場を見せた。
詳細はエヴァンジェリン山本の項目に譲るが、アニメ版では更に酷い。
ちなみにもしここで手加減をせず山本を死に至らしめていた場合、直後に葉風との意思疎通手段は完全に断絶し、左門が圧勝して早々に物語が終わっていた。


魔具を携えた自分の近くにいたことで吉野(ついでに山本)が黒鉄病から救われたことを知ると安堵し、
護身用の魔具を彼に渡すと「彼女がいる奴を復讐には関わらせられない(意訳)」と一旦吉野と別れ廃墟と化した自宅に向かう。
が、葉風の探索魔法を用いても犯人の糸口は掴めず、仕方なく葉風がこんなこともあろうかと秘蔵していた魔具を回収。
そこで探索に来ていた鎖部夏村に遭遇し追いつめられてしまったが、結局旅に同行することを決めた吉野と合流し、難を逃れる。


2人は葉風が協力者として紹介した星村潤一郎恥ずかしい合言葉を言いつつ助力を頼もうとするも、
そこで星村から、「自分はすでに葉風の葬式に出ており遺骨も確認した」という情報を知ることとなり、
協力を取り付けつつも何とか辻褄を合わせようと思索しながらその場を後にする。


この時すでに吉野はかませ乳…もとい山本と和解し、秘密裏に軍とのパイプを形成していたが、真広には知らせていなかった。
原作では吉野が早河陣営と内通するシーンでは「彼女との長電話」で済まされていたが、
アニメでは吉野が早河たちに拉致される演技を打って合流している。
…が、そこはやはり義理堅い真広君、吉野の予想を裏切って単身早河一派の陣地に殴りこんでくる
吉野は早河や山本と合意の上で「無事に早河の魔手から逃げ出せた」芝居を打って、再び2人は左門たちの拠点である富士山に向かう。



・富士山編(3・4巻)
迎えた富士山での軍*5と左門一派の会敵の折、吉野と共に左門の下にたどり着いた真広は、
日本列島をぶっ壊しかねないという魔具をカードに葉風の救助を左門に求めるが、そこで遺骨を明示され、葉風は既に死亡しているという確固たる事実*6が明かされる。
実は葉風の通信魔具は、3年の時を超えたタイムシーバー状態になっていたのである。
愕然とする葉風を用無しと見限った真広は先述した通り左門を次なる協力者に見据え、愛花殺害犯を探すという自分自身の目標に走る。
が、結局左門ら鎖部一門の力を結集しても、犯人の痕跡は見つからなかった。
何故なら、鎖部の魔法で人を殺すと必ず一定期間「罰」として一切の魔法が使えなくなるからであり、
1年前に人を殺したばかりの魔法使いなど、すぐ魔法が使えなくなってバレバレになってしまうからである。


結局吉野の機転により葉風は全裸で現代日本に期間を果たし、まるで示し合わしたかの如く『はじまりの樹』は枝を伸ばし吉野と真広を貫いた…。



・絶園の魔法使い編(6~9巻)
冒頭の茶番劇のような永い眠りから覚めた真広は、『はじまりの樹』が世界を征服したことを左門から聞かされる。
鎖部一族と葉風、潤一郎、そして早河一派と役者たちは一応の一枚岩となってこの抑圧された世界_いずれ訪れる文明崩壊から逃れる策を考えることとなった。
真広としても今の身内ときたら左遷された役人にこの時点では勝率0%の無職女、
『絶園の樹』復活という戦略的目標に失敗した魔法使いども、オッパイ星人テンで頼りないことは身に染みており、
「それならせめて協力する傍らこいつらを『駒』として使えるだけ使って愛花殺害犯を探し当てよう」などと内心考えていた。


が、急転直下、吉野と葉風から『絶園の樹』の魔法使い・羽村めぐむを発見したとの一報が入る。
攻撃に特化し何のリスクも負わない「破壊魔法」を司る絶園の魔法使い…もはや「私は怪しいです」と首から札をぶら下げているような輩である。
はやる真広は山本や左門らとともに羽村の殺人容疑を尋問しようとするも、
羽村にはアリバイがあり、おまけに人どころか虫も殺せないような性格で「こりゃどう見てもシロだ」とあっさり判定。
以降は『絶園の樹』の力で『はじまりの樹』を駆除することが可能な羽村を鍛え上げるべく、潤一郎らとともに羽村を鍛えまくることとなる。
この尋問以降、話が基本的に群像劇のていをなすようになるので、真広は大人サイド中心、吉野は葉風とのコンビで動くのが中心となる。



一枚岩と見せかけて全然そうではないチームごった煮軍団は、水面下で腹の探り合いをしつつ『はじまりの樹』討伐という共通の目的のために走る。
果たして愛花を殺した犯人とは誰か、そして実は愛花の恋人であった吉野(気づけよ)を真広は赦すことができるのであろうか…。





「…ここで終わりかよ左門。もう10年も前のアニメなんだからオチまで言っていいだろうが」
「そこはせめてもの配慮というものだ。そしてここから先は、オマエ自身が記すこととなるだろうよ、不破真広」
「ハッ、結局は丸投げかよ。まあいい…」




「クソ記事だろうが立て逃げだろうが知ったことか。オレがついでに追記・修正してやるよ」


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*1 アニメ放送は2012年10月~2013年3月。原作も同時期に完結した
*2 アニメではオリジナルエピソードが掘り下げられており、そのころから吉野が一枚上手であったことが明かされている。
*3 ネタバレになるが、終盤ではなんとこのバイオテロをやらないと人類は石器時代まで文明が戻されるという事実が発覚する。つまりは左門がやらなくても誰かがこれをやっていた可能性は高い
*4 漫画版のみ、早河とは敵対してません。
*5 『絶園』世界ではとっくに自衛隊が軍に昇格している。
*6 詳細は省くが、吉野が付けるよう命じた「とある落書き」が遺骨の収まっていた樽に刻まれている。

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