概要
LLNC:Out Break(以下、LLNC:OB)は、荒廃したネオンシティが舞台の世界線です。機械仕掛けの霊安室にあるとある棺桶から吹き出す血しぶきが赤い霧となり、街を覆っています。その血しぶきを一定量浴びた者は、体が膨れ上がりやがて心のない怪物になります。元の人格に一切関係なく、怪物になれば相手に構わず周囲の存在を喰らい尽くすようになります。
シナリオ
霊安室の棺桶には、一つだけ変わった棺桶がある。とにかく腐臭がひどいだけでなく、その棺桶だけが血肉に覆われているのだ。ある日、ネオンシティのわんぱくな子供が霊安室を訪れた。部屋の中にいたドレッドは彼を一瞥する。子供は霊安室ではしゃぎまわる。霊安室自体に危害を加える様子はないので、霊安室の重火器は反応を示さない。この子供は耳障りだ、そう思ってドレッドが霊安室を出ようとしたそのときだった。子供は純粋な好奇心で、風変わりなあの棺桶に手を触れた。
――そして、惨劇が始まった。手を触れた瞬間に棺桶から蓋が滑り落ち、中から大量の血しぶきが溢れ出した。事態の異常性をいち早く察知したドレッドが子供に駆け寄り部屋から連れ出すも、子供の体はぶくぶくと膨らみだし、やがては心のない怪物になった。彼は理解した。この液体は明らかにただの血ではない、と。彼はすぐに逃げ出し、姿を変えて街を一望できる展望台へと登った。しかし、そこから見える風景は凄惨たるものだった。シアンとマゼンタに輝くネオンシティが、徐々に紅色に染まっていく。高い腐食性を持った液体によって、機械が次々と停止する。そして街の人々は、一人、また一人と怪物に成り果てていく。仲の良い兄弟も、行動を起こせない小心者も、猛獣となれば周囲の者を誰某構わず次々と喰い殺すようになった。
あれから何日が経っただろう? ドレッドは放浪を続けながらふと思った。街の光はすっかり消えてしまった。どの店もシャッターが閉まっている。元の姿を残した者たちは自警団を作り、いつ変化するかもわからない自らの身体に怯えながら生きている。あんなに性欲に溺れ盛っていたスラムからは、もう何の音も聞こえなくなった。
――あのとき子供を止めていたら、あの日々が続いたのだろうか? 宛もなく彷徨うことに変わりがないのなら、せめて周りは明るくあってほしかった。皮肉かな、ボクは綺羅びやかな街をあんなにも嫌っていたはずなのに、今ではあの冷たいネオンの光さえ恋しくなっている。なんとか言ってくれよ、市長。これは、あんたが仕掛けた壮大なドッキリイベントなんだって……。 いや、そうでなくていい。何でもいいから返事をしてくれ……!
霊安室の十字架の機械は崩れ落ちた。大通りのシャッターも錆付いて動かない。夜が明けても、昇るのは紅い朝日。悪夢は終わらない。永遠に、永遠に。あのありがたい平穏はもう取り戻せない――そのことを、腐って折れ曲がったネオンタワーが象徴していた。
OB限定の設定
プリズム市長:ネオンタワーに貫かれているが、タワーと同化して生き続けている。時折街に響く耳鳴りのような高音は、人により市長の苦痛による叫び声だとわかるだろう。
ラウ・イオ:怪物化するも、心を残している。2人は混じり合い、奇妙な見た目になってしまった。
タラントス牧師:教会で錆付き、機能を停止した。
ドレッド:放浪を続けている。どれだけ血を浴びようと怪物化しないが、その事実はドレッド自身が既に無形の怪物であることを示している。
関連外部ページ
「【LLNC:OB】告解【微閲覧注意】」-LLNC:OBでの、ドレッド・ノヴァの放浪記。街や市長の状態などの描写も含まれている。
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