新浪 剛史(1959年〈昭和34年〉1月30日 - )は、日本の実業家。三菱商事出身で、ローソン代表取締役社長を経て、2014年よりサントリーホールディングス社長を務めた。創業家以外の出身者として初めて同社のトップに就任した。日本を代表するプロ経営者の一人と目される。
経歴
生い立ち・学歴
1959年、神奈川県横浜市に生まれる。横浜市立桜丘高等学校を経て、慶應義塾大学経済学部に進学。大学時代はバスケットボール部に所属した。 1981年、慶應義塾大学を卒業し、三菱商事に入社。1991年には社内選抜制度によりハーバード・ビジネス・スクールへ留学し、1993年に経営学修士(MBA)を取得した。
三菱商事・ローソン時代
帰国後、三菱商事内で給食サービス事業を行う「ソデックスコーポレーション(現・LEOC)」の設立に参画し、代表取締役社長に就任。赤字事業の再建に手腕を発揮した。 2002年、三菱商事が筆頭株主となった株式会社ローソンの社長に43歳で就任。「マチの健康ステーション」を掲げ、ナチュラルローソンの展開や生鮮食品の強化、プライベートブランドの刷新を指揮し、コンビニ業界におけるローソンの地位を確立した。
サントリーホールディングス
2014年10月、サントリーホールディングス会長の佐治信忠からの強い要請を受け、同社代表取締役社長に就任。創業115年の歴史の中で、創業家(鳥井・佐治家)以外からの社長就任は初として大きな注目を集めた。 就任直前に買収した米蒸留酒大手ビーム社の統合(PMI)を指揮し、「ビームサントリー」を中心としたグローバル経営体制を構築。ジャパニーズ・ウイスキーのプレミアムブランド化と海外市場の拡大を加速させた。
経営哲学・人物
「やってみなはれ」の再定義
サントリーの創業精神である「やってみなはれ」を、現代的なグローバル経営の文脈で再定義している。挑戦を推奨する一方で、徹底した数値管理と「規律(ディシプリン)」を導入し、論理と情熱を融合させた経営スタイルを特徴とする。
現場主義と多様性
「本質は現場にある」という信念を持ち、ローソン時代から続く徹底した現場視察を継続している。また、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を単なるスローガンではなく「生存戦略」と位置づけ、国籍や性別、キャリアに縛られない多様な人材の登用を推進している。
「45歳定年制」発言
2021年、経済同友会のセミナーにて「45歳定年制」を提唱し、社会的な議論を呼んだ。これはリストラを推奨する意図ではなく、個人が組織に依存せず、リスキリング(学び直し)を通じてどこでも通用するプロフェッショナルな実力を磨くべきであるという、日本の労働市場の流動化と個人の自律を促す意図によるものであった。
新浪氏が目指す「プロフェッショナル集団」
「会社に守られる」という受動的な姿勢から、「自分の専門性で会社に貢献し、正当な対価を得る」という能動的なプロ意識への転換を推進した。このことは、サントリーの伝統と革新を両立させることに貢献している。「サントリーというプラットフォームを使い倒して、世界を変えようとする自律した個人の集合体」を目指した。
主な受賞歴
• 2012年:フランス共和国国家功労勲章シュヴァリエ
• 2021年:イタリア星勲章コンメンダトーレ
著書
• 『ぼくの「経営学」』(新潮社)
• 『「自分」を磨く働き方』(PHP研究所)

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