【20██年█月██日午前██時頃】
「そっちの避難は終わったか!!!」
カラン:終わった!あとはアニマルガールたちを逃がすだけよ!!!!
「了解した!!!カランは自分たちの子を優先してあげてくれ!!!!」
カラン:わかった!!!!
[ナリモン水族館。いつもなら平和な日常の続くこの水族館だが、今日は違った]
[ベルーガシンフォニー、オルカテリトリー、スタジアム、ドルフィンラグーン、ペンギンの岬、職員寮。全てのエリアがボロボロに破壊され、セルリアンが徘徊している]
[職員たちは来園者及び、アニマルガールたちの避難に追われていた]
カラン:オルカ!!ルル!!逃げるわよ!!
[オルカ。髪が左右非対称のTDシャチのアニマルガール。もう一方はルル。背びれのないカマイルカのアニマルガールだ。カランは二人を連れ、港へと向かおうとしていた]
オルカ:わかってるけどな!この量はッ!!
ベキッ!!
バッカァン!!!!
オルカ:さすがのうちでも抑えきられへんで!!!
ルル:ねぇさま……。
カラン:それでも押し切って逃げるしかないでしょ!!
オルカ:ったく無茶言う!!あーもーシャラくせぇ!!オルカサーフィン!!!!
[オルカのスキル、オルカサーフィン。本来はサーフボードを生成し、移動用として扱うスキルだが、シャチの形で生成されれば話は変わる。オルカはそのシャチに二人を乗せ、行く手を阻むセルリアンを次々と破壊しながら港へと急いだ。だが、港には巨大なセルリアンが立ちはだかっていた]
オルカ:……チッ…めんどくせぇのがおるな…。
カラン:…これは…参ったわね…。
オルカ:…問答無用、うちがやる、姉さんとルルは逃げることに専念しろ
ルル:うん…。
カラン:……。
ガシッ
ブンッ
[カランはオルカとルルの腕を掴み、精一杯の力を込めて二人を船へ乗せる]
オルカ:ちょ!姉さん!!
カラン:……あんた達だけでも生きていけるでしょ、ここはナリモン水族館、職員のあたし達が対処しないとでも思った?
オルカ:……でも…!!
バサッ
[カランは白衣をオルカとルルが乗る船へ投げ入れた]
カラン:……二人ともあたしが教えたこと、ちゃんと覚えててね………じゃあね、オルカ、ルル。どうか生き
ドッ
[巨大なセルリアンが放った一撃がカランを襲い、飲み込まれた。一つの命が、セルリアンの手によって奪われた]
ルル:ねぇ…さま……ね゛ぇ゛さ゛ま゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛
オルカ:カランねえええええええええ!!!!!!!!!!
パキッ
[カランがセルリアンに飲み込まれたとほぼ同時に海面が薄く凍り付く]
ルル:ルルの…ねーさまを……あたしの……お母さんを……
ルル:返して……!!!!
バキィッ!!
[覚醒。とも言えるのだろうか。その瞬間、ルルの周囲の海面が一気に氷で覆われた。ルルはカランが着ていた白衣を身に纏い、無意識ながらも悲しみと怒りによって自身の能力を極限まで引き出していた]
ルル:オルカ姉、あれはあたしがやっつける。あたしの故郷を平和にする。
オルカ:……っ!!……ルルも…言うようになったやんけ。しゃあないな…オルカサーフィン!!
[オルカは再び移動用スキルを使い、ルルを巨大なセルリアンの近くへと運ぶ]
オルカ:おらそのチカラぶちかましてこい!!!スパイホッピング!!!
ルル:うんっ!!
[そしてルルを巨大セルリアンの頭上へと打ち上げ]
オルカ:オルカブリーチング!!!
ルル:凍り付いてぇぇぇぇぇ!!!!!!!
パキ…
バッカァァァァァン!!!!!
[巨大なセルリアンはコアを破壊され、粉々に砕け散る]
ルル:やった!!
オルカ:…けど、まだ終わっとらへんで
ルル:…わかってる、わかってる……姉様が戻ってこない事も……わかってる……。
オルカ:………。
[オルカは巨大なセルリアンが砕け散った場所に横たわっていたカランの亡骸を抱き上げる]
ルル:………ありがと、姉様っ。
オルカ:………帰ろう、姉さんも一緒に…。
[オルカ達は巫女ハウスへと足を運んだ]
[3人の家へ]
[思い出の場所へ———————]
———————ただいま。
「おかえりなさいっ!ご飯出来てるわよ!」
—————————Fin—————————
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